JPH06184764A - 電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 - Google Patents
電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法Info
- Publication number
- JPH06184764A JPH06184764A JP34286492A JP34286492A JPH06184764A JP H06184764 A JPH06184764 A JP H06184764A JP 34286492 A JP34286492 A JP 34286492A JP 34286492 A JP34286492 A JP 34286492A JP H06184764 A JPH06184764 A JP H06184764A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulating film
- resin
- relief annealing
- adhesion
- steel sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/73—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals characterised by the process
- C23C22/74—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals characterised by the process for obtaining burned-in conversion coatings
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高い占積率を有し、打抜性、密着
性及び歪取り焼鈍後の滑り性に優れた絶縁皮膜を持つ電
磁鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 電磁鋼板の表面に、クロム酸系溶液の１種ま
たは２種以上と、クロム酸金属塩１重量部に対して、粒
径が０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョン（固形分と
して）０．０１〜３．０重量部を主成分とする水溶液を
薄く均一に塗布した後、焼付けることにより、高い占積
率を有し打抜性と密着性に優れ、しかも歪取り焼鈍後に
優れた滑り性を発揮する電磁鋼板の電気絶縁皮膜を製造
することができる。
性及び歪取り焼鈍後の滑り性に優れた絶縁皮膜を持つ電
磁鋼板の製造方法を提供する。 【構成】 電磁鋼板の表面に、クロム酸系溶液の１種ま
たは２種以上と、クロム酸金属塩１重量部に対して、粒
径が０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョン（固形分と
して）０．０１〜３．０重量部を主成分とする水溶液を
薄く均一に塗布した後、焼付けることにより、高い占積
率を有し打抜性と密着性に優れ、しかも歪取り焼鈍後に
優れた滑り性を発揮する電磁鋼板の電気絶縁皮膜を製造
することができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高い占積率と優れた打
抜性と密着性を持ち、歪取り焼鈍後に優れた滑り性を発
揮する電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法に関するもので
ある。
抜性と密着性を持ち、歪取り焼鈍後に優れた滑り性を発
揮する電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】周知の如く、無方向性電磁鋼板をモータ
ーやトランス等の鉄芯に使用する場合は、所定の形状に
打抜いた後歪取り焼鈍を行い、所定枚数積み重ねて溶
接、かしめ、または接着等により固定して積鉄芯とされ
るものである。
ーやトランス等の鉄芯に使用する場合は、所定の形状に
打抜いた後歪取り焼鈍を行い、所定枚数積み重ねて溶
接、かしめ、または接着等により固定して積鉄芯とされ
るものである。
【０００３】通常、無方向性電磁鋼板の表面には、電気
絶縁皮膜が形成されている。この絶縁皮膜は絶縁性の他
に、耐蝕性、溶接性、密着性、耐熱性等種々の皮膜特性
を必要とするが、特に占積率、打抜性、密着性が優れて
いることが要求される。また、歪取り焼鈍を施した後に
も絶縁性を保持していることが必要であり、近年では歪
取り焼鈍後の滑り性についても優れていることが要求さ
れている。
絶縁皮膜が形成されている。この絶縁皮膜は絶縁性の他
に、耐蝕性、溶接性、密着性、耐熱性等種々の皮膜特性
を必要とするが、特に占積率、打抜性、密着性が優れて
いることが要求される。また、歪取り焼鈍を施した後に
も絶縁性を保持していることが必要であり、近年では歪
取り焼鈍後の滑り性についても優れていることが要求さ
れている。
【０００４】従来、無方向性電磁鋼板の電気絶縁皮膜と
しては、無機系、有機系、無機有機混合系の電気絶縁皮
膜が知られている。しかし、無機系絶縁皮膜は有機系、
無機有機混合系絶縁皮膜に比べて、歪取り焼鈍後の滑り
性は優れているが、打抜性が劣っている。更に有機系絶
縁皮膜では打抜性、密着性は優れているが、歪取り焼鈍
によって、皮膜が破壊され、歪取り焼鈍後の密着性が劣
悪で使用に耐えない。無機有機混合系絶縁皮膜として
は、特公昭５０−１５０１３号公報に、重クロム酸塩と
酢酸ビニル、ブタジエン−スチレン共重合物、アクリル
樹脂等の有機樹脂エマルジョンを主成分とする処理液を
用いて絶縁皮膜を形成することによって、高い占積率、
優れた密着性、打抜性等の皮膜特性を持ち、且つ歪取り
焼鈍にも耐えることができる絶縁皮膜形成方法が提案さ
れている。
しては、無機系、有機系、無機有機混合系の電気絶縁皮
膜が知られている。しかし、無機系絶縁皮膜は有機系、
無機有機混合系絶縁皮膜に比べて、歪取り焼鈍後の滑り
性は優れているが、打抜性が劣っている。更に有機系絶
縁皮膜では打抜性、密着性は優れているが、歪取り焼鈍
によって、皮膜が破壊され、歪取り焼鈍後の密着性が劣
悪で使用に耐えない。無機有機混合系絶縁皮膜として
は、特公昭５０−１５０１３号公報に、重クロム酸塩と
酢酸ビニル、ブタジエン−スチレン共重合物、アクリル
樹脂等の有機樹脂エマルジョンを主成分とする処理液を
用いて絶縁皮膜を形成することによって、高い占積率、
優れた密着性、打抜性等の皮膜特性を持ち、且つ歪取り
焼鈍にも耐えることができる絶縁皮膜形成方法が提案さ
れている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記特公昭５
０−１５０１３号公報に開示された皮膜特性の優れた電
気絶縁皮膜を有する無方向性電磁鋼板は、歪取り焼鈍後
の滑り性に難点があった。上記の如く無方向性電磁鋼板
をモーター等の鉄芯に使用する場合は、所定の形状に打
抜いた後歪取り焼鈍を行い、所定枚数積み重ねて溶接、
かしめまたは接着等により固定して積鉄芯とされるもの
であるが、この製造工程は近年自動化が発達し、歪取り
焼鈍後の打抜板は、製造工程中でのガイド上での滑り
性、打抜板積層時の打抜板間の滑り性を有することが重
要である。
０−１５０１３号公報に開示された皮膜特性の優れた電
気絶縁皮膜を有する無方向性電磁鋼板は、歪取り焼鈍後
の滑り性に難点があった。上記の如く無方向性電磁鋼板
をモーター等の鉄芯に使用する場合は、所定の形状に打
抜いた後歪取り焼鈍を行い、所定枚数積み重ねて溶接、
かしめまたは接着等により固定して積鉄芯とされるもの
であるが、この製造工程は近年自動化が発達し、歪取り
焼鈍後の打抜板は、製造工程中でのガイド上での滑り
性、打抜板積層時の打抜板間の滑り性を有することが重
要である。
【０００６】上記滑り性が劣っていると、製造工程中の
ガイド上をスムースに移動しなかったり、打抜板の表面
に疵がついたり、或いは皮膜を剥離したりするものであ
る。一方、鉄芯に積層時に所定枚数の打抜板の断面を自
動矯正機で整える場合、滑り正が悪いと、打抜板の断面
を疵つけたり、或いは腰折れを発生させるものである。
ガイド上をスムースに移動しなかったり、打抜板の表面
に疵がついたり、或いは皮膜を剥離したりするものであ
る。一方、鉄芯に積層時に所定枚数の打抜板の断面を自
動矯正機で整える場合、滑り正が悪いと、打抜板の断面
を疵つけたり、或いは腰折れを発生させるものである。
【０００７】本発明は、上記特公昭５０−１５０１３号
に開示された皮膜特性の優れた電気絶縁皮膜を有する無
方向性電磁鋼板の難点を解決し、高い占積率と共に優れ
た打抜性、密着性及び歪取り焼鈍後の優れた滑り性を付
与する処理方法を提供することを目的とする。
に開示された皮膜特性の優れた電気絶縁皮膜を有する無
方向性電磁鋼板の難点を解決し、高い占積率と共に優れ
た打抜性、密着性及び歪取り焼鈍後の優れた滑り性を付
与する処理方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のよ
うな従来のエマルジョンタイプの樹脂を添加した処理液
で形成された絶縁皮膜では、歪取り焼鈍によって絶縁皮
膜中の樹脂成分が劣化し、歪取り焼鈍後の滑り性が低下
することを見出した。そこで、本発明者らはエマルジョ
ン樹脂、皮膜構造等について種々検討を行った結果、エ
マルジョン樹脂として粒径０．５〜３．０μｍのエマル
ジョン樹脂を用いることによって、歪取り焼鈍後の滑り
性が格段に向上することを見出し、本発明を完成した。
うな従来のエマルジョンタイプの樹脂を添加した処理液
で形成された絶縁皮膜では、歪取り焼鈍によって絶縁皮
膜中の樹脂成分が劣化し、歪取り焼鈍後の滑り性が低下
することを見出した。そこで、本発明者らはエマルジョ
ン樹脂、皮膜構造等について種々検討を行った結果、エ
マルジョン樹脂として粒径０．５〜３．０μｍのエマル
ジョン樹脂を用いることによって、歪取り焼鈍後の滑り
性が格段に向上することを見出し、本発明を完成した。
【０００９】すなわち本発明は以下の構成を要旨とす
る。 （１）電磁鋼板の表面にクロム酸系溶液と、クロム酸金
属塩（ＣｒＯ3 に換算して）１重量部に対して、粒径が
０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョン（樹脂固形分に
換算して）０．０１〜３．０重量部を主成分とする処理
液を薄く均一に塗布した後、焼付けることを特徴とする
高い占積率を有し、打抜性と密着性に優れ、しかも歪取
り焼鈍後に優れた滑り性を発揮する電磁鋼板の電気絶縁
皮膜処理方法。 （２）樹脂エマルジョンがエポキシ樹脂、またはスチレ
ン樹脂エマルジョンであることを特徴とする前項記載の
電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法。 以下に本発明の内容を詳細に説明する。
る。 （１）電磁鋼板の表面にクロム酸系溶液と、クロム酸金
属塩（ＣｒＯ3 に換算して）１重量部に対して、粒径が
０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョン（樹脂固形分に
換算して）０．０１〜３．０重量部を主成分とする処理
液を薄く均一に塗布した後、焼付けることを特徴とする
高い占積率を有し、打抜性と密着性に優れ、しかも歪取
り焼鈍後に優れた滑り性を発揮する電磁鋼板の電気絶縁
皮膜処理方法。 （２）樹脂エマルジョンがエポキシ樹脂、またはスチレ
ン樹脂エマルジョンであることを特徴とする前項記載の
電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法。 以下に本発明の内容を詳細に説明する。
【００１０】〔本発明で使用する無機化合物〕本発明で
いうクロム酸系溶液とはカルシウム、マグネシウム、亜
鉛等の重クロム酸塩または無水クロム酸にカルシウム、
マグネシウム、亜鉛等の２価の酸化物、水酸化物、炭酸
塩を溶解したものの１種または２種以上の混合液であ
る。なお、処理液の安定のためには、２価の金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩の１種また２種以上をほぼ飽和の
状態ないし過飽和の状態に溶解するのがよい。
いうクロム酸系溶液とはカルシウム、マグネシウム、亜
鉛等の重クロム酸塩または無水クロム酸にカルシウム、
マグネシウム、亜鉛等の２価の酸化物、水酸化物、炭酸
塩を溶解したものの１種または２種以上の混合液であ
る。なお、処理液の安定のためには、２価の金属の酸化
物、水酸化物、炭酸塩の１種また２種以上をほぼ飽和の
状態ないし過飽和の状態に溶解するのがよい。
【００１１】〔本発明で使用する樹脂エマルジョン〕本
発明では、粒径が０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョ
ンを用いる。エマルジョン樹脂の種類としては、アクリ
ル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、シリコン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ア
ルキド樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂等が使
用できる。これらの樹脂を乳化剤の存在下で、通常の乳
化方式により、エマルジョンとし、更にその粒径が０．
５〜３．０μｍとしたものが、本発明に使用できる。特
にこれらの樹脂の中でも、エポキシ樹脂、及びスチレン
樹脂を用いた場合には、極めて優れた皮膜特性が得られ
るものである。
発明では、粒径が０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョ
ンを用いる。エマルジョン樹脂の種類としては、アクリ
ル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、シリコン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ア
ルキド樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂等が使
用できる。これらの樹脂を乳化剤の存在下で、通常の乳
化方式により、エマルジョンとし、更にその粒径が０．
５〜３．０μｍとしたものが、本発明に使用できる。特
にこれらの樹脂の中でも、エポキシ樹脂、及びスチレン
樹脂を用いた場合には、極めて優れた皮膜特性が得られ
るものである。
【００１２】〔配合比〕クロム酸金属塩（ＣｒＯ3 に換
算して）１重量部に対して、水分散性エマルジョン樹脂
量を０．０１〜５．０重量部に限定した理由であるが、
０．０１重量部以下では充分な打抜性、皮膜自体の密着
性が得られず、５．０重量部以上では歪取り焼鈍時に皮
膜の剥離を起こして充分な耐熱性が得られない。尚、本
発明における処理液としては以上述べた２成分を含むこ
とが必須であるが、この他にエチレングリコール、グリ
セリン等の還元剤、ホウ酸、コロイド状シリカ等のガラ
ス形成剤、非イオン界面活性剤等の分散性向上剤を添加
してもよい。
算して）１重量部に対して、水分散性エマルジョン樹脂
量を０．０１〜５．０重量部に限定した理由であるが、
０．０１重量部以下では充分な打抜性、皮膜自体の密着
性が得られず、５．０重量部以上では歪取り焼鈍時に皮
膜の剥離を起こして充分な耐熱性が得られない。尚、本
発明における処理液としては以上述べた２成分を含むこ
とが必須であるが、この他にエチレングリコール、グリ
セリン等の還元剤、ホウ酸、コロイド状シリカ等のガラ
ス形成剤、非イオン界面活性剤等の分散性向上剤を添加
してもよい。
【００１３】〔処理法〕処理液の塗布、焼付け方法であ
るが、処理液をロールコーター等で所定量塗布し、２５
０℃から７００℃の焼付け温度で短時間焼付けるだけで
よい。
るが、処理液をロールコーター等で所定量塗布し、２５
０℃から７００℃の焼付け温度で短時間焼付けるだけで
よい。
【００１４】〔塗布量〕次に電磁鋼板の表面に形成する
絶縁皮膜量は特に限定しないが、０．５ｇ／ｍ2 〜３ｇ
／ｍ2 の範囲が適当である。すなわち０．５ｇ／ｍ2 未
満では充分な打抜性が得られず、一方３ｇ／ｍ2 を超え
ると、歪取り焼鈍時に絶縁皮膜の剥離の危険性があり、
占積率も劣るからである。
絶縁皮膜量は特に限定しないが、０．５ｇ／ｍ2 〜３ｇ
／ｍ2 の範囲が適当である。すなわち０．５ｇ／ｍ2 未
満では充分な打抜性が得られず、一方３ｇ／ｍ2 を超え
ると、歪取り焼鈍時に絶縁皮膜の剥離の危険性があり、
占積率も劣るからである。
【００１５】すでに述べた如く、本発明に使用される樹
脂エマルジョンは粒径０．５〜３．０μｍでありその添
加量はクロム酸金属塩（ＣｒＯ3 に換算して）１重量部
に対して、０．０１〜３．０重量部に限定される。この
条件において、高い占積率を持ち打抜性、密着性、歪取
り焼鈍後の滑り性に優れた、電気絶縁皮膜が得られる。
脂エマルジョンは粒径０．５〜３．０μｍでありその添
加量はクロム酸金属塩（ＣｒＯ3 に換算して）１重量部
に対して、０．０１〜３．０重量部に限定される。この
条件において、高い占積率を持ち打抜性、密着性、歪取
り焼鈍後の滑り性に優れた、電気絶縁皮膜が得られる。
【００１６】
【作用】本発明では、エマルジョン樹脂として粒径０．
５〜３．０μｍの樹脂を用いることにより、皮膜表面に
非常に微細な突起が多数形成される。これらの微小突起
は歪取り焼鈍後も存在することが確認されている。本発
明による無方向性電磁鋼板の歪取り焼鈍後の滑り性向上
メカニズムについては、まだ解明されていないのではあ
るが、特定粒径の樹脂エマルジョンが皮膜形成時に形成
する特定スケールの微小突起が、表面接触時の荷重を分
散させることにより、滑り性が向上すると推定される。
従って、歪取り焼鈍後においても、優れた滑り性が得ら
れるものである。また、占積率、打抜性、密着性が良好
であるのは、無機有機混合皮膜の良特性を保持している
からである。
５〜３．０μｍの樹脂を用いることにより、皮膜表面に
非常に微細な突起が多数形成される。これらの微小突起
は歪取り焼鈍後も存在することが確認されている。本発
明による無方向性電磁鋼板の歪取り焼鈍後の滑り性向上
メカニズムについては、まだ解明されていないのではあ
るが、特定粒径の樹脂エマルジョンが皮膜形成時に形成
する特定スケールの微小突起が、表面接触時の荷重を分
散させることにより、滑り性が向上すると推定される。
従って、歪取り焼鈍後においても、優れた滑り性が得ら
れるものである。また、占積率、打抜性、密着性が良好
であるのは、無機有機混合皮膜の良特性を保持している
からである。
【００１７】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を説明する。
まず、表１に示した組成の樹脂エマルジョンを用いて、
有機成分処理液を調製した後、これらの有機成分処理液
を用いて、表２に示した皮膜処理液を調製した。
まず、表１に示した組成の樹脂エマルジョンを用いて、
有機成分処理液を調製した後、これらの有機成分処理液
を用いて、表２に示した皮膜処理液を調製した。
【００１８】その後、電磁鋼板（板厚０．５mm、表面粗
さＲａ０．２０μｍ）の表面に、表２に示した処理液
を、それぞれ塗布しゴムロールで絞り、４５０℃に設定
した焼鈍炉で６０秒間焼付けた。この時塗布量は１．０
ｇ／ｍ2 であった。この試料とその後、乾燥窒素雰囲気
で、７５０℃×２時間歪取り焼鈍を行った試料について
試験した。なお、樹脂エマルジョン濃度はすべて５０％
のものを使用した。
さＲａ０．２０μｍ）の表面に、表２に示した処理液
を、それぞれ塗布しゴムロールで絞り、４５０℃に設定
した焼鈍炉で６０秒間焼付けた。この時塗布量は１．０
ｇ／ｍ2 であった。この試料とその後、乾燥窒素雰囲気
で、７５０℃×２時間歪取り焼鈍を行った試料について
試験した。なお、樹脂エマルジョン濃度はすべて５０％
のものを使用した。
【００１９】以上の実施例と比較例の結果を表３と表４
に示す。表３，４からも明らかな如く、本実施例によれ
ば、高い占積率と優れた打抜性、密着性、滑り性を持つ
電気絶縁皮膜が得られた。
に示す。表３，４からも明らかな如く、本実施例によれ
ば、高い占積率と優れた打抜性、密着性、滑り性を持つ
電気絶縁皮膜が得られた。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【表２】
【００２２】
【表３】
【００２３】
【表４】
【００２４】〔滑り性測定法〕滑り性の測定には、市販
の表面性測定機を用いた。測定条件は垂直荷重１００ｇ
とし、φ１０mm鋼球ボールを用いて、移動速度２０mm／
sec.、大気中で行った。評価は１０回の繰り返し往復摩
擦の後、表面に皮膜の剥がれや大きな疵の残らなかった
サンプルを合格とし、鋼球ボールが引っ掛かったり地鉄
が現れる程の疵がついたサンプルは不合格とした。
の表面性測定機を用いた。測定条件は垂直荷重１００ｇ
とし、φ１０mm鋼球ボールを用いて、移動速度２０mm／
sec.、大気中で行った。評価は１０回の繰り返し往復摩
擦の後、表面に皮膜の剥がれや大きな疵の残らなかった
サンプルを合格とし、鋼球ボールが引っ掛かったり地鉄
が現れる程の疵がついたサンプルは不合格とした。
【００２５】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明方法によれ
ば、高い占積率と優れた打抜性、密着性、滑り性を持つ
電気絶縁皮膜を有する電磁鋼板が得られるものである。
ば、高い占積率と優れた打抜性、密着性、滑り性を持つ
電気絶縁皮膜を有する電磁鋼板が得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊野 知二 福岡県北九州市戸畑区飛幡町１番１号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項１】 電磁鋼板の表面にクロム酸系溶液と、ク
ロム酸金属塩（ＣｒＯ3 に換算して）１重量部に対し
て、粒径が０．５〜３．０μｍの樹脂エマルジョン（樹
脂固形分に換算して）０．０１〜３．０重量部を主成分
とする処理液を薄く均一に塗布した後、焼付けることを
特徴とする高い占積率を有し、打抜性と密着性に優れ、
しかも歪取り焼鈍後に優れた滑り性を発揮する電磁鋼板
の電気絶縁皮膜処理方法。 - 【請求項２】 樹脂エマルジョンがエポキシ樹脂、また
はスチレン樹脂エマルジョンであることを特徴とする請
求項１記載の電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34286492A JPH06184764A (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34286492A JPH06184764A (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06184764A true JPH06184764A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18357090
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34286492A Pending JPH06184764A (ja) | 1992-12-22 | 1992-12-22 | 電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06184764A (ja) |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06101057A (ja) * | 1992-09-18 | 1994-04-12 | Nippon Steel Corp | 被膜特性の優れる無方向性電磁鋼板及びその鋼板用表面処理剤 |
-
1992
- 1992-12-22 JP JP34286492A patent/JPH06184764A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06101057A (ja) * | 1992-09-18 | 1994-04-12 | Nippon Steel Corp | 被膜特性の優れる無方向性電磁鋼板及びその鋼板用表面処理剤 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2944849B2 (ja) | 被膜特性の極めて良好な無方向性電磁鋼板の製造方法 | |
| KR101518656B1 (ko) | 전자기 강판 및 그 제조 방법 | |
| KR101458726B1 (ko) | 수지 몰드되는 적층 철심에 사용되는 전자기 강판 및 그 제조 방법 | |
| JP5811285B2 (ja) | 絶縁被膜付き電磁鋼板 | |
| EP3836169B1 (en) | Electrical steel sheet and method for manufacturing the same | |
| KR20180035877A (ko) | 절연 피막 처리액 및 절연 피막 부착 금속의 제조 방법 | |
| JP2000129455A (ja) | 被膜特性に優れた無方向性電磁鋼板 | |
| JP3397291B2 (ja) | 被膜特性に優れた絶縁被膜を有する無方向性電磁鋼板及びその製造方法並びにその製造に用いる絶縁被膜形成剤 | |
| JPH06184764A (ja) | 電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 | |
| JP2654862B2 (ja) | 鉄心加工性および耐粉塵化性が優れた方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法 | |
| JPH1112756A (ja) | 歪取焼鈍後の耐焼付き性とすべり性に優れた絶縁被膜を有する無方向性電磁鋼板 | |
| JPH05263262A (ja) | 電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 | |
| JP3572938B2 (ja) | 耐スティッキング性及び耐食性に優れた電磁鋼板 | |
| JPH06102833B2 (ja) | すべり性と密着性に優れた電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 | |
| JP6477742B2 (ja) | 絶縁被膜付き電磁鋼板 | |
| JPH0762551A (ja) | 歪取焼鈍後の耐置錆性に優れた電磁鋼板 | |
| JP3408748B2 (ja) | 窒化防止性、密着性および耐食性に優れた絶縁被膜付き電磁鋼板とその製造方法 | |
| JP2569860B2 (ja) | 電磁鋼板への絶縁皮膜の形成方法 | |
| JP2000345360A (ja) | 歪み取り焼鈍後の特性に優れたクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板 | |
| KR100312848B1 (ko) | 피막특성이우수한절연피막을갖는비방향성전자강판과그것의제작방법및그것을제조하는데사용되는절연피막형성제 | |
| JP3323375B2 (ja) | 高い占積率を有し、溶接性、耐放射線性、打抜性に優れた電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 | |
| JPH06240185A (ja) | 歪取焼鈍後の磁気特性に優れた電気絶縁皮膜の形成 | |
| JPH02267276A (ja) | 磁気特性及び皮膜特性の優れた方向性電磁鋼板の絶縁皮膜処理方法 | |
| JPH06102832B2 (ja) | 溶接性と密着性に優れた電磁鋼板の電気絶縁皮膜処理方法 | |
| JP2712663B2 (ja) | 耐歪取り焼鈍性に優れた電磁鋼板用絶縁皮膜の形成方法 |