JPH06184907A - 壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布 - Google Patents

壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布

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JPH06184907A
JPH06184907A JP4329269A JP32926992A JPH06184907A JP H06184907 A JPH06184907 A JP H06184907A JP 4329269 A JP4329269 A JP 4329269A JP 32926992 A JP32926992 A JP 32926992A JP H06184907 A JPH06184907 A JP H06184907A
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JP
Japan
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flame
retardant
nonwoven fabric
phosphorus
antifungal
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Pending
Application number
JP4329269A
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English (en)
Inventor
Yuji Matsui
祐司 松井
Kunihiko Iwatani
邦彦 岩谷
Hidemi Onoe
秀実 尾上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 難燃性、防カビ性に優れた壁装材用の長繊維
不織布を提供する。 【構成】 リン元素950〜1000ppm、銀元素5
0〜3000ppmを含有するポリエステルフィラメン
トからなる目付30〜300g/m2 の融着又はニーパ
ンされた壁装材用難燃、防カビ性長繊維不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の住宅、建物に対
して好適に使用しうる難燃性に優れた壁装材用長繊維不
織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般住宅、マンション、ホテル等
の壁装材としては、銘木、織物、紙及びポリ塩化ビニル
を主としたプラスチックシート等が、単独、または複合
で使用されてきた。
【0003】他方、近年になり人道的安全性の立場よ
り、特に公的場所、宿泊所である旅館、ホテル等につい
ては、建築基準法(1971.1改正)、追加規制(1
976.8)等の建設省の指導がある。これらの難燃化
の法規制、指導の動きに対して難燃性の従来技術として
は、大別して次の2つがある。
【0004】一つは、綿、スフ、合成繊維等の可燃性不
織布に、例えば水溶性アミノブラストリン酸塩、含リン
有機物などの含リン防炎剤や、例えば含ハロゲン有機
物、含ハロゲン高分子化合物などの含ハロゲン防炎剤
や、例えば含硫黄化合物、チオ尿素系化合物等などの含
硫黄防炎剤、又は、例えばアンモニア塩、無機酸、アル
カリ金属塩、金属化合物などの無機防炎剤を単独または
併用で吸尽または、水溶性硬仕上げ樹脂(例えばアクリ
ル樹脂系、酢ビ系、ウレタン系、メラミン系、尿素系、
塩化ビニル系等)と併用で、パット、ドライ、キュアに
て固着させる等の後加工による難燃化の方法である。
【0005】他の一つは、繊維自体が自己消化性を有す
る難燃素材を用いて難燃性のものを得る方法である。
【0006】同時に、住宅の機密化、暖房機器の発達に
よる室内壁面における、結露さらには壁面でのカビの発
生といった問題が生じている。結露防止、カビ発生防止
に対する従来技術としては、壁面内部に空気層を設け、
絶えず空気を移動、置換する建物の構造を改善する方法
と、壁装材の基布、基材に防カビ性を有する薬剤、例え
ば含金属化合物(銀、錫等を含有する化合物)などを、
パッド、ドライ、キュアにて固着させるなどの後加工に
よる防カビ性を付与する方法とがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法には以下に述べる欠点がある。すなわち、後加工
による難燃化の方法による場合には経日的な強力低下、
臭気の発生、無機系防炎剤を用いるときに吸湿、放湿に
より結晶の析出が生じ、白粉の発生につながる。また、
難燃性能の加工ロットによるバラツキ、低下等さまざま
な欠点があり、改良が求められている。
【0008】他方、繊維自体が自己消化性を有する難燃
素材を用いる方法としては、公知の各種難燃素材例え
ば、ポリクラール、難燃アクリル、難燃ポリエステル、
さらにはアラミド等の耐熱性のある難燃素材を使用した
不織布が考えられるが、ポリクラール、難燃アクリル
は、燃焼時に塩化水素ガス、シアン化水素ガスといった
有毒ガスを発生するという欠点がある。また、アラミド
は、強力、耐熱性、難燃性は問題がないものの、高価で
あり、さらには染色出来ないという欠点がある。
【0009】他方、カビ発生の防止のための建物の構造
を改善する方法は、原理的には優れているが、建築費用
が高くつくという欠点がある。また、後加工による方法
は、難燃性の付与と同様、加工ロットによるバラツキ等
さまざまな欠点があり、改良が必要である。
【0010】難燃剤と防カビ剤を同浴処理すると、薬剤
によっては混和安定性が悪く、後加工時に薬剤が析出、
沈澱するとか、性能のバラツキを誘因する因となる。か
かる問題点を解決するために、2段加工という方法があ
るが、この場合は加工費が高く、決して好ましい方法で
はない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために次の手段をとる。すなわち、本発明は、難
燃成分としてリン元素をフィラメントに対して重量%で
950〜10000ppm、及び防カビ成分として銀元
素をフィラメントに対して重量%で50〜3000pp
m含有するポリエステルフィラメントのランダムループ
組織からなり、目付30〜300g/m2 で部分的に熱
融着又はニードルバンチ加工されており、さらにカレン
ダー加工又はエンボス加工されてなることを特徴とする
壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布である。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、ポリエステルフィラメントは、フィラメントに
対して、リン元素950〜10000ppm及び銀元素
を50〜3000ppmを含有していなければならな
い。リン元素は、高度な難燃性を与えるために必要であ
り、銀元素は高度な防カビ性を与えるために必要であ
る。
【0013】原料段階でリン元素及び銀元素を同時にま
たは別々に含有もしくは共重合するか、又は紡糸する段
階でリン元素、銀元素を含む化合物の単体もしくは該化
合物を5〜30%含有するマスターペレットを添加して
もよい。
【0014】ポリエステル繊維を難燃化するものとして
は、リン元素の他に、ハロゲン元素、好ましくは塩素、
臭素を含む化合物が知られているが、燃焼時に有毒ガス
を発生するので、リン元素を主成分とするものが好まし
い。なお、リン元素が950ppm未満であると、難燃
性が低下するので好ましくなく、他方、10000pp
mをこえると繊維本来の特性、特に強力が低下するので
好ましくない。従って、好ましいリン元素の含有率は4
000〜7000ppmである。
【0015】防カビ性の付与には銀元素が必要であり、
その付与方法としては銀元素を含む化合物を原料段階で
混合、または紡糸段階で該化合物を5〜30重量%含有
するマスターペレットを添付してもよい。フィラメント
中に必要な銀元素の量は、フィラメントに対して50〜
3000ppmであり、50ppm未満であると防カビ
性能が安定せず、また、3000ppmをこえると、糸
切れ等の問題が発生し、操業性が著しく悪くなり、薬剤
コストもまた高くなり好ましくない。
【0016】本発明の壁装材用難燃・防カビ性長繊維不
織布は、種々の使用方法が可能である。一つの方法は、
カレンダー加工又はエンボス加工された壁装材用難燃・
防カビ性長繊維不織布に、グラビア印刷等により種々の
色、柄等を付与し、直接壁装材として使用するものであ
る。もう一つの方法は、該発明の壁装材用難燃性、防カ
ビ性長繊維不織布に、難燃性を有する塩化ビニールのペ
ースト又はシートを貼り合わせ、場合によっては、該塩
化ビニールに発泡性の成分を配合し、凹凸のある意匠を
発現させて壁装材として使用するものである。
【0017】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1 335部のテレフタル酸、248部のエチレングリコー
ル、0.2部の三酸化アンチモンおよび1.0部のトリ
エチルアミンからなる混合物を230℃、25kg/cm2
下で加熱し60分反応させ、この時点で10.3部の下
記の化1に示すリン化合物を添加し、更に230℃、2
5kg/cm2 の条件下で60分間反応させた。ついで反応
生成物を重縮合用反応容器に移し、系の温度を230℃
から275℃へ40分間かけて上昇させ、圧力を徐々に
減じ最終的に0.3mmHgとした。更に275℃、0.3
mmHg%条件下に60分間反応を続けた。得られたポリマ
ーは固有粘度0.59、融点254℃、リン残存率は9
4%であった。
【0018】
【化1】
【0019】このリン元素含有ポリマー及び、銀含有化
合物(バロンAG300(登録商標)東亜合成化学
(株)製)のマスターペレットをそれぞれ、リン元素が
1000ppm、5000ppm、10000ppm及
び銀元素が50ppm、1500ppm、3000pp
mとなるように調整した極限粘度0.61のポリエチレ
ンテレフタレートをオリフィスの直径0.3mm、長さ
0.6mmのノズルから290℃で押し出し、エアージェ
ットを用いて5000m/分の線速度で細化、牽引し、
下部にサクション装置を備えたネットコンベア上に捕集
し、ランダムループ組織の目付150g/m2 の不織布
ウェッブを製造し、これをニードルパンチングマシン
(使用ニードル:オルガン社製FPD1−40)により
針密度60個/cm 2 、針深さ13mmでニードルパンチ加
工を行い、次いで上下のロール温度220℃に保ったカ
レンダーロールを通し、表面が平滑で毛羽の少ない印刷
に適した長繊維不織布を製造した(実施例1〜3)。
【0020】ついで、リン元素5000ppm、銀元素
1500ppm含有の長繊維不織布に高松油脂(株)製
の帯電防止剤SR−1000を水で稀釈後スプレー法に
て有効成分が不織布重量に対して0.1重量%付着すべ
て噴霧−乾燥し帯電防止性を有する難燃・防カビ性の長
繊維不織布を製造した(実施例4)。これらの実施例1
〜4の特性及びリン元素、銀を含まず帯電防止剤を付与
しないもの(従来例1)を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表1において、夫々の特性は下記の
測定方法によった。 目 付 : JIS L−1096に準ずる。 厚 さ : JIS L−1096に準ずる。 引張り強さ、伸び率:JIS L−1096に準ず
る。 引裂き強さ: JIS L−1096に準ずる。 難燃性 : JIS L−1091に準ずる。 防カビ性 : JIS Z−2911に準ずる。 帯電防止性: 図1に示す装置で電気比抵抗値を測
定した値である。 なお、電気比抵抗値は、図1の回路図(温湿度条件20
℃、65%RH)で、スイッチSを1に接続し、3分間
短絡させ、Sを2に接続し、印加電圧1000Vを加
え、直流電流計Aにより1分後の電流値Aを読み、電気
比抵抗値R=1000/Aによって求める。3は試料
片、4はシールド、5は金属平板電極、6は直流電源、
Aは直流電流計、Vは直流電圧計である。
【0023】表1の結果から、実施例1〜4は難燃性は
合格していたが、従来例1は不合格であった。また、防
カビ性は、実施例1は、試料上に一部カビの生育が認め
られるが、防カビ性を有していると評価され、実施例2
〜4は、試料上に全くカビの生育が認められず優れた防
カビ性を有している。従来例1は試料全面にカビが発生
し、全く防カビ性を有していない。帯電防止性は、帯電
防止剤を練込んだ実施例4は、比抵抗1.6×109 Ω
・cmと優れた帯電防止性を示しているが、実施例1〜
3、従来例1は、比抵抗値が1×1014以上であり、全
く帯電防止性を有しているとはいえないレベルであっ
た。
【0024】
【発明の効果】本発明は、難燃性で且つ防カビ性に優れ
た壁装材用の長繊維不織布であり、帯電防止剤の付与に
より壁装材として施工しても、室内の埃を吸着せず、う
す汚れの発生しない、綺麗な壁面が得られる長繊維不織
布である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気比抵抗値を測定する測定回路図である。
【符号の説明】
3 試料片 4 シールド 5 金属平板電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃成分としてリン元素をフィラメント
    に対して重量%で950〜10000ppm、及び防カ
    ビ成分として銀元素をフィラメントに対して重量%で5
    0〜3000ppm含有するポリエステルフィラメント
    のランダムループ組織からなり、目付30〜300g/
    2 で部分的に熱融着又はニードルパンチ加工されてお
    り、さらにカレンダー加工又はエンボス加工されてなる
    ことを特徴とする壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織
    布。
  2. 【請求項2】 帯電防止剤の固形分付着量がフィラメン
    トに対して0.05〜1.0重量%である請求項1に記
    載の壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布。
JP4329269A 1992-12-09 1992-12-09 壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布 Pending JPH06184907A (ja)

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JP4329269A JPH06184907A (ja) 1992-12-09 1992-12-09 壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布

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JP4329269A Pending JPH06184907A (ja) 1992-12-09 1992-12-09 壁装材用難燃・防カビ性長繊維不織布

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102851960A (zh) * 2012-09-20 2013-01-02 昆山市周市斐煌服饰厂 防火防霉面料的生产方法

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