JPH061867Y2 - 車両用表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両の速度表示やウォーニング表示などをフ
ロントガラスを通して見る外景と重畳して視認できるよ
うにした所謂ヘッドアップディスプレイを用いた車両用
表示装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の表示装置として第４図に示すものがあ
る。

図において、１１はヘッドアップディスプレイ装置で、
速度表示やウォーニング表示を行う自発光式の表示器１
１ａが表示面を上方に向けてダッシュボード１１ｂに収
容されており、この表示器１１ａからの光はフロントガ
ラス１１ｖの内面反射によって運転席側に反射され、運
転者Ａがフロントガラス１１ｃの前方視界内に表示像の
虚像Ｂを視認できるようになっている。

前記表示器１１ａの表示制御を行うコントロール回路１
２にはパーキングブレーキの戻し忘れを検出するパーキ
ングブレーキスイッチ１３、半ドアを検出する半ドアス
イッチ１４、車速を検出するスピードセンサ１５および
運転者が操作するための表示リクエストスイッチ１６が
接続されている。

そして、半ドア時あるいはパーキングブレーキの戻し忘
れなどの異常発生時にはコントロール回路１２が表示器
１１ａを駆動して自動的にウォーニング表示が行われ、
速度表示については表示リクエストスイッチ１６が操作
されたときに数秒間表示器１１ａが駆動されて車速が表
示される。

これによって、運転者はフロントガラス越しに表示を視
認して車速あるいはウォーニング発生などの運転情報を
得ることができる。

上記のように、ヘッドアップディスプレイを用いた表示
装置はインストルメントパネルに設けられた通常の計器
類の他の補助的に表示を行う装置であって、特に走行中
に運転者が注視しているフロントガラスの視野内に表示
器の表示像を映しだすことにより運転者の視線の移動な
どを低減して運転情報を提供する装置としての機能を高
めるようにしたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、車両のインストルメントパネルに配設された
スピードメータ等の計器類は、外光の入射を防いだり、
照明装置を内臓して視認性を良くするように工夫されて
いる。

しかしながら、昼間トンネル内に入ったときなど周囲の
明るさが急に暗くなると、人間の目の明暗順応の遅れに
よって一時的にメータの視認性が低下することがある。
また、夕方など日没直前に太陽に向かって走行する様な
場合、車両前方すなわち運転者前方が明るくなり、メー
タ内の照明を点燈してもメータの視認性が著しく低下す
ることがある。

このように車両の走行状況によっては、インストルメン
トパネルのメータ類の視認性が低下して車速などを確認
することが困難になることがある。

本考案は、前記のようなインソトルメントパネルのメー
タ類における視認性の低下をヘッドアップディスプレイ
装置によって補い、スピードなどの運転情報を効果的に
提供できる表示装置を実現することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するためになした本考案の車両用表示
装置は、運転情報を表示する自発光式の表示器の表示像
を運転席前方の反射面で反射して該表示像をフロントガ
ラスを通して見る外景と重畳して視認できるようにした
車両用表示装置において、車両前方の外光を検出する外
光検出手段と、上記外光検出手段で検出される外光が予
め設定された明るさより暗くなったときに前記表示器を
点燈するとともに明るくなったときに該表示器を消燈す
る第１のモードと、検出される外光が予め設定された明
るさより明るくなったときに前記表示器を点燈するとと
もに暗くなったときに該表示器を消燈する第２のモード
との切換作動が可能な制御手段と、上記制御手段のモー
ドを切り換えるモード切換手段と、を備えたことを特徴
とする。

〔作用〕

前記第１のモードを選択すると、昼間など明るいときに
走行状況によって車両前方が急に明るくなっても、表示
器が点燈されてフロントガラスの視界内に自発光式の表
示器の表示像が投影される。

また、前記第２のモードを選択すると、夕方に太陽に向
かって走行する場合の様に運転者が注視している車両前
方が明るくなっても、フロントガラスの視界内に自発光
式の表示器の表示像が投影される。

〔実施例〕

第１図は本考案実施例の車両用表示装置を示す図であ
る。

図において、１はヘッドアップディスプレイ装置であ
り、１ａは蛍光表示管によって車速をセグメント表示す
るとともに警告シンボルの点燈によってウォーニング表
示を行う自発光式の表示器、１ｂはダッシュボード、１
ｃはフロントガラスである。

上記表示器１ａは表示面を上方に向けてダッシュボード
１ｂに収容されるとともにコントロール回路２の制御に
よって車速表示とウォーニング表示が行われ、この表示
器１ａからの光はフロントガラス１ｃの内面反射によっ
て運転席側に反射され、運転者Ａがフロントガラス１ｃ
の前方視界内に車速などの表示像の虚像Ｂを視認できる
ようになっている。

上記コントロール回路２には、車両前方の明るさを検出
するフォト・センサ３、パーキングブレーキの戻し忘れ
を検出するパーキングブレーキスイッチ４、半ドアを検
出する半ドアスイッチ５、車速を検出するスピードセン
サ６および運転者が操作して表示モードを選択するため
のライトコントロールスイッチ７が接続されている。

そして、コントロール回路２は、半ドア時あるいはパー
キングブレーキの戻し忘れなどの異常発生時には表示器
１ａを駆動して自動的にウォーニング表示を行うととも
に、接続されたセンサあるいはスイッチの状態に応じて
表示器１ａの車速表示の点燈と消燈を行う。

なお、前記フォト・センサ３は、第３図に示したように
ダッシュボード１ｂに埋め込まれたケース内にフォト・
ダイオード３１と増幅回路３２が収容されている。そし
て、フォト・センサ３はフォト・ダイオード３１の受光
面をフロントガラス１ｃ側に向けることによって車両前
方の明るさを検出する指向性が付与され、虚像Ｂの投影
位置の明るさが検出されるようになっている。

ライトコントロールスイッチ７は“ＯＦＦ”にすると昼
間に適した表示シーケンスとなり、“ＯＮ”にすると夕
方以降夜間に適した表示シーケンスになるように設定さ
れている。

第２図は実施例におけるコントロール回路２の制御動作
の一例を示すタイミングチャートである。

コントロール回路２は、タイトコントロールスイッチ７
が“ＯＦＦ”の状態で（昼間）、走行中にトンネルなど
に入ってフォト・センサ３の出力が低下すると予め設定
された一定時間表示器１ａを点燈し（区間ａ）、スピー
ドセンサ６で検出される車速を表示する。このときトン
ネル通過時間などが短く、上記設定された点燈時間が経
過するまでにフォト・センサ３の出力が増加すると表示
器１ａを消燈する（区間ｂ）。

これによって、トンネルなどに入って車両周囲が急に暗
くなり、暗順応によってメータ類の視認性が一時低下し
ても、フロントガラス１ｃに表示器１ａの明るい表示像
が映し出されるため、即座に車速を確認することができ
るようになる。

ライトコントロールスイッチ７が“ＯＮ”の状態で、例
えば走行方向が日没方向に向き、フォト・センサ３の出
力が増加すると、その間表示器１ａを点燈し、フォト・
センサ３の出力が減少すると表示器１ａを消燈する（区
間ｃ）。

このとき、フロントガラス１ｃの視界内が明るくても自
発光式の表示器１ａによる表示像は明るい像として映る
ため、メータ類よりは良好な視認性が得られ、車速を確
認することができるようになる。

なお、上記のようにライトコントロールスイッチ７が
“ＯＮ”の状態のとき、対向車のヘッドランプの投射光
などが短時間入射しても表示器１ａの点燈は行わないよ
うにするのが好ましい（区間ｄ）。この場合は、フォト
・センサ３の出力が増加してから一定時間（短時間）そ
の出力が維持された場合に表示器１ａを点燈するように
すればよい。

なお、ヘッドアップディスプレイ装置における表示像の
輝度は、通常、夜間は昼間より減光しているが、上記の
各モードによて点燈されるときは夜間より明るい輝度で
表示が行われる。

また、フォト・センサ３の出力強度に応じて表示像の輝
度を制御し、天候などによる外部の明るさの変化に応じ
て表示輝度を調節するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案の車両用表示装置によれば、
運転情報を表示する表示器の表示像を運転席前方の反射
面で反射して該表示像をフロントガラスを通して見る外
景と重畳して視認できるようにした車両用表示装置にお
いて、車両前方の外光を検出する外光検出手段と、上記
外光検出手段で検出される外光が予め設定された明るさ
より暗くなったときに前記表示器を点燈するとともに明
るくなったときに該表示器を消燈する第１のモードと、
検出される外光が予め設定された明るさより明るくなっ
たときに前記表示器を点燈するとともに暗くなったとき
に該表示器を消燈する第２のモードとの切換作動が可能
な制御手段と、上記制御手段のモードを切り換えるモー
ド切換手段と、を備え、モード切換手段により上記第１
のモードと第２のモードを切り換えて表示できるように
したので、車両の走行状況に応じて、インストルメント
パネルのメータ類における視認性の低下をヘッドアップ
ディスプレイの表示により補い、スピードなどの運転情
報を効果的に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の車両用表示装置を示す図、 第２図は実施例におけるコントロール回路の制御動作の
一例を示すタイミングチャート、 第３図は実施例におけるフォト・センサの詳細を示す
図、 第４図は従来の車両用表示装置の一例を示す図である。 １…ヘッドアップディスプレイ装置、１ａ…表示器、２
…コントロール回路、３…フォト・センサ、７…ライト
コントロールスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】運転情報を表示する自発光式の表示器の表
   示像を運転席前方の反射面で反射して該表示像をフロン
   トガラスを通して見る外景と重畳して視認できるように
   した車両用表示装置において、 車両前方の外光を検出する外光検出手段と、 上記外光検出手段で検出される外光が予め設定された明
   るさより暗くなったときに前記表示器を点燈するととも
   に明るくなったときに該表示器を消燈する第１のモード
   と、検出される外光が予め設定された明るさより明るく
   なったときに前記表示器を点燈するとともに暗くなった
   ときに該表示器を消燈する第２のモードとの切換作動が
   可能な制御手段と、 上記制御手段のモードを切り換えるモード切換手段と、 を備えたことを特徴とする車両用表示装置。