JPH0618681Y2 - 連続鋳造機用鋳片二次冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、連続鋳造機の最終鋳片矯正直前に到達するま
での一部又は全部に設けられ、かつ鋳片の縦割れ発生を
防止するための鋳片二次冷却装置の改良に関する。

（従来の技術） 従来の鋳片二次冷却装置としては、特開昭５７−５０２
６０号公報に提案されているが、その構成の概略を第２
図の要部のみを示した斜視図で説明すると、符号(1)は
噴出ノズル、(2)はロール、(3)はヘッダ、(4)は鋳片で
あって、鋳型下方に公知の鋳片ガイド用上下ロール
(2)、(2)…（図では上ロールのみ図示）を設け、鋳片
(4)を最終矯正器を経て搬送テーブルに移送する全体構
成とし、そして、予め定めた鋳片気水冷却適応ゾーンの
上下夫々の各ロール(2)、(2)…間隔方向に、複数個の冷
却水等の冷却流体を直噴する噴出ノズル(1)を群として
配設してある。

尚、前記複数の噴出ノズル(1)の一端は、鋳片(4)の流れ
方向と平行に配設してあるヘッダ(3)に接続しており、
前記鋳片(4)の表裏面と概略垂直となる方向に配設して
ある。

そして、上記各噴出ノズル(1)は、ロール支持フレーム
に固着したヘッダ(3)部に噴出ノズル(1)の一端部が支持
される、いわゆる片持ち支持構造で取付けられているの
で、該噴出ノズル(1)から冷却水（ミスト）等の冷却流
体が直噴されれば、その背圧によって噴出ノズル(1)自
体に振れが生じ、冷却水の指向性が定まらず、冷却流体
が鋳片(4)に均一に接触しない。もって、鋳片(4)の冷却
が均一にできない。

従来、この種装置において噴出ノズル(1)の振れを防止
するために種々改良が加えられている。

即ち、第２図にある通り、ノズル振れ止め用のバー(5)
を噴出ノズル(1)群のノズル(1)相互間にわたって装着
し、噴出ノズル(1)の振れを防止するものである。

（考案が解決しようとする課題） 前掲の通り、従来の鋳片二次冷却装置にあっては、ノズ
ル振れ止め用として噴出ノズル(1)間に振れ止め用バー
を取付けるようにしているが、それでも噴射ノズルの振
れを充分に防止することが出来なかった。さらに、単数
の噴出ノズルを使用する場合では、従来にあるノズル振
れ止め用のバーを取付けることが出来ないという問題が
あった。

また、鋳片を冷却するための噴出ノズルの支持構造が片
持ち構造であるため、噴出ノズル先端から固定部までの
距離が長くなると前記噴出ノズル自体の剛性が小さくな
り、噴出ノズルから冷却流体を噴出する時に振れが生
じ、噴出した冷却流体が鋳片全域に当たらず、目的外の
上下ロール等に当たり、結果として鋳片の均一冷却が得
られない。

また、噴出ノズルの振動により噴出ノズルの取付部がゆ
るんだり、損傷を受け冷却流体洩れの原因になるという
問題があった。

また、最近のロールピッチの短縮化に対し、噴出ノズル
の固定方法が片持ちで固定されているので噴射位置が不
安定となり、小さなロールの隙間から確実に鋳片を冷却
するための噴出ノズルの取付位置精度が得られないとい
う問題があった。

（課題を解決するための手段） 上記の問題点を解決するために本考案は次のような構成
とした。

即ち、本考案の連続鋳造機用鋳片二次冷却装置は、複数
のロールによりガイドされる鋳片に冷却水等の冷却流体
を噴出する複数の噴出ノズルを前記ロールを支持するロ
ール支持フレームの背面から前記鋳片に指向する如く設
置してなる連続鋳造機用鋳片二次冷却装置において、前
記噴出ノズルの鋳片側の端部が、前記ロール支持フレー
ムのロール取着側に取付けられたノズルガイド部材に嵌
入されてなる構成としている。

（作用） 鋳片を冷却するための噴出ノズルの先端を、ロール支持
フレーム間に取付けられた振れ止め用のノズルガイド部
材に嵌入させることにより、前記噴出ノズルより冷却流
体を噴射するときに生ずる流体の背圧に抗してこの噴出
ノズルの振れを抑制することができる。

また、前記振れ止め用のノズルガイド部材に穿設したガ
イド孔に噴出ノズルの先端を嵌入して固定しているの
で、噴出ノズル先端位置の指向が安定化し、そのため冷
却流体は確実に鋳片の表面にあたり鋳片の均一な冷却が
行える。

さらに、鋳片の幅方向に移動機構を持つ噴出ノズルにつ
いてもノズルガイド部材のガイド孔を長穴構造とするこ
とにより対応することも可能である。（実施例） 本考案の実施例を第１図について以下に説明する。

第１図は本考案の鋳片二次冷却装置を示す一部概略縦断
面図であり、前記第２図にある従来の鋳片二次冷却装置
の構成に、ノズル振れ止め用のノズルガイド部材をロー
ル支持フレームに設け、このノズルガイド部材に前記噴
出ノズル先端を嵌入させた構成を付加したものである。

本図に従って詳述すると、符号(1)乃至(4)は第２図に示
した符号と同一物であるので採用するが、符号(6)はロ
ール支持フレーム、符号(7)はノズル振れ止め用のノズ
ルガイド部材、符号(8)は噴出ノズルを保持するホルダ
ーである。

前記ノズルガイド部材(7)はロール支持フレーム(6)のロ
ール(2)、(2)…側に位置する端面に固着して設けられ、
前記ホルダー(8)を介して噴出ノズル(1)が嵌入されるガ
イド孔(9)を穿設している。

なお、ホルダー(8)は噴出ノズル(1)の先端部より外径が
大きく、かつ噴出ノズル(1)の先端に装着されている。

上記のように、本考案装置は、噴出ノズル(1)の先端部
をホルダー(8)を介してノズルガイド部材(7)のガイド孔
(9)に嵌入した構成としているので、前記噴出ノズル(1)
の先端から冷却流体を噴射するときの背圧により生じる
振れを抑制することができる。

また、前記ノズル振れ止め用のノズルガイド部材(7)に
穿設したガイド孔(9)は、テーパー加工がされているの
で、ホルダー(8)を介して噴出ノズル(1)に嵌入および取
り外しを容易に行うことができる。

本実施例においてはホルダー(8)を介して噴出ノズル(1)
の先端部の振れを防止しているが、直接噴出ノズル(1)
の先端部をノズルガイド部材(7)のガイド孔(9)に嵌入し
てもよい。

（考案の効果） 本考案装置は以上の構成としたので、ノズル振れ止め用
のノズルガイド部材により噴出ノズルの位置維持精度が
飛躍的に向上し、かつ前記噴出ノズルの振れが防止出来
るので、この噴出ノズルの先端部より噴射される冷却流
体は直接鋳片全域と均一に接触するので鋳片を均一に冷
却することができ、もって冷却効率を大幅に向上させる
ことができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の鋳片二次冷却装置を示す一部概略縦断
面図であり、第２図は従来の鋳片二次冷却装置を示す要
部斜視説明図である。 (1)……噴出ノズル、(2)……ロール、(3)……ヘッダ、
(4)……鋳片、(5)……バー、(6)……ロール支持フレー
ム、(7)……ノズルガイド部材、(8)……ホルダー、(9)
……ガイド孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のロール支持フレームに取付けられた
   複数のロールによりガイドされる鋳片に冷却水等の冷却
   流体を噴出する複数の噴出ノズルを前記ロール支持フレ
   ームの背面から前記鋳片に指向する如く設置してなる連
   続鋳造機用鋳片二次冷却装置において、前記噴出ノズル
   の鋳片側の端部が、前記ロール支持フレームのロール取
   付け側に取付けられたノズルガイド部材に嵌入されてな
   ることを特徴とする連続鋳造機用鋳片二次冷却装置。