JPH06188465A - 超伝導デバイスの磁束トラップ解除方法および装置 - Google Patents

超伝導デバイスの磁束トラップ解除方法および装置

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JPH06188465A
JPH06188465A JP4354744A JP35474492A JPH06188465A JP H06188465 A JPH06188465 A JP H06188465A JP 4354744 A JP4354744 A JP 4354744A JP 35474492 A JP35474492 A JP 35474492A JP H06188465 A JPH06188465 A JP H06188465A
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dewar
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superconducting
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Akihiko Kandori
明彦 神鳥
Hisanao Ogata
久直 尾形
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CHODENDO SENSOR KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超伝導デバイスの磁束トラップを解除する超
伝導デバイスの磁束トラップ解除方法および装置に関
し、多チャンネルの場合でも、容易、かつ確実に超伝導
デバイスの磁束トラップを解除できるようにすることを
目的とする 【構成】 デュワ1内から液体ヘリウム3を排出してス
クイッド2を常伝導状態に転移させた後、デュワ1内に
液体ヘリウム3を供給してスクイッド2を超伝導状態に
転移させる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スクイッド(SQU
ID:超伝導量子干渉素子)などの超伝導デバイスに磁
束トラップが起きたとき、磁束トラップを解除する超伝
導デバイスの磁束トラップ解除方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生体磁気応用のためのスクイッド
の研究、特に、マルチチャネル化を目指したスクイッド
の研究が盛んに行われ、十分な性能を得ることができる
ようになってきた。しかし、スクイッドの実用化を考慮
した場合、素子が冷却されて超伝導状態に転移する瞬間
に、残留磁界を超伝導膜の中に取り込むことによって起
こる磁束トラップが大きな問題となっている。
【0003】なお、磁束トラップがスクイッドに起こる
と、不必要な電流が流れることによってダイナミックレ
ンジが減少したり、トラップされた磁束が薄膜中を動く
ことによってノイズが発生する。さらに、磁束トラップ
は、スクイッドのみに限ったものではなく、他の超伝導
回路などの超伝導デバイスにおいても誤動作の原因とな
る。
【0004】そこで、磁束トラップを解除する方法が提
案されている。まず、第1の方法は、超伝導デバイスを
デュワ内から出して常伝導状態に転移させた後、無磁場
に近い状態で超伝導デバイスを再度デュワ内に入れて超
伝導状態に転移させることにより、磁束トラップを解除
する方法である。次に、第2の方法は、超伝導デバイス
の近傍にヒータを配設し、このヒータに流す電流を制御
して超伝導デバイスを常伝導状態に転移させた後、無磁
場に近い状態で超伝導状態に転移させることにより、磁
束トラップを解除する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来は、前述した2つ
の方法で磁束トラップを解除していた。まず、第1の方
法において、超伝導デバイスが1つの単チャネルの場合
は簡単、かつ容易に超伝導デバイスをデュワに対して出
し入れすることができるが、超伝導デバイスが2つ以上
の多チャネルの場合は、複数の超伝導デバイスをデュワ
に対して出し入れすることになるので、超伝導デバイス
の数が多くなるにつれて出し入れが困難になり、作業性
が悪くなる。そして、デュワを開放することで液体ヘリ
ウムが蒸発してデュワ内の圧力が急激に上昇するので、
危険であり、蒸発したヘリウムガスを作業員が吸引する
ことになるなどの不都合がある。
【0006】次に、第2の方法において、ヒータに電流
を流すための配線が多数必要になり、この多数の配線に
よってデュワ内に熱が侵入することにより、液体ヘリウ
ムの蒸発量が多くなる。そして、超伝導デバイスに熱を
効率よく供給して磁束トラップを解除させるためにはヒ
ータを超伝導デバイスに近接させて配置する必要がある
ので、磁束トラップを解除させるために流す電流によっ
て磁場が発生し、磁束トラップが起こることがあるた
め、磁束トラップを確実に解除できないなどの不都合が
あった。
【0007】この発明は、前述したような不都合を解消
するためになされたもので、多チャネルの場合でも、容
易、かつ確実に超伝導デバイスの磁束トラップを解除す
ることのできる超伝導デバイスの磁束トラップ解除方法
および装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】まず、第1の発明にかか
る超伝導デバイスの磁束トラップ解除方法は、超伝導デ
バイスを超伝導状態に冷却する冷媒をデュワ内から排出
して超伝導デバイスを常伝導状態に転移させた後、デュ
ワ内に冷媒を供給して超伝導デバイスを超伝導状態に転
移させるものである。
【0009】次に、第2の発明にかかる超伝導デバイス
の磁束トラップ解除装置は、収容した超伝導デバイスを
超伝導状態に冷却する冷媒が供給されるデュワと、デュ
ワ内に供給する冷媒を収容する冷媒収容容器と、デュワ
内の冷媒を冷媒収容容器に排出する排出手段と、冷媒収
容容器の冷媒をデュワ内に供給する供給手段とを備えた
ものである。
【0010】
【作用】この発明における超伝導デバイスの磁束トラッ
プ解除方法および装置は、デュワ内から冷媒を排出して
超伝導デバイスを常伝導状態に転移させた後、デュワ内
に冷媒を供給して超伝導デバイスを超伝導状態に転移さ
せる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。図1はこの発明の第1の実施例である超伝導デバ
イスの磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブロック
図である。図1において、1はデュワを示し、超伝導デ
バイスとしてのスクイッド2、およびこのスクイッド2
を冷却する冷媒としての液体ヘリウム3を収容するもの
である。
【0012】4Dはデュワ1内に配設された下液位検出
器を示し、液体ヘリウム3の液位が下がってスクイッド
2が完全に液体ヘリウム3から露出する露出液位を検出
すると、露出液位検出信号を出力するものである。4U
はデュワ1内に配設された上液位検出器を示し、液体ヘ
リウム3の液位が上がってスクイッド2が完全に液体ヘ
リウム3に埋没する埋没液位を検出すると、埋没液位検
出信号を出力するものである。そして、露出液位および
埋没液位は、スクイッド2の抵抗値変化で検出すること
もできる。
【0013】5はデュワ1内に供給する液体ヘリウム3
を収容する冷媒収容容器、6は排出手段としての排出ポ
ンプを示し、この排出ポンプ6はデュワ1内の液体ヘリ
ウム3を冷媒収容容器5内に排出するためのものであ
る。7は供給手段としての供給ポンプを示し、冷媒収容
容器5内の液体ヘリウム3をデュワ1内に供給するもの
である。8は制御手段としての制御部を示し、マイクロ
コンピュータなどで構成され、指令信号が供給されるこ
とにより、各部を後述するように制御するものである。
なお、白抜きのラインは、液体ヘリウム3の流れを示
す。
【0014】図2は磁束トラップ解除時のデュワ内にお
ける液体ヘリウムの液位変化を示す説明図である。図2
において、Ldは液体ヘリウム3からスクイッド2が露
出した露出液位を示し、下液位検出器4Dが露出液位検
出信号を出力する液位である。Luは液体ヘリウム3に
スクイッド2が埋没した埋没液位を示し、上液位検出器
4Uが埋没液位検出信号を出力する液位である。Lsは
スクイッド2を取り付けたスクイッド取付位置を示し、
露出液位Ldと埋没液位Luとの間に位置している。
【0015】次に、動作について説明する。なお、通常
状態では、デュワ1内に液体ヘリウム3が埋没液位Lu
よりも高い液位となるように収容されている。まず、磁
束トラップがスクイッド2に起こっていない状態におい
て、時刻t0からスクイッド2の使用を開始し、時刻t
1で磁束トラップが発生して制御部8に指令信号を供給
すると、指令信号を供給された制御部8は、排出ポンプ
6を動作させてデュワ1内から冷媒収容容器5内に液体
ヘリウム3を排出させる。
【0016】このようにして液体ヘリウム3の排出を行
うことにより、液体ヘリウム3の液位は時刻t2で埋没
液位Luとなり、時刻t3でスクイッド取付位置Lsと
なり、時刻t4で露出液位Ldとなるので、下液位検出
器4Dは露出液位Ldとなったときに露出液位検出信号
を制御部8に出力する。次に、下液位検出器4Dから露
出液位検出信号を供給された制御部8は、直ちに排出ポ
ンプ6を停止させる。
【0017】そして、排出ポンプ6を停止させてから時
間(所定時間)t11が経過した時刻t5になると、制御
部8は、供給ポンプ7を動作させて冷媒収容容器5内か
らデュワ1内に液体ヘリウム3を供給させる。このよう
にして液体ヘリウム3の供給を行うことにより、液体ヘ
リウム3の液位は時刻t6で露出液位Ldとなり、時刻
t7でスクイッド取付位置Lsとなり、時刻t8で埋没
液位Luとなるので、上液位検出器4Uは埋没液位Lu
となったときに埋没液位検出信号を制御部8に出力す
る。なお、時刻t4から時刻t6までの時間(所定時
間)t12は、スクイッド2が超伝導状態から常伝導状態
に転移するのに必要な時間であればよい。
【0018】次に、上液位検出器4Uから埋没液位検出
信号を供給された制御部8は、直ちに供給ポンプ7を停
止させる。このようにして液体ヘリウム3の供給を行う
ことにより、スクイッド2は液体ヘリウム3で冷却され
て常伝導状態から超伝導状態に磁束トラップが起きない
ように転移するので、スクイッド2の磁束トラップを除
去することができる。
【0019】前述したように、この発明の第1の実施例
によれば、デュワ1内から液体ヘリウム3を排出してス
クイッド2を常伝導状態に転移させた後、デュワ1内に
液体ヘリウム3を供給してスクイッド2を超伝導状態に
転移させる構成としたので、スクイッド2をデュワ1に
対して出し入れする必要がないため、多チャネルの場合
でも、容易にスクイッド2の磁束トラップを除去するこ
とができる。また、磁束トラップを除去する過程でスク
イッド2に電流による磁界が作用しないので、確実にス
クイッド2の磁束トラップを除去することができる。
【0020】図3はこの発明の第2の実施例である超伝
導デバイスの磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブ
ロック図であり、図1と同一部分に同一符号を付して説
明を省略する。図3において、11はヘリウムガスボン
ベを示し、加圧したヘリウムが収容されている。12は
制御部8によって制御される切換手段としての切換弁を
示し、ヘリウムガスボンベ11からのヘリウムガスを第
1の開口12aまたは第2の開口12bに切り換え、第
1の開口12aまたは第2の開口12bからのヘリウム
ガスを外部に排出するものである。
【0021】13は第1の配管を示し、第1の開口12
aに一端が接続され、他端がデュワ1内の上部に位置す
るものである。14は第2の配管を示し、デュワ1内の
下液位検出器4Dよりも下側に一端が位置し、他端が冷
媒収容容器5内の底近傍に位置する位置するものであ
る。15は第3の配管を示し、第2の開口12bに一端
が接続され、他端が冷媒収容容器5内の上部に位置する
ものである。
【0022】なお、デュワ1内から冷媒収容容器5内に
液体ヘリウム3を排出する排出手段は、ヘリウムガスボ
ンベ11および切換弁12によって構成される。また、
冷媒収容容器5内からデュワ1内に液体ヘリウム3を供
給する供給手段は、ヘリウムガスボンベ11および切換
弁12によって構成される。
【0023】次に、動作について説明する。まず、磁束
トラップがスクイッド2に起こって制御部8に指令信号
が供給されると、指令信号を供給された制御部8は、ヘ
リウムガスボンベ11からのヘリウムガスを第1の開口
12aから排出させるとともに、第2の開口12bから
のヘリウムガスを外部に排出させるように切換弁12を
制御する。また、第2の開口12bからのヘリウムガス
の外部への排出の制御は、冷媒収容容器5内の圧力が基
準圧力を越えると、排出弁を開くことによっても行うこ
とができる。
【0024】このようにして第1の配管13を介してデ
ュワ1内にヘリウムガスを供給すると、ヘリウムガスに
よって押し下げられたデュワ1内の液体ヘリウム3は、
第2の配管14を介して冷媒収容容器5内に排出され
る。そして、液体ヘリウム3が排出される過程で、液体
ヘリウム3の液位は埋没液位Lu、スクイッド取付位置
Ls、露出液位Ldと順次下がるので、液体ヘリウム3
の液位が露出液位Ldになると、下液位検出器4Dは露
出液位Ldとなったときに露出液位検出信号を制御部8
に出力する。
【0025】次に、下液位検出器4Dから露出液位検出
信号を供給された制御部8は、直ちにヘリウムガスボン
ベ11からのヘリウムガスが第1および第2の開口12
a,12bから排出されないように切換弁12を制御す
る。そして、上記のように切換弁12を切り換える制御
をしてから所定時間が経過すると、制御部8は、ヘリウ
ムガスボンベ11からのヘリウムガスを第2の開口12
bから排出させるとともに、第1の開口12aからのヘ
リウムガスを外部に排出させるように切換弁12を制御
する。また、第1の開口12aからのヘリウムガスの外
部への排出の制御は、デュワ1内の圧力が基準圧力を越
えると、排出弁を開くことによっても行うことができ
る。
【0026】このようにして第3の配管15を介して冷
媒収容容器5内にヘリウムガスを供給すると、ヘリウム
ガスによって押し下げられた冷媒収容容器5内の液体ヘ
リウム3は、第2の配管14を介してデュワ1内に供給
される。そして、液体ヘリウム3が供給される過程で、
液体ヘリウム3の液位は露出液位Ld、スクイッド取付
位置Ls、埋没液位Luと順次上がるので、液体ヘリウ
ム3の液位が埋没液位Luになると、上液位検出器4U
は埋没液位Luになったときに埋没液位検出信号を制御
部8に出力する。
【0027】次に、上液位検出器4Uから埋没液位検出
信号を供給された制御部8は、直ちにヘリウムガスボン
ベ11からのヘリウムガスが第1および第2の開口12
a,12bから排出されないように切換弁12を制御す
る。このようにして液体ヘリウム3の供給を行うことに
より、スクイッド2は液体ヘリウム3で冷却されて常伝
導状態から超伝導状態に磁束トラップが起きないように
転移するので、スクイッド2の磁束トラップを除去する
ことができる。
【0028】なお、この実施例において、上、下液位検
出器4U,4Dおよび制御部8を設け、制御部8で切換
弁12を制御する構成としたが、上、下液位検出器4
U,4Dおよび制御部8を設けずに手動で切換弁12を
操作する構成としてもよい。このように手動で切換弁1
2を操作する場合、制御部8を表示部に置き換え、表示
部に埋没液位および露出液位を表示させることにより、
切換弁12の操作時期が的確となり、操作ミスをなくす
ことができる。
【0029】図4はこの発明の第3の実施例である超伝
導デバイスの磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブ
ロック図であり、図1および図3と同一部分に同一符号
を付して説明を省略する。図3において、21は制御部
8によって制御される加圧手段としてのコンプレッサを
示し、例えば加圧したヘリウムガスを排出するものであ
る。22は制御部8によって制御される切換手段として
の切換弁を示し、コンプレッサ21からのヘリウムガス
を第1の開口22aまたは第2の開口22bに切り換え
るものである。
【0030】なお、デュワ1内から冷媒収容容器5内に
液体ヘリウム3を排出する排出手段は、コンプレッサ2
1、切換弁22、第1および第2の配管13,14によ
って構成される。また、冷媒収容容器5内からデュワ1
内に液体ヘリウム3を供給する供給手段は、コンプレッ
サ21、切換弁22、第2および第3の配管14,15
によって構成される。
【0031】次に、動作について説明する。まず、磁束
トラップがスクイッド2に起こって制御部8に指令信号
が供給されると、指令信号を供給された制御部8は、コ
ンプレッサ21を動作させて加圧したヘリウムガスを切
換弁22に供給させ、第1の開口22aからヘリウムガ
スを排出させるとともに、第2の開口22bからのヘリ
ウムガスを外部に排出させ、またはコンプレッサ21に
帰還させるように切換弁22を制御する。また、第2の
開口22bからのヘリウムガスの外部への排出の制御
は、冷媒収容容器5内の圧力が基準圧力を越えると、排
出弁を開くことによっても行うことができる。
【0032】このようにして第1の配管13を介してデ
ュワ1内にヘリウムガスを供給すると、ヘリウムガスに
よって押し下げられたデュワ1内の液体ヘリウム3は、
第2の配管14を介して冷媒収容容器5内に排出され
る。そして、液体ヘリウム3が排出される過程で、液体
ヘリウム3の液位は埋没液位Lu、スクイッド取付位置
Ls、露出液位Ldと順次下がるので、液体ヘリウム3
の液位が露出液位Ldになると、下液位検出器4Dは露
出液位Ldとなったときに露出液位検出信号を制御部8
に出力する。
【0033】次に、下液位検出器4Dから露出液位検出
信号を供給された制御部8は、直ちにコンプレッサ21
を停止させるとともに、コンプレッサ21からのヘリウ
ムガスが第1および第2の開口22a,22bから排出
されないように切換弁22を制御する。そして、コンプ
レッサ21を停止させてから所定時間が経過すると、制
御部8は、コンプレッサ21を動作させて加圧したヘリ
ウムガスを切換弁22に供給させ、第2の開口22bか
らヘリウムガスが排出させるとともに、第1の開口22
aからのヘリウムガスを外部に排出させ、またはコンプ
レッサ21に帰還させるように切換弁22を制御する。
また、第1の開口22aからのヘリウムガスの外部への
排出の制御は、デュワ1内の圧力が基準圧力を越える
と、排出弁を開くことによっても行うことができる。
【0034】このようにして第3の配管15を介して冷
媒収容容器5内にヘリウムガスを供給すると、ヘリウム
ガスによって押し下げられた冷媒収容容器5内の液体ヘ
リウム3は、第2の配管14を介してデュワ1内に供給
される。そして、液体ヘリウム3が供給される過程で、
液体ヘリウム3の液位は露出液位Ld、スクイッド取付
位置Ls、埋没液位Luと順次上がるので、液体ヘリウ
ム3の液位が埋没液位Luになると、上液位検出器4U
は埋没液位Luになったときに埋没液位検出信号を制御
部8に出力する。
【0035】次に、上液位検出器4Uから埋没液位検出
信号を供給された制御部8は、直ちにコンプレッサ21
を停止させるとともに、コンプレッサ21からのヘリウ
ムガスが第1および第2の開口22a,22bから排出
されないように切換弁22を制御する。このようにして
液体ヘリウム3の供給を行うことにより、スクイッド2
は液体ヘリウム3で冷却されて常伝導状態から超伝導状
態に磁束トラップが起きないように転移するので、スク
イッド2の磁束トラップを除去することができる。
【0036】図5はこの発明の第4の実施例である超伝
導デバイスの磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブ
ロック図であり、図1、図3および図4と同一部分に同
一符号を付して説明を省略する。図5において、31は
制御部8によって制御される冷凍機を示し、例えば加圧
したヘリウムガスが流通する第1の開口31a、液体ヘ
リウム3が流通する第2の開口31bを有するものであ
る。
【0037】32は第1の配管を示し、第1の開口31
aに一端が接続され、他端がデュワ1内の上部に位置す
るものである。33は第2の配管を示し、第2の開口3
1bに一端が接続され、他端がデュワ1内の下液位検出
器4Dよりも下側に位置するものである。
【0038】次に、動作について説明する。まず、磁束
トラップがスクイッド2に起こって制御部8に指令信号
が供給されると、指令信号を供給された制御部8は、冷
凍機31を制御して加圧したヘリウムガスを第1の開口
31aから排出させる。このようにして第1の配管32
を介してデュワ1内にヘリウムガスを供給すると、ヘリ
ウムガスによって押し下げられたデュワ1内の液体ヘリ
ウム3は、第2の配管33および第2の開口31bを介
して冷凍機31内に排出される。
【0039】そして、液体ヘリウム3が排出される過程
で、液体ヘリウム3の液位は埋没液位Lu、スクイッド
取付位置Ls、露出液位Ldと順次下がるので、液体ヘ
リウム3の液位が露出液位Ldになると、下液位検出器
4Dは露出液位Ldとなったときに露出液位検出信号を
制御部8に出力する。次に、下液位検出器4Dから露出
液位検出信号を供給された制御部8は、直ちに冷凍機3
1を制御してヘリウムガスの第1の開口31aへの排出
を停止させる。
【0040】そして、ヘリウムガスの排出を停止させて
から所定時間が経過すると、制御部8は、冷凍機31を
制御して内部で冷却した液体ヘリウムを第2の開口31
bおよび第2の配管33を介してデュワ1内に供給させ
るとともに、第1の配管32および第1の開口31aを
介してヘリウムガスを冷凍機31内に排出させる。この
ようにして液体ヘリウム3が供給される過程で、液体ヘ
リウム3の液位は露出液位Ld、スクイッド取付位置L
s、埋没液位Luと順次上がるので、液体ヘリウム3の
液位が埋没液位Luになると、上液位検出器4Uは埋没
液位Luになったときに埋没液位検出信号を制御部8に
出力する。
【0041】次に、上液位検出器4Uから埋没液位検出
信号を供給された制御部8は、直ちに冷凍機31を制御
して液体ヘリウム3のデュワ1内への供給を停止させ
る。このようにして液体ヘリウム3の供給を行うことに
より、スクイッド2は液体ヘリウム3で冷却されて常伝
導状態から超伝導状態に磁束トラップが起きないように
転移するので、スクイッド2の磁束トラップを除去する
ことができる。
【0042】前述した第2、第3および第4の実施例に
おいても、第1の実施例と同様な効果を得ることができ
る。
【0043】なお、前述した各実施例において、上、下
液位検出器4U,4Dおよび制御部8を設け、制御部8
で各部を制御する構成とした例で説明したが、上、下液
位検出器4U,4Dおよび制御部8を設けずに、手動で
各部を操作して動作させても、同様な効果を得ることが
できる。このように手動で切換弁12を操作する場合、
制御部8を表示部に置き換え、表示部に埋没液位および
露出液位を表示させることにより、各部の操作時期が的
確となり、操作ミスをなくすことができる。
【0044】また、液体ヘリウム3をデュワ1内から排
出する過程で、下液位検出器4Dが露出液位検出信号を
出力すると、制御部8は直ちに排出ポンプ6などを制御
するが、排出ポンプ6などはわずかなタイムラグの後に
所望の状態になるので、液体ヘリウム3の液位は露出液
位Lsよりも低くなる。さらに、液体ヘリウム3をデュ
ワ1内に供給する過程で、上液位検出器4Uが埋没液位
検出信号を出力すると、制御部8は直ちに供給ポンプ7
などを制御するが、供給ポンプ7などはわずかなタイム
ラグの後に所望の状態になるので、液体ヘリウム3の液
位は埋没液位Luよりも高くなる。
【0045】そして、超伝導デバイスの一例としてスク
イッド2で説明したが、超伝導回路などの他の超伝導デ
バイスであっても、同様な効果を得ることができる。ま
た、冷媒の一例として液体ヘリウム3で説明したが、超
伝導デバイスが超伝導状態に転移する温度により、液体
窒素、液体アルゴンなどの冷媒であってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、デュ
ワ内から冷媒を排出して超伝導デバイスを常伝導状態に
転移させた後、デュワ内に冷媒を供給して超伝導デバイ
スを超伝導状態に転移させる構成としたので、超伝導デ
バイスをデュワに対して出し入れする必要がないため、
多チャネルの場合でも、容易に超伝導デバイスの磁束ト
ラップを除去することができる。また、磁束トラップを
除去する過程で超伝導デバイスに電流による磁界が作用
しないので、確実に超伝導デバイスの磁束トラップを除
去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例である超伝導デバイス
の磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図2】磁束トラップ解除時のデュワ内における液体ヘ
リウムの液位変化を示す説明図である。
【図3】この発明の第2の実施例である超伝導デバイス
の磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図4】この発明の第3の実施例である超伝導デバイス
の磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図5】この発明の第4の実施例である超伝導デバイス
の磁束トラップ解除装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 デュワ 2 スクイッド 3 液体ヘリウム 4D 下液位検出器 4U 上液位検出器 5 冷媒収容容器 6 排出ポンプ 7 供給ポンプ 8 制御部 11 ヘリウムガスボンベ 12 切換弁 12a 第1の開口 12b 第2の開口 13 第1の配管 14 第2の配管 15 第3の配管 21 コンプレッサ 22 切換弁 22a 第1の開口 22b 第2の開口 31 冷凍機 31a 第1の開口 31b 第2の開口 32 第1の配管 33 第2の配管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導デバイスを超伝導状態に冷却する
    冷媒をデュワ内から排出して前記超伝導デバイスを常伝
    導状態に転移させた後、 前記デュワ内に前記冷媒を供給して前記超伝導デバイス
    を超伝導状態に転移させる、 ことを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラップ解除方
    法。
  2. 【請求項2】 収容した超伝導デバイスを超伝導状態に
    冷却する冷媒が供給されるデュワと、 このデュワ内に供給する前記冷媒を収容する冷媒収容容
    器と、 前記デュワ内の前記冷媒を前記冷媒収容容器に排出する
    排出手段と、 前記冷媒収容容器の前記冷媒を前記デュワ内に供給する
    供給手段と、 を備えたことを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラッ
    プ解除装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の超伝導デバイスの磁束
    トラップ解除装置において、 前記排出手段および前記供給手段は、 加圧した気体を収容したガスボンベと、 このガスボンベからの加圧気体を第1の開口と第2の開
    口とに切り換え、前記第1の開口または前記第2の開口
    からの気体を外部に排出する切換手段と、 前記第1の開口に一端が接続され、他端が前記デュワ内
    の前記超伝導デバイスよりも上側に位置する第1の配管
    と、 前記デュワ内の前記超伝導デバイスよりも下側に一端が
    位置し、他端が前記冷媒収容容器内の底近傍に位置する
    第2の配管と、 前記第2の開口に一端が接続され、他端が前記冷媒収容
    容器内の上部に位置する第3の配管と、 からなることを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラッ
    プ解除装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の超伝導デバイスの磁束
    トラップ解除装置において、 前記デュワ内に配設され、前記超伝導デバイスが前記冷
    媒から露出する露出液位を検出して露出液位検出信号を
    出力する下液位検出器と、 前記デュワ内に配設され、前記超伝導デバイスが前記冷
    媒に埋没する埋没液位を検出して埋没液位検出信号を出
    力する上液位検出器と、 指令信号が供給されることにより、前記下液位検出器が
    前記露出液位検出信号を出力するまで前記第1の開口か
    ら前記気体を排出させるように前記切換手段を作動さ
    せ、常伝導状態に転移した前記超伝導デバイスを超伝導
    状態に転移させるために前記上液位検出器が前記埋没液
    位検出信号を出力するまで前記第2の開口から前記気体
    を排出させるように前記切換手段を作動させる制御手段
    と、 を設けたことを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラッ
    プ解除装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の超伝導デバイスの磁束
    トラップ解除装置において、 前記デュワ内に配設され、前記超伝導デバイスが前記冷
    媒から露出する露出液位を検出して露出液位検出信号を
    出力する下液位検出器と、 前記デュワ内に配設され、前記超伝導デバイスが前記冷
    媒に埋没する埋没液位を検出して埋没液位検出信号を出
    力する上液位検出器と、 指令信号が供給されることにより、前記下液位検出器が
    前記露出液位検出信号を出力するまで前記排出手段を作
    動させ、常伝導状態に転移した前記超伝導デバイスを超
    伝導状態に転移させるために前記上液位検出器が前記埋
    没液位検出信号を出力するまで前記供給手段を作動させ
    る制御手段と、 を設けたことを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラッ
    プ解除装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の超伝導デバイスの磁束
    トラップ解除装置において、 前記排出手段および前記供給手段は、 前記制御手段によって制御され、気体を加圧する加圧手
    段と、 この加圧手段からの加圧気体を第1の開口と第2の開口
    とに切り換える切換手段と、 前記第1の開口に一端が接続され、他端が前記デュワ内
    の前記上液位検出器よりも上側に位置する第1の配管
    と、 前記デュワ内の前記下液位検出器よりも下側に一端が位
    置し、他端が前記冷媒収容容器内の底近傍に位置する第
    2の配管と、 前記第2の開口に一端が接続され、他端が前記冷媒収容
    容器内の上部に位置する第3の配管と、 からなることを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラッ
    プ解除装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の超伝導デバイスの磁束
    トラップ解除装置において、 前記冷媒収容容器、前記排出手段および前記供給手段
    は、 前記制御手段によって制御され、加圧気体が流通する第
    1の開口および前記冷媒が流通する第2の開口とを有
    し、収容した前記冷媒を冷却する冷凍機と、 前記第1の開口に一端が接続され、他端が前記デュワ内
    の前記上液位検出器よりも上側に位置する第1の配管
    と、 前記第2の開口に一端が接続され、他端が前記デュワ内
    の前記下液位検出器よりも下側に位置する第2の配管
    と、 からなることを特徴とする超伝導デバイスの磁束トラッ
    プ解除装置。
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