JPH0618491U - さく孔用リングビツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リングビットと該リングビットの内部に嵌合
してその芯部のさく孔を行うさく孔ヘッドとを有するさ
く孔工具の繰粉詰まりを防止する。 【構成】 リングビットの円筒状の台金の前端部に硬質
刃体を円周方向に沿って所定の間隔で植設するととも
に、前記円筒状の台金の内周面に、内側に突出する複数
個の内向き硬質刃体を植設した。この内向き硬質刃体に
よって繰粉が破砕されるため、内部を通って排出される
繰粉が詰まりにくい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、下水道工事等で使用されるさく孔工具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

下水道工事等で採用されているさく孔方法として、発進側と到着側に竪坑を設 け、パイプの先端部にさく孔工具を取りつけたもので発進側から到着側へ横穴を さく孔してゆく方法が採用されている。この方法は例えばエンビモ−ル工法と呼 ばれ、さく孔された横穴内には塩化ビニル等のパイプが挿入される。

【０００３】 上記横穴のさく孔に従来使用されたさく孔工具は、円筒状の台金の先端部に超 硬合金チップの刃体を円周方向に沿って複数個植設したリングビットと、先端面 に超硬合金の刃体が植設され前記リングビットの内部に嵌合してその芯部のさく 孔を行うさく孔ヘッドとで構成され、これらリングビットとさく孔ヘッドからな るさく孔工具に回転と推力を与えつつさく孔するようになっている。さく孔によ って生じる繰り粉は、前記ヘッドとリングビットの隙間を通って後方へ送られ排 出される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のさく孔工具は、小石や土砂がヘッドとリングビット の隙間に詰まりやすく、繰り粉の排出がうまく行われなくなってさく孔ができな くなることがあった。そこで本考案は、上記従来のさく孔工具を改良し、土砂等 が詰まりにくくすることを課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は次のような構成を採用した。すなわち、本 考案にかかるさく孔用リングビットは、円筒状の台金の前端部に硬質刃体を円周 方向に沿って所定の間隔で植設するとともに、前記円筒状の台金の内周面に、内 側に突出する複数個の内向き硬質刃体が植設されていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】

円筒状のリングビットの内周面に、内側に突出する複数の内向き硬質刃体が植 設されているので、さく孔ヘッドとリングビットの隙間を通る土砂等が該内向き 刃体によって粉砕される結果、この部分における詰まりが生じにくい。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に表された実施例について説明する。このさく孔工具１は、リング ビット２とさく孔ヘッド３からなる。リングビット２は、円筒状の台金４の先端 部に円周方向に沿って複数の硬質刃体５，…が等間隔で植設されている。硬質刃 体５は断面山型の超硬合金チップであり、台金４に設けたチップ溝にろう接され ている。隣接する刃体５，５の間隔部には浅い溝７が形成され、台金の外周面に も前記溝７の位置から軸方向に沿う溝８が形成されている。なお、硬質刃体５の 内側端部と外側端部は、少しずつ台金から半径方向に突出している。

【０００８】 リングビット２の台金内周面には内側に突出する内向き刃体９，…が前記硬質 刃体５の後方にそれぞれ植設されている。この内向き刃体９は、図３に示すよう なフランジ状拡径部１０ａを有する基材１０の穴１０ｂに圧入され、この基材ご と台金４に設けた段付きの取付穴１２に嵌合して溶接固着されている。なお。台 金４の後端部は、内径が縮小し、その外側に段部４ａ付きの小径部４ｂが形成さ れており、その部分に内外に通じるねじ穴１３が設けられている。また、台金４ の中間部の周壁には、一箇所に内外に通じる通孔１４が穿設されている。

【０００９】 さく孔ヘッド３は、外径がリングビット２の内径より小さく、その台金３ａの 平坦な前端面の外周部から円錐状の傾斜面が形成され、これらの部分にボタン状 の硬質刃体１５，…が多数植設されている。また、さく孔ヘッド３の外周部にも 同様な硬質刃体１５，…が植設されており、その間隔部には、溝状の切込み１７ ，…が形成されている。さく孔ヘッド３の芯部には、回転駆動用の油圧モ−タの 回転を伝達するロッドを嵌合する取付穴２０が設けられている。さく孔ヘッドと しては、図示例のようなボタンビット状のもののほかに、例えば十文字状のウイ ングに超硬チップを固着したもの等を用いることができる。

【００１０】 このさく孔工具１は、さく孔ヘッド３をパイプ内に設けた油圧モ−タ２２の出 力ロッド２３から歯車２４，２５ａを介して伝動される回転軸２５の先端部に嵌 着して、ボルト２６，…で固定し、その外周部に嵌装したさく孔パイプ３０の先 端部にリングビット２を固着して使用される。さく孔パイプ３０は、リングビッ ト２の小径部４ｂに嵌合し、ねじ穴１３，…に螺着したボルトで固定される。回 転軸２５の首の部分には、繰粉を排出パイプ２７に送り込む羽根２８が設けられ ている。また、回転軸２５の歯車２５ａに噛合するカウンターギヤ（図示省略） が該回転軸を挾んで一対設けられており、このギヤがパイプ３０の内面に設けた 内歯歯車２９に噛合し、該パイプとリングビットをヘッド３と反対方向に回転さ せるようになっている。図５はこの使用状態を表すもので、さく孔パイプ３０の 後端部は油圧式のさく孔装置３５に連結され、該さく孔装置によって推力が与え られる。

【００１１】 このさく孔により、断面円形の穴が穿孔されるが、そのさく孔によって生じる 土砂等の繰り粉は、リングビット２とさく孔ヘッド３の間を通りさく孔パイプ内 の排出管３６を通って後方へ送られ、後端部から外部へ排出される。

【００１２】 このさく孔用リングビットは、その内周面に内側へ突出する硬質刃体が植設さ れているので、リングビットの内側を通る繰り粉がさらに破砕され、パイプ詰ま りが生じにくい。また、上記内側へ突出する内向き刃体を、図示例の如く予め鋼 製の基材に固着された状態で該基材ごと台金に固着しておけば、刃体の保持強度 が強く、製作も容易である。さらに、この基材は段状に形成され、台金の段付き 穴に嵌合されているので、外向きの力が作用しても台金から脱落しにくい。

【００１３】

【考案の効果】 以上の説明から明らかなように、本考案にかかるさく孔用リングビットは、繰 り粉が通る内周面部に内向き刃体が設けられているので、繰り粉がこの内向き刃 体によって破砕され、パイプ等の詰まり事故が生じにくいものとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を表す正面図である。

【図２】その一部を断面で表した側面図である。

【図３】基材の正面図である。

【図４】基材の断面図である。

【図５】使用状態の説明図である。

【符号の説明】

１ さく孔工具 ２ リングビット ３ さく孔ヘッド ４ 台金 ５ 硬質刃体 ９ 内向き刃体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状の台金の前端部に硬質刃体を円周
   方向に沿って所定の間隔で植設するとともに、前記円筒
   状の台金の内周面に、内側に突出する複数個の内向き硬
   質刃体が植設されていることを特徴とするさく孔用リン
   グビット。