JPH06211787A - N−フェネチルアゼピン誘導体およびその用途 - Google Patents

N−フェネチルアゼピン誘導体およびその用途

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JPH06211787A
JPH06211787A JP5242711A JP24271193A JPH06211787A JP H06211787 A JPH06211787 A JP H06211787A JP 5242711 A JP5242711 A JP 5242711A JP 24271193 A JP24271193 A JP 24271193A JP H06211787 A JPH06211787 A JP H06211787A
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JP
Japan
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compound
azabicyclo
acid
group
azepine
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Application number
JP5242711A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Takahashi
信幸 高橋
Daisuke Mochizuki
大介 望月
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1) (式中、含窒素環Bは、3,3,5,5−テトラメチル
ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、3,3,5
−トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル
等;Rは(H,F,OH,NH等;)AはC2〜3
ルキレン、C2〜3アルケニレン;を示す)で表される
化合物またはその非毒性塩、およびそれを有効成分とす
る治療薬組成物。 【効果】 式(1)の化合物およびその非毒性塩はシグ
マレセプターに特異的な親和性を有することから、シグ
マレセプターに関与する疾病、例えば精神分裂病などの
治療に有用に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシグマレセプター(σレ
セプター)に特異的に結合する活性を有する新規アゼピ
ン誘導体およびその医薬用途に関する。
【0002】
【従来の技術】精神分裂病患者では脳内のドーパミン神
経系機能が過活動となっていることが知られている。そ
のため、従来の抗精神分裂病薬はド−パミン受容体を遮
断することを目的として開発され、代表的なものとして
ハロペリド−ルやクロルプロマジンなどがある。しかし
ながら、これら従来の抗精神分裂病薬はパ−キンソン症
状、アカシジア、急性ジストニアなどの錘体外路性副作
用を高頻度に引き起こし、さらには慢性投与により難治
性の遅発性ジスキネジアをも引き起こすことが知られて
いる。また、これら従来の抗精神分裂病薬では改善され
ない症例も多い。
【0003】最近、これら副作用の少ない抗精神分裂病
薬としてリムカゾ−ル(特開昭55−64585号)や
BMY−14802(英国特許第2155925)等の
開発が進められ、これらはいずれもσレセプターに親和
性を有することがわかった。しかし、これら化合物のσ
レセプターへの親和性と特異性は十分なものではなかつ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】錘体外路性副作用のな
い、σレセプターを介し、更にσレセプターに対し特異
的な親和性を有する新しいタイプの抗精神分裂病薬の開
発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の化
合物を合成し、それらの薬理作用について広く検索して
いたところ、下記の一般式(1)で示されるアゼピン誘
導体がσレセプターに高い親和性をもち、他のレセプタ
ーに対しては殆ど親和性を示さないことが分かった。本
発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。す
なわち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化4】 (式中、含窒素環Bは、3,3,5,5−テトラメチル
ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、3,3,5
−トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イ
ル、4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−
1−イルまたは1,3,3−トリメチル−6−アザビシ
クロ[3.2.1]オクタン−6−イル、9−アザビシ
クロ[3.3.2]デカン−9−イルまたは3−アザビ
シクロ[3.2.2]ノナン−3−イル基を示し、Rは
水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはアミ
ノ基を示し、Aは炭素数2〜3個の飽和または不飽和ア
ルキレン基を示す)で表される化合物またはその非毒性
塩を提供するものである。
【0007】また、本発明は、一般式(1)またはその
無毒性塩を有効成分として含有することを特徴とするσ
レセプターに関与する疾患に対する治療剤を提供するも
のである。更にまた、本発明は、一般式(1)またはそ
の無毒性塩を有効成分として含有することを特徴とする
精神分裂病治療剤を提供するものである。本発明の化合
物(1)は、例えば、一般式(2)
【0008】
【化5】 (式中、含窒素環Bは前記と同じ意味を有する)で表さ
れるアミンと一般式(3)
【0009】
【化6】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基また
は保護アミノ基を示し、Aは炭素数2〜3個の飽和また
は不飽和アルキレン基を示し、Xは反応性有機スルホニ
ルオキシ基またはハロゲン原子を示す)で表される反応
性誘導体を不活性有機溶媒中、塩基の存在下で反応さ
せ、一般式(3)中のR1 が保護アミノ基である場合に
は、そのアミノ基の保護基を脱離化することにより得ら
れる。
【0010】上記の出発原料のうち、一般式(2)で示
される化合物は公知の化合物であって、下記式(21)
〜(26)の如く示される。3,3,5,5−テトラメ
チルヘキサヒドロ−1H−アゼピン(21)および4,
4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン(22)は
Tetrahedron,37,1075(1981)
記載の方法に従い、また、9−アザビシクロ[3.3.
2]デカン(25)はビシクロ[3.3.1]ノナン−
9−オンから2工程で合成することができる。3,3,
5−トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン(2
3)、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ
〔3.2.1〕オクタン(24)および3−アザビシク
ロ[3.2.2]ノナン(26)は市販の化合物であっ
て、容易に入手することができる。
【0011】
【化7】 上記の反応性誘導体(3)のうちスルホニル誘導体は、
一般式(4)
【0012】
【化8】 (式中、R1 およびAは前記と同じ意味を有する)で表
されるアルコール体を塩化メチレンのような乾燥不活性
反応溶媒中、メタンスルホニルクロライド、p−トルエ
ンスルホニルクロライドなどでスルホニル化することに
より得られる。上記の反応性誘導体(3)のうちハロゲ
ン化誘導体は前記アルコール体(4)を塩化メチレンの
ような乾燥不活性反応溶媒中、塩化チオニルなどのハロ
ゲン化剤でハロゲン化することにより得られる。
【0013】前記アルコール体(4)は公知の物質であ
って、例えばフェネチルアルコ−ル、o(mまたはp)
−フルオロフェネチルアルコール、o(mまたはp)−
クロロフェネチルアルコ−ル、o(mまたはp)−ブロ
モフェネチルアルコ−ル、o(mまたはp)−ニトロフ
ェネチルアルコ−ル、o(mまたはp)−保護アミノフ
ェネチルアルコ−ル、3−フェニルプロピルアルコ−
ル、3−[o(mまたはp)−フルオロフェニル]プロ
ピルアルコ−ル、3−[o(mまたはp)−クロロフェ
ニル]プロピルアルコ−ル、3−[o(mまたはp)−
ブロモフェニル]プロピルアルコ−ル、3−[o(mま
たはp)−ニトロフェニル]プロピルアルコ−ル、3−
[o(mまたはp)−保護アミノフェニル]プロピルア
ルコ−ル、シンナミルアルコ−ル、o(mまたはp)−
フルオロシンナミルアルコ−ルなどが挙げられる。これ
らの多くは市販されており、容易に入手できる。
【0014】前記アミン(2)と反応性誘導体(3)と
の反応で使用される塩基の例としては、例えば、トリエ
チルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジ
メチルアニリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、
N,N−ジメチルアミノピリジンなどの第3級有機塩基
やアルカリ及びアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素
塩、水酸化物及び水素化物などの無機塩基が挙げられ
る。上記の不活性有機溶媒の例としては、アセトニトリ
ル、ベンゼン、アセトン、テトラヒドロフランなどが挙
げられるがアセトニトリルが特に好ましい。
【0015】上記反応は通常、使用する反応溶媒の還流
温度で適宜行われる。反応時間は、反応温度、塩基の種
類により左右されるが、薄層クロマトグラフィー、高速
液体クロマトグラフィーなどにより反応の経過を追跡す
ることができるので、化合物(2)の消失を待って適宜
反応を終了させればよい。一般には特定できないが、通
常は2〜48時間程度である。
【0016】上記反応液から目的化合物(1)を採取す
るには、不溶性物を濾去し、溶媒を濃縮した後、残渣
を、例えば、クロロホルムとアセトンとの混合物を溶離
剤としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの公
知の精製法により分離精製することができる。また、本
発明の化合物(1)は、例えば、前記アミン(2)と一
般式(5)
【0017】
【化9】 (式中、R2 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニト
ロ基または保護アミノ基を示し、Yは炭素数1〜2個の
飽和または不飽和アルキレン基を示す)で表されるアル
デヒド体を不活性有機溶媒中、還元剤の存在下で反応さ
せ、一般式(5)中のR2 が保護アミノ基である場合に
は、そのアミノ基の保護基を脱離化することにより得ら
れる。
【0018】前記アルデヒド体(5)は公知の物質であ
って、例えば、フェニルアセトアルデヒド、o(mまた
はp)−フルオロフェニルアセトアルデヒド、o(mま
たはp)−クロロフェニルアセトアルデヒド、o(mま
たはp)−ブロモフェニルアセトアルデヒド、o(mま
たはp)−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、o
(mまたはp)−ニトロフェニルアセトアルデヒド、o
(mまたはp)−保護アミノフェニルアセトアルデヒ
ド、3−フェニルプロピオンアルデヒド、3−[o(m
またはp)−フルオロフェニル]プロピオンアルデヒ
ド、3−[o(mまたはp)−クロロフェニル]プロピ
オンアルデヒド、3−[o(mまたはp)−ブロモフェ
ニル〕プロピオンアルデヒド、3−[o(mまたはp)
−ヒドロキシフェニル]プロピオンアルデヒド、3−
[o(mまたはp)−ニトロフェニル]プロピオンアル
デヒド、3−[o(mまたはp)−保護アミノフェニ
ル]プロピオンアルデヒド、シンナムアルデヒド、o
(mまたはp)−フルオロシンナムアルデヒドなどが挙
げられる。これらの多くは市販されており、容易に入手
できる。
【0019】前記アミン(2)とアルデヒド体(5)と
の反応において使用される還元剤の例としては、例え
ば、水素化ホウ素ナトリウム、ナトリウムシアノボロハ
イドライド、Pd−Cなどが挙げられる。上記反応の不
活性有機溶媒の例としては、メタノールなどのアルコー
ル系有機溶媒などが挙げられる。
【0020】上記反応は通常、室温で十分進行し、反応
時間は、還元剤の種類やアルデヒド体(5)の種類によ
り左右されるが、薄層クロマトグラフィー、高速液体ク
ロマトグラフィーなどにより反応の経過を追跡すること
ができるので、化合物(2)の消失を待って適宜反応を
終了させればよい。一般には特定できないが、通常は2
〜48時間程度である。上記反応液から目的化合物
(1)を採取するには、前記と同様にして分離精製する
ことができる。さらにまた、本発明の化合物(1)は、
一般式(6)
【0021】
【化10】 (式中、R3 は水素原子、ハロゲン原子、水酸基または
保護アミノ基を示し、含窒素環BおよびYは前記と同じ
意味を有する)で表される化合物のカルボニル基をメチ
レン基に還元し、一般式(6)中のR3 が保護アミノ基
である場合には、その保護アミノ基の保護基を脱離化す
ることにより得られる。前記化合物(6)は、前記アミ
ン(2)を反応溶媒中一般式(7)
【0022】
【化11】 (式中、R3 およびYは前記と同じ意味を有する)で表
されるカルボン酸またはその反応性誘導体でアシル化す
ることにより得られる。
【0023】前記カルボン酸(7)は公知の物質であっ
て、例えば、フェニル酢酸、o(mまたはp)−フルオ
ロフェニル酢酸、o(mまたはp)−クロロフェニル酢
酸、o(mまたはp)−ブロモフェニル酢酸、o(mま
たはp)−ヒドロキシフェニル酢酸、o(mまたはp)
−保護アミノフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン
酸、3−[o(mまたはp)−フルオロフェニル]プロ
ピオン酸、3−[o(mまたはp)−クロロフェニル]
プロピオン酸、3−[o(mまたはp)−ブロモフェニ
ル]プロピオン酸、3−[o(mまたはp)−ヒドロキ
シフェニル]プロピオン酸、3−[o(mまたはp)−
保護アミノフェニル]プロピオン酸、桂皮酸、o(mま
たはp)−フルオロ桂皮酸などが挙げられる。これらの
多くは市販されており、容易に入手できる。
【0024】上記のアシル化反応は、公知のアシル化反
応に準じて実施することができる。例えば、前記カルボ
ン酸(7)を遊離の形で使用する場合には、縮合剤の存
在下で反応を行わせる。その縮合剤の例としては、N,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1ーエチルー
3ー(3’ージメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド、N−シクロヘキシル−N’−(4ージエチルアミノ
シクロヘキシル)カルボジイミドなどのカルボジイミド
化合物、ジフェニルホスホリルアジド、ベンゾトリアゾ
リルーN−ヒドロキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロリン化物塩、カルボニルジイミダ
ゾールなどの試薬、N−メチルホルムアミド、N,N−
ジメチルホルムアミドなどのアミド化物を塩化チオニ
ル、オキシ塩化リン、ホスゲンなどのハロゲン化物との
反応によって生成する試薬(いわゆるビルスマイヤー試
薬)などが挙げられる。その他の公知の縮合剤も使用で
きる。
【0025】前記カルボン酸(7)の反応性誘導体とし
ては、その酸ハライド、酸無水物、酸アジド、活性エス
テル、活性アミドなどが挙げられ、その好ましい例とし
ては、酸クロライド、酸ブロマイドなどの酸ハライド、
酢酸、ピバリン酸、イソ吉草酸、トリクロロ酢酸、炭酸
モノアルキルエステルなどとの混合酸無水物、p−ニト
ロフェニルエステル、2、4ージニトロフェニルエステ
ル、トリクロロフェニルエステル、ペンタクロロフェニ
ルエステル、1ーヒドロキシー1H−ピリドン、N−ヒ
ドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド
エステルなどの活性エステル、ピラゾール、イミダゾー
ル、ジメチルピラゾール、ベンゾトリアゾールなどとの
活性アミドなどが挙げられる。
【0026】上記アシル化反応における反応性誘導体の
中で、酸ハロゲン化物または酸無水物を用いる反応は脱
酸剤の存在下で行うのが好ましい。脱酸剤としては、例
えばトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、ピ
リジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの第3級
有機塩基や公知の無機塩基が使用される。
【0027】上記アシル化反応は、反応に悪影響を及ぼ
さないような有機溶媒中で行われ、有機溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、アセトンまたはこれら
の混合溶媒などが使用される。反応温度は特に限定され
ないが、通常は室温で充分に進行する。反応時間は、反
応温度、反応溶媒により左右され、一般に特定できない
が、通常は2〜30時間程度である。
【0028】上記アシル化反応によって得られた化合物
(6)を反応液から採取するには、反応溶媒が非親水性
有機溶媒である場合には、反応液をアルカリ性水溶液、
酸性水溶液または飽和食塩水で洗浄した後、有機層を濃
縮し、反応溶媒が親水性有機溶媒である場合には、該溶
媒を留去し、残渣を非親水性有機溶媒に溶解した後、前
記と同様に処理することにより化合物(6)を得ること
ができる。該化合物(5)を、さらに、例えば、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーなどの公知の精製法によ
り精製することができる。
【0029】このようにして得られた化合物(6)のカ
ルボニル基を還元して本発明化合物(1)を得るのであ
るが、上記の反応は化合物(6)を不活性有機溶媒中水
素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウムアルミニ
ウム、ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミ
ニウムハイドライド、水素化ホウ素などの還元剤存在下
で還流することにより行われる。不活性有機溶媒の例と
してはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4
−ジオキサン、トルエン、ピリジンなどが挙げられる。
【0030】反応温度は、加熱下、できれば還流下で行
われる。反応時間は、反応温度、還元剤の種類に左右さ
れるが、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグ
ラフィーなどにより反応の経過を追跡することができる
ので、化合物(6)の消失を待って適宜反応を終了させ
ればよい。一般には特定できないが、通常は15分〜1
0時間程度である。
【0031】上記反応液から目的化合物(1)を採取す
るには、反応溶媒が非親水性有機溶媒である場合には、
反応液をアルカリ性水溶液、酸性水溶液または飽和食塩
水で洗浄した後、有機層を濃縮し、反応溶媒が親水性有
機溶媒である場合には、該溶媒を留去し、残渣を非親水
性有機溶媒に溶解した後、前記と同様に処理することに
より目的化合物(1)を得ることができる。さらにま
た、本発明化合物(1)は、一般式(8)
【0032】
【化12】 (式中、含窒素環BおよびAは前記と同じ意味を有す
る)で表される化合物を還元することによっても得られ
る。
【0033】上記の還元反応は、メタノールなどのアル
コール系溶媒と酸との混合溶媒中、Pd−Cのような触
媒の存在下水素添加することにより行われる。上記反応
液から触媒を濾別し、濾液を濃縮し、残渣をジエチルエ
ーテルのような有機溶媒で処理することにより、本発明
化合物(1)を酸付加塩の形で採取される。この酸付加
塩は、所望により、公知の方法により遊離の目的化合物
(1)に変換することができる。
【0034】目的化合物(1)を得る前記の3工程にお
いて、一般式(3)中のR1 、一般式(5)中のR2
よび一般式(7)中のR3 が保護アミノ基である場合の
保護基は、公知のアミノ保護基であり、これらの保護基
は、反応後、アミノ保護基を脱離化する公知の方法によ
り脱離化される。このようにして得られた目的化合物
(1)は、さらに精製する必要がある場合には、クロロ
ホルムとアセトンとの混合物を溶離剤とするシリカゲル
カラムクロマトグラフィーなどの公知の精製法により精
製することができる。
【0035】得られた本発明化合物(1)は、必要に応
じ、その医薬上許容される無毒性塩とすることができ
る。このような塩の例としては、塩酸、硫酸、リン酸等
の無機酸の塩、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、クエン
酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、リンゴ酸、
グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、マ
ンデル酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸等の有
機酸との酸付加塩を挙げることができる。
【0036】本発明化合物(1)またはその無毒性塩の
いずれの化合物もラットに30mg/kg静脈投与して
も、死亡例は認められなかったことから明かなように、
医薬として使用しても安全な化合物ということができ
る。本発明化合物(1)またはその無毒性塩を医薬とし
て使用するには、これを製剤化し、通常、経口投与もし
くは点滴を含む注射などの非経口投与すればよく、その
投与量は、投与形態、被投与者の年齢、体重、症状など
によって異なるが、一般には、成人1日当り0.1mg
−100mg程度である。
【0037】上記製剤化のための剤形としては、錠剤、
丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、注射剤などが挙げら
れるが、その製造のためには、これらの製剤に応じた各
種担体、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの経口
剤は、澱粉、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチ
ルセルロース、コーンスターチ、無機塩類などの賦形
剤、澱粉、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチン、ヒ
ドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピル
セルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリ
ビニルピロリドン、マクロゴールなどの結合剤、澱粉、
ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシプロピルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒド
ロキシプロピルセルロース、などの崩壊剤、ラウリル硫
酸ナトリウム、大豆レシチン、蔗糖脂肪酸エステル、ポ
リソルベート80などの界面活性剤、タルク、ロウ、水
素添加植物油、蔗糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウムなどの滑沢剤、流動
性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを使用することが
できる。
【0038】また、本発明化合物(1)またはその無毒
性塩は、懸濁剤、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキ
シル剤としても使用できる。非経口剤は、希釈剤として
一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注
射用植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コールなどを使用することができる。さらに必要に応
じ、殺菌剤、防腐剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤など
を加えてもよい。
【0039】
【発明の効果】次に、本発明化合物(1)またはその無
毒性塩(以下、単に「本発明化合物」ということがあ
る)のσレセプターへの結合能について述べる。 (A)測定方法 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vo
l.83,8784−8788(1986),E.We
ber et alに記載の方法に準じて本発明化合物
のσレセプターへの結合能を測定した。
【0040】スプレードーリー(Sprague−Da
wley)系雄性ラット(7週令、チャールスリバー)
を断頭後、速やかに脳を取り出し、小脳を除いた全脳を
50mM Tris/HCl緩衝液(pH8.0、TH
緩衝液)でホモジネート後、700×gで10分間遠心
した。その上清を48000×gで15分間遠心し、得
られた沈渣をTH緩衝液に再懸濁して37℃、20分間
インキュベートした。これを48000×gで15分間
遠心し、得られた沈渣をTH緩衝液に懸濁して膜標品と
した。
【0041】この膜標品(約600μg蛋白量)と〔 3
H〕1,3−ジ(2−トリス)グアニジン(DTG,N
ew England Nuculear社製)(最終
濃度3nM)を25℃で60分間反応させ、反応液をワ
ットマンGF/Cフィルターで吸引濾過することにより
反応を停止させ、フィルターに吸着した放射活性シンチ
レーションカウンターで測定し、得られた値を総結合量
とした。また、10μMのハロペリドールを加えて同様
に測定したものを非特異的結合量(NB)とした。検体
の結合量を測定するには、ハロペリドールの代わりに適
宜の濃度の検体を加えて同様に測定し、検体における測
定値(DTB)を得た。
【0042】(B)Ki値(薬物の受容体に対する親和
性)計算法 ある一定濃度における検体の結合阻害率を次の計算法で
算出した。 結合阻害率(%)={1−(DTB−NB)÷(TB−
NB)}×100 各検体毎に適宜の濃度(高濃度から低濃度まで)におけ
る結合阻害率を求め、横軸に濃度の対数値、縦軸に結合
阻害率をプロットし、非線形最小自乗法にて曲線を引
き、IC50値を求めた。
【0043】Ki値は次の計算式で算出した。 Ki=IC50÷〔1+(L)/Kd〕 但し式中、(L)は実験に用いた放射性リガンドの濃度
(3nM)、Kdは放射性リガンドの受容体に対する親
和性を表す濃度(10.6nM)、IC50は受容体と放
射性リガンドとの結合を50%阻害する薬物濃度であ
る。 (C)測定結果 本発明化合物のσレセプターへの結合能を測定した結果
は表1の通りである。
【0044】
【表1】 上記の測定結果から明かなように、本発明化合物はσレ
セプターに高い親和性を有し、他のレセプターに対して
は殆ど親和性を示さず、σレセプターに特異的な親和性
を有することから、σレセプターに関与する疾病、例え
ば精神分裂病の治療に有効である。
【0045】
【実施例】次に、参考例および実施例を挙げ、本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明は、これに限定される
ものではない。尚、各実施例および各参考例で得られた
目的物の質量分析(MS)または核磁気共鳴スペクトル
1 H−NMR)の物性は表2、表3および表4に示
す。
【0046】実施例 1 1−フェネチル−4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H
−アゼピン 4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン50m
gとフェネチルブロマイド0.065mlをアセトニト
リル20mlに溶解し、これに炭酸カリウム0.081
gを加え15時間加熱還流した。反応液から不溶物を濾
別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、C200、ク
ロロホルム:メタノ−ル=250:1)で精製し、表題
の目的物を得た。収量37.4mg(収率41%) 得られた表題化合物に2モル等量の塩化水素メタノ−ル
溶液を加え、濃縮してジエチルエ−テルで結晶化し、塩
酸塩を得た。
【0047】実施例 2 1−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−4,4
−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン 2−(4−フルオロフェニル)エチルアルコ−ル0.6
3mlを塩化メチレン20mlに溶解し、0℃に冷却し
てメタンスルホニルクロライド0.47ml続いてトリ
エチルアミン1.05mlを加え、徐々に室温に戻し、
23時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、粗メシル体を
得た。これに4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−ア
ゼピン塩酸塩0.82gと炭酸カリウム2.08gを加
え、アセトニトリル20ml溶液として9時間加熱還流
した。反応液から不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム:アセトン=
20:1〜5:1)で精製し、表題の目的物を得た。収
量0.80g(収率64%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0048】実施例 3 1−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4,
4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン 4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン塩酸塩
0.82gと4−ヒドロキシフェニル酢酸0.92gを
塩化メチレン20mlに溶解し、トリエチルアミン0.
84mlを加え、0℃で30分間撹拌した。これに1−
エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩(WSC)1.35gを加え、徐々に室
温に戻し24時間撹拌した。反応液を飽和食塩水で洗浄
し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
【0049】乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮した。これ
を単離することなく、水素化リチウムアルミニウム0.
39gのTHF30ml溶液に加え1時間加熱還流し
た。反応液を冷却し、水を加え不溶物を濾別し濾液を減
圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム:メ
タノ−ル=10:1〜5:1)で精製し、表題の目的物
を得た。収量0.79g(収率64%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0050】実施例 4 1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−4,4−
ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン 4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン塩酸塩
1.64gと2−(4−ニトロフェニル)エチルブロマ
イド2.78gをアセトニトリル30mlに溶解し、炭
酸カリウム4.16gを加え12時間加熱還流した。反
応液から不溶物を濾別し濾液を減圧濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲ
ル、C200、クロロホルム:アセトン=40:1〜1
0:1)で精製し、表題の目的物を得た。収量2.16
g(収率78%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0051】実施例 5 1−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−4,4−
ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン塩酸塩 1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−4,4−
ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン1.70gのメ
タノ−ル15mlと12N塩酸1.5mlの混合溶液に
10%Pd−C0.34gを加え水素気流下、常温常圧
で3時間接触還元した。反応液の触媒を濾別し、濾液を
減圧濃縮した。残渣をエ−テルで結晶化し、それを濾過
して表題の目的物を得た。収量1.76g(収率90
%)
【0052】実施例 6 1−フェネチル−3,3,5,5−テトラメチルヘキサ
ヒドロ−1H−アゼピン 3,3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−ア
ゼピン0.10gとフェネチルブロマイド0.10gを
ベンゼン10mlに溶解し、トリエチルアミン0.11
mlを加え15時間加熱還流した。反応液にエ−テルを
加え水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を
濾別し、濾液を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、C200、
クロロホルム)で精製し、表題の目的物を得た。収量
0.15g(収率90%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0053】実施例 7 1−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−3,
3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピ
ン 2−(4−フルオロフェニル)エチルアルコ−ル0.6
3mlとトリエチルアミン1.05mlを塩化メチレン
20mlに溶解し、0℃に冷却してメタンスルホニルク
ロライド0.47mlを加え、徐々に室温に戻し8時間
撹拌した。反応液を減圧濃縮し、粗メシル体を得た。こ
れに3,3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H
−アゼピン0.78gと炭酸カリウム1.04gを加え
アセトニトリル20ml溶液とし14時間加熱還流し
た。反応液から不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム)で精製し、表
題の目的物を得た。収量0.46g(収率33%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0054】実施例 8 1−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−3,
3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピ
ン 3,3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−ア
ゼピン0.78gと4−ヒドロキシフェニル酢酸0.7
7gを塩化メチレン20mlに溶解し、トリエチルアミ
ン0.70mlを加え0℃で30分間撹拌した。これに
WSC1.35gを加え、徐々に室温に戻し14時間撹
拌した。反応液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。
【0055】乾燥剤濾別後、濾液を減圧濃縮してアミド
体を得た。これを単離することなく、水素化リチウムア
ルミニウム0.39gのTHF30ml溶液に加え、1
時間加熱還流した。反応液を冷却し、水を加え不溶物を
濾別して、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、C20
0、クロロホルム:アセトン10:1〜5:1)で精製
し表題の目的物を得た。収量0.59g(43%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0056】実施例 9 1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3,3,
5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン 3,3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−ア
ゼピン1.56gと2−(4−ニトロフェニル)エチル
ブロマイド2.78gをアセトニトリル30mlに溶解
し、これに炭酸カリウム2.08gを加え13時間加熱
還流した。反応液から不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム)で精製
し、表題の目的物を得た。収量1.25g(収率41
%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0057】実施例 10 1−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−3,3,
5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン塩
酸塩 1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3,3,
5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン
0.76gのメタノ−ル10mlと12N塩酸1mlの
混合溶液に10%Pd−C0.15gを加え水素気流
下、常温常圧で5時間接触還元を行った。反応液の触媒
を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をエ−テ
ルで結晶化し、濾過して表題の目的物を得た。収量0.
64g(収率74%)
【0058】実施例 11 1−(2−フェニルエチル)−3,3,5−トリメチル
ヘキサヒドロ−1H−アゼピン 3,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン
1.65mlとフェネチルクロライド1.68gをベン
ゼン20mlに溶解し、これにトリエチルアミン2.1
0mlを加え3時間半加熱還流した。反応液に水を加え
クロロホルムで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム:メタノ−ル
=200:1)で精製し、表題の目的物を得た。収量
1.73g(収率71%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0059】実施例 12 6−(2−フェニルエチル)−1,3,3−トリメチル
−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン 1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.
1]オクタン1.70mlとフェネチルクロライド1.
69gをベンゼン20mlに溶解し、これにトリエチル
アミン2.10mlを加え3時間加熱還流した。反応液
に水を加えクロロホルムで抽出した。有機層を水洗し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し濾液を
減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム:
メタノ−ル=300:1)で精製し、表題の目的物を得
た。収量2.18g(収率86%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0060】実施例 13 6−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1,3,
3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オク
タン 1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.
1]オクタン0.67mlと2−(4−ニトロフェニ
ル)エチルブロマイド0.92gをベンゼン10mlに
溶解し、これにトリエチルアミン0.67mlを加え、
8時間加熱還流した。反応液にエ−テルを加え水洗後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤濾別し、濾液を
減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム)で精製
し、表題の目的物を得た。収量0.71g(収量61
%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0061】実施例 14 1−シンナミル−3,3,5−トリメチルヘキサヒドロ
−1H−アゼピン 3,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン
1.65mlとシンナミルクロライド1.67mlをベ
ンゼン20mlに溶解し、これにトリエチルアミン2.
10mlを加え3時間加熱還流した。反応液に水を加え
クロロホルムで抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し濾液を減圧濃縮し
て、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム:メタノ−ル
=200:1)で精製し、表題の目的物を得た。収量
1.93g(収率72%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0062】実施例 15 1−シンナミル−3,3,5,5−テトラメチルヘキサ
ヒドロ−1H−アゼピン 3,3,5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1Hーア
ゼピン0.15gとシンナムアルデヒド0.20mlを
メタノール10mlに溶解し、0℃に冷却して、これに
ナトリウムシアノボロハイドライド0.061gを加え
た。徐々に室温に戻し、24時間撹拌した。反応液を水
にあけエーテル抽出して無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮して、得られた残
渣をシリカゲルクロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、C2
00、クロロホルム)で精製し、表題の目的物を得た。
収量0.20g(収量77%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0063】実施例 16 1−[(3−フェニル)−1−プロピル]−3,3,
5,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン 1−シンナミル−3,3,5,5−テトラメチルヘキサ
ヒドロ−1H−アゼピン0.20gをエタノール5ml
に溶解し、10%Pd−C20mgを加え水素気流下
1.5気圧、室温で5時間接触還元した。Pd−C濾別
し、濾液を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホル
ム)で精製し、表題の目的物を得た。収量40mg(収
量2%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0064】実施例 17 6−シンナミル−1,3,3−トリメチル−6−アザビ
シクロ[3.2.1]オクタン 1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.
1]オクタン1.70mlとシンナミルブロマイド2.
36gをベンゼン20mlに溶解し、トリエチルアミン
2.10mlを加え3時間半加熱還流した。反応液に水
を加えクロロホルムで抽出した。有機層を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減
圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホルム:メ
タノ−ル=250:1)で精製し、表題の目的物を得
た。収量2.39g(収率84%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0065】参考例 1 9−アザビシクロ[3.3.2]デカン−8−オン ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−オン1.00gと
ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸1.23gを酢酸
15ml中24時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮
し、残渣をクロロホルム溶液として飽和重曹水で洗浄の
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤濾別後、濾
液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−(ワコ−ゲル、C200、クロロホル
ム:アセトン=5:1)で精製し、表題の目的物を得
た。収量0.84g(収率76%)
【0066】参考例 2 9−アザビシクロ[3.3.2]デカン塩酸塩 水素化リチウムアルミニウム0.11gのTHF3ml
溶液に9−アザビシクロ[3.3.2]デカン−8−オ
ン0.21gのTHF3ml溶液を加え1時間加熱還流
した。反応液を冷却し、水を加え不溶物を濾別して濾液
のTHFのみを減圧濃縮した。得られた残渣に12N塩
酸を加え減圧乾固した。得られた残渣をエ−テルで濾集
し、表題の目的物を得た。収量0.19g(収率78
%)
【0067】実施例 18 9−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−9−ア
ザビシクロ[3.3.2]デカン 2−(4−フルオロフェニル)エチルアルコ−ル0.3
6mlを塩化メチレン10mlに溶解し、0℃に冷却し
てメタンスルホニルクロライド0.43ml続いてトリ
エチルアミン0.98mlを加え、徐々に室温に戻し、
22時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、粗メシル体を
得た。これに9−アザビシクロ[3.3.2]デカン塩
酸塩0.19gと炭酸カリウム0.82gを加え、アセ
トニトリル10ml溶液として18時間加熱還流した。
反応液から不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ
−ゲル、C200、クロロホルム〜クロロホルム:アセ
トン=5:3)で精製し、表題の目的物を得た。収量
0.10g(収率37%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0068】実施例 19 3−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−ア
ザビシクロ[3.2.2]ノナン 2−(4−フルオロフェニル)エチルアルコ−ル0.3
2mlを塩化メチレン15mlに溶解し、0℃に冷却し
てメタンスルホニルクロライド0.30ml続いてトリ
エチルアミン0.72mlを加え、徐々に室温に戻し8
時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、粗メシル体を得
た。これに3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン0.
32gと炭酸カリウム0.71gを加え、アセトニトリ
ル15ml溶液として38時間加熱還流した。反応液か
ら不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ワコ−ゲル、
C200、クロロホルム〜クロロホルム:アセトン=
5:1)で精製し、表題の目的物を得た。収量0.36
g(収率56%) 実施例1と同様の方法で処理し、塩酸塩を得た。
【0069】実施例 20 注射剤の製造 3−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−ア
ザビシクロ[3.2.2]ノナン塩酸塩1.0gを注射
用蒸留水1Lに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液で
pH6−7に調節した後、滅菌し、これをアンプルに5
mlずつ充填して注射剤を得た。
【0070】実施例 21 錠剤の製造 3−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−アザビシクロ[3.2. 2]ノナン塩酸塩 50.0mg とうもろこし澱粉 40.0mg 結晶セルロース 80.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 29.5mg の組成からなる1錠200mgの錠剤を乾式打錠により
得た。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 295/06 Z 487/08 7019−4C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、含窒素環Bは、3,3,5,5−テトラメチル
    ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、3,3,5
    −トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イ
    ル、4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−
    1−イル、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ
    [3.2.1]オクタン−6−イル、9−アザビシクロ
    [3.3.2]デカン−9−イルまたは3−アザビシク
    ロ[3.2.2]ノナン−3−イル基を示し、Rは水素
    原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはアミノ基
    を示し、Aは炭素数2〜3個の飽和または不飽和アルキ
    レン基を示す)で表される化合物またはその非毒性塩。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化2】 (式中、含窒素環Bは、3,3,5,5−テトラメチル
    ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、3,3,5
    −トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イ
    ル、4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−
    1−イルまたは1,3,3−トリメチル−6−アザビシ
    クロ[3.2.1]オクタン−6−イル、9−アザビシ
    クロ[3.3.2]デカン−9−イルまたは3−アザビ
    シクロ[3.2.2]ノナン−3−イル基を示し、Rは
    水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはアミ
    ノ基を示し、Aは炭素数2〜3個の飽和または不飽和ア
    ルキレン基を示す)で表される化合物またはその非毒性
    塩を有効成分とすることを特徴とするシグマレセプター
    に関与する疾患に対する治療剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化3】 (式中、含窒素環Bは、3,3,5,5−テトラメチル
    ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、3,3,5
    −トリメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イ
    ル、4,4−ジメチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−
    1−イルまたは1,3,3−トリメチル−6−アザビシ
    クロ[3.2.1]オクタン−6−イル、9−アザビシ
    クロ[3.3.2]デカン−9−イルまたは3−アザビ
    シクロ[3.2.2]ノナン−3−イル基を示し、Rは
    水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはアミ
    ノ基を示し、Aは炭素数2〜3個の飽和または不飽和ア
    ルキレン基を示す)で表される化合物またはその非毒性
    塩を有効成分とすることを特徴とする精神分裂病治療
    剤。
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