JP2004219361A - 核磁気共鳴プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】トランスファーラインの内部構造が単純で、しかも冷凍機の冷凍能力を無駄遣いせずに済むような核磁気共鳴プローブを提供する。
【解決手段】真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴プローブに関し、特に、検出部を低温ヘリウムガスで極低温に冷却することによって、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
核磁気共鳴装置は、試料に強力な静磁場を印加して、試料中の核スピンを持った原子核の磁気モーメントに静磁場方向を軸とする歳差運動を惹起させた上で、静磁場方向に直交する向きの高周波磁場を印加して、原子核の磁気モーメントの歳差運動を励起し、その後、原子核の磁気モーメントの歳差運動が励起状態から基底状態に戻る際に放出される核磁気共鳴信号を、試料に固有な高周波磁界として観測する装置である。
【0003】
核磁気共鳴信号は、通常、きわめて微弱であるため、その検出感度を高めるため、検出部が組み込まれた核磁気共鳴プローブに、低温ガスを循環させる配管を設け、検出部を極低温に冷却することによって、核磁気共鳴装置の熱雑音を減らし、核磁気共鳴装置を高感度化することが行なわれている(特許文献1〜3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−307175号公報
【特許文献2】
特開平10−332801号公報
【特許文献3】
特開2001−153938号公報
従来の核磁気共鳴プローブと、静磁場を発生する超伝導磁石との位置関係を、図1に示す。図中、Aは超伝導磁石である。超伝導磁石Aの内部には、超伝導線により、主コイルBが巻回されている。主コイルBは、通常、液体ヘリウム等を蓄えることができる図示しない断熱容器中に置かれ、極低温に冷却されている。核磁気共鳴プローブCは、このような磁石の外側に配置される鍔状のベース部と、磁石の内側に挿入される筒状部とで構成され、筒状部は、通常、この超伝導磁石Aの中心軸に沿って貫通された筒状の穴Dの内部に向けて、下側の開口部から上方向に向けて挿入される。
【0005】
次に、従来の核磁気共鳴プローブの構造を図2に示す。図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0006】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0007】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0008】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24、熱交換器25が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管10、配管11、配管12、配管13があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0009】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、熱交換器25を通過して、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0010】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管10で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、23Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。
【0011】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、配管11を経由して、冷凍機14に戻り、熱交換器25で往路のヘリウムガスを予冷し、ガス温度が40Kに上昇させられた後、配管12により、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0012】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0013】
ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、適度な温度に保たれる。熱交換器4に入る直前のガス温度は、40K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、90Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。
【0014】
ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管13で冷凍機14に戻り、熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0015】
次に、従来の核磁気共鳴プローブの別の例を、図3に示す。この例は、前に述べた従来技術の例を、簡略化したものである。図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0016】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0017】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0018】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管10、配管13があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0019】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0020】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管10で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、23Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。
【0021】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0022】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0023】
ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、適度な温度に保たれる。熱交換器4に入る直前のガス温度は、23K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、90Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。
【0024】
ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管13で冷凍機14に戻り、熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の低温冷却型核磁気共鳴プローブの1番目に示した例(図2の例)には、1つの問題点があった。それは、低温のヘリウムガスを、検出部1とヘッドアンプ3に、別々の配管で送っているため、トランスファーライン9の内部構造が、複雑になることであった。
【0026】
また、従来の低温冷却型核磁気共鳴プローブの2番目に示した例(図3の例)にも、1つの問題点があった。この例では、検出部1とヘッドアンプ3への配管を直列に接続して、冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、配管を1系統に簡略化しているが、ヘッドアンプ3の温度が下がり過ぎないようにするために、図2の例の場合よりも、ヒータ5でより多く加熱する必要があるので、せっかく、23Kの低温を保持している冷却ガスを、ヒータ5で加熱して、90Kまで、温度上昇させてしまい、冷却ガスの冷凍能力を無駄遣いしてしまうことであった。
【0027】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、トランスファーラインの内部構造が単純で、しかも冷凍機の冷凍能力を無駄遣いせずに済むような核磁気共鳴プローブを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明にかかる核磁気共鳴プローブは、
真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、
前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、
前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにしたことを特徴としている。
【0029】
また、前記部材は、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、接触面積を小さくした部材であることを特徴としている。
【0030】
また、前記冷却対象は、検出部とヘッドアンプであることを特徴としている。
【0031】
また、前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものは、検出部、冷却目標温度がより高いものは、ヘッドアンプであることを特徴としている。
【0032】
また、前記配管の途中に、ジュール−トムソン弁を設けたことを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図4は、本発明にかかる核磁気共鳴プローブの一実施例を表わしたものである。
【0034】
図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0035】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と、スペーサー33を介して熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0036】
スペーサー33は、ヒータ5によるヘッドアンプ4の加熱を最小限に抑えるため、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に設けられたものであり、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ5をあまり稼働させずに済み、熱交換器4を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー33を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0037】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー33として採用される。
【0038】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0039】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管31、配管32があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0040】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0041】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管31で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、23Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。
【0042】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、配管32を経由して、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0043】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0044】
ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、適度な温度に保たれる。その際、スペーサー33の存在により、ヘッドアンプ5と熱交換器4との間には、適度な熱抵抗があるので、温度勾配が発生し、ヘッドアンプ5の冷却温度が高めに制御され、ヒータ5による温度制御は、必要最小限に抑えられる。
【0045】
すなわち、熱交換器4に入る直前のガス温度は、23K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、50Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、23Kから90Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、50Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0046】
その結果、熱交換器4を通過したヘリウムガスの温度は、従来の場合よりも低温に保たれるため、図3の場合には設けることができなかった、熱交換器25を設け、戻りガスを、往路のヘリウムガスの冷却に利用することが可能になった。ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管32で冷凍機14に戻り、熱交換器25と熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0047】
冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、順番に、熱交換器を直列に接続して、それらの部材を冷却するとともに、ヒータ5によるヘリウムガスの温度上昇を、最小限に抑えているので、検出部1とヘッドアンプ3の冷却に必要な冷凍能力を低く抑えることができ、小型の冷凍機で冷却が可能となる。
【0048】
図5は、本発明にかかる核磁気共鳴プローブの、別の実施例を表わしたものである。
【0049】
図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、スペーサー35を介して、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0050】
スペーサー35は、ヒータ41による検出部1の加熱を最小限に抑えるため、検出部1と熱交換器2との間に設けられたものであり、検出部1と熱交換器2との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ41をあまり稼働させずに済み、熱交換器2を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー35を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0051】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー35として採用される。
【0052】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と、スペーサー33を介して熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0053】
スペーサー33は、ヒータ5によるヘッドアンプ4の加熱を最小限に抑えるため、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に設けられたものであり、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ5をあまり稼働させずに済み、熱交換器4を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー33を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0054】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー33として採用される。
【0055】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0056】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。熱交換器23の出口の後段で、冷凍機14内の配管31の途中には、ジュール−トムソン弁36が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管31、配管32があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0057】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0058】
冷却されたヘリウムガスは、冷凍機14内に設けられたジュール−トムソン弁36で、さらに冷却されてから、トランスファーライン9内の配管31で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、10K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、20Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、15Kから23Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、20Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0059】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、配管32を経由して、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0060】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0061】
検出部1は、ヒータ41で、また、ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、それぞれ適度な温度に保たれる。その際、スペーサー35、33の存在により、検出部1と熱交換器2との間、および、ヘッドアンプ5と熱交換器4との間には、適度な熱抵抗があるので、温度勾配が発生し、検出部1、および、ヘッドアンプ5の冷却温度が高めに制御され、ヒータ41、および、ヒータ5による温度制御は、必要最小限に抑えられる。
【0062】
すなわち、熱交換器4に入る直前のガス温度は、20K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、50Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、90Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、50Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0063】
その結果、熱交換器2、および、熱交換器4を通過したヘリウムガスの温度は、従来の場合よりも低温に保たれるため、図3の場合には設けることができなかった、熱交換器25を設け、戻りガスを、往路のヘリウムガスの冷却に利用することが可能になった。ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管32で冷凍機14に戻り、熱交換器25と熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0064】
冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、順番に、熱交換器を直列に接続して、それらの部材を冷却するとともに、ヒータ41、および、ヒータ5によるヘリウムガスの温度上昇を、最小限に抑えているので、検出部1とヘッドアンプ3の冷却に必要な冷凍能力を低く抑えることができ、小型の冷凍機で冷却が可能となる。
【0065】
図6は、本発明にかかる核磁気共鳴プローブの、別の実施例を表わしたものである。
【0066】
図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、スペーサー35を介して、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0067】
スペーサー35は、ヒータ41による検出部1の加熱を最小限に抑えるため、検出部1と熱交換器2との間に設けられたものであり、検出部1と熱交換器2との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ41をあまり稼働させずに済み、熱交換器2を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー35を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0068】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー35として採用される。
【0069】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と、スペーサー33を介して熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0070】
スペーサー33は、ヒータ5によるヘッドアンプ4の加熱を最小限に抑えるため、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に設けられたものであり、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ5をあまり稼働させずに済み、熱交換器4を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー33を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0071】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー33として採用される。
【0072】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0073】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。熱交換器23の出口の後段で、プローブ容器8内の配管31の途中には、ジュール−トムソン弁36が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管31、配管32があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0074】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0075】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管31で、プローブ容器8に供給される。そして、プローブ容器8内に設けられたジュール−トムソン弁36で、さらに冷却されてから、熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、5K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、15Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、15Kから23Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、5Kから15Kまでに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0076】
図6の例では、ジュール−トムソン弁36が、図5の例よりも、検出部1やヘッドアンプ3に一層近い、プローブ容器8内に置かれているので、図5の場合よりも効率良く、検出部1とヘッドアンプ3を冷却することができる。
【0077】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、配管32を経由して、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0078】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0079】
検出部1は、ヒータ41で、また、ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、それぞれ適度な温度に保たれる。その際、スペーサー35、33の存在により、検出部1と熱交換器2との間、および、ヘッドアンプ5と熱交換器4との間には、適度な熱抵抗があるので、温度勾配が発生し、検出部1、および、ヘッドアンプ5の冷却温度が高めに制御され、ヒータ41、および、ヒータ5による温度制御は、必要最小限に抑えられる。
【0080】
すなわち、熱交換器4に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、45Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、90Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、45Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0081】
その結果、熱交換器2、および、熱交換器4を通過したヘリウムガスの温度は、従来の場合よりも低温に保たれるため、図3の場合には設けることができなかった、熱交換器25を設け、戻りガスを、往路のヘリウムガスの冷却に利用することが可能になった。ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管32で冷凍機14に戻り、熱交換器25と熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0082】
冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、順番に、熱交換器を直列に接続して、それらの部材を冷却するとともに、ヒータ41、および、ヒータ5によるヘリウムガスの温度上昇を、最小限に抑えているので、検出部1とヘッドアンプ3の冷却に必要な冷凍能力を低く抑えることができ、小型の冷凍機で冷却が可能となる。
【0083】
尚、本発明には、さまざまな変形が可能である。例えば、冷凍機本体19は、2段GM方式に限らない。1段GM方式でも、パルス管方式でも、ソルベント方式でも良い。
【0084】
また、ヒータは、検出部1、ヘッドアンプ3に直接取り付けられている必要はない。スペーサー35、33に取り付けられていても良いし、熱交換方式であっても良い。
【0085】
また、ジュール−トムソン弁は、配管31の途中であれば、どこに設けられていても良い。
【0086】
また、プローブ容器8と冷凍機14は、両者を同じ真空ポンプで同時に真空引きしても良いし、プローブ容器8と冷凍機14を結ぶトランスファーライン9の内側に隔壁を設けて、プローブ容器8と冷凍機14を別々の真空ポンプで真空引きしても良い。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の核磁気共鳴プローブによれば、真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにしたので、トランスファーラインの内部構造が単純になり、しかも冷凍機の冷凍能力を無駄遣いせずに済むようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の核磁気共鳴装置を示す図である。
【図2】従来の核磁気共鳴プローブを示す図である。
【図3】従来の核磁気共鳴プローブを示す図である。
【図4】本発明にかかる核磁気共鳴プローブの一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる核磁気共鳴プローブの別の実施例を示す図である。
【図6】本発明にかかる核磁気共鳴プローブの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
A・・・超伝導磁石、B・・・主コイル、C・・・核磁気共鳴プローブ、D・・・穴、1・・・検出部、2・・・熱交換器、3・・・ヘッドアンプ、4・・・熱交換器、5・・・ヒータ、6・・・ケーブル、7・・・ケーブル、8・・・プローブ容器、9・・・トランスファーライン、10・・・配管、11・・・配管、12・・・配管、13・・・配管、14・・・冷凍機、15・・・配管、16・・・配管、17・・・配管、18・・・配管、19・・・冷凍機本体、20・・・第1冷却ステージ、21・・・熱交換器、22・・・第2冷却ステージ、23・・・熱交換器、24・・・熱交換器、25・・・熱交換器、31・・・配管、32・・・配管、33・・・スペーサー、35・・・スペーサー、36・・・ジュール−トムソン弁、41・・・ヒータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴プローブに関し、特に、検出部を低温ヘリウムガスで極低温に冷却することによって、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
核磁気共鳴装置は、試料に強力な静磁場を印加して、試料中の核スピンを持った原子核の磁気モーメントに静磁場方向を軸とする歳差運動を惹起させた上で、静磁場方向に直交する向きの高周波磁場を印加して、原子核の磁気モーメントの歳差運動を励起し、その後、原子核の磁気モーメントの歳差運動が励起状態から基底状態に戻る際に放出される核磁気共鳴信号を、試料に固有な高周波磁界として観測する装置である。
【0003】
核磁気共鳴信号は、通常、きわめて微弱であるため、その検出感度を高めるため、検出部が組み込まれた核磁気共鳴プローブに、低温ガスを循環させる配管を設け、検出部を極低温に冷却することによって、核磁気共鳴装置の熱雑音を減らし、核磁気共鳴装置を高感度化することが行なわれている(特許文献1〜3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−307175号公報
【特許文献2】
特開平10−332801号公報
【特許文献3】
特開2001−153938号公報
従来の核磁気共鳴プローブと、静磁場を発生する超伝導磁石との位置関係を、図1に示す。図中、Aは超伝導磁石である。超伝導磁石Aの内部には、超伝導線により、主コイルBが巻回されている。主コイルBは、通常、液体ヘリウム等を蓄えることができる図示しない断熱容器中に置かれ、極低温に冷却されている。核磁気共鳴プローブCは、このような磁石の外側に配置される鍔状のベース部と、磁石の内側に挿入される筒状部とで構成され、筒状部は、通常、この超伝導磁石Aの中心軸に沿って貫通された筒状の穴Dの内部に向けて、下側の開口部から上方向に向けて挿入される。
【0005】
次に、従来の核磁気共鳴プローブの構造を図2に示す。図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0006】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0007】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0008】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24、熱交換器25が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管10、配管11、配管12、配管13があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0009】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、熱交換器25を通過して、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0010】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管10で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、23Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。
【0011】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、配管11を経由して、冷凍機14に戻り、熱交換器25で往路のヘリウムガスを予冷し、ガス温度が40Kに上昇させられた後、配管12により、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0012】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0013】
ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、適度な温度に保たれる。熱交換器4に入る直前のガス温度は、40K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、90Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。
【0014】
ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管13で冷凍機14に戻り、熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0015】
次に、従来の核磁気共鳴プローブの別の例を、図3に示す。この例は、前に述べた従来技術の例を、簡略化したものである。図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0016】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0017】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0018】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管10、配管13があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0019】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0020】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管10で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、23Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。
【0021】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0022】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0023】
ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、適度な温度に保たれる。熱交換器4に入る直前のガス温度は、23K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、90Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。
【0024】
ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管13で冷凍機14に戻り、熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の低温冷却型核磁気共鳴プローブの1番目に示した例(図2の例)には、1つの問題点があった。それは、低温のヘリウムガスを、検出部1とヘッドアンプ3に、別々の配管で送っているため、トランスファーライン9の内部構造が、複雑になることであった。
【0026】
また、従来の低温冷却型核磁気共鳴プローブの2番目に示した例(図3の例)にも、1つの問題点があった。この例では、検出部1とヘッドアンプ3への配管を直列に接続して、冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、配管を1系統に簡略化しているが、ヘッドアンプ3の温度が下がり過ぎないようにするために、図2の例の場合よりも、ヒータ5でより多く加熱する必要があるので、せっかく、23Kの低温を保持している冷却ガスを、ヒータ5で加熱して、90Kまで、温度上昇させてしまい、冷却ガスの冷凍能力を無駄遣いしてしまうことであった。
【0027】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、トランスファーラインの内部構造が単純で、しかも冷凍機の冷凍能力を無駄遣いせずに済むような核磁気共鳴プローブを提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明にかかる核磁気共鳴プローブは、
真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、
前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、
前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにしたことを特徴としている。
【0029】
また、前記部材は、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、接触面積を小さくした部材であることを特徴としている。
【0030】
また、前記冷却対象は、検出部とヘッドアンプであることを特徴としている。
【0031】
また、前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものは、検出部、冷却目標温度がより高いものは、ヘッドアンプであることを特徴としている。
【0032】
また、前記配管の途中に、ジュール−トムソン弁を設けたことを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図4は、本発明にかかる核磁気共鳴プローブの一実施例を表わしたものである。
【0034】
図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0035】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と、スペーサー33を介して熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0036】
スペーサー33は、ヒータ5によるヘッドアンプ4の加熱を最小限に抑えるため、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に設けられたものであり、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ5をあまり稼働させずに済み、熱交換器4を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー33を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0037】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー33として採用される。
【0038】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0039】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管31、配管32があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0040】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0041】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管31で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、23Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。
【0042】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、配管32を経由して、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0043】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0044】
ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、適度な温度に保たれる。その際、スペーサー33の存在により、ヘッドアンプ5と熱交換器4との間には、適度な熱抵抗があるので、温度勾配が発生し、ヘッドアンプ5の冷却温度が高めに制御され、ヒータ5による温度制御は、必要最小限に抑えられる。
【0045】
すなわち、熱交換器4に入る直前のガス温度は、23K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、50Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、23Kから90Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、50Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0046】
その結果、熱交換器4を通過したヘリウムガスの温度は、従来の場合よりも低温に保たれるため、図3の場合には設けることができなかった、熱交換器25を設け、戻りガスを、往路のヘリウムガスの冷却に利用することが可能になった。ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管32で冷凍機14に戻り、熱交換器25と熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0047】
冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、順番に、熱交換器を直列に接続して、それらの部材を冷却するとともに、ヒータ5によるヘリウムガスの温度上昇を、最小限に抑えているので、検出部1とヘッドアンプ3の冷却に必要な冷凍能力を低く抑えることができ、小型の冷凍機で冷却が可能となる。
【0048】
図5は、本発明にかかる核磁気共鳴プローブの、別の実施例を表わしたものである。
【0049】
図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、スペーサー35を介して、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0050】
スペーサー35は、ヒータ41による検出部1の加熱を最小限に抑えるため、検出部1と熱交換器2との間に設けられたものであり、検出部1と熱交換器2との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ41をあまり稼働させずに済み、熱交換器2を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー35を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0051】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー35として採用される。
【0052】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と、スペーサー33を介して熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0053】
スペーサー33は、ヒータ5によるヘッドアンプ4の加熱を最小限に抑えるため、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に設けられたものであり、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ5をあまり稼働させずに済み、熱交換器4を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー33を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0054】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー33として採用される。
【0055】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0056】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。熱交換器23の出口の後段で、冷凍機14内の配管31の途中には、ジュール−トムソン弁36が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管31、配管32があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0057】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0058】
冷却されたヘリウムガスは、冷凍機14内に設けられたジュール−トムソン弁36で、さらに冷却されてから、トランスファーライン9内の配管31で熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、10K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、20Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、15Kから23Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、20Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0059】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、配管32を経由して、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0060】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0061】
検出部1は、ヒータ41で、また、ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、それぞれ適度な温度に保たれる。その際、スペーサー35、33の存在により、検出部1と熱交換器2との間、および、ヘッドアンプ5と熱交換器4との間には、適度な熱抵抗があるので、温度勾配が発生し、検出部1、および、ヘッドアンプ5の冷却温度が高めに制御され、ヒータ41、および、ヒータ5による温度制御は、必要最小限に抑えられる。
【0062】
すなわち、熱交換器4に入る直前のガス温度は、20K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、50Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、90Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、50Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0063】
その結果、熱交換器2、および、熱交換器4を通過したヘリウムガスの温度は、従来の場合よりも低温に保たれるため、図3の場合には設けることができなかった、熱交換器25を設け、戻りガスを、往路のヘリウムガスの冷却に利用することが可能になった。ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管32で冷凍機14に戻り、熱交換器25と熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0064】
冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、順番に、熱交換器を直列に接続して、それらの部材を冷却するとともに、ヒータ41、および、ヒータ5によるヘリウムガスの温度上昇を、最小限に抑えているので、検出部1とヘッドアンプ3の冷却に必要な冷凍能力を低く抑えることができ、小型の冷凍機で冷却が可能となる。
【0065】
図6は、本発明にかかる核磁気共鳴プローブの、別の実施例を表わしたものである。
【0066】
図中、8は、プローブ容器である。プローブ容器8は、冷凍機14と、トランスファーライン9で接続されている。それぞれは、外部との断熱のため、内部を真空排気されている。プローブ容器8の内部には、検出コイルおよび同調整合回路から成る検出部1が置かれている。検出部1は、スペーサー35を介して、熱交換器2と熱接触されており、冷却可能な構成となっている。検出部1の温度制御を行なうため、検出部1の近傍には、ヒータ41が設けられている。
【0067】
スペーサー35は、ヒータ41による検出部1の加熱を最小限に抑えるため、検出部1と熱交換器2との間に設けられたものであり、検出部1と熱交換器2との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ41をあまり稼働させずに済み、熱交換器2を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー35を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0068】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、検出部1や熱交換器2に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー35として採用される。
【0069】
検出部1で検出された核磁気共鳴の検出信号は、ケーブル6でヘッドアンプ3に入力され、増幅される。増幅された信号(ヘッドアンプ出力)は、ケーブル7により、図示しない分光器に送られる。ヘッドアンプ3は、熱交換器4と、スペーサー33を介して熱接触されており、冷却可能な構成となっている。ヘッドアンプ3の温度制御を行なうため、ヘッドアンプ3の近傍には、ヒータ5が設けられている。
【0070】
スペーサー33は、ヒータ5によるヘッドアンプ4の加熱を最小限に抑えるため、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に設けられたものであり、ヘッドアンプ3と熱交換器4との間に適切な温度差が生じるように、その熱伝導度を、材質、寸法、形状を制御することにより、調整してある。これにより、ヒータ5をあまり稼働させずに済み、熱交換器4を通過した後の冷媒の温度を、スペーサー33を挟まない場合の冷媒の温度よりも、低く維持することができる。
【0071】
具体的には、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、ヘッドアンプ3や熱交換器4に対して、接触面積を小さくした部材などが、スペーサー33として採用される。
【0072】
検出部1には、プローブ容器8の外部から試料を入れる構造があるが、冷却方式の説明には必要ないので、図示していない。
【0073】
冷凍機14には、第1冷却ステージ20、第2冷却ステージ22を持つ、例えば、GM方式などの冷凍機本体19が取り付けられている。第1冷却ステージ20と第2冷却ステージ22には、それぞれ熱交換器21、熱交換器23が設けられている。熱交換器23の出口の後段で、プローブ容器8内の配管31の途中には、ジュール−トムソン弁36が設けられている。また、配管15と配管16の途中には、熱交換器24が設けられている。また、冷凍機本体19には、作動ガス供給用の配管17、配管18が接続されている。また、トランスファーライン9の内部には、配管31、配管32があり、それぞれ熱交換器2、熱交換器4に接続されている。
【0074】
次に、動作を説明する。図示されていない外部のコンプレッサーから、配管17、配管18を介して、作動ガス(ヘリウムガス)が供給されて、冷凍機本体19が作動する。それとは別に、配管16から冷媒のヘリウムガスが供給されて、熱交換器24を通過して、第1冷却ステージ20の熱交換器21で冷却される。更に、第2冷却ステージ22の熱交換器23で、ヘリウムガスは、一層冷却される。このときのガス温度は、10Kである。
【0075】
冷却されたヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管31で、プローブ容器8に供給される。そして、プローブ容器8内に設けられたジュール−トムソン弁36で、さらに冷却されてから、熱交換器2に供給されて、検出部1を冷却する。熱交換器2に入る直前のガス温度は、5K、熱交換器2を出た直後のガス温度は、15Kである。この温度上昇は、検出部1の熱を受け取ったためであると同時に、検出部1の温度制御のため、ヒータ41が作動して、ヒータ41により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、15Kから23Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、5Kから15Kまでに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0076】
図6の例では、ジュール−トムソン弁36が、図5の例よりも、検出部1やヘッドアンプ3に一層近い、プローブ容器8内に置かれているので、図5の場合よりも効率良く、検出部1とヘッドアンプ3を冷却することができる。
【0077】
検出部1に収められた検出コイルおよび同調整合回路が冷却されることにより、Q値の向上と熱雑音の低減が起こり、感度が向上する。ヘリウムガスは、その後、配管32を経由して、熱交換器4に供給されて、ヘッドアンプ3を冷却して、ヘッドアンプ3のNFを向上させる。
【0078】
これにより、検出部1からの検出信号を、ケーブル7経由で、S/Nを劣化させることなく、図示しない分光器に伝えることができる。
【0079】
検出部1は、ヒータ41で、また、ヘッドアンプ3は、ヒータ5で、それぞれ適度な温度に保たれる。その際、スペーサー35、33の存在により、検出部1と熱交換器2との間、および、ヘッドアンプ5と熱交換器4との間には、適度な熱抵抗があるので、温度勾配が発生し、検出部1、および、ヘッドアンプ5の冷却温度が高めに制御され、ヒータ41、および、ヒータ5による温度制御は、必要最小限に抑えられる。
【0080】
すなわち、熱交換器4に入る直前のガス温度は、15K、熱交換器4を出た直後のガス温度は、45Kである。この温度上昇は、ヘッドアンプ3の熱を受け取ったためであると同時に、ヘッドアンプ3の温度制御のため、ヒータ5が作動して、ヒータ5により、熱せられたためでもある。しかしながら、図3の例で、冷却ガスが、90Kまで、温度が上昇していたのと比較すると、冷却ガスの温度上昇は、45Kに抑制され、冷却余力を、より多く残している。
【0081】
その結果、熱交換器2、および、熱交換器4を通過したヘリウムガスの温度は、従来の場合よりも低温に保たれるため、図3の場合には設けることができなかった、熱交換器25を設け、戻りガスを、往路のヘリウムガスの冷却に利用することが可能になった。ヘリウムガスは、トランスファーライン9内の配管32で冷凍機14に戻り、熱交換器25と熱交換器24で往路のヘリウムガスを予冷した後、配管15を通って、外部の図示しないコンプレッサーに戻り、循環される。
【0082】
冷却目標温度が25Kで、より低温の検出部1から、冷却目標温度が100Kで、より高温のヘッドアンプ3へと、順番に、熱交換器を直列に接続して、それらの部材を冷却するとともに、ヒータ41、および、ヒータ5によるヘリウムガスの温度上昇を、最小限に抑えているので、検出部1とヘッドアンプ3の冷却に必要な冷凍能力を低く抑えることができ、小型の冷凍機で冷却が可能となる。
【0083】
尚、本発明には、さまざまな変形が可能である。例えば、冷凍機本体19は、2段GM方式に限らない。1段GM方式でも、パルス管方式でも、ソルベント方式でも良い。
【0084】
また、ヒータは、検出部1、ヘッドアンプ3に直接取り付けられている必要はない。スペーサー35、33に取り付けられていても良いし、熱交換方式であっても良い。
【0085】
また、ジュール−トムソン弁は、配管31の途中であれば、どこに設けられていても良い。
【0086】
また、プローブ容器8と冷凍機14は、両者を同じ真空ポンプで同時に真空引きしても良いし、プローブ容器8と冷凍機14を結ぶトランスファーライン9の内側に隔壁を設けて、プローブ容器8と冷凍機14を別々の真空ポンプで真空引きしても良い。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の核磁気共鳴プローブによれば、真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにしたので、トランスファーラインの内部構造が単純になり、しかも冷凍機の冷凍能力を無駄遣いせずに済むようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の核磁気共鳴装置を示す図である。
【図2】従来の核磁気共鳴プローブを示す図である。
【図3】従来の核磁気共鳴プローブを示す図である。
【図4】本発明にかかる核磁気共鳴プローブの一実施例を示す図である。
【図5】本発明にかかる核磁気共鳴プローブの別の実施例を示す図である。
【図6】本発明にかかる核磁気共鳴プローブの別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
A・・・超伝導磁石、B・・・主コイル、C・・・核磁気共鳴プローブ、D・・・穴、1・・・検出部、2・・・熱交換器、3・・・ヘッドアンプ、4・・・熱交換器、5・・・ヒータ、6・・・ケーブル、7・・・ケーブル、8・・・プローブ容器、9・・・トランスファーライン、10・・・配管、11・・・配管、12・・・配管、13・・・配管、14・・・冷凍機、15・・・配管、16・・・配管、17・・・配管、18・・・配管、19・・・冷凍機本体、20・・・第1冷却ステージ、21・・・熱交換器、22・・・第2冷却ステージ、23・・・熱交換器、24・・・熱交換器、25・・・熱交換器、31・・・配管、32・・・配管、33・・・スペーサー、35・・・スペーサー、36・・・ジュール−トムソン弁、41・・・ヒータ。
Claims (5)
- 真空断熱容器内に置かれた、冷却目標温度が異なる複数の冷却対象を、冷凍機から送られてくる冷媒を配管に流通させて成る、複数の熱交換器で冷却することにより、核磁気共鳴信号の検出感度を高めるようにした核磁気共鳴プローブにおいて、
前記冷却対象と熱交換器との間に、温度勾配が発生するような部材を挟むことにより、熱交換器を通った後の冷媒の温度を、該部材を挟まない場合の温度よりも、低く維持するとともに、
前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものから、冷却目標温度がより高いものへと、順番に、前記熱交換器を直列に接続して冷媒を流通させることにより、冷却対象を、それぞれの冷却目標温度に冷却するようにしたことを特徴とする核磁気共鳴プローブ。 - 前記部材は、銅などの良導体に比べて熱伝導率の小さい、燐青銅や真鍮でできた箔や、銅などの良導体であっても、接触面積を小さくした部材、あるいは燐青銅や真鍮で作られ、しかも、接触面積を小さくした部材であることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴プローブ。
- 前記冷却対象は、検出部とヘッドアンプであることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴プローブ。
- 前記冷却対象のうち、冷却目標温度がより低いものは、検出部、冷却目標温度がより高いものは、ヘッドアンプであることを特徴とする請求項1または3記載の核磁気共鳴プローブ。
- 前記配管の途中に、ジュール−トムソン弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴プローブ。
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