JPH06189069A - 画像読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着型イメージセンサの画像読取面の耐久性
の向上を図る。 【構成】 密着イメージセンサ10の原稿読取面であるガ
ラス体11上に、光透過板12を着脱可能に設けて、ガラス
体11表面を保護する。光透過板12が原稿押えローラ15や
原稿16によって摩損、あるいは損傷を受けたときは、光
透過板12のみを交換し、イメージセンサとしての機能を
良好に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ，スキャ
ナ，複写機などに適用され、密着イメージセンサを用い
て原稿読み取りを行う画像読取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ファクシミリなどの比較的小型
の画像読取装置にあっては、ユニット化されていて小型
化が可能であることや、メンテナンスおよび取り扱いが
容易であることから、レンズ，ＣＣＤなどで構成される
読取光学系を装備する代わりに密着型センサが多用され
ている。

【０００３】しかし、密着型センサとして通常用いられ
ている短焦点結像レンズ、例えば、セルフォックレンズ
(商品名)は被写体深度が±0.3mm程度と浅く、この範囲
外の読み取りは困難である。そこで、セルフォックレン
ズなどの密着型センサを使用する画像読取装置では、原
稿面を密着型センサに密着させる必要があり、例えば図
７に示した構成のものが知られている。

【０００４】図７において、原稿読取部Ａには、原稿１
の幅方向両側部分を案内する原稿ガイド部２と、分離ロ
ーラ３aおよび分離ローラ３aに弾接する押圧片３bから
なり、前記原稿ガイド部２から送られた原稿１を一枚ず
つ分離する分離部３と、この分離部３で分離された原稿
１を密着型イメージセンサ４に給紙する一対の給紙ロー
ラ５a，５bからなる給紙部５と、この給紙部５より搬送
された原稿１を密着型イメージセンサ４の原稿読取面４
aから浮き上がらないように密着させる原稿押えローラ
６と、密着型イメージセンサ４から読み取り後の原稿１
を搬送する搬送ローラ７a，７bからなる搬送部７と、排
紙トレイ部８に原稿１を排出する排紙ローラ９a，９bか
らなる排紙部９とが備えられている。なお、図中のＢは
画像形成部である。

【０００５】前記原稿読取部Ａにおいて、原稿ガイド部
２上に原稿１をセットして読み取り動作を開始すると、
まず分離部３で原稿１を一枚ずつ分離し、給紙部５によ
り分離された原稿１を密着型イメージセンサ４に給紙
し、原稿押えローラ６で原稿１を原稿読取面４aに押付
けて密着させつつ搬送する一方、密着型イメージセンサ
４の原稿読取面４aで原稿１の画像情報を読み取り、読
み取りの終了した原稿１を搬送部７と排紙部９によって
排紙トレイ部８から装置の外に排出するようになってい
る。

【０００６】ここで前記原稿押えローラ６は、原稿１を
前記密着型イメージセンサ４の原稿読取面４aに密着さ
せるものであり、このため密着型イメージセンサ４表面
の凹凸によらず原稿１を密着させることができるように
するため、ゴム材を主に使用した円筒ローラが用いられ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来の画像読取
装置において、原稿押えローラ６は、密着型イメージセ
ンサ４に常に接触し、読み取り時に分離部３から原稿１
が送られてくるまでの間、原稿読取面(通常、ガラス面)
４a上で空回りしている。原稿押えローラ６は、ある程
度の加圧力を加えて原稿読取面４aに押し付けられてい
るので、空回り時の回転負荷や予期せぬ小さなゴミが付
いた場合に原稿読取面４aを傷付け、さらに原稿１がホ
チキスのステープルやクリップなどが付いたままで搬送
された場合にも、原稿読取面４aを傷付けてしまう。

【０００８】本発明の目的は、密着型イメージセンサの
原稿読取面の耐久性の向上が図れる画像読取装置を提供
することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、原稿搬送用ローラと、原稿読み取り用の
密着イメージセンサと、この密着イメージセンサに原稿
を密着させるための原稿押えローラとを備えた画像読取
装置において、前記密着イメージセンサの原稿読取面上
に光透過板を着脱可能に設けたことを特徴とする。

【００１０】また前記原稿読取面と光透過板との間に間
隙を設けたことを特徴とする。

【００１１】また前記光透過板の原稿進入側に原稿ガイ
ド用の傾斜を形成したことを特徴とする。

【００１２】また前記間隙に防塵用のシールド部材を設
けたことを特徴とする。

【００１３】

【作用】上記の手段によれば、密着イメージセンサの原
稿読取面は光透過板で保護されるため、耐久性が向上
し、しかも光透過板に損傷が生じたときには光透過板の
みを取り替えることで、原稿読取面部分が常に良好な状
態に維持される。

【００１４】また原稿読取面と光透過板とに間隙を設け
ることで両者が直接接触することがなく、光透過板の設
置による原稿読取面における損傷発生を防げる。

【００１５】また光透過板の傾斜によって原稿が原稿読
取位置までガイドされるため、良好な原稿搬送がなされ
る。

【００１６】また前記間隙に塵埃が侵入することがシー
ルド部材によって防止されるので、読み取り性能を良好
な状態に保てる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１８】図１は本発明の第１実施例の要部を示す斜
視図、図２は同実施例の側面図であり、図７に示した画
像読取装置などに用いられる公知の密着イメージセンサ
10における原稿読取面であるガラス体11上に、ガラス，
透明樹脂などからなる少なくとも１枚の光透過板12を間
隙13を介して着脱可能に設けている。

【００１９】密着イメージセンサ10の図示しない光学系
の焦点(光学的読取位置)は、前記光透過板12の外表面12
aに合わせてある。前記間隙13は、樹脂フィルム14や、
ガラス体11あるいは光透過板12に設けられたリブ(図示
せず)によって形成される。樹脂フィルム14や前記リブ
を間隙13部分の全周あるいは長手方向に設けることで、
間隙13への塵埃の侵入を防ぐことができる。

【００２０】前記光透過板12の外表面12aに接するよう
に原稿押えローラ15が設けられ、原稿16を原稿押えロー
ラ15で送りながら、密着イメージセンサ10では原稿16に
対して公知の読み取りを行う。

【００２１】上記の実施例において、原稿押えローラ15
および原稿16は光透過板12と接触するので、長期の使用
による摩損などは光透過板12に生じるので、密着イメー
ジセンサ10を構成するガラス体11に対する摩損発生を防
ぐことができ、摩損程度の大きい光透過板12を交換する
ことで、イメージセンサとしての機能を長期にわたって
維持できることになる。

【００２２】またガラス体11と光透過板12間に間隙13が
形成されているので、光透過板12の設置による接触など
によってガラス体11に損傷を与えることが防止される。

【００２３】図３は本発明の第２実施例の要部を示す側
面図であり、基本的構成は第１実施例と同じであって、
光透過板12の少なくとも原稿進入側Ｄに傾斜20を形成
し、傾斜20の下端部20aを原稿ガイド板21の通紙面21aよ
り下に位置させる点で第１実施例と異なっている。この
ため、前記傾斜20が原稿ガイドとなって、良好な原稿搬
送が行われることになる。

【００２４】図４は本発明の第３実施例の密着イメージ
センサの内部機構を省略した断面図であり、この第３実
施例では、密着イメージセンサ10の本体30の位置出しさ
れた部分(後述する)にガラス体11と光透過板12を固定し
ている。

【００２５】すなわち、アルミニウム押出し成型などで
本体30を形成し、ガラス体11より幅が大きい光透過板12
が設置されるように本体30の上部に取付段部31，32が形
成されている。これらの取付段部31，32を精度よく位置
出しして設けることで、ガラス体11と光透過板12の精度
よい位置決めができる。また光透過板12の下に設置され
るガラス体11の幅が小さいので、ガラス体11の組付・接
着(固定)後に光透過板12の組付けが容易にできる。

【００２６】図５は本発明の第４実施例の要部の分解斜
視図であり、この第４実施例では、密着イメージセンサ
10の本体30における対向する側部に凹部35を形成し、こ
の凹部35に嵌着する爪部36が形成された一対の足部37を
有する樹脂の成形品からなる弾性固定部材38の平坦部39
によって光透過板12をガラス体11方向に押圧すること
で、光透過板12を密着イメージセンサ10に固定してい
る。

【００２７】前記弾性固定部材38の爪部36を本体30の凹
部35に嵌着することで、光透過板１２の密着イメージセ
ンサ１０への固定ができ、この固定にネジなどを使用す
る必要がないので固定作業が簡単になる。

【００２８】前記弾性固定部材38の下部には延出突部40
を設け、光透過板12の交換時に弾性固定部材38を取り外
しやすくするための指や工具の引掛部分としている。ま
た弾性固定部材38の側部には壁部41を設け、図６の断面
図のように、ガラス体11と光透過板12との間隙13部分を
外部から遮断し、さらに弾性固定部材38の平坦部39の内
側と光透過板12部分に、樹脂，ゴム材などの発泡材から
なるシールド部材42を設け、ガラス体11と光透過板12と
の間隙13に塵埃が侵入することを防いでいる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像読取
装置は、請求項１記載の構成によれば、密着イメージセ
ンサの原稿読取面を光透過板で保護でき、光透過板に損
傷が生じたときには光透過板のみを取り替えることで、
密着イメージセンサの機能を長期にわたって良好な状態
に維持できる。

【００３０】また請求項２記載の構成によれば、原稿読
取面と光透過板間の間隙の存在によって、両者の直接接
触を防止でき、光透過板の設置により原稿読取面に損傷
を生じさせることはない。

【００３１】また請求項３記載の構成によれば、光透過
板の傾斜によって原稿の良好な搬送ガイドが行われる。

【００３２】また請求項４記載の構成によれば、シール
ド部材によって原稿読取面と光透過板との間隙への塵埃
などの侵入を防止でき、読み取り性能を良好な状態に保
つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像読取装置の第１実施例の要部を示
す斜視図である。

【図２】図１の第１実施例の側面図である。

【図３】本発明の第２実施例の要部を示す側面図であ
る。

【図４】本発明の第３実施例の密着イメージセンサの断
面図である。

【図５】本発明の第４実施例の要部を示す分解斜視図で
ある。

【図６】図５の第４実施例の組付状態を示す断面図であ
る。

【図７】従来の画像読取装置の構成図である。

【符号の説明】

10…密着イメージセンサ、 11…ガラス体(原稿読取
面)、 12…光透過板、 13…間隙、 15…原稿押えロ
ーラ、 20…傾斜、 21…原稿ガイド、 42…シールド
部材。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿搬送用ローラと、原稿読み取り用の
   密着イメージセンサと、この密着イメージセンサに原稿
   を密着させるための原稿押えローラとを備えた画像読取
   装置において、前記密着イメージセンサの原稿読取面上
   に光透過板を着脱可能に設けたことを特徴とする画像読
   取装置。
2. 【請求項２】 前記原稿読取面と光透過板との間に間隙
   を設けたことを特徴とする請求項１記載の画像読取装
   置。
3. 【請求項３】 前記光透過板の原稿進入側に原稿ガイド
   用の傾斜を形成したことを特徴とする請求項１または２
   記載の画像読取装置。
4. 【請求項４】 前記間隙に防塵用のシールド部材を設け
   たことを特徴とする請求項２記載の画像読取装置。