JPH0618809B2 - イオン交換体の製造方法 - Google Patents

イオン交換体の製造方法

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JPH0618809B2
JPH0618809B2 JP25772085A JP25772085A JPH0618809B2 JP H0618809 B2 JPH0618809 B2 JP H0618809B2 JP 25772085 A JP25772085 A JP 25772085A JP 25772085 A JP25772085 A JP 25772085A JP H0618809 B2 JPH0618809 B2 JP H0618809B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、イオン交換樹脂よりなるイオン交換体(以
下、単にイオン交換体という)の新規な製造方法に関す
る。詳しくは、優れたイオン交換特性を有する、任意の
形状のイオン交換体を容易に製造し得るイオン交換体の
製造方法である。
[従来の技術および問題点] 一般に、イオン交換体は、イオン交換基の導入に対して
樹脂を不溶化するために、架橋による三次元構造を必要
とする。従って、該樹脂を溶融して所望の形状を有する
イオン交換体を製造することは困難であった。
そのため、例えば、膜状のイオン交換体の製造において
は、ポリ塩化ビニル等のバインダーを適当な溶剤に溶か
し、これにイオン交換基を導入可能な官能基を有するビ
ニル単量体(以下、単に、ビニル単量体ともいう)と架
橋剤を添加し、次いで多孔性のシート上に塗布して重合
させた後、該官能基にイオン交換基を導入する方法,あ
るいは部分重合したビニル単量体に架橋剤を添加した
後、塊状に重合せしめ、これを膜状にスライスした後、
イオン交換基を導入する方法などが専ら行われていた。
しかしながら、これらの方法は、工程が複雑であるばか
りでなく、管状等の複雑な形状のイオン交換体を得るこ
とが極めて困難である。
上記方法における成形性を改良した方法として、例え
ば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を予め膜状等の所望
の形状に成形しておき、これにビニル単量体と架橋剤を
含浸させ、放射線を照射して該ビニル単量体をグラフト
重合した後、イオン交換基を導入する方法,あるいは熱
可塑性樹脂粉末にビニル単量体と架橋剤を含浸させ、該
熱可塑性樹脂粉末の融点以下の温度で該ビニル単量体と
架橋剤を重合せしめた後、管状など所望の形状に成形
し、次いでイオン交換基を導入する方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法は、ビニル単量体の含
浸工程を含むことなどにより、工程が複雑であるという
問題を有する。また、基材の熱可塑性樹脂中にビニル単
量体を均一に含浸,重合させることが困難であり、得ら
れるイオン交換体のイオン交換特性が悪く、品質も不安
定となるという問題をも有する。
[問題を解決するための手段] 本発明者等は、上記問題を解決すべく研究を重ねた結
果、溶融混練状態の熱可塑性樹脂中で、ビニル単量体と
架橋剤とを共重合させることにより、該重合体のドメイ
ンの大きさを小さくし、このドメインが均一に分散し
た、熱可塑性を有するイオン交換樹脂前駆体が得られ、
これを通常の熱可塑性樹脂と同様の成形方法により、任
意の形状に容易に成形できること、および該成形体にイ
オン交換基を導入することによって、優れたイオン交換
特性を有するイオン交換体が得られることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
本発明は、溶融混練状態の熱可塑性樹脂中でイオン交換
基を導入可能な官能基を有するビニル単量体と架橋剤と
を重合させた後に成形し、次いで該官能基にイオン交換
基を導入することを特徴とするイオン交換体の製造方法
である。
本発明において、熱可塑性樹脂とは、加熱下で可塑性を
有し且つ後記するイオン交換基の導入において不活性な
樹脂であれば何でもよい。例えば低密度ポリエチレン,
高密度ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ABS,ポリカー
ボネート,ポリエステル,ポリアミド,ポリフェニレン
オキサイド,ポリアセタール,ポリフェニレンサルファ
イド,ポリサルホン,ポリエーテルケトン等が挙げら
れ、イオン交換基の導入処理に対して適当な樹脂を選択
して使用すればよい。尚、これらの熱可塑性樹脂は共重
合体であってもよく、また異種ポリマーの混合物であっ
てもよい。これらの熱可塑性樹脂には公知の熱安定剤,
耐候安定剤,可塑剤,滑剤,帯電防止剤,ブロッキング
防止剤,難燃剤その他の添加剤が入っていても全くかま
わない。また、得られるイオン交換体の強度を低下しな
い範囲で、公知のシリカ,アルミナ,酸化チタン等の酸
化物フィラー,水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウ
ム等の水酸化物フィラー,硫酸カルシウム,硫酸バリウ
ム等の硫酸塩フィラー,炭酸カルシウム,炭酸マグネシ
ウム等の炭酸塩フィラー,タルク,クレー,マイカ,ガ
ラス繊維等のケイ酸塩フィラー,カーボンブラッック,
炭素繊維等の炭素フィラー,本粉,モミ殻,ポリアミド
繊維等の有機フィラー,及び金属フィラー,ボロン繊
維,チタン酸カリウム等のいかなるフィラーが入っても
かまわない。上記した如き添加剤またはフィラーは、予
め熱可塑性樹脂中に混合されていてもよく、ビニル単量
体の重合時に添加してもよく、ビニル単量体の重合後に
添加混練してもよい。上記熱可塑性樹脂は、目的とする
イオン交換体の必要とする性能に応じて選定すればよ
い。例えば、耐熱性を必要とする用途には、耐熱性を有
する熱可塑性樹脂を使用すればよく、耐薬品性が要求さ
れる用途には耐薬品性のある熱可塑性樹脂を使用すれば
よい。
本発明において、溶融混練状態とは、熱可塑性樹脂の軟
化温度あるいは融点以上の温度で、該熱可塑性樹脂が実
質上流動性を有している状態で混練されていることを言
う。熱可塑性樹脂が十分な流動性有して且つ混練されて
いなければ、添加したビニル単量体および架橋剤は十分
に均一に混合せず、結果的に重合したビニル単量体のド
メインが大きくなり、該熱可塑性樹脂に均一微細に分散
させることが困難となる。従って、これにイオン交換基
を導入して得られるイオン交換体は、イオン交換基が樹
脂のマトリックス中に偏在する結果、優れたイオン交換
特性を発揮せず、本発明の目的を達することが出来な
い。即ち、本発明においては熱可塑性樹脂を溶融混練状
態に維持したまま、添加した所定のビニル単量体および
架橋剤を重合させることが極めて重要である。
因みに、ビニル単量体と架橋剤とを熱可塑性樹脂中に添
加し、溶融混練し、この溶融混練時にはビニル単量体お
よび架橋剤を重合させず、溶融混練完了後に熱プレス機
等を用い静止状態で、ビニル単量体と架橋剤とを重合さ
せた場合には、生成した重合体のドメインは十分な均一
さと十分な微小さを有しない。このことは、特に熱可塑
性樹脂とビニル単量体との親和性が小さい場合に著し
い。即ち、熱可塑性樹脂とビニル単量体との親和性が小
さい場合には、混練を停止すると速やかに、熱可塑性樹
脂中のビニル単量体が凝集し集ってしまうためであろう
と考えている。
本発明において、熱可塑性樹脂の軟化温度または融点
は、各樹脂によって異なるので、使用する熱可塑性樹脂
の種類に応じて溶融混練温度を設定すればよい。熱可塑
性樹脂の溶融混練方法は、公知のいかなる混練機を用い
てもよい。このような混練機として、例えばロール,バ
ンパリーミキサー,ニーダー,押出機等があげられる
が、一般に熱可塑性樹脂の溶融温度では、ビニル単量体
は気化したり、大きな蒸気圧を持つので、密閉できる混
練機が望ましい。特に押出機は連続反応が可能なので好
適に用いられる。押出機を用いて本発明を実施する場合
には、ビニル単量体,架橋剤,バーオキサイド等をあら
かじめ熱可塑性樹脂粉と混合し、押出機のホッパーから
供給してもよいが、液状成分の量が多くなると、熱可塑
性樹脂粉と液状成分が分離し易くなるという欠点を有す
る。このような場合には、押出機のバレルの適当な位置
に1ケまたは複数の孔をあけ、この孔を経由して上記ビ
ニル単量体,架橋剤,バーオキサイド等を同時にまたは
別個に供給する方法が好適に用いられる。
本発明においてイオン交換基を導入可能な官能基を有す
るビニル単量体とは、スチレン,アルキル置換スチレン
等のスチレン類,アクリル酸,メタクリル酸等のビニル
酸類,アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル等の
ビニルエステル類,2−ビニルピリジン,4−ビニルピ
リジン,2メチル−5ビニルピリジン等のビニルピリジ
ン類等があげられる。
これらのビニル単量体は、それぞれ単独で用いてもよい
し、他のビニル単量体と併用し、共重合させて用いても
よい。
本発明において、ビニル単量体の使用量は、熱可塑性樹
脂100部に対して、一般に1部以上100部以下の範
囲にあることが望ましい。
即ち、ビニル単量体の使用量が1部未満になると導入で
きるイオン交換基の量が少なくなり、イオン交換容量が
不足し実用的でない。また、ビニル単量体の使用量が1
00部を越えると、熱可塑性樹脂マトリックス中にビニ
ル単量体と架橋剤よりなる重合体が分散するという海島
構造がくずれ、均一性が失なわれるため、成形体の強度
が低下し、寸法安定性が低下する。また平膜状物に関し
ては、使用時にしわ,たるみなどが発生し易くなる。
本発明において、架橋剤は上記ビニル単量体と共重合し
架橋を作るものであれば何でもよく、通常はポリビニル
単量体が用いられる。このようなポリビニル単量体とし
ては、例えばジビニルベンゼン,ビス(4−ビニルフェ
ニル)エタン,ジビニルエーテル,ジビニルピリジン,
フタル酸ジアリル,エチレングライコールジメタクリレ
ート,トリメチロールプロパントリアクリレート等があ
る。これらの架橋剤の使用量は、ビニル単量体に対して
一般に1〜50重量%の範囲で用いることが望ましい。
即ち、架橋剤が上記の1重量%より少なすぎると架橋剤
の効果が小さくなり、ビニル単量体との重合体のドメイ
ンの大きさを小さくし、熱可塑性樹脂マトリックス中に
均一に分散させることが出来なくなる。なお、架橋剤は
50重量%より多く用いてもかまわないが、本発明の目
的を達成するために50重量%以上は不必要である。
本発明において、ビニル単量体および架橋剤を重合させ
る方法は、どのような重合方法を用いてもよいが、ラジ
カル重合をさせる方法が好適に用いられる。ラジカル重
合させるには、開始剤なしで熱重合させてもよいが、一
般にラジカル重合開始剤を用いると簡単に反応を制御出
来望ましい。ラジカル重合開始剤としては、公知のいか
なる開始剤を用いてもよい。一般にアゾ系開始剤と過酸
化物系開始剤とがあるが、熱可塑性樹脂の溶融混練温度
条件で分散する過酸化物系開始剤が好適に用いられる。
本発明においては、溶融混練時にビニル単量体が重合す
るように重合条件を選ぶことが大切である。このため、
ラジカル重合開始剤も熱可塑性樹脂の溶融混練温度で分
解する重合開始剤を選定することが望ましい。このよう
な重合開始剤としては、例えばハイドロパーオキサイ
ド,ジアルキルパーオキサイド,パーオキシケタール,
パーオキシエステル,ジアシルパーオキサイド等のパー
オキサイドがある。
本発明において、熱可塑性樹脂中にビニル単量体,架橋
剤,ラジカル重合開始剤,必要により添加剤フィラーを
添加し、混合し、反応させる順序はどのような方法をと
ってもかまわない。あらかじめ熱可塑性樹脂粉末にビニ
ル単量体,架橋剤,ラジカル重合開始剤,添加剤,フィ
ラーをヘンシェルミキサー等の混合機で混合し、この混
合物を混練機に混合してもよいし、熱可塑性樹脂に一部
の原料を予備混合して混練機に供給し、混練後に他の原
料を供給して溶融混練重合反応を行っても何ら問題はな
い。しかしながら、ビニル単量体と架橋剤と重合開始剤
とは共重合をすみやかに行なわせるために、予め混合し
た後、反応系に供給することが望ましい。
本発明において、ビニル単量体,架橋剤の未反応部分
は、減圧脱気等の方法によって取り除くことが出来る。
押出機を用いて本発明を実施するときは、ベント付きの
押出機を用いて未反応のビニル単量体を脱気すればよ
い。押出機2台をタンデムに結合し、第1押出機で主と
して溶融混練重合反応を行い、第2押出機で後重合及び
脱気を行ってもよい。この時、第2押出機の温度を第1
押出機より上げる方が脱気効率は良好となる。
本発明において、溶融混練状態の熱可塑性樹脂中でビニ
ル単量体と架橋剤を重合させて得られた樹脂(以下、熱
可塑性樹脂組成物という)は、熱可塑性を有しているた
め、公知の成形方法により、所望の形状に賦形すること
ができる。代表的な成形方法を例示すれば、例えばプレ
ス成形,押出成形,射出成形,ブロー成形等が挙げられ
る。これらの成形方法のうち、プレス成形および押出成
形が好適に採用される。また、シート状,繊維状あるい
は管状に成形された成形体を更に公知の方法により延伸
してもよい。
本発明において、所望の形状に賦形された熱可塑性樹脂
組成物中の官能基にイオン交換基を導入する方法は、公
知の方法が特に制限なく採用される。例えば、ビニル単
量体により生成する重合体がスチレン系重合体の場合に
は、クロルスルホン酸と濃硫酸によりスルホン化すれば
よい。また、該重合体がビニルピリジン系重合体の場合
には、ヨウ化メチル等により四級化すればよい。更に、
重合体がビニルエステル系重合体の場合には、硫酸等の
酸により加水分解して、イオン交換基を導入することが
できる。
[効果] 以上の説明より理解される如く、本発明の方法によれ
ば、イオン交換体の基体となる樹脂が熱可塑性を有して
いるため、公知の成形方法により、シート状,管状,繊
維状,ペレット状等の任意の形状に容易に成形すること
ができる。また、溶融混練状態の熱可塑性樹脂中でビニ
ル単量体と架橋剤を重合させるため、生成する重合体が
熱可塑性ポリマー中に極めて均一に分散し、該重合体の
官能基にイオン交換基を導入することにより、内部に均
等な濃度でイオン交換基を有する。イオン交換特性が著
しく優れたイオン交換体を得ることができる。また、得
られイオン交換体は、均一性が良好なため、強度が強く
且つ寸法安定性が良好である。また平膜状物に関して
は、使用時にしわ,たるみなどの発生しにくい良好な膜
が得られる。
本発明の方法によって得られたイオン交換体のシート状
物あるいは管状物は、例えば拡散透析,電気透析,逆浸
透,電気分解,パーベーパレーション等における隔膜と
して有効に使用される。
[実施例] 以下、本発明について実施例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
尚、本実施例に用いたカチオン交換膜及びアニオン交換
膜の電気抵抗,輸率,交換容量および含水率の測定方法
を以下に示す。
・膜の電気抵抗は0.5N−NaClに充分平衡にさせ、
0.5N−NaCl中25.0℃,1000サイクルA.
C.で測定したものである。また、膜の輸率は0.5N
−NaClと2.5N−NaClの間で発生した膜電位からネル
ンストの式を用いて計算したものである。
・カチオン膜の交換容量は、一定量の膜を切りとり、1
N−HClで数回溶液をとりかえながら、完全にH型に
する。次に、膜を純水で充分水洗して、1N−NaCl溶液
でHとNaを交換させ、液中のH量を0.1N−
NaOH標準液で滴定し、交換容量を求めた。
・アニオン膜の交換容量は、0.5N−NH4Clと1N−H
Clでコンディショニングをおこない、完全にCl-型に
し、水洗してメタノールで洗浄後0.2N−NaNO
溶液で、Cl-とNO- 3を交換し、液中のCl-量を0.1N−
AgNO標準液で測定し、交換容量を求めた。なお、
交換容量の表示は試料膜を減圧乾燥機中(60℃,5H
r)で乾燥させた後、重量を測定し、交換容量を乾燥重
量で除した乾燥樹脂gあたりのミリ当量(meq)であ
る。
・含水率は、試料膜の乾燥操作前後の重量変化より求め
た。
実施例1,2,3,4 重合度1000のPVC粉末200gに安定剤として三
塩基性硫酸鉛3.4g,ステアリン酸鉛2.4g,ステ
アリン酸カルシウム0.8gおよびステアリン酸0.4
gを加え、表−1に示す所定量のスチレン,ジビニルベ
ンゼン(DVB)およびパーオキサイドを加え、十分に
混合した後、20mmφの押出機を通し、押出混練重合反
応を行った。
この時、押出機の設定温度は180℃、滞在時間は2分
であった。
このようにして製造した押出反応生成物に、表−1に示
す所定量のジオクチルフタレート(DOP)を加えなが
ら2本ロールにて混練し、厚み60〜250μの原膜を
作った。
この原膜をクロルスルホン酸と硫酸の1/1の溶液に浸
漬し、40℃で4Hr処理し、スルホン化を行った。こ
のようにして作ったカチオン交換膜の物性は、表−1に
示す通りであり、良好なカチオン交換膜特性を示した。
用途例1 実施例3で得られたカチオン交換膜と徳山曹達製アニオ
ン交換膜(商品名;ネオセプタAM−1)とを用い、有
効通電面積2dm2、組込膜対数10対の電気透析装置を
組立て、海水の濃縮を試みた。海水温度25℃,電気密
度3A/dm2で、電気透析をおこなったところ、得られ
た濃縮液中の塩素イオン濃度は3.82N、電流効率は
89.2%であった。
実施例5,6 230℃におけるMI=78のPPホモポリマー粉末5
00gと190℃におけるMI=0.25の高密度ポリ
エチレン粉末500gに、表−2に示す所定量の4ビニ
ルピリジン(4VP)およびジビニルベンゼンおよびパ
ーオキサイドを加え、十分に混合した後、30mmφ同方
向2軸押出機を通し、溶融混練重合反応を行った。この
時の樹脂温は190℃滞在時間は2分であった。
このようにして製造した熱可塑性組成物を熱プレス成形
して表−2に示す厚みに成形した後、CHIのヘキサ
ン40%溶液に30℃で24時間処理し、四級化し、ア
ニオン交換膜を作った。
このアニオン交換膜の物性を表−2に示す。
表−2で見られる通り、良好なアニオン交換膜特性を示
した。
実施例7 エチレン含有量1.8%MI=8のエチレンプロピレン
ランダムコポリマー粉末500gに、表−2に示す所定
量の4−VP,DVBおよびジクミルパーオキサイドを
加え、混合した後、窒素雰囲気下で中空パイプ用ダイス
を取り付けた30mmφ同方向2軸押出機を通し、溶融混
練重合反応を行うと同時に中空パイプを成形した。この
時の樹脂温度は190℃滞在時間は2分であった。
得られた中空パイプの外径は3mmφ、肉厚は300μで
あった。この中空パイプをCHIのヘキサン40%溶
液中で30℃,24Hr処理し、四級化してアニオン交
換性中空パイプを作った。
この中空パイプの性能は表−2に示す通りであり、良好
なイオン交換性能を示した。
用途例2 実施例5で得られた有効膜面積2dm2アニオン交換膜1
0枚を拡散透析装置に配列して、酸の拡酸実験をおこな
った。酸溶液(原液)は、2N−HSOと1N−M
gSOの混合液、拡酸液は水を用い、液温30℃、水
・原液比は1、原液単位処理量当りの膜面積3m2//
Hrの運転条件であった。
得られた透析係数Uは、酸が3.2、塩が3.0×10
-2であった。なお透析係数は次式から求めた。
M=U・A・ΔC M:酸移動量(mol/Hr) U:透析係数(mol/Hr・m2・(mol/)) A:膜面積(m2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融混練状態の熱可塑性樹脂中で、イオン
    交換基を導入可能な官能基を有するビニル単量体と架橋
    剤とを重合させた後に成形し、次いで該官能基にイオン
    交換基を導入することを特徴とするイオン交換体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】溶融混練を押出機内で行う特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】イオン交換基を導入可能な官能基を有する
    ビニル単量体の添加量が、熱可塑性樹脂100重量部に
    対して1〜100重量部である特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  4. 【請求項4】架橋剤の添加量が、イオン交換基を導入可
    能な官能基を有するビニル単量体に対して1〜50重量
    %である特許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】成形を押出成形により行う特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
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