JPH06184113A - アゼピン誘導体、その製造法およびその用途 - Google Patents

アゼピン誘導体、その製造法およびその用途

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JPH06184113A
JPH06184113A JP22374493A JP22374493A JPH06184113A JP H06184113 A JPH06184113 A JP H06184113A JP 22374493 A JP22374493 A JP 22374493A JP 22374493 A JP22374493 A JP 22374493A JP H06184113 A JPH06184113 A JP H06184113A
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JP
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reaction
mmol
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general formula
naphthyl
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JP22374493A
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English (en)
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Nobuyuki Takahashi
信幸 高橋
Daisuke Mochizuki
大介 望月
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
ピリジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子
を示す)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒性
塩、その製造法およびそれを有効成分とするシグマレセ
プターに関与する疾患に対する治療剤である。 【効果】 本発明化合物(1)およびその無毒性塩はシ
グマレセプターに高い親和性を有し、他のレセプターに
対しては殆ど親和性を示さず、シグマレセプターに関与
する疾病、例えば精神分裂病の治療に有利に使用するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシグマレセプターに特異
的に結合する活性を有する新規アゼピン誘導体、その製
造法、その医薬用途およびその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】シグマ(σ)レセプターは、元来、μ、
δ、κ、εレセプターと共にオピオイドレセプターの一
つとして定義されていた。しかし、オピオイド拮抗薬で
あるナロキソン(Naloxon)がσレセプターに対
して親和性をもたないことから、最近では、オピオイド
レセプターではなく独立したレセプターとして分類され
ている。
【0003】σレセプターを介する薬理作用は未だ解明
されていない。しかしながら、精神異常発現作用を有す
るフェンシクリジン(Phencyclidine)が
NMDAレセプター以外にσレセプターにも親和性を有
していることや抗精神分裂病薬であるハロペリドール
(Haloperidol)がドパミンレセプター以外
にσレセプターにも強く結合することが明らかとなって
いる。これらのことから、σレセプターは精神機能に関
与している可能性が示唆されている。しかしながらσレ
セプターに対して特異的な薬物はほとんど報告されてい
ない。
【0004】英国特許852971(1959)明細
書、Acta pharmacol.et toxic
ol.,17,277−287(1960)およびAc
taChemica Scandinavica,1
7,2069−2078(1963)には、一般式
【0005】
【化9】 (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 はH、Cl、−N
2 、−NH2 、−CH 3 、−OCH3 または−OH基
を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表されるN−置
換フェニルアルキルカンフィジン誘導体が開示され、中
枢神経系抑制薬(depressor activit
y upon the centralnervous
system)およびトランキライザーとして有用で
あることが記載されている。また、薬学雑誌、84(1
0),918−929(1964)には、一般式
【0006】
【化10】 (式中、R’はH、Clまたは−NH2 基を示し、nは
1または2を示す。)で表されるN−置換フェニルアル
キルカンフィジン誘導体が開示され、鎮痛作用について
検討されたが、あまり効果はなかったと報告されてい
る。しかしながら、上記のいずれの先行文献において
も、これらの公知化合物は、精神分裂病の動物モデルと
して汎用されているアポモルヒネ誘発クライミングモデ
ルでの有効性については全く記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】σレセプターに対し特
異的な薬物が見出され、その薬効の発見が新しいタイプ
の薬物を開発する上で重要なことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の化
合物を合成し、それらの薬理作用について広く検索して
いたところ、下記の一般式(1)で示されるアゼピン誘
導体が優れたσレセプターに高い親和性をもち、他のレ
セプターに対しては殆ど親和性を示さず、また抗精神分
裂病の評価に使用されているアポモルヒネ誘発クライミ
ングの抑制作用に対して有効性を示した。本発明は、上
記の知見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、一般式
【化11】 (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
ピリジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子
を示す)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒性塩
を提供するものである。また、本発明は、一般式
【0010】
【化12】 (式中、Rは上記と同じ意味を有し、C* は不斉炭素原
子を示す)で表される化合物のカルボニル基を還元する
ことを特徴とするか、あるいは一般式
【化13】 (式中、C* は不斉炭素原子を示す)で表されるアミン
と一般式 X−CH2 −CH2 −R (4) (式中、Xは反応性有機スルホニルオキシ基またはハロ
ゲン原子を示し、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる反応性誘導体を不活性有機溶媒中、塩基の存在下で
反応させることを特徴とする前記一般式(1)で表され
るアゼピン誘導体およびその無毒性塩の製造法を提供す
るものである。
【0011】さらに、本発明は、一般式(1)またはそ
の無毒性塩を有効成分として含有することを特徴とする
シグマレセプターに関与する疾患に対する治療剤を提供
するものである。さらに、本発明は、一般式(1)また
はその無毒性塩を有効成分として含有することを特徴と
する精神分裂病治療剤を提供するものである。さらにま
た、本発明は、前記一般式(1)で表されるアゼピン誘
導体またはその無毒性塩の中間体として有用な前記一般
式(2)で表されるアゼピン誘導体およびその塩を提供
するものである。
【0012】前記一般式(1)において定義される基R
としては、ナフチル基、1,3−ベンゾジオキソリル
基、ピリジル基またはチエニル基が挙げられる。ナフチ
ル基はα−ナフチル基またはβ−ナフチル基を意味し、
1,3−ベンゾジオキソリル基は1,3−ベンゾジオキ
ソ−ル−2−イル基、1,3−ベンゾジオキソ−ル−4
−イル基または1,3−ベンゾジオキソ−ル−5−イル
基を意味し、ピリジル基は2−ピリジル基、3−ピリジ
ル基または4−ピリジル基を意味し、チエニル基は2−
チエニル基または3−チエニル基を意味する。
【0013】本発明のアゼピン誘導体(1)は、例え
ば、前記一般式(2)で表される化合物のカルボニル基
を還元することにより得られる。前記化合物(2)は、
一般式(3)で表されるアミンを一般式 R−CH2 COOH (5) (式中、Rは前記と同じ意味を示す)で表されるカルボ
ン酸またはその反応性誘導体でアシル化することにより
得られる。
【0014】上記の出発原料のうち、一般式(3)で示
されるアミン、すなわち1,8,8−トリメチル−3−
アザビシクロ[3.2.1]オクタンは一般式(3)で
示される如く不斉炭素原子を有するので、R体またはS
体の光学活性体として使用される。R体は文献記載の公
知化合物であって、例えば、Acta.Chem.Sc
and.,17,2069(1963)、Tetrah
edron Letters,21,4593(198
0)などの文献に記載されている。S体は文献未載の化
合物であって、(1S)−1,8,8−トリメチル−3
−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オンを不
活性有機溶媒中水素化リチウムアルミニウムなどの還元
剤で還元することにより得られる。
【0015】一方、一般式(5)で示されるカルボン酸
の例としては、α−ナフチル酢酸、β−ナフチル酢酸、
1,3−ベンゾジオキソ−ル−2−酢酸、1,3−ベン
ゾジオキソ−ル−4−酢酸、1,3−ベンゾジオキソ−
ル−5−酢酸、2−ピリジル酢酸、3−ピリジル酢酸、
4−ピリジル酢酸、2−チエニル酢酸、3−チエニル酢
酸などが挙げられる。これらは公知の化合物であり、そ
れぞれ市販品または合成により容易に入手可能である。
【0016】上記のアシル化反応は、公知のアミド化反
応に準じて実施することができる。カルボン酸(5)を
遊離の形で使用する場合には、縮合剤の存在下で反応を
行わせる。その縮合剤の例としては、N,N’−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3
−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(WSC)、N−シクロヘキシル−N’−(4−ジエチ
ルアミノシクロヘキシル)カルボジイミドなどのカルボ
ジイミド化合物、ジフェニルホスホリルアジド、ベンゾ
トリアゾリル−N−ヒドロキシトリス(ジメチルアミ
ノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩、カルボニ
ルジイミダゾールなどの試薬、N−メチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド化合物
を塩化チオニル、オキシ塩化リン、ホスゲンなどのハロ
ゲン化物との反応によって生成する試薬(いわゆるビル
スマイヤー試薬)などが挙げられる。その他の公知の縮
合剤も使用できる。
【0017】カルボン酸(5)の反応性誘導体として
は、その酸ハライド、酸無水物、酸アジド、活性エステ
ル、活性アミドなどが挙げられ、その好ましい例として
は、酸クロライド、酸ブロマイド、酢酸、ピバリン酸、
イソ吉草酸、トリクロロ酢酸、炭酸モノアルキルエステ
ルなどとの混合酸無水物、p−ニトロフェニルエステ
ル、2,4−ジニトロフェニルエステル、トリクロロフ
ェニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、1−
ヒドロキシ−1H−ピリドン、N−ヒドロキシスクシン
イミドエステル、N−ヒドロキシフタルイミドエステル
などの活性エステル、ピラゾール、イミダゾール、ジメ
チルピラゾール、ベンゾトリアゾールなどの活性アミド
などが挙げられる。
【0018】上記アシル化反応における反応性誘導体の
中で、酸ハロゲン化物または酸無水物を用いる反応は脱
酸剤の存在下で行うのが好ましい。脱酸剤としては、例
えばトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、ピ
リジンなどの第3級有機塩基や公知の無機塩基が使用さ
れる。
【0019】アミン(3)とカルボン酸(5)またはそ
の反応性誘導体との量的割合は、理論的には等モルでよ
いが、通常はカルボン酸(5)またはその反応性誘導体
が過剰に用いられる。
【0020】上記アシル化反応は、反応に悪影響を及ぼ
さないような有機溶媒中で行われ、有機溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、アセトンまたはこれら
の混合溶媒などが使用される。反応温度は特に限定され
ないが、通常は室温で充分に進行する。反応時間は、反
応温度、カルボン酸(5)またはその反応性誘導体の種
類により左右され、一般には特定できないが、精々48
時間程度迄である。
【0021】上記アシル化反応によって得られた化合物
(2)を反応液から採取するには、反応溶媒が非親水性
有機溶媒である場合には、反応液をアルカリ性水溶液、
酸性水溶液または飽和食塩水で洗浄した後、有機溶媒層
を濃縮し、反応溶媒が親水性有機溶媒である場合には、
該溶媒を留去し、残渣を非親水性有機溶媒に溶解した
後、前記と同様に処理することにより化合物(2)を得
ることができる。該化合物(2)を、さらに、例えば、
カラムクロマトグラフィー、再結晶などの公知の精製法
により精製することができる。
【0022】本発明は、化合物(2)のカルボニル基を
還元して本発明化合物(1)を得るのであるが、上記の
反応は化合物(2)を不活性有機溶媒中水素化リチウム
アルミニウム、水素化ナトリウムアルミニウム、水素化
ホウ素などの還元剤で還元することにより行われる。不
活性有機溶媒の例としてはテトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、1,4−ジオキサン、ピリジンなどが挙げ
られる。反応温度は通常、加熱下、できれば還流下で行
われる。反応時間は、反応温度、還元剤の種類により左
右されるが、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマ
トグラフィーなどにより反応の経過を追跡することがで
きるので、化合物(2)の消失を待って反応を終了させ
ればよい。一般には特定できないが、1〜10時間程度
である。
【0023】上記還元反応によって得られた目的化合物
(1)を反応液から採取するには、反応溶媒が非親水性
有機溶媒である場合には、反応液を酸性水溶液、アルカ
リ性水溶液、または飽和食塩水で洗浄した後、有機溶媒
層を濃縮し、反応溶媒が親水性有機溶媒である場合に
は、該溶媒を留去し、残渣を非親水性有機溶媒に溶解し
た後、前記と同様に処理することにより化合物(1)を
得ることができる。該化合物(1)を、さらに、例え
ば、カラムクロマトグラフィー、再結晶などの公知の精
製法により精製することができる。
【0024】本発明においては、別法としてアミン
(3)と一般式 X−CH2 CH2 −R (4) (式中、Xは反応性有機スルホニルオキシ基またはハロ
ゲン原子を示し、Rは前記と同じ意味を有する)で表さ
れる反応性誘導体を不活性有機溶媒中、塩基の存在下で
反応させることにより得られる。
【0025】上記反応性誘導体(4)のうちスルホニル
オキシ誘導体は、一般式 HO−CH2 CH2 −R (6) (式中、Rは前記と同じ意味を有する)で表されるアル
コールを塩化メチレンのような乾燥不活性反応溶媒中、
メタンスルホリルクロライド、p−トルエンスルホニル
クロライドなどでスルホニル化することにより得られ
る。上記のアルコール(6)の例としては、α−ナフチ
ルエタノール、β−ナフチルエタノール、1,3−ベン
ゾジオキソ−ル−2−エタノ−ル、1,3−ベンゾジオ
キソ−ル−4−エタノ−ル、1,3−ベンゾジオキソ−
ル−5−エタノ−ル、2−ピリジルエタノール、3−ピ
リジルエタノール、4−ピリジルエタノール、2−チエ
ニルエタノール、3−チエニルエタノールなどが挙げら
れる。これらは公知の化合物であり、それぞれ市販品ま
たは合成により容易に入手可能である。
【0026】また、上記反応性誘導体(4)のうちハロ
ゲン化物としては、α−ナフチルエチルブロマイド、β
−ナフチルエチルブロマイド、1,3−ベンゾジオキソ
−ル−2−エチルブロマイド、1,3−ベンゾジオキソ
−ル−4−エチルブロマイド、1,3−ベンゾジオキソ
−ル−5−エチルブロマイド、2−ピリジルエチルブロ
マイド、3−ピリジルエチルブリマイド、4−ピリジル
エチルブロマイド、2−チエニルエチルブロマイド、3
−チエニルエチルブロマイド等が挙げられる。
【0027】アミン(3)と反応性誘導体(4)との反
応で使用される塩基の例としては、例えば、トリエチル
アミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチ
ルアニリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、N,N
−ジメチルアミノピリジンなどの第3級有機塩基やアル
カリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素
塩、水酸化物または水素化物などの無機塩基が挙げられ
る。
【0028】上記反応において使用される不活性有機溶
媒の例としては、アセトニトリル、ベンゼン、アセト
ン、テトラヒドロフランなどが挙げられるが、アセトニ
トリルが特に好ましい。上記反応は通常、使用する反応
溶媒の還流温度で適宜行われる。反応時間は、反応温
度、塩基の種類により左右されるが、薄層クロマトグラ
フィー、高速液体クロマトグラフィーなどにより反応の
経過を追跡することができるので、アミン(3)の消失
を待って適宜反応を収量させればよい。一般には特定で
きないが、通常は2〜72時間程度である。
【0029】上記反応液から目的化合物(1)を採取す
るには、不溶物を濾去し、溶媒を濃縮した後、残渣を例
えば、クロロホルムとアセトンやメタノールとの混合物
を溶離剤としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーな
どの公知の精製法により精製することができる。本発明
においては、本発明化合物(1)が開示されれば、上記
で示した製造法に限らず、公知の反応を組み合わせるこ
とにより製造することは容易である。
【0030】このようにして得られた本発明化合物
(1)は、必要に応じてその医薬上許容される無毒性塩
とすることも可能である。このような塩の例としては、
塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸の塩、酢酸、プロピオ
ン酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、
コハク酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、
メタンスルホン酸などの有機酸との塩などが挙げられ
る。
【0031】本発明化合物(1)またはその無毒性塩の
いずれの化合物もラットに30mg/kg静脈投与して
も、死亡例は認められなかったことから明らかなよう
に、医薬として使用しても安全な化合物ということがで
きる。
【0032】本発明化合物(1)またはその非毒性塩を
医薬として使用するには、これを製剤化し、通常、経口
投与もしくは点滴を含む注射などの非経口投与すればよ
く、その投与量は、投与形態、被投与者の年齢、体重、
症状などによって異なるが、一般には、成人1日当たり
0.1mg〜100mg程度である。
【0033】上記製剤化のための剤形としては、錠剤、
丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤などが挙げら
れるが、その製造のためには、これら製剤に応じた各種
担体、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの経口剤
は、澱粉、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチル
セルロース、コーンスターチ、無機塩類などの賦形剤、
澱粉、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロ
キシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセル
ロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、マクロゴールなどの結合剤、澱粉、ヒド
ロキシプロピルスターチ、カルボキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロースなどの崩壊剤、ラウリル硫酸ナト
リウム、大豆レシチン、蔗糖脂肪酸エステル、ポリソル
ベート80などの界面活性剤、タルク、ロウ、水素添加
植物油、蔗糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウムなどの滑沢剤、流動性促進
剤、矯味剤、着色剤、香料などを使用することができ
る。
【0034】また、本発明化合物(1)またはその非毒
性塩は、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキ
シル剤としても使用できる。非経口剤は、希釈剤として
一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注
射用植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コールなどを使用することができる。さらに必要に応
じ、殺菌剤、防腐剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤など
を加えてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明化合物(1)またはその無毒性塩
のシグマレセプターへの結合能の測定は以下の方法によ
り行い、その結果は表1に示す通りであった。 (A)文献(Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,vol.83,8784−8788(198
6),E.Weber et al)に記載の方法に準
じて本発明の化合物のシグマレセプターへの結合能を測
定した。
【0036】スプレードーリー(Sprague−Da
wley)系雄性ラット(7週令、チャールスリバー)
を断頭後、速やかに脳を取り出し小脳を除いた全脳を5
0mM Tris/HCl緩衝液(pH8.0、TH緩
衝液)でホモジネート後、700xgで10分間遠心し
た。その上清を48,000xgで15分間遠心し、得
られた沈渣をTH緩衝液に再懸濁して37℃、20分間
インキュベートした。これを48,000xgで15分
間遠心し得られた沈渣をTH緩衝液に懸濁して膜標品と
した。
【0037】この膜標品(約600μg蛋白量)と〔3
H〕1,3−ジ(2−トリル)グアニジン(DTG,N
ew England Nuclear社製)(最終濃
度3nM)を25℃で60分間反応させ、反応液をワツ
トマンGF/Cフイルターで吸引濾過することにより反
応を停止させ、フイルターに吸着した放射活性シンチレ
ーションカウンターで測定し、得られた値を総結合量と
した。また10μMのハロペリドールを加えて同様に測
定したものを非特異的結合量(NB)とした。検体の結
合量を測定するには、ハロペリドールの代わりに適宜の
濃度の検体を加えて同様に測定し、検体における測定値
(DTB)を得た。
【0038】 (B)Ki値(薬物の受容体に対する親和性)計算法 ある一定濃度における検体の結合阻害率を次の計算法で
算出した。 結合阻害率(%)=〔1−(DTB−NB)÷(TB−
NB)〕×100 各検体毎に適宜の濃度(高濃度から低濃度まで)におけ
る結合阻害率を求め、横軸に濃度の対数値、縦軸に結合
阻害率をプロットし、非線形最小二乗法にて曲線を引
き、IC50値を求めた。
【0039】Ki値は次の計算式で算出した。 Ki=(IC50)÷〔1+(L)/Kd〕 但し式中、(L)は実験に用いた放射性リガンド濃度
(3nM)、Kdは放射性リガンドの受容体に対する親
和性を表す濃度(10.6nM)、IC50は受容体と
放射性リガンドとの結合を50%阻害する薬物濃度であ
る。シグマレセプターに対する結合能を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】次に、本発明の化合物(1)の薬理学的作
用について述べる。 アポモルヒネ誘発クライミングの抑制作用 ドーパミン作動薬であるアポモルヒネをマウスに投与す
ると種々の異常行動が観察され、なかでもケージをよじ
登る行動(クライミング)はヒトでの精神分裂病と密接
な関係があることが知られている。すなわち、ある薬物
がマウスでのアポモルヒネ誘発クライミングの抑制作用
を有していれば、その薬物はヒトにおいて抗精神分裂病
作用を有すると予測することができる。ICR系雄性マ
ウス(チャールス・リバー)に本発明化合物を腹腔内投
与し、その30分後にアポモルヒネ2mg/kgを皮下
投与した。アポモルヒネ投与後20分から23分までの
3分間のクライミング行動を観察した。クライミング行
動はステンレススチール製金網ケージにマウスを入れ、
観察時間中にケージの1/2以上上部へ留まっている時
間を測定した。アポモルヒネ単独群のクライミング時間
を100%として被験薬物による時間短縮を抑制率で示
した。アポモルヒネ誘発クライミングの抑制作用を表2
に示す。
【0042】
【表2】
【0043】本発明化合物(1)はアポモルヒネ誘発ク
ライミング行動を抑制し、その効力は抗精神分裂病薬で
あるクロルプロマジンと同等もしくはそれ以上であっ
た。これらの成績より、本発明化合物(1)は、非常に
強い抗精神分裂病作用を有することが認められた。
【0044】前記試験例から明らかなように、本発明化
合物(1)またはその無毒性塩はシグマレセプターに対
し高い親和性を有し、他のレセプターに対しては殆ど親
和性を示さず、また、抗精神分裂病の評価に使用されて
いるアポモルヒネ誘発クライミングの抑制作用に対して
有効性を示したことから、シグマレセプターに関与する
疾病、例えば精神分裂病の治療に有利に使用することが
できる。
【0045】
【実施例】次に、参考例および実施例を挙げ、本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明は、これに限定される
ものではない。尚、各実施例および各参考例で得られた
目的物の質量分析スペプトル(MS)および 1H核磁気
共鳴スペクトル( 1H−NMR)は表3及び表4に記載
する。
【0046】実施例 1 (1R)−3−(1−ナフチルアセチル)−1,8,8
−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ
ン (1R)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.95g(5.0ミリ
モル)の塩化メチレン20ml溶液にトリエチルアミン
0.84ml(6.0ミリモル)を加え、0℃で30分
間攪拌した。これに1−ナフチル酢酸0.93g(5.
0ミリモル)および1−エチル−3−(3’−ジメチル
アミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)1.
35g(7.0ミリモル)を加えた後、徐々に室温に戻
し24時間攪拌した。反応後、反応液を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒溶液か
ら乾燥剤を濾別した後、減圧濃縮した。得られた残渣を
シリカゲル(ワコーゲルC−200、和光純薬社製)カ
ラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロロホルム)に
より精製して表題の目的物を白色粉末として得た。収量
1.09g(収率67.7%)
【0047】実施例 2 (1R)−3−(2−ナフチルアセチル)−1,8,8
−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ
ン 実施例1において、1−ナフチル酢酸の代わりに2−ナ
フチル酢酸を用いて表題の目的物を白色粉末として得
た。収量1.28g(収率79.5%)
【0048】実施例 3 (1R)−3−[2−(1−ナフチル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン 水素化リチウムアルミニウム0.25g(6.8ミリモ
ル)のテトラヒドロフラン(THF)20ml溶液に
(1R)−3−(1−ナフチルアセチル)−1,8,8
−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ
ン1.09g(3.4ミリモル)を加え1時間加熱還流
した。反応後、冷却し、6N塩酸、続いて1N−水酸化
ナトリウム水溶液を加え、生じた不溶物を濾別した後、
減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(ワコーゲル
C−200、和光純薬社製)カラムクロマトグラフィー
(溶出溶媒;クロロホルム:アセトン=10:1)によ
り精製して表題の目的物を無色油状物として得た。収量
1.03g(収率99.0%) 得られた表題化合物に2倍モル量の塩化水素メタノール
溶液を加え、減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルで処
理して結晶化し、塩酸塩を調製した。 〔α〕D 25=+6.0°(c=0.5、メタノール)
【0049】実施例 4 (1R)−3−[2−(2−ナフチル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン 水素化リチウムアルミニウム0.30g(7.89ミリ
モル)のTHF25ml溶液に(1R)−3−(2−ナ
フチルアセチル)−1,8,8−トリメチル−3−アザ
ビシクロ[3.2.1]オクタン1.28g(3.99
ミリモル)を加え1時間加熱還流した。反応後、冷却
し、6N塩酸、続いて1N−水酸化ナトリウム水溶液を
加え、生じた不溶物を濾別した後、減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲル(ワコーゲル、C−200、和光
純薬社製)カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒;クロ
ロホルム:アセトン=10:1)により精製して表題の
目的物を無色油状物として得た。収量1.22g(収率
100%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=+3.2°(c=0.5、メタノール)
【0050】実施例 5 (1R)−3−[2−(2−ピリジル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1R)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.95g(5.0ミリ
モル)と2−ピリジル酢酸塩酸塩0.96g(5.5ミ
リモル)の塩化メチレン20ml溶液にトリエチルアミ
ン1.75ml(12.6ミリモル)を加え、0℃で3
0分間攪拌した。そこへ、WSC1.35g(7.0ミ
リモル)を加え、徐々に室温に戻し、24時間攪拌し
た。反応後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮し、粗(1
R)−3−(2−ピリジルアセチル)−1,8,8−ト
リメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを
得た。これを単離することなく、水素化リチウムアルミ
ウム0.29g(7.6ミリモル)のTHF(20m
l)溶液へ加え、1時間加熱還流した。反応後、冷却
し、水を加え不溶物を濾別し、減圧濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ワコーゲ
ル、C200、クロロホルム:メタノール=10:1−
5:1)で精製し、表題の目的物を黄色油状物で得た。
収量0.20g(2ステップ15.5%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=+5.9°(c=0.5、メタノール)
【0051】実施例 6 (1R)−3−[2−(4−ピリジル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1R)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.95g(5.0ミリ
モル)と4−ピリジル酢酸塩酸塩0.96g(5.5ミ
リモル)から実施例5の化合物の合成と同様に反応さ
せ、反応液から採取した粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(ワコーゲル、C200、クロロホル
ム:メタノール=50:1)で精製し、表題の目的物を
黄色油状物で得た。収量0.37g(2ステップ28.
7%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=+7.9°(c=0.5、メタノール)
【0052】参考例 1 (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン−2−オン (1S)−樟脳8.31g(54.6ミリモル)とヒド
ロキシルアミン−O−スルホン酸9.25g(81.9
ミリモル)を酢酸200ml中7時間加熱還流した。反
応後、減圧濃縮し、得られた残渣をクロロホルム溶液と
して飽和重曹水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ワコ
ーゲル、C200、クロロホルム)で精製して、表題の
目的物を白色針状結晶で得た。収量5.57g(収率5
5.6%) 〔α〕D 25=+25.0°(c=1.0、メタノール)
【0053】参考例 2 (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン 水素化リチウムアルミニウム0.88g(23ミリモ
ル)のTHF20ml溶液に(1S)−1,8,8−ト
リメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−
2−オン1.93g(11.6ミリモル)を加え22時
間加熱還流した。反応後冷却し、6N塩酸続いて5N水
酸化ナトリウムを加え、アルカリ性とした。不溶物を濾
別し、濾液をエーテル抽出して無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮して表題の目的物
を白色粉末で得た。収量1.70g(96.6%) 〔α〕D 25=−17,2°(c=1.0、メタノール)
【0054】実施例 7 (1S)−3−[2−(1−ナフチル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン 2−(1−ナフチル)エチルアルコール0.87g
(5.0ミリモル)の塩化メチレン20ml溶液を0℃
に冷却し、メタンスルホニルクロライド0.47ml
(6.1ミリモル)、続いてトリエチルアミン0.84
ml(6.0ミリモル)を加え、徐々に室温に戻し21
時間攪拌した。反応後、減圧濃縮し、粗メシル体を得
た。これに、(1S)−1,8,8−トリメチル−3−
アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩0.95g
(5.0ミリモル)と炭酸カリウム2.08g(15.
0ミリモル)を加え、アセトニトリル(20ml)溶液
とし、18時間加熱還流した。反応後、不溶物を濾別し
濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフイー(ワコーゲル、C200、クロロホ
ルム)で精製し、表題の目的物を無色油状物で得た。収
量0.92g(59.4%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=−5.5°(c=0.5、メタノール)
【0055】実施例 8 (1S)−3−[2−(2−ナフチル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.95g(5.0ミリ
モル)の塩化メチレン20ml溶液にトリエチルアミン
0.84ml(6.0ミリモル)を加え、0℃で30分
攪拌した。そこへ、β−ナフチル酢酸0.93g(5.
0ミリモル)続いてWSC1.35g(7.04ミリモ
ル)を加え、徐々に室温に戻し23時間攪拌した。反応
後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮して粗(1S)−3
−(2−ナフチルアセチル)−1,8,8−トリメチル
−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを得た。こ
れを単離することなく、水素化リチウムアルミウム0.
39g(10.3ミリモル)のTHF30ml溶液へ加
え、1時間加熱還流した。反応後、冷却し、水を加え不
溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(ワコーゲル、C2
00、クロロホルム)で精製し、表題の目的物を無色油
状物で得た。収量1.11g(72.1%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=−6.2°(c=0.5、メタノール)
【0056】実施例 9 (1S)−3−[2−(2−ピリジル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩1.90g(10.0ミ
リモル)と2−ピリジル酢酸塩酸塩1.92g(11.
6ミリモル)の塩化メチレン40ml溶液にトリエチル
アミン3.50ml(25.1ミリモル)を加え、0℃
で30分攪拌した。そこへ、WSC2.70g(14.
1ミリモル)を加え、徐々に室温に戻し48時間攪拌し
た。反応後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮して粗(1
S)−3−(2−ピリジルアセチル)−1,8,8−ト
リメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを
得た。これを単離することなく、水素化リチウムアルミ
ニウム0.77g(20.3ミリモル)のTHF60m
l溶液へ加え、1時間加熱還流した。反応後、冷却し、
水を加え不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ワコー
ゲル、C200、クロロホルム:アセトン=10:1)
で精製し、表題の目的物を橙色油状物で得た。収量0.
99g(38.2%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=−18.2°(c=0.5、メタノール)
【0057】実施例 10 (1S)−3−[2−(3−ピリジル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩1.74g(9.18ミ
リモル)と3−ピリジル酢酸塩酸塩1.76g(10.
1ミリモル)の塩化メチレン40ml溶液にトリエチル
アミン3.20ml(23.0ミリモル)を加え、0℃
で30分攪拌した。そこへ、WSC2.47g(12.
9ミリモル)を加え、徐々に室温に戻し46時間攪拌し
た。反応後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮して粗(1
S)−3−(3−ピリジルアセチル)−1,8,8−ト
リメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを
得た。これを単離することなく、水素化リチウムアルミ
ニウム0.77g(20.3ミリモル)のTHF60m
l溶液へ加え、3時間加熱還流した。反応後、冷却し、
水を加え不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られ
た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ワコー
ゲル、C200、クロロホルム:アセトン=10:1〜
5:1)で精製し、表題の目的物を黄色油状物で得た。
収量0.46g(19.4%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=−3.7°(c=0.5、メタノール)
【0058】実施例 11 (1S)−3−[2−(4−ピリジル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.95g(5.0ミリ
モル)と4−ピリジル酢酸塩酸塩0.96g(5.5ミ
リモル)の塩化メチレン20ml溶液にトリエチルアミ
ン1.75ml(12.6ミリモル)を加え、0℃で3
0分攪拌した。そこへ、WSC1.35g(7.04ミ
リモル)を加え、徐々に室温に戻し24時間攪拌した。
反応後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮して粗(1S)
−3−(4−ピリジルアセチル)−1,8,8−トリメ
チル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを得
た。これを単離することなく、水素化リチウムアルミニ
ウム0.39g(10.3ミリモル)のTHF30ml
溶液へ加え、3時間加熱還流した。反応後、冷却し、水
を加え不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(ワコーゲ
ル、C200、クロロホルム:アセトン=10:1)で
精製し、表題の目的物を橙色油状物で得た。収量0.3
5g(27.1%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。〔α〕
D 25=−11.0°(c=0.5、メタノール)
【0059】実施例 12 (1S)−3−[2−(1,3−ベンゾジオキソ−ル−
5−イル)エチル]−1,8,8−トリメチル−3−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクタン (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.52g(2.8ミリ
モル)の塩化メチレン15ml溶液にトリエチルアミン
0.54ml(3.9ミリモル)を加え、0℃で30分
攪拌した。そこへ、1,3−ベンゾジオキソ−ル−5−
酢酸0.60g(3.3ミリモル)、続いてWSC0.
74g(3.9ミリモル)を加え、徐々に室温に戻し2
1時間攪拌した。反応後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃
縮して粗(1S)−3−(1,3−ベンゾジオキソ−ル
−5−イルアセチル)−1,8,8−トリメチル−3−
アザビシクロ[3.2.1]オクタンを得た。これを単
離することなく、水素化リチウムアルミニウム0.21
g(5.5ミリモル)のTHF10ml溶液へ加え2.
5時間加熱還流した。反応後、冷却し、水を加え不溶物
を濾別し、瀘液を減圧濃縮した。得られた残渣をフラッ
シュシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(メルク、シ
リカゲル60:230−600メッシュ、クロロホル
ム)で精製し、目的物を無色油状物で得た。収量0.6
6g(78.2%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。[α]
D 25=−6.5°(c=0.5,メタノ−ル)
【0060】実施例 13 (1S)−3−[2−(2−チエニル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン (1S)−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
[3.2.1]オクタン塩酸塩0.38g(2.0ミリ
モル)の塩化メチレン10ml溶液にトリエチルアミン
0.34ml(2.4ミリモル)を加え0℃で30分攪
拌した。そこへ2−チエニル酢酸0.35g(2.5ミ
リモル)、続いてWSC0.54g(2.8ミリモル)
を加え、徐々に室温に戻し21時間攪拌した。反応後、
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
乾燥剤濾別後、瀘液を減圧濃縮して粗(1S)−3−
(2−チエニルアセチル)−1,8,8−トリメチル−
3−アザビシクロ[3.2.1]オクタンを得た。これ
を単離することなく、水素化リチウムアルミニウム0.
16g(4.2ミリモル)のTHF15ml溶液へ加え
1時間加熱還流した。反応後、冷却し、水を加え不溶物
を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、C20
0、クロロホルム)で精製し、目的物を淡黄色油状物で
得た。収量0.37g(65.8%) 実施例3と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。[α]
D 25=−12.8°(c=0.5,メタノ−ル)
【0061】実施例14 注射剤の製造 (1S)−3−[2−(2−ナフチル)エチル]−1,
8,8−トリメチル−3−アザビシクロ[3.2.1]
オクタン塩酸塩1.0gを注射用蒸留水1Lに溶解し、
1N水酸化ナトリウム水溶液でpH6−7に調節した
後、滅菌し、これをアンプルに5mlずつ充填して注射
剤を得た。
【0062】実施例15 錠剤の製造 (1S)−3−[2−(2−ナフチル)エチル]−1,8,8−トリメチル− 3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩 50.0mg とうもろこし澱粉 40.0mg 結晶セルロース 80.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 29.5mg の組成からなる1錠200mgの錠剤を乾式打錠により
得た。
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 409/06 221 8829−4C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
    ピリジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子
    を示す)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒性
    塩。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
    ピリジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子
    を示す)で表される化合物のカルボニル基を還元するこ
    とを特徴とする一般式 【化3】 (式中、Rは前記と同じ意味を有し、C* は不斉炭素原
    子を示す)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒性
    塩の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式 【化4】 (式中、C* は不斉炭素原子を示す)で表されるアミン
    と一般式 X−CH2 −CH2 −R (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
    ピリジルまたはチエニル基を示し、Xは反応性有機スル
    ホニルオキシ基またはハロゲン原子を示す)で表される
    反応性誘導体を不活性有機溶媒中、塩基の存在下で反応
    させることを特徴とする一般式 【化5】 (式中、C* は不斉炭素原子を示し、Rは前記と同じ意
    味を有する)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒
    性塩の製造法。
  4. 【請求項4】 一般式 【化6】 (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
    ピリジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子
    を示す)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒性塩
    を有効成分とすることを特徴とするシグマレセプターに
    関与する疾患に対する治療剤。
  5. 【請求項5】 一般式 【化7】 (式中、Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、
    ピリジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子
    を示す)で表されるアゼピン誘導体またはその無毒性塩
    を有効成分とすることを特徴とする精神分裂病治療剤。
  6. 【請求項6】 一般式 【化8】 (式中Rはナフチル、1,3−ベンゾジオキソリル、ピ
    リジルまたはチエニル基を示し、C* は不斉炭素原子を
    示す)で表されるアゼピン誘導体またはその塩。
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