JPH06184583A - 等速ジョイント用グリース及び等速ジョイント - Google Patents
等速ジョイント用グリース及び等速ジョイントInfo
- Publication number
- JPH06184583A JPH06184583A JP13611493A JP13611493A JPH06184583A JP H06184583 A JPH06184583 A JP H06184583A JP 13611493 A JP13611493 A JP 13611493A JP 13611493 A JP13611493 A JP 13611493A JP H06184583 A JPH06184583 A JP H06184583A
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- Japan
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- grease
- constant velocity
- weight
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Abstract
(57)【要約】
【目的】人体,環境に影響の有る鉛系添加剤を使用せ
ず、しかも摩擦抵抗及び軸力を一層低減することができ
る等速ジョイント用グリース及びそのグリースを封入し
た等速ジョイントを提供する。 【構成】ウレアグリースに、モリブデンジチオフォスフ
ェート2〜3重量%、モリブデンジチオカーバメイト2
〜3重量%、亜鉛ジチオカーバメイト2〜3重量%を含
有する等速ジョイント用グリースを用いる。
ず、しかも摩擦抵抗及び軸力を一層低減することができ
る等速ジョイント用グリース及びそのグリースを封入し
た等速ジョイントを提供する。 【構成】ウレアグリースに、モリブデンジチオフォスフ
ェート2〜3重量%、モリブデンジチオカーバメイト2
〜3重量%、亜鉛ジチオカーバメイト2〜3重量%を含
有する等速ジョイント用グリースを用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、等速ジョイント特にプ
ランジング型等速ジョイント用グリース及びそのグリー
スを封入した等速ジョイントに関する。
ランジング型等速ジョイント用グリース及びそのグリー
スを封入した等速ジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】プランジング型等速ジョイントは、ジョ
イント角が付いた状態でトルクを受けて回転する際に、
摺動部分の摩擦抵抗によってジョイントの構造上、例え
ばトリポード型等速ジョイントであれば1回転につき3
回の軸力がシャフトの軸方向に発生する。この軸力は、
ジョイント角,伝達トルク等の影響により増減するた
め、特に最近の高出力車では大きなものとなる。また、
この発生サイクルと車体,サスペンション等の固有振動
数とが合致し、かつ車体の共振を誘発するに足る大きな
軸力が発生する場合には、乗員に横方向のゆらゆら振動
を感じさせ不快感を与える。そこで、従来のプランジン
グ型等速ジョイントにあっては、その内部にグリースを
充填して摺動部分の潤滑と共に摩擦抵抗を低くし、軸力
を抑制するようにしている。
イント角が付いた状態でトルクを受けて回転する際に、
摺動部分の摩擦抵抗によってジョイントの構造上、例え
ばトリポード型等速ジョイントであれば1回転につき3
回の軸力がシャフトの軸方向に発生する。この軸力は、
ジョイント角,伝達トルク等の影響により増減するた
め、特に最近の高出力車では大きなものとなる。また、
この発生サイクルと車体,サスペンション等の固有振動
数とが合致し、かつ車体の共振を誘発するに足る大きな
軸力が発生する場合には、乗員に横方向のゆらゆら振動
を感じさせ不快感を与える。そこで、従来のプランジン
グ型等速ジョイントにあっては、その内部にグリースを
充填して摺動部分の潤滑と共に摩擦抵抗を低くし、軸力
を抑制するようにしている。
【0003】従来の等速ジョイント用グリースとして
は、二硫化モリブデン,鉛系添加剤,硫黄−リン系添加
剤などを添加したものが使用されていた。
は、二硫化モリブデン,鉛系添加剤,硫黄−リン系添加
剤などを添加したものが使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のグ
リースを充填したプランジング型等速ジョイントにあっ
ては、例えばダブルオフセット型等速ジョイントの実装
車では、高速走行時においてビート音やこもり音が発生
したり、車体が振動するという問題点があった。また、
トリポード型等速ジョイントの実装車では、加速時に車
体に横振れが生じるという問題点があった。また、鉛系
添加剤は人体及び環境に与える影響が有り好ましくない
という問題点もあった。
リースを充填したプランジング型等速ジョイントにあっ
ては、例えばダブルオフセット型等速ジョイントの実装
車では、高速走行時においてビート音やこもり音が発生
したり、車体が振動するという問題点があった。また、
トリポード型等速ジョイントの実装車では、加速時に車
体に横振れが生じるという問題点があった。また、鉛系
添加剤は人体及び環境に与える影響が有り好ましくない
という問題点もあった。
【0005】このような従来の等速ジョイント用グリー
スの問題点を解決するべく、特公平4−34590号公
報あるいは特開昭63−46299号公報,特開平4−
130193号公報等に、ウレアグリースに有機モリブ
デン化合物と極圧添加剤を加えた等速ジョイント用グリ
ースが提案されている。それらの提案では、極圧添加剤
として、硫化オレフィンなどの硫黄−リン系化合物、ジ
ンクアリールジチオフォスフェートやジンクアルキルジ
チオフォスフェートなどの有機亜鉛化合物等が使用され
ている。
スの問題点を解決するべく、特公平4−34590号公
報あるいは特開昭63−46299号公報,特開平4−
130193号公報等に、ウレアグリースに有機モリブ
デン化合物と極圧添加剤を加えた等速ジョイント用グリ
ースが提案されている。それらの提案では、極圧添加剤
として、硫化オレフィンなどの硫黄−リン系化合物、ジ
ンクアリールジチオフォスフェートやジンクアルキルジ
チオフォスフェートなどの有機亜鉛化合物等が使用され
ている。
【0006】しかしながら、上記ウレアグリースをベー
スとし、これにモリブデン化合物と、硫黄−リン系化合
物或いは有機亜鉛化合物等からなる極圧添加剤とを加え
た等速ジョイント用グリースは、摩擦係数,軸力の低減
の点でなお十分とは言えず改善の余地があった。そこ
で、本発明は、上記従来の問題点を解決するためになさ
れたものであり、人体,環境に影響の有る鉛系添加剤を
使用せず、しかも摩擦抵抗及び軸力を一層低減すること
ができる等速ジョイント用グリース及びそのグリースを
封入した等速ジョイントを提供することを目的とする。
スとし、これにモリブデン化合物と、硫黄−リン系化合
物或いは有機亜鉛化合物等からなる極圧添加剤とを加え
た等速ジョイント用グリースは、摩擦係数,軸力の低減
の点でなお十分とは言えず改善の余地があった。そこ
で、本発明は、上記従来の問題点を解決するためになさ
れたものであり、人体,環境に影響の有る鉛系添加剤を
使用せず、しかも摩擦抵抗及び軸力を一層低減すること
ができる等速ジョイント用グリース及びそのグリースを
封入した等速ジョイントを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の請求項1の等速ジョイント用グリースは、ウレア
グリースに(1)モリブデンジチオフォスフェート,2
〜3重量%、(2)モリブデンジチオカーバメイト,2
〜3重量%、(3)亜鉛ジチオカーバメイト,2〜3重
量%を含有することを特徴とする。
発明の請求項1の等速ジョイント用グリースは、ウレア
グリースに(1)モリブデンジチオフォスフェート,2
〜3重量%、(2)モリブデンジチオカーバメイト,2
〜3重量%、(3)亜鉛ジチオカーバメイト,2〜3重
量%を含有することを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2の等速ジョイント
用グリースは、上記請求項1のグリース組成物に、植物
油脂または/および酸化ワックスをそれぞれ1種または
2種以上の組合せで1〜3重量%を含有することを特徴
とする。また、本発明の請求項3の等速ジョイント用グ
リースは、請求項2のグリース組成物に、SP系極圧剤
0.1 〜1.0 重量%を含有することを特徴とする。
用グリースは、上記請求項1のグリース組成物に、植物
油脂または/および酸化ワックスをそれぞれ1種または
2種以上の組合せで1〜3重量%を含有することを特徴
とする。また、本発明の請求項3の等速ジョイント用グ
リースは、請求項2のグリース組成物に、SP系極圧剤
0.1 〜1.0 重量%を含有することを特徴とする。
【0009】また、本発明の等速ジョイントは、請求項
1または2または3のグリースを封入したことを特徴と
する。
1または2または3のグリースを封入したことを特徴と
する。
【0010】
【作用】本発明に使用するウレアグリースは、基油に精
製鉱油,合成油またはこれらの混合油を用いるととも
に、増ちょう剤にウレア化合物を用いて、耐熱性を高め
たものである。本発明の等速ジョイント用グリースは、
前記ウレアグリースに、添加剤としてジチオフォスフェ
ート系モリブデン化合物と、ジチオカーバメイト系モリ
ブデン化合物と、ジチオカーバメイト系亜鉛化合物とを
それぞれ混合してある。
製鉱油,合成油またはこれらの混合油を用いるととも
に、増ちょう剤にウレア化合物を用いて、耐熱性を高め
たものである。本発明の等速ジョイント用グリースは、
前記ウレアグリースに、添加剤としてジチオフォスフェ
ート系モリブデン化合物と、ジチオカーバメイト系モリ
ブデン化合物と、ジチオカーバメイト系亜鉛化合物とを
それぞれ混合してある。
【0011】ジチオフォスフェート系モリブデン化合物
は、モリブデンジアリールジチオフォスフェートまたは
モリブデンジアルキルジチオフォスフェートであり(以
下、MoDTPと略す)、単独または混合して用いる。
これらは、摺動部の摩擦熱で二硫化モリブデン等に分解
されて潤滑性を発揮し、良好な極圧添加剤として機能す
る。
は、モリブデンジアリールジチオフォスフェートまたは
モリブデンジアルキルジチオフォスフェートであり(以
下、MoDTPと略す)、単独または混合して用いる。
これらは、摺動部の摩擦熱で二硫化モリブデン等に分解
されて潤滑性を発揮し、良好な極圧添加剤として機能す
る。
【0012】ジチオカーバメイト系モリブデン化合物
は、モリブデンジアルキルジチオカーバメイト(以下、
MoDTCと略す)である。これも、熱分解されて潤滑
性を発揮し、極圧添加剤として機能する。上記MoDT
PとMoDTCは混合して添加した方が、どちらか一方
のみを添加するより有効である。
は、モリブデンジアルキルジチオカーバメイト(以下、
MoDTCと略す)である。これも、熱分解されて潤滑
性を発揮し、極圧添加剤として機能する。上記MoDT
PとMoDTCは混合して添加した方が、どちらか一方
のみを添加するより有効である。
【0013】さらに本発明にあっては、ジチオカーバメ
イト系亜鉛化合物であるZnDTCすなわち亜鉛ジアル
キルジチオカーバメイトを添加する。これにより、後述
するように摩擦係数を大きく低減させることができ、従
来より顕著な潤滑効果が得られた。上記各添加剤MoD
TP,MoDTCおよびZnDTCの添加量は、それぞ
れ2〜3重量%である。2重量%未満では摩擦係数及び
軸力が悪化する。一方、3重量%を越えても効果は同じ
である。
イト系亜鉛化合物であるZnDTCすなわち亜鉛ジアル
キルジチオカーバメイトを添加する。これにより、後述
するように摩擦係数を大きく低減させることができ、従
来より顕著な潤滑効果が得られた。上記各添加剤MoD
TP,MoDTCおよびZnDTCの添加量は、それぞ
れ2〜3重量%である。2重量%未満では摩擦係数及び
軸力が悪化する。一方、3重量%を越えても効果は同じ
である。
【0014】植物油脂または酸化ワックスは、特に極圧
剤が分解・重合し反応するまでの低い温度領域または低
面圧領域では、その油性効果により金属表面に有効に吸
着して摩擦係数を低減するのに有効である。植物油脂と
してはヒマシ油,ナタネ油,ヤシ油,大豆油など、酸化
ワックスとしては酸化された炭化水素のバリウム塩およ
びカルシウム塩など、からなる群から選定された1種ま
たは2種以上の組合せで、添加量は1〜3重量%であ
る。1重量%未満では摩擦係数の低減および軸力向上の
効果は少なく、一方、3重量%を越えても効果は変わら
ず、グリース全体の酸化安定性が悪くなる。
剤が分解・重合し反応するまでの低い温度領域または低
面圧領域では、その油性効果により金属表面に有効に吸
着して摩擦係数を低減するのに有効である。植物油脂と
してはヒマシ油,ナタネ油,ヤシ油,大豆油など、酸化
ワックスとしては酸化された炭化水素のバリウム塩およ
びカルシウム塩など、からなる群から選定された1種ま
たは2種以上の組合せで、添加量は1〜3重量%であ
る。1重量%未満では摩擦係数の低減および軸力向上の
効果は少なく、一方、3重量%を越えても効果は変わら
ず、グリース全体の酸化安定性が悪くなる。
【0015】SP系極圧剤は、下地金属と化学反応して
潤滑膜を生成し、また化学摩耗により下地金属の凹凸を
無くし平坦化して摩擦係数を低減させると同時に焼付を
防ぐ効果も発揮する。SP系極圧剤としては、硫化油
脂,硫化オレフィン,トリクレジルフォスフェートなど
からなる群から選択された1種または2種以上の組合せ
で、添加量は0.1 〜1.0 重量%である。0.1 重量%未満
では効果はなく、一方、1.0 重量%を越えると化学摩耗
を促進して摩耗が多くなり逆効果である。
潤滑膜を生成し、また化学摩耗により下地金属の凹凸を
無くし平坦化して摩擦係数を低減させると同時に焼付を
防ぐ効果も発揮する。SP系極圧剤としては、硫化油
脂,硫化オレフィン,トリクレジルフォスフェートなど
からなる群から選択された1種または2種以上の組合せ
で、添加量は0.1 〜1.0 重量%である。0.1 重量%未満
では効果はなく、一方、1.0 重量%を越えると化学摩耗
を促進して摩耗が多くなり逆効果である。
【0016】なお、これらの添加剤以外に、必要に応じ
て二硫化モリブデン,グラファイト等の固体潤滑剤、あ
るいは防錆剤,酸化防止剤,清浄分散剤等の一般的な他
の添加剤の併用を妨げるものではない。
て二硫化モリブデン,グラファイト等の固体潤滑剤、あ
るいは防錆剤,酸化防止剤,清浄分散剤等の一般的な他
の添加剤の併用を妨げるものではない。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。表1に、
本発明の等速ジョイント用グリースの実施例1〜3及び
比較例1〜11の組成を示す。
本発明の等速ジョイント用グリースの実施例1〜3及び
比較例1〜11の組成を示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1中の組成欄に示した鉱油は、100℃
における粘度10cstの精製鉱油である。また、表1
中の組成欄に示した脂肪族ウレアは、脂肪族アミン系ウ
レア化合物である。上記脂肪族ウレアを上記精製鉱油中
に均一に分散させて、ウレアグリースを得た。こうして
得られたウレアグリースに、表1に示す各種添加剤を種
々の配合割合で添加し、混練して均一な組成物とした。
における粘度10cstの精製鉱油である。また、表1
中の組成欄に示した脂肪族ウレアは、脂肪族アミン系ウ
レア化合物である。上記脂肪族ウレアを上記精製鉱油中
に均一に分散させて、ウレアグリースを得た。こうして
得られたウレアグリースに、表1に示す各種添加剤を種
々の配合割合で添加し、混練して均一な組成物とした。
【0020】実施例1〜3の試料は、ウレアグリースに
MoDTP,MoDTCおよびZnDTCを各2重量%
づつ添加したものに、更に植物油脂および酸化ワックス
をそれぞれ1種または2種以上ならびに硫黄−リン系極
圧剤を添加して調整した。比較例1〜11の試料は、M
oDTP,MoDTC,ZnDTCの各添加剤の配合割
合が実施例とは異なり、かつ鉛系添加剤であるPbDT
Cを添加(比較例5および10,11を除く)したもの
である。
MoDTP,MoDTCおよびZnDTCを各2重量%
づつ添加したものに、更に植物油脂および酸化ワックス
をそれぞれ1種または2種以上ならびに硫黄−リン系極
圧剤を添加して調整した。比較例1〜11の試料は、M
oDTP,MoDTC,ZnDTCの各添加剤の配合割
合が実施例とは異なり、かつ鉛系添加剤であるPbDT
Cを添加(比較例5および10,11を除く)したもの
である。
【0021】各試料を用いて、摩擦係数及び軸力測定試
験を実施して評価した。 (1) 摩擦係数測定:SRV試験装置(図1及び図
2)を用いて行った。この試験装置は、温度センサ1上
に固定されたテストピース2と上部の可動のホルダ4で
挟み固定したボール5との間に試料グリースを塗布し、
面圧Pを負荷しつつ電磁コイル6で任意の周波数,振幅
の振動Wを与え、発生するひずみ量をひずみセンサ7で
測定し摩擦係数として直示できるものである。8は振幅
測定のストロークセンサである。
験を実施して評価した。 (1) 摩擦係数測定:SRV試験装置(図1及び図
2)を用いて行った。この試験装置は、温度センサ1上
に固定されたテストピース2と上部の可動のホルダ4で
挟み固定したボール5との間に試料グリースを塗布し、
面圧Pを負荷しつつ電磁コイル6で任意の周波数,振幅
の振動Wを与え、発生するひずみ量をひずみセンサ7で
測定し摩擦係数として直示できるものである。8は振幅
測定のストロークセンサである。
【0022】今回は、このSRV試験機を用いて、複雑
なころがりすべり運動を再現し、等速ジョイント用グリ
ース(特にトリポード型ジョイント用グリース)の摩擦
特性を適切に評価する方法として、特開平2−2137
48号公報記載のニードルを用いたころがりすべり試験
方法(図2)を採用した。これは、トリポード型ジョイ
ントの動きにポイントを置いたもので、二枚の円筒プレ
ート11,12の間に四角形の穴の開いたホルダー13
を入れ、さらに複数本(3本)のニードル14を隣接さ
せて挿入し、任意の条件で上部のプレート11からホル
ダー13まで一体で往復動させ、複数のニードル14間
の摩擦による摩擦係数を計測し評価した。ホルダー13
は、任意の角度をとることが可能で、ニードル14に一
定の傾きを与えるもので、ころがり運動に任意のすべり
運動の組合せが可能であることを特長としている。
なころがりすべり運動を再現し、等速ジョイント用グリ
ース(特にトリポード型ジョイント用グリース)の摩擦
特性を適切に評価する方法として、特開平2−2137
48号公報記載のニードルを用いたころがりすべり試験
方法(図2)を採用した。これは、トリポード型ジョイ
ントの動きにポイントを置いたもので、二枚の円筒プレ
ート11,12の間に四角形の穴の開いたホルダー13
を入れ、さらに複数本(3本)のニードル14を隣接さ
せて挿入し、任意の条件で上部のプレート11からホル
ダー13まで一体で往復動させ、複数のニードル14間
の摩擦による摩擦係数を計測し評価した。ホルダー13
は、任意の角度をとることが可能で、ニードル14に一
定の傾きを与えるもので、ころがり運動に任意のすべり
運動の組合せが可能であることを特長としている。
【0023】各テストピースのサイズは、円筒プレート
11(直径20mm×厚さ13mm)、円筒プレート12(直径
24mm×厚さ7.85mm)、ホルダー13( 直径20mm×厚さ2.5
mm、穴の大きさ14mm×10mm) 、ニードル14(直径3 mm
×厚さ13.8mm) であり、プレート11,12、ニードル
14とも材質はSUJ−2(軸受鋼)を用いた。この試
験では、面圧Pは765MPa、振幅は3.0 mm、周波数
は40Hz、振幅直角方向に対するニードルの軸心角度
は30度、温度は室温の条件で10分間振動した後に求
めた値を摩擦係数の測定値とした。測定結果を表1の下
欄に示す。 (2) 軸力測定:軸力測定試験機により、実ジョイン
ト(トリポード型等速ジョイント)に試料グリースを封
入して、ジョイント軸の回転時に発生する軸方向の力
(軸力)を測定した。この試験機は、プランジング型等
速ジョイントが回転時に発生する力を、ロードセルによ
り検出し、動ひずみ計にて増幅して軸力値として計測し
た。
11(直径20mm×厚さ13mm)、円筒プレート12(直径
24mm×厚さ7.85mm)、ホルダー13( 直径20mm×厚さ2.5
mm、穴の大きさ14mm×10mm) 、ニードル14(直径3 mm
×厚さ13.8mm) であり、プレート11,12、ニードル
14とも材質はSUJ−2(軸受鋼)を用いた。この試
験では、面圧Pは765MPa、振幅は3.0 mm、周波数
は40Hz、振幅直角方向に対するニードルの軸心角度
は30度、温度は室温の条件で10分間振動した後に求
めた値を摩擦係数の測定値とした。測定結果を表1の下
欄に示す。 (2) 軸力測定:軸力測定試験機により、実ジョイン
ト(トリポード型等速ジョイント)に試料グリースを封
入して、ジョイント軸の回転時に発生する軸方向の力
(軸力)を測定した。この試験機は、プランジング型等
速ジョイントが回転時に発生する力を、ロードセルによ
り検出し、動ひずみ計にて増幅して軸力値として計測し
た。
【0024】軸力測定は、ジョイント角度が7.5度、
負荷トルクが60kgfm、回転数が200rpmの条
件下にて行った。測定結果は表1の下欄に併記してあ
る。表1から、比較例4〜9のようにMoDTPもしく
はMoDTCが2重量%以下となると、摩擦係数及び軸
力が悪化することが判る。また、実施例では、ZnDT
Cを2重量%以上添加することによって、pb系添加剤
を添加した比較例1〜3と同等の摩擦係数及び軸力を得
ることができた。
負荷トルクが60kgfm、回転数が200rpmの条
件下にて行った。測定結果は表1の下欄に併記してあ
る。表1から、比較例4〜9のようにMoDTPもしく
はMoDTCが2重量%以下となると、摩擦係数及び軸
力が悪化することが判る。また、実施例では、ZnDT
Cを2重量%以上添加することによって、pb系添加剤
を添加した比較例1〜3と同等の摩擦係数及び軸力を得
ることができた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ウレア
グリースにモリブデンジチオフォスフェート2〜3重量
%、モリブデンジチオカーバメイト2〜3重量%、亜鉛
ジチオカーバメイト2〜3重量%を含有する等速ジョイ
ント用グリース、およびこれに更に植物油脂または酸化
ワックスを1種または2種以上の組合せで含有する等速
ジョイント用グリース、それに更に硫黄−リン系極圧剤
を添加した等速ジョイント用グリース、及びそれらのグ
リースを封入した等速ジョイントとしたため、人体や環
境に影響を与える鉛系添加剤を使わずに、摩擦抵抗及び
軸力を低減させることができるという効果が得られる。
グリースにモリブデンジチオフォスフェート2〜3重量
%、モリブデンジチオカーバメイト2〜3重量%、亜鉛
ジチオカーバメイト2〜3重量%を含有する等速ジョイ
ント用グリース、およびこれに更に植物油脂または酸化
ワックスを1種または2種以上の組合せで含有する等速
ジョイント用グリース、それに更に硫黄−リン系極圧剤
を添加した等速ジョイント用グリース、及びそれらのグ
リースを封入した等速ジョイントとしたため、人体や環
境に影響を与える鉛系添加剤を使わずに、摩擦抵抗及び
軸力を低減させることができるという効果が得られる。
【図1】SRV試験装置の概要説明図である。
【図2】SRV試験機を使用したニードル試験の説明図
である。
である。
な し
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 135:18 119:24 159:08 159:06) C10N 10:04 10:12 30:06 8217−4H 40:04 50:10
Claims (4)
- 【請求項1】 ウレアグリースに (1)モリブデンジチオフォスフェート 2〜3重量% (2)モリブデンジチオカーバメイト 2〜3重量% (3)亜鉛ジチオカーバメイト 2〜3重量% を含有することを特徴とする等速ジョイント用グリー
ス。 - 【請求項2】 請求項1のグリース組成物に、植物油脂
または/および酸化ワックスをそれぞれ1種または2種
以上の組合せで1〜3重量%を含有することを特徴とす
る等速ジョイント用グリース。 - 【請求項3】 請求項2のグリース組成物に、SP系極
圧剤0.1 〜1.0 重量%を含有することを特徴とする等速
ジョイント用グリース。 - 【請求項4】 請求項1または2または3のグリースを
封入したことを特徴とする等速ジョイント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13611493A JPH06184583A (ja) | 1992-10-22 | 1993-06-07 | 等速ジョイント用グリース及び等速ジョイント |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-284785 | 1992-10-22 | ||
JP28478592 | 1992-10-22 | ||
JP13611493A JPH06184583A (ja) | 1992-10-22 | 1993-06-07 | 等速ジョイント用グリース及び等速ジョイント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06184583A true JPH06184583A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=26469784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13611493A Pending JPH06184583A (ja) | 1992-10-22 | 1993-06-07 | 等速ジョイント用グリース及び等速ジョイント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06184583A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996002615A1 (en) * | 1994-07-15 | 1996-02-01 | Kyodo Yushi Co., Ltd. | Grease composition for constant velocity joints |
EP0708172A3 (en) * | 1994-10-21 | 1997-04-09 | Kyodo Yushi | Grease composition for constant velocity joint |
EP0768367A1 (en) * | 1995-10-12 | 1997-04-16 | Asahi Denka Kogyo Kabushiki Kaisha | Lubricating composition |
US5858931A (en) * | 1995-08-09 | 1999-01-12 | Asahi Denka Kogyo K.K | Lubricating composition |
JPH11172274A (ja) * | 1997-10-30 | 1999-06-29 | Lubrizol Corp:The | ひまわり油を添加することによる、ジチオカルバミン酸モリブデンおよび活性イオウの銅腐食性能を改良する方法 |
EP1046700A3 (en) * | 1999-04-21 | 2002-02-06 | Showa Shell Sekiyu Kabushiki Kaisha | Grease composition for constant velocity joint |
JP2007056139A (ja) * | 2005-08-24 | 2007-03-08 | Ntn Corp | 等速ジョイント用グリース組成物 |
JP2009235416A (ja) * | 2009-06-19 | 2009-10-15 | Showa Shell Sekiyu Kk | 等速ジョイント用グリース組成物 |
-
1993
- 1993-06-07 JP JP13611493A patent/JPH06184583A/ja active Pending
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JP4641567B2 (ja) * | 1997-10-30 | 2011-03-02 | ザ ルブリゾル コーポレイション | ひまわり油を添加することによる、ジチオカルバミン酸モリブデンおよび活性イオウの銅腐食性能を改良する方法 |
EP1046700A3 (en) * | 1999-04-21 | 2002-02-06 | Showa Shell Sekiyu Kabushiki Kaisha | Grease composition for constant velocity joint |
KR100696896B1 (ko) * | 1999-04-21 | 2007-03-21 | 쇼와쉘세키유가부시키가이샤 | 등속 조인트용 그리스 조성물 및 이를 사용하여 마찰 계수를 감소시키는 방법 |
JP2007056139A (ja) * | 2005-08-24 | 2007-03-08 | Ntn Corp | 等速ジョイント用グリース組成物 |
JP2009235416A (ja) * | 2009-06-19 | 2009-10-15 | Showa Shell Sekiyu Kk | 等速ジョイント用グリース組成物 |
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