JPH06185B2 - 熱溶融性物質のスプレイ式造粒方法とその造粒装置 - Google Patents

熱溶融性物質のスプレイ式造粒方法とその造粒装置

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JPH06185B2
JPH06185B2 JP8520685A JP8520685A JPH06185B2 JP H06185 B2 JPH06185 B2 JP H06185B2 JP 8520685 A JP8520685 A JP 8520685A JP 8520685 A JP8520685 A JP 8520685A JP H06185 B2 JPH06185 B2 JP H06185B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱溶融性物質のスプレイ式造粒方法及びその
造粒装置に係わる。
従来、熱溶融性物質のスプレイによる造粒方法は、熱溶
融性物質の加熱溶融されたものを、二流体スプレイ又は
エアレススプレイ等の噴出口より空気中にスプレイし、
それによって生じた液状粒子を空気又は水によって冷却
し、固化し、球状の粒子を製造していた。その場合、上
述のスプレイされた空中の粒子が互いに近接している
と、それが接着して、いわゆる互着現象が起こり、必要
とする完全球状の粒子の数が減少する。よって、粒子相
互の間隙を拡げるため、出来得る限りスプレイパターン
を拡大して粒子相互間の距離をあける必要があった。よ
ってそれに沿って設計された噴出口が用いられてきたの
である。しかし、噴出口の設計だけによるスプレイパタ
ーンの拡大拡張法にも限度があり、互着発生を十分に防
ぐことは出来なかった。
本発明の動機は、噴出口設計以外の手段をもって、これ
ら互着発生の問題を解決することにあった。
本発明の目的は、熱溶融性物質のスプレイ式造粒法にお
いて、スプレイパターンをより拡大し、粒子相互間の互
着を防いで完全球形の粒子を歩留まり良く製造する方法
とその装置とを提供することにある。
そもそも本発明は、本特許出願人による昭和60年4月
1日付特許出願「紛体塗料のスプレレイパターンの形成
方法とそのスプレイ装置」及び同じく昭和60年4月2
2日付特許出願「流動体のスプレイパターンの形成方法
とそのスプレイ装置」の両発明を基としたものであり、
その後の実験により、上記以外の対象物即ち熱溶融性物
質の造粒方法に対しても別種の効果のあることを発見
し、改めて出願するに至ったものである。
本発明の要旨を述べると、ある必要な角度をもって取り
付けられている複数個の噴出口より、熱溶融性物質の加
熱溶融体を、スプレイパターンが重複しないようにスプ
レイせしめ、かつこれらスプレイ中の粒子を、上記複数
個の噴出口群のほぼ中間部に設けられた静電気荷電用電
極への電圧印荷によって発生した電気力線により、上記
分散した複数個のスプレイパターンの中間部に引き寄
せ、それによってスプレイパターン全体をより拡大さ
せ、粒子分布を均一化させ、かつ粒子相互の間隙をあ
け、粒子間の互着を未然に防ぐ造粒方法とその造粒装置
とである。
なお、本発明の対象とする熱溶融性物質とは、熱溶融性
の天然及び合成の高分子を始めとし、これらと低分子と
の混合物及び質量の比較的小なる低分子より成る各種の
物質のことである。また、作られる粒子の大きさは10
0ミクロン前後及びそれ以下のものであり、それ以上の
ものの造粒は困難である。
次に本発明による造粒方法について説明する。第1図を
参照されたい。同図におけるスプレイ装置は、前述の本
出願人による昭和60年4月22日付特許出願「流動体
のスプレイパターンの形成方法とそのスプレイ装置」に
おけるスプレイ装置を利用したものである。即ち、熱溶
融性物質の加熱溶融体の噴出口8A,8Bは二個以上と
し、これらは互いに外方に向けてある必要角度をもって
セットされている。また、これら噴出口の中間部には静
電気荷電用電極10が備えられている。このような二個
の噴出口より、熱溶融性物質の加熱溶融体Fは、電気式
又は空気式操作弁3,4の作動によって同時にそれぞれ
噴出される。これらの二本のスプレイSA,SBは、そ
れぞれ上述の如く外方に向けられているため、交叉した
り重複したりすることはない。所が、上記の電極に電圧
が印荷されると、電気力線が発生し、それによって上記
のスプレイ中の熱溶融性物質の多くの粒子が中央の方に
引き寄せられ(Pa→Pa’;Pb→Pb’……)、上
述の二本の扇状スプレイパターンSA,SBの間に進入
する。即ち二本のスプレイパターンSA,SBの間を埋
めるのである。言い換えると、双方のスプレイパターン
が拡大し、それらの粒子の分布密度が小となり、粒子間
隔が大となって、粒子相互が近接して互着するようなこ
とはなくなるのである。
このような状態で凝縮し、球状となった多数の粒子は空
中を降下、その間自然冷却して球形の粒子となる。ただ
し、その大きさは100ミクロン前後までであり、それ
以上大きく、しかも多量の造粒は困難である。理由は、
粒子が大になると、当然重量が大となり、電気力線によ
る吸引作用の効果が得難くなるからである。
なお、上述においては、スプレイ後の粒子の自然冷却を
述べたが、それらが物質によっては冷却不十分である場
合、又は粒子の生産が比較的多量である場合、即ち粒子
生成後の相互の接触等により互着する懸念のある場合に
は、これら粒子を水の中に落とすとか、若しくは、スプ
レイする雰囲気の温度を冷却器等によって下げるとかの
手段が用いられる。しかしこれらは従来より用いられて
きた所であるが、これでは冷却効果が不十分である場合
がある。本発明では、更に冷却効果を上げるため、次の
冷却法を加える。
即ち、上述した本発明によるスプレイを行うスプレイ室
内に、高圧液化ガスを噴出せしめるのである。例えば、
窒素ガス、炭酸ガス等である。これによって、スプレイ
された熱溶融性物質の凝縮した粒子は、短時間に冷却固
化し、完全なる球形粒子となって、接触、外力等による
互着を完全に防止することが出来るのである。
上記方法に基づく装置の構造を第2図に示す。先ずスプ
レイ装置は本出願人による昭和60年4月22日付出願
「流動体のスプレイパターンの形成方法とそのスプレイ
装置」に記載されたスプレイ装置である。即ち複数個の
噴出口18A,18Bと静電気荷電用電極20とを有す
るスプレイ装置であり、該スプレイ装置は、その全周囲
を包むスプレイ室13の上方部に取り付けられ、また該
スプレイ室の下方側壁側には高圧液化ガスの噴出口1
5,16が設けられており、図には示されていないが高
圧液化ガスタンクへと接続されている。また、該スプレ
イ室の底部には、造粒された粒子の移送装置が設けられ
ている。同図にてはホッパー19が示されているが、そ
の他、シュート、コンベアなども取り付けることが出来
る。
なお、スプレイ装置としては、前述の如く、本出願人に
よる昭和60年4月22日付特許出願「流動体のスプレ
イパターンの形成方法とそのスプレイ装置」の明細書
中、特許請求の範囲に記載された三種のスプレイ装置が
適用出来る。
上記各種スプレイ装置の中、その第一は前記第1図に示
した通りである。即ち、ヒンジ式吐出器取付具5,6に
二個の吐出器1,2を取り付けたものである。第二は第
3図に示す如く、吐出器21,22と噴出口28A,2
8Bとの間に中間アダプター29を設けたもの、第三は
第4図に示す如く、一個の吐出器31に対し、流路を分
岐して複数個の噴出口38A,38Bを設けたものであ
る。なお上記の図は、何れも二個の噴出口である例をあ
げたものであるが、三個以上取り付けることも出来る。
また、第3図及び第4図においては噴出口は固定式のも
のを示してあるが、これらを角度可変式の噴出口取付金
具を間接することによって、可動式とすることも出来
る。
以上の如く、本発明の方法と装置とによれば、即ち熱溶
融性物質の加熱溶融体を複数個の噴出口よりスプレイさ
せ、同時に静電気荷電用電極への電圧印荷により、上記
のスプレイにより作られた複数のスプレイパターンの空
白部を埋め、スプレイパターンの範囲をより拡大するこ
とによって、スプレイ中の粒子相互の間隔を拡げ、粒子
の互着を防いで、球形粒子製造の歩留り向上に寄与する
ことができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による(以下すべて本発明によるものに
つき略称する)熱溶融性物質のスプレイによる造粒方法
の説明図 第2図は造粒装置の正面図 第3図は同
上用スプレイ装置の中間アダプタ式のものの正面図
第4図は同上用スプレイ装置の一つの吐出器に対し複数
個の噴出口を設けたものの正面図 主要な符号の説明 1,2,11,12,21,22,31……吐出器
3,4,23,24,33……電磁操作弁 5,6…
…ヒンジ板 8A,8B,18A,18B,28A,
28B,38A,38B……噴出口 10,20,3
0,40……静電気荷電用電極 13……スプレイ室
15,16……高圧液化ガス噴出口 F……熱溶
融性物質の加熱溶融体 CA……加圧空気 SA,
SB……スプレイ Pa,Pb……熱溶融性物質の粒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱溶融性物質のスプレイ式造粒法におい
    て、ある必要とする角度(α)をもって外方に向けられ
    ている複数個の噴出口(8A,8B)より、熱溶融性物
    質の加熱溶融体をそれぞれのスプレイパターン(SA,
    SB)が重複しないように噴出させ、かつ、上記複数個
    の噴出口群の中間部に設けられた静電気荷電用電極(1
    0)への電圧印荷によって生ずる電気力線により、上記
    噴出された加熱溶融体の粒子を、複数個に分散されてい
    るスプレイパターンの中央部の方に引き寄せて、それら
    スプレイパターンの間の空間部を埋め、それによってス
    プレイパターンを全体的に拡大かつ粒子分布を均一化さ
    せ、更に各粒子間の間隔をあけることによって粒子相互
    の接触、互着を未然に防ぐことを特徴とする熱溶融性物
    質のスプレイ式造粒方法。
  2. 【請求項2】スプレイされた空中の液状粒子に対し、高
    圧液化ガスを吹き付けることによって冷却固化を促進せ
    しめることを特徴する特許請求の範囲第1項記載の熱溶
    融性物質のスプレイ式造粒方法。
  3. 【請求項3】スプレイが、二流体スプレイ又はエアレス
    スプレイである特許請求の範囲第1項及び第2項記載の
    熱溶融性物質のスプレイ式造粒方法。
  4. 【請求項4】熱溶融性物質のスプレイ式造粒装置におい
    て、複数の吐出器が集束されており、かつそれらの吐出
    器上に取り付けられている噴出口(18A,18B)
    は、ある必要とする角度(α)をもって外方に向けられ
    ており、更にそれら噴出口群の中間部に静電気荷電用電
    極(20)の設けられているスプレイ装置が、該スプレ
    イ装置の全周囲を包囲するスプレイ室(13)内の上方
    部に設けられており、かつ該スプレイ室の下方には高圧
    液化ガスの噴出口(15,16)が設けられていること
    を特徴とする熱溶融性物質のスプレイ式造粒装置。
JP8520685A 1985-04-20 1985-04-20 熱溶融性物質のスプレイ式造粒方法とその造粒装置 Expired - Lifetime JPH06185B2 (ja)

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