JPH0618656A - 周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置 - Google Patents

周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置

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JPH0618656A
JPH0618656A JP4194628A JP19462892A JPH0618656A JP H0618656 A JPH0618656 A JP H0618656A JP 4194628 A JP4194628 A JP 4194628A JP 19462892 A JP19462892 A JP 19462892A JP H0618656 A JPH0618656 A JP H0618656A
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哲生 三島
Masaya Takase
雅也 高瀬
Shoji Matsuda
庄司 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数のフィルタ・バンクを用意せずともコヒ
ーレントな信号を得てコヒーレント処理を行うことがで
きる周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を得
ることを目的とする。 【構成】 互に周波数の間隔が一定に保たれた2つの搬
送波を1つに混合した後に同時送信し、目標からの2つ
の受信搬送波をそれぞれの基準信号と混合(ヘテロダイ
ン検波)してベース・バンド信号に変換し、その2つの
ベース・バンド信号を互いに複素共役演算することによ
りコヒーレントな信号を生成するようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コヒーレントな処理
を行うことができるスペクトル拡散レーダ装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図15は例えば「最新 スペクトラム拡
散通信方式」昭和53年11月 ジャテック出版発行
第29頁に示された従来のスペクトル拡散レーダ装置を
示す構成図であり、図において、1・6は疑似雑音を発
生するPN発生器、2・7はPN発生器により発生され
た疑似雑音を高速変更して搬送波(ホッピング周波数)
を生成する周波数シンセサイザ、3は目標、4は周波数
シンセサイザ2により生成された搬送波を目標3に対し
送信し、その目標から反射してきた搬送波を受信する送
受信アンテナ、5はサーキュレータ、8は送受信アンテ
ナ4により受信された搬送波と周波数シンセサイザ7に
より生成された搬送波を混合するミキサ、9は搬送波の
ドップラ偏移を除去できるフィルタ・バンクを用意して
ドップラ偏移を除去するとともに、ホッピング周波数に
対するホッピング補正をすることによりコヒーレントな
信号を得てコヒーレント処理を行うコヒーレント信号処
理器である。
【0003】次に動作について説明する。まず、周波数
シンセサイザ2が、PN発生器1が発生した疑似雑音を
時分割又はパルス毎に高速変更して搬送波fn(n=
1,2,・・・)を生成する。ここで、この搬送波fn
の瞬時スペクトルは、図16に示すように、例えば時刻
t1においては周波数f1、時刻t2においては周波数
f2、時刻t3においては周波数f3のように変化す
る。
【0004】そして、送受信アンテナ4から目標3に対
してこの搬送波fnを送信し、目標3から反射してきた
搬送波fnを受信する。このようにして受信された搬送
波は、レーダに対する目標3との相対速度をvとする
と、下記に示すようなドップラ偏移fdを生じる。 fd=2v・fn/c ・・・(1) ここで、cは光速
【0005】このため、受信された搬送波は、ホッピン
グ周波数fnの変化及び目標3との相対速度vの変化に
ともなって変化する結果、受信された搬送波の周波数は
fn+fdとなる。従って、このままではコヒーレント
信号処理器9にてコヒーレント処理(例えば、目標検出
や目標速度検出)を行うことができないので、コヒーレ
ント信号処理器9において、図17に示すようなフィル
タ・バンクを用意してドップラ偏移fdを除去してい
る。さらに、コヒーレント信号処理器9は、コヒーレン
トな信号を得てコヒーレント処理を行うために、搬送波
のホッピングを補正するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のスペクトル拡散
レーダ装置は以上のように構成されているので、コヒー
レント処理を行うには、搬送波の変化及び目標との相対
速度の変化に応じて、ドップラ偏移を分別できるだけの
極めて多数のフィルタ・バンクを用意しなければならい
などの問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、多数のフィルタ・バンクを用意
せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント処理を
行うことができるスペクトル拡散レーダ装置を得ること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
スペクトル拡散レーダ装置は、互に周波数の間隔が一定
に保たれた2つの搬送波をそれぞれ周波数変換してベー
ス・バンド信号に変換し、その2つのベース・バンド信
号を互いに複素共役演算することによりコヒーレントな
信号を生成するようにしたものである。
【0009】請求項2の発明に係わるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、互に周波数の間隔が一定に保たれた2つの
搬送波を互いに複素共役演算することによりコヒーレン
トな信号を生成するようにしたものである。
【0010】請求項3の発明に係わるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの搬送波をそれぞれ周波数変換してベース・バ
ンド信号に変換し、その2つのベース・バンド信号を互
いに複素共役演算することによりコヒーレントな信号を
生成するようにしたものである。
【0011】請求項4の発明に係わるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの搬送波を互いに複素共役演算することにより
コヒーレントな信号を生成するようにしたものである。
【0012】請求項5の発明に係わるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、互に周波数の間隔が一定に保たれた2つの
搬送波をそれぞれ周波数変換してベース・バンド信号に
変換するとともに、その2つのベース・バンド信号の送
信時間差分を補正し、補正後の2つのベース・バンド信
号を互いに複素共役演算することによりコヒーレントな
信号を生成するようにしたものである。
【0013】請求項6の発明に係わるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの搬送波を互いに複素共役演算することにより
コヒーレントな信号を生成するようにしたものである。
【0014】さらに、請求項7の発明に係わるスペクト
ル拡散レーダ装置は、振幅変調された搬送波を振幅変調
周波数で振幅復調することによりコヒーレントな信号を
生成するようにしたものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明におけるスペクトル拡散レーダ
装置は、分離手段により分離された2つの搬送波をそれ
ぞれ周波数変換してベース・バンド信号に変換し、その
2つのベース・バンド信号を互いに複素共役演算するこ
とによりコヒーレントな信号を生成する信号生成手段を
設けたことにより、コヒーレント処理を行うことができ
るようになる。
【0016】請求項2の発明におけるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、分離手段により分離された2つの搬送波を
互いに複素共役演算することによりコヒーレントな信号
を生成する信号生成手段を設けたことにより、コヒーレ
ント処理を行うことができるようになる。
【0017】請求項3の発明におけるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの搬送波をそれぞれ周波数変換してベース・バ
ンド信号に変換し、その2つのベース・バンド信号を互
いに複素共役演算することによりコヒーレントな信号を
生成する信号生成手段を設けたことにより、コヒーレン
ト処理を行うことができるようになる。
【0018】請求項4の発明におけるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの搬送波を互いに複素共役演算することにより
コヒーレントな信号を生成する信号生成手段を設けたこ
とにより、コヒーレント処理を行うことができるように
なる。
【0019】請求項5の発明におけるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、送受信手段により受信された2つの搬送波
をそれぞれ周波数変換してベース・バンド信号に変換す
るとともに、その2つのベース・バンド信号の送信時間
差分を補正し、補正後の2つのベース・バンド信号を互
いに複素共役演算することによりコヒーレントな信号を
生成する信号生成手段を設けたことにより、コヒーレン
ト処理を行うことができるようになる。
【0020】請求項6の発明におけるスペクトル拡散レ
ーダ装置は、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの搬送波を互いに複素共役演算することにより
コヒーレントな信号を生成する信号生成手段を設けたこ
とにより、コヒーレント処理を行うことができるように
なる。
【0021】さらに、請求項7の発明におけるスペクト
ル拡散レーダ装置は、送受信手段により受信された搬送
波を振幅変調周波数で振幅復調することによりコヒーレ
ントな信号を生成する信号生成手段を設けたことによ
り、コヒーレント処理を行うことができるようになる。
【0022】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例によるスペクトル拡散
レーダ装置を示す構成図であり、図において、21は互
に周波数の間隔が一定に保たれた搬送波(fn,fn+
Δf)を生成する搬送波生成手段、22は搬送波fn
(n=1,2,3・・・)を生成する周波数シンセサイ
ザ、23は搬送波fnに対して周波数の間隔がΔfだけ
ずれた搬送波fn+Δfを生成すべく周波数Δfの信号
を生成する周波数シンセサイザ、24は搬送波fnを2
つに分配する電力分配器、25は周波数fnと周波数Δ
fを合成して搬送波fn+Δfを生成するミキサ、26
は送信系の大電力増幅器である。
【0023】また、27は搬送波生成手段21により生
成された2つの搬送波(fn,fn+Δf)を目標3に
対し同時に送信し、その目標3から反射してきた搬送波
(fn,fn+Δf)を受信する送受信手段、28は搬
送波fnと搬送波fn+Δfを混合する電力分配器、2
9はサーキュレータ、30は搬送波を送受信する送受信
アンテナである。
【0024】また、31は送受信手段27により受信さ
れた搬送波を2つの搬送波(fn,fn+Δf)に分離
する分離手段、32は受信系の低雑音増幅器、33は電
力分配器、34は受信した搬送波から搬送波fn分を取
り出すチューナブル帯域通過フィルタ、35は受信した
搬送波から搬送波fn+Δf分を取り出すチューナブル
帯域通過フィルタである。
【0025】また、36は分離手段31により分離され
た2つの搬送波(fn,fn+Δf)をそれぞれ周波数
変換してベース・バンド信号に変換し、その2つのベー
ス・バンド信号を互いに複素共役演算することによりコ
ヒーレントな信号を生成する信号生成手段、37は搬送
波fnに対応する基準信号fnを生成する周波数シンセ
サイザ、38は搬送波fn+Δfに対応する基準信号f
n+Δfを生成する周波数シンセサイザ、39は基準信
号fnとチューナブル帯域通過フィルタ34により取り
出された搬送波を混合することにより、搬送波をベース
・バンド信号に変換するミキサ、40は基準信号fn+
Δfとチューナブル帯域通過フィルタ35により取り出
された搬送波を混合することにより、搬送波をベース・
バンド信号に変換するミキサ、41はミキサ39・40
により変換された2つのベース・バンド信号を互いに複
素共役演算することによりコヒーレントな信号を生成す
る複素乗算器である。
【0026】42は信号生成手段36により生成された
コヒーレントな信号を用いてコヒーレント処理(例え
ば、コヒーレント積分、パルス・ドップラ処理、移動目
標検出処理)を行うコヒーレント信号処理器(信号処理
手段)である。
【0027】次に動作について説明する。周波数シンセ
サイザ22が生成した搬送波fnは、電力分配器24で
2つに分配され、一方は大電力増幅器26で増幅され、
他方はミキサ25に入力される。そして、ミキサ25が
搬送波fnと周波数Δfの信号を合成して搬送波fn+
Δfを生成し、大電力増幅器26が搬送波fn+Δfを
増幅する。ここで、大電力増幅器26で搬送波fn,f
n+Δfを増幅すると、搬送波fn,fn+Δfを含む
ホッピング送信搬送波Gt(t),Ht(t)が生成さ
れる。
【0028】
【数1】
【0029】次に、電力分配器28が、このホッピング
送信搬送波Gt(t),Ht(t)を混合した後、送受
信アンテナ30が目標3に対して送信する。ここで、送
信波は図2に示すように、同時に生成された2つのホッ
ピング周波数fn,fn+Δfの混合波であるため、ビ
ート周波数に従って振幅にも変調が生じ、その瞬時スペ
クトルは図3に示す通りである。
【0030】次に、送受信アンテナ30が、レーダから
距離R=R0 −vt(R0 は時刻t=0における目標距
離)にある目標3から反射してきた搬送波を受信した
後、この搬送波はサーキュレータ29を通過して低雑音
増幅器32で増幅される。そして、この搬送波は電力分
配器33で2つに分配された後、チューナブル帯域通過
フィルタ34・35でそれぞれ搬送波fnまたは搬送波
fn+Δf分を含むホッピング受信搬送波Gr(t),
Hr(t)が取り出される。
【0031】
【数2】
【0032】次に、ミキサ39が、基準信号fnとチュ
ーナブル帯域通過フィルタ34により取り出されたホッ
ピング受信搬送波Gr(t)を混合(周波数変換)する
ことにより、ホッピング受信搬送波Gr(t)をベース
・バンド信号Gb(t)に変換する。また、ミキサ40
が、基準信号fn+Δfとチューナブル帯域通過フィル
タ35により取り出されたホッピング受信搬送波Hr
(t)を混合(周波数変換)することにより、ホッピン
グ受信搬送波Hr(t)をベース・バンド信号Hb
(t)に変換する。
【0033】
【数3】
【0034】次に、複素乗算器41が、ベース・バンド
信号Gb(t),Hb(t)を、下記のように、複素共
役演算することによりコヒーレントな信号S0 (t)を
得る。
【0035】
【数4】
【0036】式(8)から解るように、信号S0 (t)
は、ホッピング周波数fn及び初期位相ΦnA,ΦnBに依
らず、目標3との相対速度v、距離R0 、及び2つの搬
送波の周波数間隔Δfのみにより与えられる。従って、
信号S0 (t)は、搬送波のホッピング及びドップラ偏
移に影響されないコヒーレントな信号であるといえる。
【0037】最後に、コヒーレント信号処理器42が、
この信号S0 (t)を用いて、コヒーレント積分、パル
ス・ドップラ処理又は移動目標検出処理等のコヒーレン
ト処理を行う。
【0038】実施例2.図4はこの発明の他の実施例に
よるスペクトル拡散レーダ装置を示す構成図であり、図
において、43は分離手段31により分離された2つの
搬送波を互いに複素共役演算することによりコヒーレン
トな信号を生成する複素乗算器(信号生成手段)であ
る。
【0039】次に動作について説明する。上記実施例1
では、ミキサ39・40で、周波数変換することにより
ベース・バンド信号Gb(t),Hb(t)を求めるよ
うにしているが、実施例2では、複素乗算器43におい
て、直接ホッピング受信搬送波Gr(t),Hr(t)
を用いて複素共役演算するようにしている。この結果、
複素乗算器43の出力である信号S0 (t)は、下記の
ようになる。
【0040】
【数5】
【0041】これにより、搬送波のホッピング周波数に
依らないコヒーレントな信号が得られ、上記実施例1と
同様な効果が得られる。
【0042】実施例3.また、上記実施例1・2では、
大電力増幅器26を電力分配器28の前段に2つ設けた
ものを示したが、図5に示すように、電力分配器28の
後段に1つ設けるようにしてもよく、上記実施例1・2
と同様の効果を奏する。この場合、大電力増幅器26
は、A級増幅動作が必要になる。図5では実施例1に対
する変形例を示したが、実施例2に対しても同様の変形
が可能である。
【0043】実施例4.また、上記実施例1・2では、
電力分配器28により2つの搬送波を混合した後、単一
の送受信アンテナ30により送信するものについて示し
たが、図6に示すように、2つの搬送波を混合せずに、
各々別々の送受信アンテナ30から送信するようにして
もよい。この場合、送受信アンテナの個数は増加する
が、サーキュレータ29及び電力分配器28を削減でき
る利点がある。図6では実施例1に対する変形例を示し
たが、実施例2に対しても同様の変形が可能である。
【0044】実施例5.図7はこの発明の他の実施例に
よるスペクトル拡散レーダ装置を示す構成図でり、図に
おいて、44は搬送波生成手段21により生成された2
つの搬送波を目標に対し順次送信し、その目標から反射
してきた搬送波を受信する送受信手段、45は周波数シ
ンセサイザ23の出力を入り切りする切替スイッチ、4
6は分離手段31により分離された2つの搬送波の送信
時間差分を補正する遅延器(時間補正手段)である。
【0045】次に動作について説明する。まず、切替ス
イッチ45を順次切り替えることにより、周波数シンセ
サイザ23の出力が入り切りされる。これにより、ミキ
サ25には搬送波fnと搬送波fn+Δfの双方、また
は搬送波fnのみが入力される。この結果、ミキサ25
から図8に示すように、周波数fnの搬送波と周波数f
n+Δfの搬送波が連続的に出力されることになるの
で、送受信アンテナ30からは、周波数fnと周波数f
n+Δfを含む搬送波Gt(t),Ht(t)が連続的
に目標3に対して送信される。
【0046】従って、送受信アンテナ30により、ま
ず、搬送波Gt(t)が受信されると、チューナブル帯
域通過フィルタ34で搬送波fn分を含む受信搬送波G
r(t)が取り出された後、送受信搬送波Gr(t)が
遅延器46に入力される。一方、搬送波Ht(t)が受
信されると、チューナブル帯域通過フィルタ35で搬送
波fn+Δf分を含む受信搬送波Hr(t)が取り出さ
れる。このように、fn分を含む搬送波Gr(t)のみ
遅延器46に入力される結果、搬送波Gr(t)と搬送
波Hr(t)の送信時間差分が補正される。この結果、
搬送波Gt(t)と搬送波Ht(t)を同時に送信した
場合と同様に扱うことができる。
【0047】この様子を実施例1と同様に式で表すと下
記のようになる。まず、送信搬送波Gt(t),Ht
(t)、受信搬送波Gr(t),Hr(t)は下記のよ
うになる。
【0048】
【数6】
【0049】そして、実施例1と同様にして、ミキサ3
9・40で周波数変換してベース・バンド信号Gb
(t),Hb(t)を求めた後、複素乗算器41で信号
0 (t)を求める。
【0050】
【数7】
【0051】式(16)において、fnのホッピング範
囲に比べて高速Cが十分に大きく、送信時間差tpが十
分に小さい範囲では、 (fn+Δf)2v・tp/c≒Φp(一定) ・・・(17) とみなすことができるので、信号S0 (t)も下記のよ
うになる。
【0052】
【数8】
【0053】従って、実施例1と同様に、搬送波のホッ
ピング周波数によらないコヒーレントな信号S0 (t)
を得ることができる。なお、図7においては、遅延器4
6はミキサ39の直前に配置するものを示したが、電力
分配器33以降複素乗算器41の直前までの間であれば
いずれに配置してもよい。
【0054】実施例6.図9はこの発明の他の実施例に
よるスペクトル拡散レーダ装置を示す構成図であり、図
において、47は分離手段31により分離された2つの
搬送波を互いに複素共役演算することによりコヒーレン
トな信号を生成する複素乗算器(信号生成手段)であ
る。
【0055】次に動作について説明する。上記実施例5
では、ミキサ39・40で、周波数変換することにより
ベース・バンド信号Gb(t),Hb(t)を求めるよ
うにしているが、実施例6では、複素乗算器47におい
て、直接ホッピング受信搬送波Gr(t),Hr(t)
を用いて複素共役演算するようにしている。この結果、
上記実施例5と同様の効果が得られる。
【0056】実施例7.図10はこの発明の他の実施例
によるスペクトル拡散レーダ装置を示す構成図であり、
図において、48は送受信手段44により受信された2
つの搬送波をそれぞれ周波数変換してベース・バンド信
号に変換するとともに、その2つのベース・バンド信号
の送信時間差分を補正し、補正後の2つのベース・バン
ド信号を互いに複素共役演算することによりコヒーレン
トな信号を生成する信号生成手段、49は周波数シンセ
サイザ37・38の出力を切り替える切替スイッチ、5
0は受信搬送波と基準信号fnまたは基準信号fn+Δ
fを混合するミキサ、51は切替スイッチである。
【0057】次に動作について説明する。上記実施例5
・6では、周波数fnを含む搬送波Gt(t)と周波数
fn+Δfを含む搬送波Ht(t)を連続的に送信する
ものであるが、実施例7では、図11に示すように、周
波数fnを含む搬送波Gt(t)を送信した後、一定時
間をおいて周波数fn+Δfを含む搬送波Ht(t)を
送信するようにしたものである。
【0058】信号生成手段48の動作としては、まず、
周波数fnを含む搬送波Gt(t)を受信すると、切替
スイッチ49が周波数シンセサイザ37側に切り替わる
ことにより、搬送波Gt(t)と基準信号fnが混合さ
れてベース・バンド信号Gb(t)が生成される。ま
た、この時切替スイッチ51は遅延器46側に切り替わ
っているので、ベース・バンド信号Gb(t)は遅延器
46に入力される。
【0059】一方、周波数fn+Δfを含む搬送波Ht
(t)を受信すると、切替スイッチ49が周波数シンセ
サイザ38側に切り替わることにより、搬送波Ht
(t)と基準信号fn+Δfが混合されてベース・バン
ド信号Hb(t)が生成される。また、この時切替スイ
ッチ51は複素乗算器41側に切り替わっているので、
ベース・バンド信号Hb(t)は直接複素乗算器41に
入力される。
【0060】このように、fn分を含むベース・バンド
信号Gb(t)のみ遅延器46に入力される結果、ベー
ス・バンド信号Gb(t)とベース・バンド信号Hb
(t)の送信時間差分が補正される。この結果、搬送波
Gt(t)と搬送波Ht(t)を同時に送信した場合と
同様に扱うことができる。従って、上記実施例5と同様
に、搬送波のホッピング周波数によらないコヒーレント
な信号S0 (t)を得ることができる。
【0061】実施例8.図12はこの発明の他の実施例
によるスペクトル拡散レーダ装置を示す構成図であり、
図において、52は送受信手段44により受信された2
つの搬送波の送信時間差分を補正する時間補正手段であ
る。
【0062】次に動作について説明する。上記実施例7
では、ミキサ50で、周波数変換することによりベース
・バンド信号Gb(t),Hb(t)を求めるようにし
ているが、実施例8では、複素乗算器47において、直
接搬送波Gt(t),Ht(t)を用いて複素共役演算
するようにしている。この結果、上記実施例7と同様の
効果が得られる。
【0063】実施例9.図13はこの発明の他の実施例
によるスペクトル拡散レーダ装置を示す構成図であり、
図において、53は搬送波を所定の振幅変調周波数fAM
で振幅変調する変調器(振幅変調手段)、54は送受信
手段44により受信された搬送波を該振幅変調周波数f
AMで振幅復調することによりコヒーレントな信号を生成
する復調器(信号生成手段)である。
【0064】次に動作について説明する。まず、変調器
53が、搬送波fnを振幅変調周波数fAMで振幅変調す
る。そして、振幅変調された搬送波は大電力増幅器26
で増幅された結果、ホッピング送信搬送波Gt(t)は
下記のようになる。
【0065】
【数9】
【0066】これに対し、レーダから距離R=R0 −v
tにある目標3から反射してきたホッピング受信搬送波
Gr(t)はドップラ偏移を受け、下記のようになる。
【0067】
【数10】
【0068】次に、復調器54が、このホッピング受信
搬送波Gr(t)を振幅復調して信号S0 (t)を出力
する。
【0069】
【数11】
【0070】これにより、搬送波のホッピング周波数に
依らないコヒーレントな信号が得られ、上記実施例と同
様な効果が得られる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、互に周波数の間隔が一定に保たれた2つの搬送波を
それぞれ周波数変換してベース・バンド信号に変換し、
その2つのベース・バンド信号を互いに複素共役演算す
ることによりコヒーレントな信号を生成するように構成
したので、多数のフィルタ・バンクを用意せずともコヒ
ーレントな信号を得てコヒーレント処理を行うことがで
きるなどの効果がある。
【0072】請求項2の発明によれば、互に周波数の間
隔が一定に保たれた2つの搬送波を互いに複素共役演算
することによりコヒーレントな信号を生成するように構
成したので、多数のフィルタ・バンクを用意せずともコ
ヒーレントな信号を得てコヒーレント処理を行うことが
できるなどの効果がある。
【0073】請求項3の発明によれば時間補正手段によ
り送信時間差分を補正された2つの搬送波をそれぞれ周
波数変換してベース・バンド信号に変換し、その2つの
ベース・バンド信号を互いに複素共役演算することによ
りコヒーレントな信号を生成するように構成したので、
多数のフィルタ・バンクを用意せずともコヒーレントな
信号を得てコヒーレント処理を行うことができるなどの
効果がある。
【0074】請求項4の発明によれば、時間補正手段に
より送信時間差分を補正された2つの搬送波を互いに複
素共役演算することによりコヒーレントな信号を生成す
るように構成したので、多数のフィルタ・バンクを用意
せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント処理を
行うことができるなどの効果がある。
【0075】請求項5の発明によれば、互に周波数の間
隔が一定に保たれた2つの搬送波をそれぞれ周波数変換
してベース・バンド信号に変換するとともに、その2つ
のベース・バンド信号の送信時間差分を補正し、補正後
の2つのベース・バンド信号を互いに複素共役演算する
ことによりコヒーレントな信号を生成するように構成し
たので、多数のフィルタ・バンクを用意せずともコヒー
レントな信号を得てコヒーレント処理を行うことができ
るなどの効果がある。
【0076】請求項6の発明によれば、時間補正手段に
より送信時間差分を補正された2つの搬送波を互いに複
素共役演算することによりコヒーレントな信号を生成す
るように構成したので、多数のフィルタ・バンクを用意
せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント処理を
行うことができるなどの効果がある。
【0077】さらに、請求項7の発明に係わるスペクト
ル拡散レーダ装置は、振幅変調された搬送波を振幅変調
周波数で振幅復調することによりコヒーレントな信号を
生成するように構成したので、多数のフィルタ・バンク
を用意せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント
処理を行うことができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるスペクトル拡散レー
ダ装置を示す構成図である。
【図2】実施例1のパルス・トレイン・チャート図であ
る。
【図3】実施例1の搬送波スペクトルを示す説明図であ
る。
【図4】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散レ
ーダ装置を示す構成図である。
【図5】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散レ
ーダ装置を示す構成図である。
【図6】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散レ
ーダ装置を示す構成図である。
【図7】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散レ
ーダ装置を示す構成図である。
【図8】実施例5のパルス・トレイン・チャート図であ
る。
【図9】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散レ
ーダ装置を示す構成図である。
【図10】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散
レーダ装置を示す構成図である。
【図11】実施例7のパルス・トレイン・チャート図で
ある。
【図12】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散
レーダ装置を示す構成図である。
【図13】この発明の他の実施例によるスペクトル拡散
レーダ装置を示す構成図である。
【図14】実施例9のパルス・トレイン・チャート図で
ある。
【図15】従来のスペクトル拡散レーダ装置を示す構成
図である。
【図16】従来の搬送波スペクトルを示す説明図であ
る。
【図17】フィルタ・バンクを示す説明図である。
【符号の説明】
3 目標 21 搬送波生成手段 27,44 送受信手段 31 分離手段 36 信号生成手段 42 コヒーレント信号処理器(信号処理手段) 43,47 複素乗算器(信号生成手段) 46 遅延器(時間補正手段) 52 時間補正手段 53 変調器(振幅変調手段) 54 復調器(信号生成手段)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 周波数ホッピング型スペクトル拡散レ
ーダ装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コヒーレントな処理
を行うことができる周波数ホッピング型スペクトル拡散
レーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は例えば「最新 スペクトラム拡
散通信方式」昭和53年11月 ジャテック出版発行
第29頁に示された周波数ホッピングシステムをレーダ
装置に応用した従来のスペクトル拡散レーダ装置を示す
構成図であり、図において、1・6は疑似雑音を発生す
るPN発生器、2・7はPN発生器1・6により発生さ
れた疑似雑音に従い周波数を高速変更してホッピング搬
送波を生成する周波数シンセサイザ、3は目標、4は周
波数シンセサイザ2により生成された搬送波を目標3に
対し送信し、その目標3から反射してきた搬送波を受信
する送受信アンテナ、5はサーキュレータ、8は送受信
アンテナ4により受信された搬送波と周波数シンセサイ
ザ7により生成された搬送波を混合するミキサ、9は搬
送波のドップラ偏移に対応するフィルタ・バンクを用意
してドップラ偏移及びホッピング周波数に対する補正を
することによりコヒーレントな信号を得てコヒーレント
処理を行うコヒーレント信号処理器である。
【0003】次に動作について説明する。まず、周波数
シンセサイザ2が、PN発生器1が発生した疑似雑音に
従い時分割又はパルス毎に周波数を高速変更してホッピ
ング搬送波fn(n=1,2,・・・)を生成する。こ
こで、この搬送波の瞬時スペクトルは、図16に示すよ
うに、例えば時刻t1においては周波数f1、時刻t2
においては周波数f2、時刻t3においては周波数f3
のように変化する。
【0004】そして、送受信アンテナ4から目標3に対
してこの搬送波を送信し、目標3から反射してきた搬送
波を受信する。このようにして受信された搬送波は、レ
ーダに対する目標3との相対速度をvとすると、下記に
示すようなドップラ偏移fdを生じる。 fd≒2v・fn/c ・・・(1) ここで、cは光速
【0005】このため、受信された搬送波は、ホッピン
グ周波数fnの変化及び目標3との相対速度vの変化に
ともなって変化する結果、受信された搬送波の周波数は
fn+fdとなる。従って、このままではコヒーレント
処理(例えば、コヒーレント積分、パルス・ドップラ処
理、移動目標検出処理)を行うことができないので、コ
ヒーレント信号処理器9において、図17に示すような
フィルタ・バンクを用意してホッピング周波数fnとド
ップラ偏移fdに対応する。さらに、コヒーレント信号
処理器9は、コヒーレントな信号を得てコヒーレント処
理を行うために、搬送波のホッピングを補正するように
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のスペクトル拡散
レーダ装置は以上のように構成されているので、コヒー
レント処理を行うには、搬送波のホッピング周波数の変
化及び目標との相対速度の変化に応じて、ドップラ偏移
を分別できるだけの極めて多数のフィルタ・バンクを用
意しホッピング周波数に対する補正演算を行なわなけれ
ばならないなどの問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、多数のフィルタ・バンクを用意
せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント処理を
行うことができる周波数ホッピング型スペクトル拡散レ
ーダ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置は、互い
に周波数の間隔が一定に保たれた2つの搬送波を1つに
混合した後に同時送信し、目標からの2つの受信搬送波
をそれぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検波)して
ベース・バンド信号に変換し、その2つのベース・バン
ド信号を互いに複素共役演算することによりコヒーレン
トな信号を生成するようにしたものである。
【0009】請求項2の発明に係わる周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を1つに混合した後に同時
送信し、目標からの2つの受信搬送波を直接混合(ホモ
ダイン検波)し、複素共役演算することによりコヒーレ
ントな信号を生成するようにしたものである。
【0010】請求項3の発明に係わる周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を順次送信し、時間補正手
段により送信時間差分を補正された2つの受信搬送波を
それぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検波)してベ
ース・バンド信号に変換し、その2つのベース・バンド
信号を互いに複素共役演算することによりコヒーレント
な信号を生成するようにしたものである。
【0011】請求項4の発明に係わる周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を順次送信し、時間補正手
段により送信時間差分を補正された2つの受信搬送波を
直接混合(ホモダイン検波)して複素共役演算すること
によりコヒーレントな信号を生成するようにしたもので
ある。
【0012】請求項5の発明に係わる周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を一定時間をおきながら送
信し、送受信手段により受信された2つの搬送波をそれ
ぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検波)してベース
・バンド信号に変換するとともに、その2つのベース・
バンド信号の送信時間差分を補正し、補正後の2つのベ
ース・バンド信号を互いに複素共役演算することにより
コヒーレントな信号を生成するようにしたものである。
【0013】請求項6の発明に係わる周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を一定時間をおきながら送
信し、時間補正手段により送信時間差分を補正された2
つの受信搬送波を直接混合(ホモダイン検波)して複素
共役演算することによりコヒーレントな信号を生成する
ようにしたものである。
【0014】さらに、請求項7の発明に係わる周波数ホ
ッピング型スペクトル拡散レーダ装置は、振幅変調され
た搬送波を送信し、目標からの受信搬送波を振幅検波す
ることによりコヒーレントな信号を生成するようにした
ものである。
【0015】
【作用】請求項1の発明における周波数ホッピング型ス
ペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が一定
に保たれた2つの搬送波を混合した後に同時送信し、分
離手段により分離された2つの受信搬送波をそれぞれの
基準信号と混合(ヘテロダイン検波)してベース・バン
ド信号に変換し、その2つのベース・バンド信号を互い
に複素共役演算することにより送信搬送波の周波数間隔
を抽出しコヒーレントな信号を生成する信号生成手段を
設けたことにより、コヒーレント処理を行うことができ
るようになる。
【0016】請求項2の発明における周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互に周波数の間隔が一
定に保たれた2つの搬送波を1つに混合した後に同時送
信し、分離手段により分離された2つの受信搬送波を直
接混合(ホモダイン検波)して複素共役演算することに
より、送信搬送波の周波数間隔を抽出し、コヒーレント
な信号を生成する信号生成手段を設けたことにより、コ
ヒーレントな信号を生成するようにしたものである。
【0017】請求項3の発明における周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を順次送信し、時間補正手
段により送信時間差分を補正された2つの受信搬送波を
それぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検波)してベ
ース・バンド信号に変換し、その2つのベース・バンド
信号を互いに複素共役演算することにより送信搬送波の
周波数間隔を抽出し、コヒーレントな信号を生成する信
号生成手段を設けたことにより、コヒーレント処理を行
うことができるようになる。
【0018】請求項4の発明における周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を順次送信し、時間補正手
段により送信時間差分を補正された2つの受信搬送波を
直接混合(ホモダイン検波)して複素共役演算すること
により送信搬送波の周波数間隔を抽出し、コヒーレント
な信号を生成する信号生成手段を設けたことにより、コ
ヒーレント処理を行うことができるようになる。
【0019】請求項5の発明における周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を一定時間をおきながら送
信し、送受信手段により受信された2つの搬送波をそれ
ぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検波)してベース
・バンド信号に変換するとともに、その2つのベース・
バンド信号の送信時間差分を補正し、補正後の2つのベ
ース・バンド信号を互いに複素共役演算することにより
送信搬送波の周波数間隔を抽出し、コヒーレントな信号
を生成する信号生成手段を設けたことにより、コヒーレ
ント処理を行うことができるようになる。
【0020】請求項6の発明における周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置は、互いに周波数の間隔が
一定に保たれた2つの搬送波を一定時間をおきながら送
信し、時間補正手段により送信時間差分を補正された2
つの受信搬送波を直接混合(ホモダイン検波)して複素
共役演算することにより送信搬送波の周波数間隔を抽出
し、コヒーレントな信号を生成する信号生成手段を設け
たことにより、コヒーレント処理を行うことができるよ
うになる。
【0021】さらに、請求項7の発明における周波数ホ
ッピング型スペクトル拡散レーダ装置は、振幅変調され
た搬送波を送信し、送受信手段により受信された搬送波
を振幅検波することにより振幅変調成分を抽出し、コヒ
ーレントな信号を生成する信号生成手段を設けたことに
より、コヒーレント処理を行うことができるようにな
る。
【0022】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例による周波数ホッピン
グ型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図であり、図
において、21は互いに周波数の間隔が一定に保たれた
搬送波(fn,fn+Δf)を生成する搬送波生成手
段、22は搬送波fn(n=1,2,3・・・)を生成
する周波数シンセサイザ、23は搬送波fnに対して周
波数の間隔がΔfだけずれた搬送波fn+Δfを生成す
べく周波数Δfの信号を生成する周波数シンセサイザ、
24は搬送波fnを2つに分配する電力分配器、25は
周波数fnと周波数Δfを合成して搬送波fn+Δfを
生成するミキサ、26は送信系の大電力増幅器である。
【0023】また、27は搬送波生成手段21により生
成された2つの搬送波(fn,fn+Δf)を目標3に
対し同時に送信し、その目標3から反射してきた搬送波
(fn,fn+Δf)を受信する送受信手段、28は搬
送波fnと搬送波fn+Δfを混合する電力分配器、2
9はサーキュレータ、30は搬送波を送受信する送受信
アンテナである。
【0024】また、31は送受信手段27により受信さ
れた搬送波を2つの搬送波(fn,fn+Δf)に分離
する分離手段、32は受信系の低雑音増幅器、33は電
力分配器、34は受信した搬送波から搬送波fn分を取
り出すチューナブル帯域通過フィルタ、35は受信した
搬送波から搬送波fn+Δf分を取り出すチューナブル
帯域通過フィルタである。
【0025】また、36は分離手段31により分離され
た2つの搬送波(fn,fn+Δf)をそれぞれの基準
信号と混合(ヘテロダイン検波)してベース・バンド信
号に変換し、その2つのベース・バンド信号を互いに複
素共役演算することによりコヒーレントな信号を生成す
る信号生成手段、37は搬送波fnに対応する基準信号
fnを生成する周波数シンセサイザ、38は搬送波fn
+Δfに対応する基準信号fn+Δfを生成する周波数
シンセサイザ、39は基準信号fnとチューナブル帯域
通過フィルタ34により取り出された搬送波を混合する
ことにより、搬送波をベース・バンド信号に変換するミ
キサ、40は基準信号fn+Δfとチューナブル帯域通
過フィルタ35により取り出された搬送波を混合するこ
とにより、搬送波をベース・バンド信号に変換するミキ
サ、41はミキサ39・40により変換された2つのベ
ース・バンド信号を互いに複素共役演算することにより
コヒーレントな信号を生成する複素乗算器である。
【0026】42は信号生成手段36により生成された
コヒーレントな信号を用いてコヒーレント処理(例え
ば、コヒーレント積分、パルス・ドップラ処理、移動目
標検出処理)を行うコヒーレント信号処理器(信号処理
手段)である。
【0027】次に動作について説明する。周波数シンセ
サイザ22が生成した搬送波fnは、電力分配器24で
2つに分配され、一方は大電力増幅器26で増幅され、
他方はミキサ25に入力される。そして、ミキサ25が
搬送波fnと周波数Δfの信号を合成して搬送波fn+
Δfを生成し、大電力増幅器26が搬送波fn+Δfを
増幅する。ここで、大電力増幅器26で搬送波fn,f
n+Δfを増幅すると、搬送波fn,fn+Δfを含む
ホッピング送信搬送波Gt(t),Ht(t)が生成さ
れる。
【0028】
【数1】
【0029】次に、電力分配器28が、このホッピング
送信搬送波Gt(t),Ht(t)を混合した後、送受
信アンテナ30が目標3に対して送信する。ここで、送
信波は図2に示すように、同時に生成された2つのホッ
ピング周波数fn,fn+Δfの混合波であるため、ビ
ート周波数に従って振幅にも変調が生じ、その瞬時スペ
クトルは図3に示す通りである。
【0030】次に、送受信アンテナ30が、レーダから
距離R=R0 −vt(R0 は時刻t=0における目標距
離)にある目標3から反射してきた搬送波を受信した
後、この搬送波はサーキュレータ29を通過して低雑音
増幅器32で増幅される。そして、この搬送波は電力分
配器33で2つに分配された後、チューナブル帯域通過
フィルタ34・35でそれぞれ搬送波fnまたは搬送波
fn+Δf分を含むホッピング受信搬送波Gr(t),
Hr(t)が取り出される。
【0031】
【数2】
【0032】次に、ミキサ39が、基準信号fnとチュ
ーナブル帯域通過フィルタ34により取り出されたホッ
ピング受信搬送波Gr(t)を混合(ヘテロダイン検
波)することにより、ホッピング受信搬送波Gr(t)
をベース・バンド信号Gb(t)に変換する。また、ミ
キサ40が、基準信号fn+Δfとチューナブル帯域通
過フィルタ35により取り出されたホッピング受信搬送
波Hr(t)を混合(ヘテロダイン検波)することによ
り、ホッピング受信搬送波Hr(t)をベース・バンド
信号Hb(t)に変換する。
【0033】
【数3】
【0034】次に、複素乗算器41が、ベース・バンド
信号Gb(t),Hb(t)を、下記のように、複素共
役演算することによりコヒーレントな信号S0 (t)を
得る。
【0035】
【数4】
【0036】式(8)から解るように、信号S0 (t)
は、ホッピング周波数fn及び初期位相ΦnA,ΦnBに依
らず、目標3との相対速度v、距離R0 、及び2つの搬
送波の周波数間隔Δfのみにより与えられる。従って、
信号S0 (t)は、搬送波のホッピング及びドップラ偏
移に影響されないコヒーレントな信号であるといえる。
【0037】最後に、コヒーレント信号処理器42が、
この信号S0 (t)を用いて、コヒーレント積分、パル
ス・ドップラ処理又は移動目標検出処理等のコヒーレン
ト処理を行う。
【0038】実施例2.図4はこの発明の他の実施例に
よる周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を示
す構成図であり、図において、43は分離手段31によ
り分離された2つの搬送波を互いに複素共役演算するこ
とによりコヒーレントな信号を生成する複素乗算器(信
号生成手段)である。
【0039】次に動作について説明する。上記実施例1
では、ミキサ39・40で、基準信号と受信搬送波を混
合(ヘテロダイン検波)することによりベース・バンド
信号Gb(t),Hb(t)を求め、このベース・バン
ド信号を複素共役演算するようにしているが、実施例2
では、複素乗算器43において、直接ホッピング受信搬
送波Gr(t),Hr(t)を混合(ホモダイン検波)
して複素共役演算するようにしている。この結果、複素
乗算器43の出力である信号S0 (t)は、下記のよう
になる。
【0040】
【数5】
【0041】これにより、搬送波のホッピング周波数に
依らないコヒーレントな信号が得られ、上記実施例1と
同様な効果が得られる。
【0042】実施例3.また、上記実施例1・2では、
大電力増幅器26を電力分配器28の前段に2つ設けた
ものを示したが、図5に示すように、電力分配器28の
後段に1つ設けるようにしてもよく、上記実施例1・2
と同様の効果を奏する。この場合、大電力増幅器26
は、A級増幅動作が必要になる。図5では実施例1に対
する変形例を示したが、実施例2に対しても同様の変形
が可能である。
【0043】実施例4.また、上記実施例1・2では、
電力分配器28により2つの搬送波を混合した後、単一
の送受信アンテナ30により送信するものについて示し
たが、図6に示すように、2つの搬送波を混合せずに、
各々別々の送受信アンテナ30から送信するようにして
もよい。この場合、送受信アンテナの個数は増加する
が、サーキュレータ29及び電力分配器28の損失を削
減できる利点がある。図6では実施例1に対する変形例
を示したが、実施例2に対しても同様の変形が可能であ
る。
【0044】実施例5.図7はこの発明の他の実施例に
よる周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を示
す構成図でり、図において、44は搬送波生成手段21
により生成された2つの搬送波を目標に対し順次送信
し、その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信
手段、45は周波数シンセサイザ23の出力を入り切り
する切替スイッチ、46は分離手段31により分離され
た2つの搬送波の送信時間差分を補正する遅延器(時間
補正手段)である。
【0045】次に動作について説明する。まず、切替ス
イッチ45を順次切り替えることにより、周波数シンセ
サイザ23の出力が入り切りされる。これにより、ミキ
サ25には搬送波fnとΔfの双方、または搬送波fn
のみが入力される。この結果、ミキサ25から図8に示
すように、周波数fnの搬送波と周波数fn+Δfの搬
送波が連続的に出力されることになるので、送受信アン
テナ30からは、周波数fnと周波数fn+Δfを含む
搬送波Gt(t),Ht(t)が連続的に目標3に対し
て送信される。
【0046】従って、送受信アンテナ30により、ま
ず、搬送波Gt(t)が受信されると、チューナブル帯
域通過フィルタ34で搬送波fn分を含む受信搬送波G
r(t)が取り出された後、受信搬送波Gr(t)が遅
延器46に入力される。一方、搬送波Ht(t)が受信
されると、チューナブル帯域通過フィルタ35で搬送波
fn+Δf分を含む受信搬送波Hr(t)が取り出され
る。このように、fn分を含む搬送波Gr(t)のみ遅
延器46に入力される結果、搬送波Gr(t)と搬送波
Hr(t)の送信時間差分が補正される。この結果、搬
送波Gt(t)と搬送波Ht(t)を同時に送信した場
合と同様に扱うことができる。
【0047】この様子を実施例1と同様に式で表すと下
記のようになる。まず、送信搬送波Gt(t),Ht
(t)、受信搬送波Gr(t),Hr(t)は下記のよ
うになる。
【0048】
【数6】
【0049】そして、実施例1と同様にして、ミキサ3
9・40で基準信号と受信搬送波を混合(ヘテロダイン
検波)してベース・バンド信号Gb(t),Hb(t)
を求めた後、複素乗算器41で信号S0 (t)を求め
る。
【0050】
【数7】
【0051】式(16)において、fnのホッピング範
囲に比べて光速Cが十分に大きく、送信時間差tpが十
分に小さい範囲では、 (fn+Δf)2v・tp/c≒φp(一定) ・・・(17) とみなすことができるので、信号S0 (t)も下記のよ
うになる。
【0052】
【数8】
【0053】従って、実施例1と同様に、搬送波のホッ
ピング周波数によらないコヒーレントな信号S0 (t)
を得ることができる。なお、図7においては、遅延器4
6はミキサ39の直前に配置するものを示したが、電力
分配器33以降複素乗算器41の直前までの間であれば
いずれに配置してもよい。
【0054】実施例6.図9はこの発明の他の実施例に
よる周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を示
す構成図であり、図において、47は分離手段31によ
り分離された2つの搬送波を互いに複素共役演算するこ
とによりコヒーレントな信号を生成する複素乗算器(信
号生成手段)である。
【0055】次に動作について説明する。上記実施例5
では、ミキサ39・40で、基準信号と受信搬送波を混
合(ヘテロダイン検波)することによりベース・バンド
信号Gb(t),Hb(t)を求めるようにしている
が、実施例6では、複素乗算器47において、直接ホッ
ピング受信搬送波Gr(t),Hr(t)を混合(ホモ
ダイン検波)して複素共役演算するようにしている。こ
の結果、上記実施例5と同様の効果が得られる。
【0056】実施例7.図10はこの発明の他の実施例
による周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を
示す構成図であり、図において、48は送受信手段44
により受信された2つの搬送波をそれぞれの基準信号と
混合(ヘテロダイン検波)してベース・バンド信号に変
換するとともに、その2つのベース・バンド信号の送信
時間差分を補正し、補正後の2つのベース・バンド信号
を互いに複素共役演算することによりコヒーレントな信
号を生成する信号生成手段、49は周波数シンセサイザ
37・38の出力を切り替える切替スイッチ、50は受
信搬送波と基準信号fnまたは基準信号fn+Δfを混
合するミキサ、51は切替スイッチである。
【0057】次に動作について説明する。上記実施例5
・6では、周波数fnを含む搬送波Gt(t)と周波数
fn+Δfを含む搬送波Ht(t)を連続的に送信する
ものであるが、実施例7では、図11に示すように、周
波数fnを含む搬送波Gt(t)を送信した後、一定時
間をおいて周波数fn+Δfを含む搬送波Ht(t)を
送信するようにしたものである。
【0058】信号生成手段48の動作としては、まず、
周波数fnを含む搬送波Gt(t)を受信すると、切替
スイッチ49が周波数シンセサイザ37側に切り替わる
ことにより、搬送波Gt(t)と基準信号fnが混合さ
れてベース・バンド信号Gb(t)が生成される。ま
た、この時切替スイッチ51は遅延器46側に切り替わ
っているので、ベース・バンド信号Gb(t)は遅延器
46に入力される。
【0059】一方、周波数fn+Δfを含む搬送波Ht
(t)を受信すると、切替スイッチ49が周波数シンセ
サイザ38側に切り替わることにより、搬送波Ht
(t)と基準信号fn+Δfが混合されてベース・バン
ド信号Hb(t)が生成される。また、この時切替スイ
ッチ51は複素乗算器41側に切り替わっているので、
ベース・バンド信号Hb(t)は直接複素乗算器41に
入力される。
【0060】このように、fn分を含むベース・バンド
信号Gb(t)のみ遅延器46に入力される結果、ベー
ス・バンド信号Gb(t)とベース・バンド信号Hb
(t)の送信時間差分が補正される。この結果、搬送波
Gt(t)と搬送波Ht(t)を同時に送信した場合と
同様に扱うことができる。従って、上記実施例5と同様
に、搬送波のホッピング周波数によらないコヒーレント
な信号S0 (t)を得ることができる。
【0061】実施例8.図12はこの発明の他の実施例
による周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を
示す構成図であり、図において、52は送受信手段44
により受信された2つの搬送波の送信時間差分を補正す
る時間補正手段である。
【0062】次に動作について説明する。上記実施例7
では、ミキサ50で、基準信号と受信搬送波を混合(ヘ
テロダイン検波)することによりベース・バンド信号G
b(t),Hb(t)を求めるようにしているが、実施
例8では、複素乗算器47において、直接搬送波Gt
(t),Ht(t)を混合(ホモダイン検波)して複素
共役演算するようにしている。この結果、上記実施例7
と同様の効果が得られる。
【0063】実施例9.図13はこの発明の他の実施例
による周波数ホッピング型スペクトル拡散レーダ装置を
示す構成図であり、図において、53は搬送波を所定の
振幅変調周波数fAMで振幅変調する変調器(振幅変調手
段)、54は送受信手段44により受信された搬送波を
該振幅変調周波数fAMで振幅復調することによりコヒー
レントな信号を生成する復調器(信号生成手段)であ
る。
【0064】次に動作について説明する。まず、変調器
53が、搬送波fnを振幅変調周波数fAMで振幅変調す
る。そして、振幅変調された搬送波は大電力増幅器26
で増幅された結果、ホッピング送信搬送波Gt(t)は
下記のようになる。
【0065】
【数9】
【0066】これに対し、レーダから距離R=R0 −v
tにある目標3から反射してきたホッピング受信搬送波
Gr(t)は図14に従い受信されるが、ドップラ偏移
を受け、下記のようになる。
【0067】
【数10】
【0068】次に、復調器54が、このホッピング受信
搬送波Gr(t)を振幅復調して信号S0 (t)を出力
する。
【0069】
【数11】
【0070】これにより、搬送波のホッピング周波数に
依らないコヒーレントな信号が得られ、上記実施例と同
様な効果が得られる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、互いに周波数の間隔が一定に保たれた2つの搬送波
を1つに混合した後に同時送信し、目標からの2つの受
信搬送波をそれぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検
波)してベース・バンド信号に変換し、その2つのベー
ス・バンド信号を互いに複素共役演算することによりコ
ヒーレントな信号を生成するように構成したので、多数
のフィルタ・バンクを用意せずともコヒーレントな信号
を得てコヒーレント処理を行うことができるなどの効果
がある。
【0072】請求項2の発明によれば、互いに周波数の
間隔が一定に保たれた2つの搬送波を1つに混合した後
に同時送信し、目標からの2つの受信搬送波を直接混合
(ホモダイン検波)して複素共役演算することによりコ
ヒーレントな信号を生成するように構成したので、多数
のフィルタ・バンクを用意せずともコヒーレントな信号
を得てコヒーレント処理を行うことができるなどの効果
がある。
【0073】請求項3の発明によれば、互いに周波数の
間隔が一定に保たれた2つの搬送波を順次送信し、時間
補正手段により送信時間差分を補正された2つの受信搬
送波をそれぞれの基準信号と混合(ヘテロダイン検波)
してベース・バンド信号に変換し、その2つのベース・
バンド信号を互いに複素共役演算することによりコヒー
レントな信号を生成するように構成したので、多数のフ
ィルタ・バンクを用意せずともコヒーレントな信号を得
てコヒーレント処理を行うことができるなどの効果があ
る。
【0074】請求項4の発明によれば、互いに周波数の
間隔が一定に保たれた2つの搬送波を順次送信し、時間
補正手段により送信時間差分を補正された2つの受信搬
送波を直接混合(ホモダイン検波)して複素共役演算す
ることによりコヒーレントな信号を生成するように構成
したので、多数のフィルタ・バンクを用意せずともコヒ
ーレントな信号を得てコヒーレント処理を行うことがで
きるなどの効果がある。
【0075】請求項5の発明によれば、互いに周波数の
間隔が一定に保たれた2つの搬送波を一定時間をおきな
がら送信し、受信搬送波をそれぞれの基準信号と混合
(ヘテロダイン検波)してベース・バンド信号に変換す
るとともに、その2つのベース・バンド信号の送信時間
差分を補正し、補正後の2つのベース・バンド信号を互
いに複素共役演算することによりコヒーレントな信号を
生成するように構成したので、多数のフィルタ・バンク
を用意せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント
処理を行うことができるなどの効果がある。
【0076】請求項6の発明によれば、互いに周波数の
間隔が一定に保たれた2つの搬送波を一定時間をおきな
がら送信し、時間補正手段により送信時間差分を補正さ
れた2つの受信搬送波を直接混合(ホモダイン検波)し
て複素共役演算することによりコヒーレントな信号を生
成するように構成したので、多数のフィルタ・バンクを
用意せずともコヒーレントな信号を得てコヒーレント処
理を行うことができるなどの効果がある。
【0077】さらに、請求項7の発明に係わるスペクト
ル拡散レーダ装置は、振幅変調された搬送波を送信し、
目標からの受信搬送波を振幅検波することによりコヒー
レントな信号を生成するように構成したので、多数のフ
ィルタ・バンクを用意せずともコヒーレントな信号を得
てコヒーレント処理を行うことができるなどの効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による周波数ホッピング型
スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図2】実施例1のパルス・トレイン・チャート図であ
る。
【図3】実施例1の搬送波スペクトルを示す説明図であ
る。
【図4】この発明の他の実施例による周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図5】この発明の他の実施例による周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図6】この発明の他の実施例による周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図7】この発明の他の実施例による周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図8】実施例5のパルス・トレイン・チャート図であ
る。
【図9】この発明の他の実施例による周波数ホッピング
型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図10】この発明の他の実施例による周波数ホッピン
グ型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図11】実施例7のパルス・トレイン・チャート図で
ある。
【図12】この発明の他の実施例による周波数ホッピン
グ型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図13】この発明の他の実施例による周波数ホッピン
グ型スペクトル拡散レーダ装置を示す構成図である。
【図14】実施例9のパルス・トレイン・チャート図で
ある。
【図15】従来の周波数ホッピング型スペクトル拡散レ
ーダ装置を示す構成図である。
【図16】従来の搬送波スペクトルを示す説明図であ
る。
【図17】フィルタ・バンクを示す説明図である。
【符号の説明】 3 目標 21 搬送波生成手段 27,44 送受信手段 31 分離手段 36 信号生成手段 42 コヒーレント信号処理器(信号処理手段) 43,47 複素乗算器(信号生成手段) 46 遅延器(時間補正手段) 52 時間補正手段 53 変調器(振幅変調手段) 54 復調器(信号生成手段)
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互に周波数の間隔が一定に保たれた搬送
    波を生成する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段に
    より生成された2つの搬送波を目標に対し同時に送信
    し、その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信
    手段と、上記送受信手段により受信された搬送波を上記
    2つの搬送波に分離する分離手段と、上記分離手段によ
    り分離された2つの搬送波をそれぞれ周波数変換してベ
    ース・バンド信号に変換し、その2つのベース・バンド
    信号を互いに複素共役演算することによりコヒーレント
    な信号を生成する信号生成手段と、上記信号生成手段に
    より生成されたコヒーレントな信号を用いてコヒーレン
    ト処理を行う信号処理手段とを備えたスペクトル拡散レ
    ーダ装置。
  2. 【請求項2】 互に周波数の間隔が一定に保たれた搬送
    波を生成する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段に
    より生成された2つの搬送波を目標に対し同時に送信
    し、その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信
    手段と、上記送受信手段により受信された搬送波を上記
    2つの搬送波に分離する分離手段と、上記分離手段によ
    り分離された2つの搬送波を互いに複素共役演算するこ
    とによりコヒーレントな信号を生成する信号生成手段
    と、上記信号生成手段により生成されたコヒーレントな
    信号を用いてコヒーレント処理を行う信号処理手段とを
    備えたスペクトル拡散レーダ装置。
  3. 【請求項3】 互に周波数の間隔が一定に保たれた搬送
    波を生成する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段に
    より生成された2つの搬送波を目標に対し順次送信し、
    その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信手段
    と、上記送受信手段により受信された搬送波を上記2つ
    の搬送波に分離する分離手段と、上記分離手段により分
    離された2つの搬送波の送信時間差分を補正する時間補
    正手段と、上記時間補正手段により補正された2つの搬
    送波をそれぞれ周波数変換してベース・バンド信号に変
    換し、その2つのベース・バンド信号を互いに複素共役
    演算することによりコヒーレントな信号を生成する信号
    生成手段と、上記信号生成手段により生成されたコヒー
    レントな信号を用いてコヒーレント処理を行う信号処理
    手段とを備えたスペクトル拡散レーダ装置。
  4. 【請求項4】 互に周波数の間隔が一定に保たれた搬送
    波を生成する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段に
    より生成された2つの搬送波を目標に対し順次送信し、
    その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信手段
    と、上記送受信手段により受信された搬送波を上記2つ
    の搬送波に分離する分離手段と、上記分離手段により分
    離された2つの搬送波の送信時間差分を補正する時間補
    正手段と、上記時間補正手段により補正された2つの搬
    送波を互いに複素共役演算することによりコヒーレント
    な信号を生成する信号生成手段と、上記信号生成手段に
    より生成されたコヒーレントな信号を用いてコヒーレン
    ト処理を行う信号処理手段とを備えたスペクトル拡散レ
    ーダ装置。
  5. 【請求項5】 互に周波数の間隔が一定に保たれた搬送
    波を生成する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段に
    より生成された2つの搬送波を目標に対し順次送信し、
    その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信手段
    と、上記送受信手段により受信された2つの搬送波をそ
    れぞれ周波数変換してベース・バンド信号に変換すると
    ともに、その2つのベース・バンド信号の送信時間差分
    を補正し、補正後の2つのベース・バンド信号を互いに
    複素共役演算することによりコヒーレントな信号を生成
    する信号生成手段と、上記信号生成手段により生成され
    たコヒーレントな信号を用いてコヒーレント処理を行う
    信号処理手段とを備えたスペクトル拡散レーダ装置。
  6. 【請求項6】 互に周波数の間隔が一定に保たれた搬送
    波を生成する搬送波生成手段と、上記搬送波生成手段に
    より生成された2つの搬送波を目標に対し順次送信し、
    その目標から反射してきた搬送波を受信する送受信手段
    と、上記送受信手段により受信された2つの搬送波の送
    信時間差分を補正する時間補正手段と、上記時間補正手
    段により補正された2つの搬送波を互いに複素共役演算
    することによりコヒーレントな信号を生成する信号生成
    手段と、上記信号生成手段により生成されたコヒーレン
    トな信号を用いてコヒーレント処理を行う信号処理手段
    とを備えたスペクトル拡散レーダ装置。
  7. 【請求項7】 搬送波を所定の振幅変調周波数で振幅変
    調する振幅変調手段と、上記振幅変調手段により振幅変
    調された搬送波を目標に対し送信し、その目標から反射
    してきた搬送波を受信する送受信手段と、上記送受信手
    段により受信された搬送波を該振幅変調周波数で振幅復
    調することによりコヒーレントな信号を生成する信号生
    成手段と、上記信号生成手段により生成されたコヒーレ
    ントな信号を用いてコヒーレント処理を行う信号処理手
    段とを備えたスペクトル拡散レーダ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100643939B1 (ko) * 2005-08-29 2006-11-10 넥스원퓨처 주식회사 레이더 장치 및 레이더의 거리측정 방법
KR100643940B1 (ko) * 2005-08-29 2006-11-10 넥스원퓨처 주식회사 레이더 시스템의 거리 분해능 향상 방법
JP2007212414A (ja) * 2006-02-13 2007-08-23 Toyota Motor Corp 対象物識別装置
JP2013068433A (ja) * 2011-09-20 2013-04-18 Fujitsu Ltd 探知測距装置および探知測距方法

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