JPH06182718A - 樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針 - Google Patents

樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針

Info

Publication number
JPH06182718A
JPH06182718A JP12904492A JP12904492A JPH06182718A JP H06182718 A JPH06182718 A JP H06182718A JP 12904492 A JP12904492 A JP 12904492A JP 12904492 A JP12904492 A JP 12904492A JP H06182718 A JPH06182718 A JP H06182718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bamboo material
resin
impregnated
bamboo
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12904492A
Other languages
English (en)
Inventor
Takafumi Ito
貴文 伊藤
Yoshimi Matsuo
好海 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CLOVER CO Ltd
KUROBAA KK
Nara Prefecture
Original Assignee
CLOVER CO Ltd
KUROBAA KK
Nara Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CLOVER CO Ltd, KUROBAA KK, Nara Prefecture filed Critical CLOVER CO Ltd
Priority to JP12904492A priority Critical patent/JPH06182718A/ja
Publication of JPH06182718A publication Critical patent/JPH06182718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 竹材の維管束以外の基本組織にも樹脂を十分
に含浸させることにより竹材の性質を大幅に改善できる
樹脂含浸竹材の製造方法を提供する。 【構成】 竹材に樹脂を含浸させた樹脂含浸竹材の製造
方法であって、竹材を軟化させる予備加熱工程と、上記
軟化した竹材を圧縮する圧縮工程と、所定圧力下におい
て上記竹材に樹脂を含浸させる樹脂含浸工程と、上記竹
材に含浸させた樹脂を硬化させる樹脂硬化工程とを含ん
で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、樹脂含浸竹材の製造
方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造
された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用い
て製造した編み針に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然木材の性質の改善等を目的と
して、木材の内部組織に樹脂を含浸させた種々の樹脂含
浸木材が提供されている。樹脂を木材の内部組織に含浸
させることにより、木材の強度を高めることができるの
みならず、木材に防腐効果、防虫効果、あるいは防水効
果等を付与することができる。樹脂を木材に含浸させる
方法として、樹脂の溶液に木材を浸漬する方法がよく採
られる。また、木材の内部組織に多くの樹脂が含浸され
るように、木材を樹脂溶液に浸漬する際に、周囲の圧力
を変化させることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
樹脂含浸木材の製造方法においては、樹脂を充分含浸さ
せることが非常に困難な木材が数多くあり、なかでも、
本願考案に係る竹材は特に樹脂を含浸させることが困難
なものである。すなわち、竹材の維管束等の空腔部分に
は比較的容易に樹脂を含浸させることができるが、維管
束以外の大部分の基本組織に樹脂を含浸させることはき
わめて困難である。このため、樹脂の含浸による強度上
の改良の効果を十分に発揮することができないという問
題が生じていた。また、竹材は非常に固い繊維と基本組
織とで構成されているが、基本組織の内部に樹脂を含浸
させることができず、このため、竹材表面の固い繊維が
長年の使用によって剥離して、表面がささくれだってく
ることが多かった。
【0004】このため、たとえば、竹材を用いて製造し
た編み針においては、使用によって針先部がささくれだ
ち、編み作業に支障が生じるとともに、編み針の寿命が
短縮される等の問題が生じていた。
【0005】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、竹材の維
管束以外の基本組織にも樹脂を十分に含浸させることに
より竹材の性質を大幅に改善できる、樹脂含浸竹材の製
造方法、および上記樹脂含浸竹材の製造方法によって製
造された竹材、ならびに上記竹材を用いて製造した編み
針を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。すな
わち、本願の請求項1に記載した発明は、竹材に樹脂を
含浸させた樹脂含浸竹材の製造方法であって、竹材を軟
化させる予備加熱工程と、上記軟化した竹材を圧縮する
圧縮工程と、所定圧力下において上記竹材に樹脂を含浸
させる樹脂含浸工程と、上記竹材に含浸させた樹脂を硬
化させる樹脂硬化工程とを含むことを特徴としている。
【0007】また、本願の請求項2に記載した発明は、
上記樹脂含浸工程は、減圧工程と加圧工程とを含むこと
を特徴とするものである。
【0008】また、本願の請求項3に記載した発明は、
上記樹脂含浸竹材の製造方法によって製造した樹脂含浸
竹材に関するものある。
【0009】また、本願の請求項4に記載した発明は、
上記樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針に関するもの
である。
【0010】
【発明の作用および効果】本願発明に係る樹脂含浸竹材
の製造方法においては、対象となる竹材を単に樹脂溶液
に浸漬するのではなく、予備加熱工程および圧縮工程を
竹材に施した後に樹脂を含浸させる。上記予備加熱工程
は、次に続く圧縮工程において、竹材に割れ等の不都合
が生じることがないように、竹材を軟化させる工程であ
る。特に竹材は他の木材とは異なり、加熱することによ
ってきわめて軟化しやすく、後に施される圧縮工程にお
いて十分な圧縮を施すことが可能となる。
【0011】この予備加熱工程は、電子レンジ等におい
て採用されているマイクロ波加熱、あるいは、高周波加
熱を利用して行うことができる。また、圧力釜等を利用
して、竹材を蒸気で蒸らし、あるいは、煮沸することに
よって予備加熱工程等を行うこともできる。なお、上記
予備加熱工程においては、竹材に所定の水分が含まれた
状態で工程が行われるのが好ましく、必要に応じて竹材
に水分を与えて、竹材の含水率を調整することが望まし
い。
【0012】上記予備加熱工程に続く圧縮工程は、竹材
を圧縮することにより竹材組織内部の空腔を減少させる
一方、次に続く樹脂含浸工程において、圧縮された竹材
の弾性回復力を利用して、竹材の基本組織にまで樹脂を
含浸させるために施される工程である。上記圧縮工程に
おいて、竹材組織内部の微細な空腔が押し潰され、一時
的に竹材の体積が減少させられる。一方、竹材自体には
弾力があるため、時間の経過とともに、この弾力によっ
て元の形状に回復しようとする。本願発明は、上記の竹
材を圧縮した後の弾性回復力を利用して、樹脂を基本組
織内部にまで含浸させようとするものである。
【0013】上記圧縮工程を経た竹材は、すみやかに樹
脂含浸工程に移される。上記樹脂含浸工程は、通常、樹
脂溶液中に竹材を浸漬することによって行われる。ま
た、樹脂溶液が竹材の内部組織にまで含浸するように、
内部圧力を変化させることのできる缶体に収容して、上
記樹脂含浸工程を行うこともできる。すなわち、気密性
のある缶体中に上記圧縮工程を経た竹材を収容し、真空
ポンプによって缶体内部の圧力を減圧する減圧工程を行
うことができる。上記減圧工程を行うと、上記竹材の内
部にある微細な空腔内の空気が追い出される。
【0014】次に、上記減圧状態で上記竹材を樹脂に浸
漬する。その後、圧力を常圧に戻すと大気圧の力を利用
して、竹材の内部組織の奥深くまで樹脂を含浸させるこ
とが可能となる。さらに、上記減圧工程を施した後、上
記樹脂溶液に竹材を浸漬した状態で、缶体内部の圧力を
コンプレッサー等を利用して加圧する加圧工程を行うこ
とができる。上記加圧工程を行うことにより、大きな圧
力が竹材に作用し、上記竹材内部組織の微細な空腔内に
まで樹脂が含浸させられる。
【0015】しかも、本願発明に係る竹材は、予備加熱
工程および圧縮工程を経て、竹材内部の微細な空腔が一
時的に押し潰されるとともに、竹材の弾性回復力を利用
して上記微細な空腔にまで樹脂を注入することができる
ため、維管束のみならず、維管束以外の竹材の基本組織
にまで樹脂を含浸させることが可能となる。
【0016】次に、竹材に含浸させられた上記樹脂を硬
化させる樹脂硬化工程を行う。この樹脂硬化工程によっ
て竹材内部の樹脂が竹材の内部組織と一体化され、竹材
自体の性質が改善され、あるいは、新たな性質を有する
樹脂含浸竹材が形成される。竹材に含浸させる樹脂とし
て水溶性樹脂が用いられる場合には、通常、樹脂を含浸
させた竹材に熱を加えて竹材内部の水分を乾燥させるこ
とにより、上記樹脂硬化工程が行われる。また、触媒等
を添加した液体樹脂を採用する場合には、樹脂を含浸さ
せた竹材を、所定温度で一定時間放置すること等によっ
て、上記樹脂硬化工程を行うこともできる。なお、上記
樹脂硬化工程において、樹脂の硬化による竹材の変形等
を防止するため、竹材に圧力を加えて整形を行いつつ、
この樹脂硬化工程を行うこともできる。
【0017】上述した本願発明に係る樹脂含浸竹材の製
造方法においては、予備加熱工程および圧縮工程を竹材
に施した後に樹脂を含浸させるため、竹材の維管束のみ
ならず竹材の基本組織全体に樹脂を含浸させることがで
きる。この結果、竹材の組織全体にわたってその性質を
改善することが可能となり、強度の向上、防腐効果およ
び防虫効果等において、いままでには期待することがで
きない効果を発揮させることが可能となる。
【0018】また、樹脂を竹材全体にほぼ均一に含浸さ
せることができるため、ほぼ均一な樹脂含浸竹材を得る
ことができ、後に加工等を施した場合にも、変形等が生
じることがきわめて少ない。この結果、上記製造方法に
より製造された樹脂含浸竹材から製造される各種製品の
品質を大幅に向上させることができる。さらに、上記樹
脂含浸竹材を、今までにない用途に利用することも可能
となる。
【0019】特に、竹材に上記製造方法を適用すると、
平行状に集積した固い繊維組織を互いに強固に固着する
ことが可能となり、表面近傍の上記繊維組織が長年の使
用により剥離して、表面がささくれだつというようなこ
ともなくなる。したがって、樹脂を含浸させた竹材の特
性が大幅に改善され、種々の用途に利用できる竹材を提
供することが可能となる。
【0020】たとえば、編み針の分野においては竹材が
多く用いられているが、本願発明に係る樹脂含浸竹材の
製造方法によって製造された樹脂含浸竹材を用いること
によって、編み針の針先部がささくれだつことはなくな
る。この結果、竹材を用いて製造された編み針の品質を
大幅に向上させることができるとともに、その寿命を大
幅に延ばすことができる。
【0021】
【実施例の説明】以下、本願発明に係る実施例を、図1
ないし図8に基づいて具体的に説明する。本実施例に係
る樹脂含浸竹材の製造方法は、図1に示すように、竹材
を軟化させる予備加熱工程1と、上記軟化した竹材を圧
縮する圧縮工程2と、所定圧力下において上記竹材に樹
脂を含浸させる樹脂含浸工程3と、上記竹材に含浸させ
た樹脂を硬化させる樹脂硬化工程4とを含んで構成され
る。
【0022】本実施例においては、上記竹材17とし
て、一辺が7mmの正方形断面を有し、長さ290mmの竹
材を採用している。また、上記竹材17に含浸させる樹
脂15として、水溶性のヘキサメチロールメラミン樹脂
が採用されている。
【0023】上記予備加熱工程1は、上記竹材17を加
熱することにより、竹材17の内部組織を軟化させ、次
につづく圧縮工程2において竹材17に割れ等の不都合
が生じないようにするために行われる。なお、上記予備
加熱工程1を行うにあたり、竹材17に適当な水分を含
ませる加湿工程を加えることもできる。竹材に適当な水
分を与えることによって、竹材17の軟化を促進するこ
とができるとともに、乾燥を防止して割れ等を予防する
ことができる。
【0024】加熱方法としては、電子レンジ等で採用さ
れているマイクロ波加熱、あるいは高周波加熱等を利用
することができる。上記マイクロ波加熱あるいは高周波
加熱を施すことにより、短時間に竹材17の全体を加熱
することが可能となり、竹材内部の水分の蒸発を防ぎつ
つ加熱することができる。また、圧力釜等を利用して、
竹材を蒸らすようにして加熱することもできる。また、
煮沸によって加熱することも可能である。上記予備加熱
工程1を施すことにより、竹材17に適度の水分を保持
させるとともに、竹材17を軟化させることができる。
【0025】上記予備加熱工程1に続く圧縮工程2は、
上記軟化された竹材17を圧縮し、竹材17の内部組織
を変形させる工程である。図2は、圧縮工程2の概略を
模式的に示した図である。この図に示すように、上記圧
縮工程2は、プレス装置20よって行うことができる。
上記圧縮工程2を施すことにより、竹材内部の空腔5が
押し潰される。上記微細な空腔5が押し潰されることに
より、竹材17の体積が減少させられるとともに、竹材
に圧縮された体積を回復させるための弾性回復力が蓄え
られる。
【0026】上記圧縮の割合は、竹材の材質含水率等に
応じたものに設定するのが好ましい。たとえば、実施例
における竹材においては、30%ないし40%の圧縮率
を設定することが望ましい。なお、上記圧縮率は、
〔(元の竹材寸法−圧縮後のプレス面の隙間)÷元の竹
材寸法×100〕で表される値である。上記圧縮工程2
を施すことにより、竹材組織内部の空腔5を一時的に潰
して、次に続く樹脂含浸工程3において樹脂15が含浸
される割合を大幅に増加させることが可能となる。しか
も、本実施例においては、予備加熱工程1において竹材
自体を軟化させているため、上記圧縮工程2を施して
も、竹材17に割れ等の不都合が生じるということもな
い。
【0027】本実施例に係る上記樹脂含浸工程3は、図
3に示すように、所定の圧力に保持される缶体6の内部
に浸漬槽7を設け、上記浸漬槽7に収容された竹材17
を、所定の圧力に保持しつつ樹脂溶液15aに浸漬する
ことによって行われる。すなわち、図3に示すように、
上記缶体6は、減圧バルブ8を介して真空ポンプ9に接
続される一方、加圧バルブ10を介してコンプレッサー
11に接続されている。また、所定の段階で樹脂溶液1
5aを上記浸漬槽7に注入することができるように樹脂
溶液注入バルブ12が設けられている。
【0028】上記構成の樹脂含浸装置16において、ま
ず、竹材17を上記樹脂浸漬槽7に収容し、樹脂溶液1
5aを注入しない状態において、真空ポンプ9を作動さ
せるとともに減圧バルブ8を開き、缶体6の内部を減圧
する減圧工程18を行う。このとき、圧力は30mmH
g以下に設定することが望ましい。また、上記減圧状態
で約2時間保持する。この減圧工程18によって、竹材
内部の微細な空腔内の空気がさらに追い出される。
【0029】上記減圧工程18を経た後、樹脂注入バル
ブ12を開いて上記浸漬槽7に樹脂溶液15aを注入
し、竹材17を樹脂に浸漬する。その後、缶体6の内部
圧力を常圧に戻す。この減圧工程18を行うことによ
り、大気圧を利用して樹脂を竹材17の基本組織にまで
含浸させることが可能となる。
【0030】本実施例においては、さらに、上記竹材1
7に樹脂を含浸させるため、コンプレッサ11を作動さ
せるとともに加圧バルブ10を開いて缶体6の内部圧力
を上げる加圧工程19を行う。本実施例における上記加
圧工程19においては、缶体6内の圧力を10kg/c
2 以上に設定することが望ましい。この状態で、数時
間ないし十数時間保持することにより、竹材17の組織
全体に樹脂がさらに含浸される。
【0031】次に、竹材17の内部組織に含浸された樹
脂を硬化させる樹脂硬化工程4を施す。本実施例におい
ては、水溶性の樹脂15を水に溶かした樹脂溶液15a
を用いるため、竹材17を加熱することにより、上記水
分を蒸発させて樹脂15の硬化を行う。上記樹脂硬化工
程4を行うことにより、竹材の内部組織と上記樹脂とが
一体化され、これにより、竹材自体の性質が改善され、
あるいは、新たな性質を有する樹脂含浸竹材17aが形
成される。なお、上記樹脂硬化工程4においては、樹脂
15が硬化する際に、竹材17がたわんだりするおそれ
があるため、圧力等をかけて整形を行いつつ樹脂の硬化
を行うこともできる。
【0032】上述した樹脂含浸竹材の製造方法において
は、竹材17を単に樹脂溶液15aに浸漬して樹脂を含
浸させるのみではなく、前工程として予備加熱工程1お
よび圧縮工程2を行っている。このため、上記樹脂含浸
工程3において、竹材17の弾性回復力を利用して、竹
材の体積が回復する分、竹材17の内部組織に樹脂を含
浸させることが可能となる。
【0033】この結果、従来の樹脂含浸竹材に比べ、は
るかに樹脂含浸率の高い樹脂含浸竹材17aを形成する
ことが可能となる。また、竹材17の維管束の部分のみ
ならず、基本組織にまで樹脂を含浸させることが可能と
なり、竹材17の特性を大幅に改善することができる。
竹材を採用した本実施例においては、重量比50パーセ
ント以上の注入率で樹脂を含浸させることが可能とな
り、従来の樹脂含浸竹材に比べて樹脂の注入率を飛躍的
に高めることができる。この結果、表面における硬質の
繊維質が剥離して、表面がささくれだつというようなこ
ともなくなり、加工性が大幅に向上するとともに、割れ
等を有効に防止することができる。この結果、今までに
ない用途に上記竹材を使用することも可能となる。
【0034】また、本実施例に係る製造方法によって製
造された樹脂含浸竹材17aにおいては、竹材の組織全
体にほぼ均一に樹脂を含浸させることができるため、竹
材17の全体にわたって均質な特性を得ることができ
る。このため、加工および成形性が格段に向上させられ
るとともに、この樹脂含浸竹材17aを使用して製造さ
れる種々の製品の品質を大幅に向上させることができ
る。さらに、樹脂がほぼ均一に含浸させられるため、樹
脂含浸竹材17aの強度も樹脂含浸竹材全体にわたって
均一化され、長年使用してもたわみ等が生じることも少
なくなる。
【0035】図4に本願発明に係る圧縮工程2の他の実
施例を示す。この実施例においては、竹材17が圧縮ロ
ーラ22,23によって連続的に圧縮されており、長尺
の竹材17を効率よく圧縮することができる。
【0036】図5に竹材の一部のみに圧縮工程を施す実
施例を示す。この実施例においては、竹材の両側をプレ
ス装置20aによって圧縮している。本実施例を採用す
ることにより、竹材の必要な部分にのみ樹脂を含浸させ
ることも可能となる。また、たとえば、図6に示すよう
な、編み針24においては、両先端部に高い割合で樹脂
を含浸させた樹脂含浸部21,21を形成することが可
能となる。この結果、磨耗等の激しい先端部分をきわめ
て有効に補強することが可能となり、品質を格段に向上
させることができるとともに、編み針の寿命を大幅に向
上させることができる。さらに、図7および図8に示す
ように、回転軸が直交する複数組の圧縮ローラ22a,
23a、24を用いて、円柱状竹材17をその外周面全
面から圧縮することができる。このような圧縮工程を施
すことにより、円柱状の圧縮竹材を形成することが可能
となる。この結果、切削工程等の編み針を製造する場合
の後工程を大幅に削減することが可能となる。また、竹
材の外周面全面が均一に圧縮されることから、表面の補
強効果をさらに高めることもできる。
【0037】なお、本願発明は、上述の実施例にように
竹材の強度を向上させるためだけでなく、防腐効果、防
虫効果あるいは防水効果等他の性質を付与するために適
用することもできる。
【0038】また、実施例においては、水溶性のヘキサ
メチロールメラミン樹脂を用いたが、他の樹脂を採用す
ることができる。さらに、実施例においては、樹脂硬化
工程を竹材を加熱乾燥することにより行ったが、触媒等
を利用して竹材を加熱することなく樹脂を硬化させるこ
ともできる。また、実施例においては、樹脂含浸工程3
において、減圧工程18と加圧工程19とを含むように
構成したが、竹材の性質あるいは採用する樹脂によって
は上記減圧工程18、加圧工程19の一方または双方を
省略することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る樹脂含浸竹材の製造方法の概要
を示す流れ図である。
【図2】圧縮工程の一例を示す概略図である。
【図3】樹脂含浸工程を行う装置の一例を示す概略図で
ある。
【図4】圧縮工程の他の実施例を示す図面である。
【図5】圧縮工程の他の実施例を示す図面である。
【図6】図5に示した圧縮工程を含む樹脂含浸竹材の製
造方法によって製造された樹脂含浸竹材を利用して製造
した編み針を示す図面である。
【図7】圧縮工程の他の実施例を示す図面である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線に沿う断面図である
【符号の説明】
1 予備加熱工程 2 圧縮工程 3 樹脂含浸工程 4 樹脂硬化工程 17 竹材 24 編み針

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竹材に樹脂を含浸させた樹脂含浸竹材の
    製造方法であって、 竹材を軟化させる予備加熱工程と、 上記軟化した竹材を圧縮する圧縮工程と、 所定圧力下において上記竹材に樹脂を含浸させる樹脂含
    浸工程と、 上記竹材に含浸させた樹脂を硬化させる樹脂硬化工程と
    を含むことを特徴とする、樹脂含浸竹材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記樹脂含浸工程は、減圧工程と加圧工
    程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂含
    浸竹材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した樹脂含浸竹材の製造
    方法によって製造したことを特徴とする、樹脂含浸竹材
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した樹脂含浸竹材を用い
    て製造したことを特徴とする、編み針。
JP12904492A 1992-05-21 1992-05-21 樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針 Pending JPH06182718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12904492A JPH06182718A (ja) 1992-05-21 1992-05-21 樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12904492A JPH06182718A (ja) 1992-05-21 1992-05-21 樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06182718A true JPH06182718A (ja) 1994-07-05

Family

ID=14999705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12904492A Pending JPH06182718A (ja) 1992-05-21 1992-05-21 樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06182718A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996009921A1 (en) * 1994-09-29 1996-04-04 Shui Fong Chan Structural board
FR2789929A1 (fr) * 1999-02-24 2000-08-25 Jacques Langer Materiau isolant obtenu a partir de monocotyledones et son procede d'obtention
US6586713B2 (en) * 1997-08-20 2003-07-01 The University Of Miami Apparatus for high quality, continuous throughput, tissue fixation-dehydration-fat removal-impregnation
KR100577864B1 (ko) * 2003-01-07 2006-05-10 이충영 대나무통 내부의 공동부로 액체를 주입하는 방법 및 상기방법에 따라 액체가 주입된 대나무통의 보존방법
CN104400852A (zh) * 2014-10-29 2015-03-11 龙岩学院 一种工程防腐竹的制作方法
CN108818818A (zh) * 2018-07-10 2018-11-16 四川农业大学 一种木材-聚乳酸复合材料的制备方法
CN114559511A (zh) * 2022-02-28 2022-05-31 宜丰县永安建材有限责任公司 一种片状物料的烘干方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996009921A1 (en) * 1994-09-29 1996-04-04 Shui Fong Chan Structural board
US6586713B2 (en) * 1997-08-20 2003-07-01 The University Of Miami Apparatus for high quality, continuous throughput, tissue fixation-dehydration-fat removal-impregnation
FR2789929A1 (fr) * 1999-02-24 2000-08-25 Jacques Langer Materiau isolant obtenu a partir de monocotyledones et son procede d'obtention
KR100577864B1 (ko) * 2003-01-07 2006-05-10 이충영 대나무통 내부의 공동부로 액체를 주입하는 방법 및 상기방법에 따라 액체가 주입된 대나무통의 보존방법
CN104400852A (zh) * 2014-10-29 2015-03-11 龙岩学院 一种工程防腐竹的制作方法
CN104400852B (zh) * 2014-10-29 2016-06-15 龙岩学院 一种工程防腐竹的制作方法
CN108818818A (zh) * 2018-07-10 2018-11-16 四川农业大学 一种木材-聚乳酸复合材料的制备方法
CN114559511A (zh) * 2022-02-28 2022-05-31 宜丰县永安建材有限责任公司 一种片状物料的烘干方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004520976A (ja) 加工木材製品およびその調製方法
GB2107244A (en) Moulding moulded articles from binder-containing organic fibrous mats
JPH06182718A (ja) 樹脂含浸竹材の製造方法、およびこの樹脂含浸竹材の製造方法によって製造された樹脂含浸竹材、ならびにこの樹脂含浸竹材を用いて製造した編み針
CN108162105A (zh) 一种改善竹重组材胶合性能的方法
KR20230006864A (ko) 몰드 가능하고 몰드된 셀룰로오스-베이스 구조 물질, 시스템 및 이의 형성 및 사용 방법
CN1070759C (zh) 竹纤维合板的制造方法
JPH11348002A (ja) 高強度木材の製造方法
CN107379162A (zh) 一种重组竹板材生产工艺
JPH06238616A (ja) 木質材の熱処理方法
CN110511008A (zh) 基于冷冻干燥工艺的高致密度石英/石英复合材料及其制备方法
US11530499B2 (en) Knitting needles
JP3916258B2 (ja) 含浸による木材の処理方法
JP3778568B2 (ja) 樹脂含浸木製品の製造方法
US20050127567A1 (en) Method of manufacturing woody formed body and woody formed body
JPH10315203A (ja) 木質材への薬液類の含浸方法及び該方法により製造された木質材
JPH0747511A (ja) 木質材の熱処理方法
JP3054349B2 (ja) 木材単板の処理液注入前処理方法
JP3136051B2 (ja) 木質材の熱処理方法
JP5980569B2 (ja) 野球又はソフトボール用圧縮バット、及び野球又はソフトボール用圧縮バットの製造方法
JPH072326B2 (ja) 木材の改質処理方法
JP2928800B2 (ja) 木材の処理方法
JP4025884B2 (ja) 木質系成形体
JP6083894B2 (ja) 歪除去圧密材及びその製造装置、その製造方法
WO2024042459A1 (en) A method of production at least one wood having a predetermined densification profile
JPH1148216A (ja) 木材の加工方法