JPH06183126A - 記録用シートおよび記録物 - Google Patents

記録用シートおよび記録物

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JPH06183126A
JPH06183126A JP35604092A JP35604092A JPH06183126A JP H06183126 A JPH06183126 A JP H06183126A JP 35604092 A JP35604092 A JP 35604092A JP 35604092 A JP35604092 A JP 35604092A JP H06183126 A JPH06183126 A JP H06183126A
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JP
Japan
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dye
layer
image
recording sheet
transparent substrate
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JP35604092A
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English (en)
Inventor
Katsutoshi Sumita
勝俊 簾田
Takafumi Hasegawa
隆文 長谷川
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクを速やかに吸収し、高い色再現性、高い
色濃度、耐久性の高い記録物を得る。 【構成】透明基材上に色素吸着層を設け、その上層に不
透明多孔質層を設けた記録用フィルムであって、透明基
材の色素吸着層を設けた面のJIS Z8741で規定
される60度鏡面光沢度が30%以下である記録用シー
ト。 【効果】観察方向によらない鮮明な画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録用シートおよび記
録物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子スチルカメラあるいはコンピ
ュータの普及とともに、それらの画像を紙面等に記録す
るためのハードコピー技術が急速に発達した。これらハ
ードコピーの究極の目標は銀塩写真であり、特に、色再
現性、画像密度、光沢、耐候性などをいかに銀塩写真に
近づけるかが、開発の課題となっている。ハードコピー
の記録方式には、銀塩写真によって画像を表示したディ
スプレーを直接撮影するもののほか、昇華型熱転写方
式、インクジェット方式、静電転写型方式など多種多様
の方式が知られている。
【0003】インクジェット方式によるプリンターは、
フルカラー化が容易なことや印字騒音が低いことなどか
ら、近年急速に普及しつつある。インクジェット方式
は、ノズルから被記録材に向けてインク液滴を高速で射
出するものであり、インク中に多量の溶媒を含む。この
ため、インクジェットプリンター用の記録シートは、速
やかにインクを吸収し、しかも優れた発色性を有するこ
とが要求される。例えば、基材上にアルミナ水和物の多
孔質層を設けた記録用シートが知られている(特開平2
−276670号公報、特開平2−276671号公報
等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクを速
やかに吸収し、高い色再現性を有し、かつ、色濃度が高
く、耐久性の高い記録物を得ることのできる記録用シー
トを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基材上
に、色素吸着層を設け、その上層に不透明多孔質層を設
けた記録用フィルムであって、透明基材の色素吸着層を
設けた面の反対側面に艶消し加工が施されている記録用
シートを提供するものである。
【0006】本発明の記録用シートは、色素吸着層上に
設けた不透明多孔質層側からインクジェット方式などに
よって印刷を行うと、インク中の染料は不透明多孔質層
を通過し色素吸着層に到達して、色素吸着層に定着され
る。色素吸着層を設けた面の反対側から透明基材を通し
て観察すると、色素吸着層上の画像が不透明多孔質層を
背景として見ることができる。このような方法で得られ
た記録物は、画像部分が透明基材によって、機械的接触
や、光、外部環境等から保護される。本発明において
は、この透明基材の色素吸着層を設けた面の反対側に艶
消し加工が施されているので、画像に光源の写り込が生
じることなくどのような角度からも明瞭な画像が観察で
きる。特に、大形の画像のときに効果が高い。
【0007】透明基材としては、特に限定されず種々の
ものを使用することができる。具体的には、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセテー
ト系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ETFE等のフッ
素系樹脂など種々のプラスチックを好ましく使用するこ
とができる。特に、ポリカーボネート系の樹脂は、透明
性に優れ、フィルム成型時に艶消し成型が容易であるの
で好ましい。また、色素吸着層の接着強度を向上させる
目的で、コロナ放電処理やアンダーコート等を行うこと
もできる。
【0008】本発明において、艶消し加工とは、透明基
材の表面の光沢度を低減させる加工であり、具体的には
JIS Z8741で規定される60度鏡面光沢度が、
30%以下であることが好ましい。より好ましい表面光
沢度は10%以下である。
【0009】透明基材に艶消し加工を施す方法として
は、特に限定されないが、透明基材をシート状に成形す
る際に、表面に凹凸の付いたローラーを用いて引き出し
て、初めから艶消し加工されたフィルムとする方法、ま
たは、光沢のある基材に型を押しつけることにより凹凸
を形成する方法、あるいは、透明基材に透明な樹脂を所
定のパターンで印刷する方法、サンドブラスト加工によ
るものなどが好ましく採用できる。
【0010】印刷により艶消し加工をする場合の透明樹
脂としては、フィルムと同じ材質が好ましく採用される
が、他の材質を使用することもできる。具体的には、ア
クリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂等が好ましい。印刷の際には、これらの樹
脂を溶媒を加えて溶解して印刷するのが好ましい。溶媒
としては、メチルセロソルブ、エチルセロゾルブ、n−
ブチルエーテル、ジオキサン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、酢酸メチルセロソルブ、キシロ
ール、ミネラルスピリット、トリクロルエチレン、o−
ジクロルベンゼン等の溶媒を使用することができる。
【0011】本発明に用いる色素吸着層としては、多孔
性のアルミナ水和物が好ましく、特に色素の吸着性が高
く、かつ透明性が高いので、擬ベーマイト(AlOO
H)が好ましい。色素吸着層の透明性が高い場合は、色
濃度が高く鮮明な画像が得られる。擬ベーマイトを用い
る場合には、その細孔構造が実質的に半径が10〜10
0Åの細孔からなり、細孔容積が0.3〜1.0cc/
gである場合は、十分な吸収性を有しかつインク受容層
の透明性もあるので好ましい。さらに望ましくはインク
受容層の平均細孔半径が30〜100Åでありその平均
細孔半径の±10Åの半径を有する細孔の容積が全細孔
容積の45%以上である場合、特に定着性と透明性の両
立の観点から好ましい。なお、本発明における細孔半径
分布の測定は、窒素吸脱着法による。
【0012】色素吸着層の厚さは、記録方式により適宜
選択されるが、一般には1〜100μmを採用するのが
好ましい。色素吸着層の厚さが1μmに満たない場合は
効果が発現し難く、100μmを超える場合は、透明性
や強度が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0013】基材上に色素吸着層を設ける手段は、多孔
性の色素吸着層を形成し得る原料にバインダーと溶媒を
加えてスラリー状とし、あるいはゾル状の原料を、ダイ
コーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレ
ードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマ
コーターなどを用いて塗布し、乾燥する方法を採用する
ことができる。バインダーとしては、でんぷんやその変
性物、ポリビニルアルコールおよびその変性物,SBR
ラテックス,NBRラテックス、ヒドロキシセルロー
ス、ポリビニルピロリドン等の有機物を用いることがで
きる。
【0014】本発明において、色素吸着層の上層には不
透明多孔質層が形成される。このため、観察側から光を
当てて、反射光によって像を観察する場合に、明瞭な画
像を見ることができるだけでなく、記録用フィルムの背
後に光源を配置し、透過光によって画像を観察する場合
にも、光源自体が透けて見えることがないので、均質な
画像が得られる。この不透明層によって、記録用シート
全体で不透明度が70%以上になることが好ましい。不
透明度が70%に満たない場合は、反射光で画像を見る
場合には裏当てをしないと鮮明な画像にならず、また透
過光で見る場合には光源自体が透けて見えるので好まし
くない。不透明度は、用途によって最適な値が異なる
が、70%以上の不透明度を有することによって背後の
直接的な影響を除くことが可能である。不透明度が85
%以上の場合は、さらに好ましい。反射光によって像を
観察する場合は、不透明層が実質的にまったく光を透過
しなくてもさしつかえないが、背後に光源を配置し、透
過光によって像を観察する場合は、不透明度が95%以
下であることが好ましい。
【0015】本発明において不透明度は、JIS P8
138で定義する。すなわち、記録用シートの裏側に白
色と黒色の標準板を置いて、反射色濃度計(コニカPD
A−45)を用いてそれぞれ反射色濃度を測定する。そ
して、D=log(1/R)の関係から反射率を求める
(D:反射色濃度、R:反射率)。これをJIS P8
138に適用して、%を単位とする不透明度を求める。
【0016】不透明多孔質層は一般には白色であること
が望ましいが、用途によっては特定の色に着色した層と
することも可能である。また、白色層を採用する場合
は、蛍光増白剤などの添加も有効である。
【0017】不透明多孔質層の材質は、特に限定されな
いが、ベンゾグアナミン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、チ
タン酸カリウム繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸
化亜鉛、酸化鉛等の、有機あるいは無機の粒子を含むも
のが好ましく用いられる。その表面電荷が中性または陰
性の場合は、インク中の色素を吸着しにくいので、特に
望ましい。また、上記粒子そのものは必ずしも多孔質で
ある必要はなく、層を形成する際に、粒子間に間隙を形
成してもよい。
【0018】不透明多孔質層として酸化チタンを用いる
場合は、インクの染料の透過性がよく、かつ不透明度も
高いので特に好ましい。酸化チタンとしては、ルチル
型、アナターゼ型ともに用いることができる。また、酸
化チタンに加え、多孔質シリカを混合することによっ
て、特に大量のインクを用いる機械の場合に好ましく用
いることができる。また、チタン酸カリウム繊維を使用
する場合は、インクの透過性が高くかつ均質な層が形成
できる利点がある。
【0019】本発明では、色素吸着層と不透明多孔質層
の中間あるいは不透明多孔質層の上層にインク中の溶媒
吸収層を設けることによって、より解像度、色濃度に優
れた画像を得ることが可能である。この溶媒吸収層とし
ては、各種の多孔材料が使用可能であるが、特に、吸収
容量も優れていることから多孔質シリカを用いることが
望ましい。
【0020】多孔質シリカとしては、その平均粒子直径
が1〜50μm、細孔容積が0.5〜3.0cc/g程
度の微粉シリカゲルを採用するのが適当である。平均粒
子直径が前記範囲に満たない場合は、インク中の溶剤の
吸収性が不十分となり、逆にそれらが前記範囲を超える
場合には、溶媒吸収層の表面が不均質になり、画像が均
質でなくなるおそれがあるので好ましくない。細孔容積
が前記範囲に満たない場合には、インク中の溶剤の吸収
性が不十分となり、逆にそれらが前記範囲を超える場合
には吸収性が高くなりすぎ、色素までも吸収担持してし
まうおそれがあるので、いずれも好ましくない。
【0021】溶媒吸収層の厚さは、用いられるインクや
その溶剤の種類、インク量等により厳密には決定される
が、一般には1〜50μm程度を採用するのが適当であ
る。厚さが前記範囲に満たない場合には、吸収性が不足
し像がにじみ、逆に前記範囲を超える場合には、吸収性
が高くなりすぎ色素までも吸収担持してしまい像を形成
しないおそれがあるので、いずれも好ましくない。
【0022】これら不透明多孔質層、溶媒吸収層とも、
その塗布量は印字装置の規格(特に単位面積当りのイン
ク量)によって適宜選択されるが、一般には1〜100
μmの間が適当である。その塗工方法としては、色素吸
着層と同様な方法が可能である。
【0023】本発明の記録用シートに適した記録方式
は、インクジェット方式を代表とした、染料を含むイン
クを用いる方式一般であり、各種プリンター、複写機、
ビデオプリンターなどに用いられる。また、必ずしもハ
ードとして形をなした物でなくともよく、例えばサイン
ペンのようなものでの手書きにも用いることが可能であ
る。インクは、水性油性いずれにも使用できる。
【0024】
【実施例】
実施例 容量2000ccのガラス製反応器(セパラブル平底バ
ッフル付きフラスコ、撹拌羽根、温度計付き)に、イオ
ン交換水810gとイソプロパノール676gを仕込
み、マントルヒーターにより液温を75℃に加熱した。
撹拌しながらアルミニウムイソプロポキシド306gを
添加し、液温を75〜78℃に保持して5時間加水分解
を行った。
【0025】そのあと、95℃に昇温し、酢酸9gを添
加して、48時間95〜97℃に保持し、解膠を行っ
た。さらにこの液を900gになるまで濃縮し、白色の
ゾルを得た。このゾルの140℃乾燥物は、粉末X線回
折によると、擬ベーマイトであり、窒素吸脱着法で測定
した平均細孔半径は60Åで、10〜100Åの細孔半
径を有する細孔容積は、0.6cc/gであった。この
液に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA11
7)を加えて、固形分比10:1の塗工液とした。
【0026】基材として、片面平滑、片面ベルベット仕
上げのポリカーボネートフィルム(旭硝子製、レキサン
8A35)を用い、このフィルムの平滑面にコロナ放電
処理をした後、処理面に上記の塗工液を乾燥時の膜厚が
10μmとなるように塗布、乾燥した。このフィルム上
に、多孔質シリカゲル粉末(塩野義製薬社製、カープレ
ックスFPS−3)とPVAの混合スラリー(固形分比
10:1、総固形分10重量%)をバーコーターを用い
て乾燥時の膜厚が4μmとなるように塗布乾燥した。さ
らにこの上層にチタン酸カリウムウィスカー(K2O・6TiO
2 平均繊維長50μm、平均繊維径0.2μm)とPV
Aの混合スラリー(固形分比5:1、総固形分30重量
%)をバーコーターを用いて乾燥時の膜厚が30μmと
なるように塗布乾燥し、記録用シートを得た。
【0027】この記録用シートの非塗工面について、J
IS Z8741による60度鏡面光沢度を測定したと
ころ5.4%であった。JIS P8138による不透
明度は、92%であった。
【0028】実施例2 基材として、片面平滑、片面マット仕上げのポリカーボ
ネートフィルム(旭硝子製、レキサン8A13)を用い
た以外は実施例1と同様にして、記録用シートを得た。
JIS Z8741による非塗工面の60度鏡面光沢度
は4.1%であった。JIS P8138による不透明
度は95%であった。
【0029】比較例 基材として、両面平滑なポリカーボネートフィルム(旭
硝子製、レキサン8010)を用いた以外は実施例1と
同様にして、記録用シートを得た。JIS Z8741
による非塗工面の60度鏡面光沢度は104.4%であ
った。JISP8138による不透明度は90%であっ
た。
【0030】印字例 実施例1、2および比較例の記録用シートについて、イ
ンクジェットプリンター(IRIS Graphics
社製、Smart Jet 4012)で画像を印字し
た。いずれも鮮明な画像が形成された。比較例の記録用
シートは、照明等の反射のために観察する方向によって
は画像の観察に支障があったが、実施例1および2の記
録用シートは、どの角度から観察しても、反射や写り込
みがなく良好な画像が観察された。
【0031】
【発明の効果】本発明の記録用シートは、色の再現性が
良好で、その耐久性が高く、かつ観察方向によらず鮮明
な画像が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材上に、色素吸着層を設け、その上
    層に不透明多孔質層を設けた記録用フィルムであって、
    透明基材の色素吸着層を設けた面の反対側面に艶消し加
    工が施されている記録用シート。
  2. 【請求項2】透明基材上に、色素吸着層を設け、その上
    層に不透明多孔質層を設けた記録用フィルムであって、
    透明基材の色素吸着層を設けた面の反射側面のJIS
    Z8741で規定される60度鏡面光沢度が30%以下
    である記録用シート。
  3. 【請求項3】色素吸着層が擬ベーマイトである請求項1
    または請求項2の記録用シート。
  4. 【請求項4】透明基材上に形成された色素吸着層に色素
    が吸着されて画像が形成され、その上層に形成された不
    透明多孔質層を背景にして、透明基材を通して画像が観
    察される記録物であって、透明基材の観察側の面に艶消
    し加工が施されている記録物。
  5. 【請求項5】透明基材上に形成された色素吸着層に色素
    が吸着されて画像が形成され、その上層に形成された不
    透明多孔質層を背景にして、透明基材を通して画像が観
    察される記録物であって、透明基材の観察側の面のJI
    S Z8741で規定される60度鏡面光沢度が30%
    以下である記録物。
  6. 【請求項6】色素吸着層が擬ベーマイトである請求項4
    または請求項5の記録物。
JP35604092A 1992-12-18 1992-12-18 記録用シートおよび記録物 Pending JPH06183126A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1081555C (zh) * 1994-08-25 2002-03-27 佳能株式会社 记录介质及相关打印品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1081555C (zh) * 1994-08-25 2002-03-27 佳能株式会社 记录介质及相关打印品

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