JPH06182571A - 金属部材の接合方法 - Google Patents

金属部材の接合方法

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JPH06182571A
JPH06182571A JP4337512A JP33751292A JPH06182571A JP H06182571 A JPH06182571 A JP H06182571A JP 4337512 A JP4337512 A JP 4337512A JP 33751292 A JP33751292 A JP 33751292A JP H06182571 A JPH06182571 A JP H06182571A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属部材2・2の接合部にフレア継手1を形
成する。フレア継手1の両部材接合面部4に、金属部材
2・2の端面側(A方向)からレーザビームを照射して
溶接し、溶接部5を形成する。その後、互いに逆方向に
湾曲した両フランジ部3・3を押圧して曲げ、互いに当
接させる。 【効果】 金属部材が両振りにならないので、疲労強度
が向上する。溶接部に圧縮応力が掛かるので、溶接部の
溶接強度が向上する。アンダーカットが形成されても溶
接部の破断の起点とはならない。フレア継手にシール部
材を装着するときには、シール部材のフレア継手への取
り付け性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度エネルギビーム
を用いて、二つの金属部材の接合部に設けられたフレア
継手を溶接する金属部材の接合方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のボディは、これを構成する各部
材同士をスポット溶接等することにより組み立てられて
おり、例えば自動車1台当たり、3000〜4000箇所に溶接
が施されるようになっている。上記のスポット溶接は、
大量生産に適した溶接方法として従来より採用されてい
るが、近年の自動車における、保証期間延長等による防
錆鋼板の使用の拡大や、ボディの軽量化等による高張力
鋼板およびアルミ材の使用の拡大に対しては、スポット
溶接で対応することが困難となってきている。例えば、
スポット溶接ではアルミ材同士を強固に溶接することが
難しく、また、表面にメッキが施された鋼板を溶接する
と、スポット溶接機の電極表面に気化したメッキが付着
するため、定期的に電極の清掃等のメンテナンスが必要
となり、生産性が低下する。
【0003】そこで、スポット溶接の代わりに、レーザ
ビーム等の高密度エネルギビームを用いた溶接方法が盛
んに試みられている。レーザビームを用いた従来の溶接
方法としては、突き合わせ継手や重ね継手にレーザビー
ムを照射して溶接する方法が一般に行われているが、そ
の他に、例えば特開昭57−149083号公報に開示
されているように、二つの金属部材を重ね合わせ、これ
ら金属部材の重ね合わせ端面にレーザビームを照射して
溶接する方法も行われている。そして、これら溶接に用
いられるレーザ発振機としては、CO2 レーザとYAG
( Yttrium-Aluminum-Garnet)レーザとが知られてい
る。
【0004】ところが、CO2 レーザは、ミラーでレー
ザビームを反射させて溶接部位に照射するようになって
いるため、このミラーがずれるとレーザビームの集光位
置がずれ、レーザビームのエネルギ分布が拡がって溶接
が難しくなる。従って、振動の多い自動車ボディ組立工
程では溶接部の品質の確保が難しくなるという問題を有
している。また、YAGレーザは、レーザビームのエネ
ルギが小さいために、通常用いられる突き合わせ継手や
重ね継手等の継手構造では、上述した鋼板同士を強固に
溶接することが難しいという問題を有している。
【0005】そこで、或る程度レーザビームの集光位置
がずれても溶接部の品質の確保が容易で、しかも低出力
のレーザビームであっても両鋼板を強固に溶接可能な継
手構造として、フレア継手を用いた溶接方法が提案され
ている。フレア継手にこれら鋼板の端面側からレーザビ
ームを照射して溶接を施した場合、レーザビームの集光
位置が両鋼板接合面部から多少ずれても、レーザビーム
は各鋼板に形成されたフランジ間で反射して両鋼板接合
面部に集光し、効率良く各鋼板に吸収されるので、低出
力のレーザビームであっても両鋼板が強固に溶接され
る。また、このようにしてレーザビームが両鋼板接合面
部に集光されるので、例えば突き合わせ継手の場合のよ
うにレーザビームの集光位置等を高精度に調整する必要
はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
に示すように、金属部材31・31の接合部に形成され
たフレア継手32の両部材接合面部33を、これら金属
部材31・31の端面側からレーザビームを照射して溶
接しただけでは、例えば溶接部(図中、便宜上網掛けで
示す)34に二つの金属部材31・31を引き離す方向
(図中、F方向)の応力が掛かって、溶接部34への曲
げや捩じりの変形が繰り返し行われると、図12に示す
ように、この溶接部34を支点として金属部材31・3
1が両振りを起こし易くなり、金属部材31・31の変
形や、溶接部34の溶接強度の低下を招くこととなる。
【0007】また、図13に示すように、レーザビーム
を用いた溶接では、フレア継手32のフランジ部35・
35における溶接部34近傍に、レーザビームによって
表面が抉られたアンダーカット36・36が形成され易
く、このアンダーカット36・36が溶接部34の破断
の起点となる虞れを有している。
【0008】本発明の金属部材の接合方法は、上記の問
題に鑑みなされたものであり、溶接部に応力が掛かって
も、曲げや捩じりの変形が起こり難く、金属部材の両振
りや溶接部の破断を生じない接合方法を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の金
属部材の接合方法は、上記の課題を解決するために、高
密度エネルギビームを用いて、二つの金属部材の接合部
に設けられたフレア継手を溶接する金属部材の接合方法
であって、上記フレア継手の両部材接合面部を、上記金
属部材の端面側から溶接した後、この溶接部よりも端面
側に形成されたフレア継手の両フランジ部を互いに押圧
して当接させることを特徴としている。
【0010】また、請求項2記載の発明の金属部材の接
合方法は、上記の課題を解決するために、請求項1記載
の金属部材の接合方法において、両フランジ部のフラン
ジ端部近傍のみを互いに押圧して当接させることを特徴
としている。
【0011】
【作用】上記の請求項1記載の方法によれば、金属部材
の端面側からフレア継手の両部材接合面部を溶接した
後、この溶接部よりも端面側に形成されたフレア継手の
両フランジ部を互いに押圧して当接させる。
【0012】これにより、フレア継手の両フランジ部が
互いに当接することによって溶接部が外部に対して閉じ
た構造となるので、二つの金属部材を引き離す方向に応
力が掛かっても、これら金属部材が両振りにならず、疲
労強度が向上する。また、溶接部に圧縮応力が掛かるの
で、溶接部の溶接強度が向上する。さらに、フランジ部
における溶接部近傍にアンダーカットが形成されたとし
ても、このアンダーカットに圧縮応力が掛かるので、溶
接部の破断の起点とはならない。その上、例えば、ドア
付近等に形成されたフレア継手に、このフレア継手を被
覆して見栄えを良くするためのシール部材を装着すると
きには、シール部材のフレア継手への取り付け性が向上
する。
【0013】上記の請求項2記載の方法によれば、溶接
部より端面側に形成されたフレア継手の両フランジ部の
フランジ端部近傍のみを互いに押圧して当接させる。
【0014】それゆえ、両フランジ部における、互いに
当接していない部分によって溶接部近傍の外側に凸部が
形成されるので、フレア継手の剛性が向上すると共に、
例えば、フレア継手にシール部材を装着するときには、
上記の凸部がフレア継手からのシール部材の脱落を防止
するストッパーの役目を果たす。これにより、請求項1
の作用に加えて、シール部材の剛性を低下させてもシー
ル部材をフレア継手に係止させることができるので、シ
ール部材の軽量化を図ることが可能となる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図8に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0016】図1に示すように、高密度エネルギビーム
(以下、レーザビームと称する)を用いて溶接されるフ
レア継手1は、二つの金属部材2・2の接合部に形成さ
れており、互いに逆方向に湾曲したフランジ部3・3
と、両部材接合面部4とを有している。レーザビーム
は、金属部材2・2の端面側(図中、A方向)から両部
材接合面部4に照射され、この両部材接合面部4が溶接
されて溶接部5が形成される。その後、図2に示すよう
に、溶接部5よりも端面側に形成された両フランジ部3
・3が互いに押圧されて当接することにより、フレア継
手1、即ち金属部材2・2の接合が終了する。
【0017】上記の接合を行う接合装置の一例を図3お
よび図4に示す。図3に示すように、接合装置10は、
本体部であるマウント11の中央部に、フレア継手1の
両部材接合面部4にレーザビームを照射するレーザトー
チ12が設けられている。このレーザトーチ12は、例
えばCO2 レーザやYAGレーザ等のレーザ発振機を内
部に備えている。また、レーザトーチ12の先端部近傍
における、金属部材2・2を挟んで互いに対向する位置
には、溶接時に、これら金属部材2・2を互いに押圧し
て当接させる一対の加圧ローラ13a・13bが設けら
れており、これら加圧ローラ13a・13bは、加圧ロ
ーラホルダ14a・14b上に設置されている。上記の
加圧ローラ13a・13bは、溶接が施されたフレア継
手1を後述の潰しローラ17・17方向(図中、C方
向)に移動させることができるように、D方向に回転自
在となっている。また、加圧ローラホルダ14a・14
bは、マウント11に設けられたシリンダ15・15に
摺動可能に嵌合されているピストン16・16に固定さ
れている。
【0018】そして、例えば、加圧ローラホルダ14a
が固定されているピストン16は図示しないロック装置
によって所定位置に固定されており、これにより、加圧
ローラ13aは、フレア継手1の両部材接合面部4にレ
ーザビームを照射可能なように、金属部材2・2の位置
決めを行うようになっている。他方の加圧ローラホルダ
14bは、ピストン16によって上記の固定された加圧
ローラホルダ14a方向に進退移動可能となっており、
これにより、加圧ローラ13bは、位置決めされた金属
部材2・2を加圧ローラ13a方向に押圧して、互いに
当接させるようになっている。
【0019】図4に示すように、上記の加圧ローラ13
a・13bよりも後方の所定位置(即ち、加圧ローラ1
3a…よりもC方向側の所定位置)には、溶接が施され
たフレア継手1の両フランジ部3・3を押圧して曲げ、
互いに当接させる一対の潰しローラ17・17が設けら
れており、これら潰しローラ17・17は、潰しローラ
ホルダ18・18上に設置されている。上記の潰しロー
ラ17・17は、接合を終えたフレア継手1をC方向に
移動させることができるように、D方向に回転自在とな
っている。また、潰しローラホルダ18・18は、上述
の加圧ローラホルダ14a・14bと同様に、マウント
11に設けられたシリンダ19・19に摺動可能に嵌合
されているピストン(図示せず)に固定されており、こ
れらピストンによって互いに接近する方向および遠ざか
る方向に進退移動可能となっている。これにより、二つ
の潰しローラ17・17は、これらの間に挟み込んだ両
フランジ部3・3を押圧して曲げ、互いに当接させるよ
うになっている。
【0020】図5に示すように、上記構成の接合装置1
0により、金属部材2・2は、先ず、加圧ローラ13a
・13bにより互いに押圧されて当接し、この状態でフ
レア継手1の両部材接合面部4にレーザトーチ12から
レーザビームが照射されて溶接が施される。次に、加圧
ローラ13a・13bがD方向に回転することにより、
溶接が施された金属部材2・2はC方向に移動させら
れ、潰しローラ17・17によりフレア継手1の両フラ
ンジ部3・3が押圧されて曲げられ、互いに当接する。
この後、金属部材2・2は、潰しローラ17・17がD
方向に回転することによりC方向に移動させられて接合
が終了する。
【0021】尚、上記の説明においては、接合装置10
が固定され、金属部材2・2がC方向に移動する構成と
なっているが、逆に、金属部材2・2が固定され、接合
装置10がC方向と逆の方向に移動する構成となってい
てもよい。また、本接合方法を行うための装置は、勿
論、上記の接合装置10に限定されるものではなく、フ
レア継手1の両部材接合面部4に、金属部材2・2の端
面側から溶接を施し、その後、両フランジ部3・3を互
いに押圧して当接させることが可能な装置であればよ
い。さらに、上記の説明の如く、両部材接合面部4の溶
接とフランジ部3・3の押圧とを一連の動作で行う以外
に、これら溶接と押圧とをそれぞれ別の装置で行うこと
により、両部材接合面部4の溶接を全て完了した後に、
両フランジ部3・3を互いに押圧して当接させるように
してもよい。その上、両フランジ部3・3を互いに押圧
して当接させる方法は、上述の如く一対のローラ(潰し
ローラ17・17)で行う方法に限定されるものではな
く、例えば、図6に示すように、プレス機(図示せず)
の押さえ型21の上型21aおよび下型21b間にフレ
ア継手1のフランジ部3・3を挾装し、プレスすること
により互いに当接させる方法であってもよい。
【0022】また、上記の説明においては、両フランジ
部3・3がそれぞれ円弧状に形成されているフレア継手
1を例に挙げて説明したが、勿論、何れか一方のフラン
ジ部が円弧状に形成され、他方のフランジ部が直線状に
形成されているフレア継手においても、本接合方法を適
用することが可能である。
【0023】次に、具体例として、図7に示すように、
自動車ボディを構成する一部材であるセンターピラー2
5のアウター25aの周縁部とインナー25bの周縁部
とをレーザビームによって溶接し、これら周縁部を互い
に当接させる接合方法を行った結果を示す。
【0024】板厚 0.8mmのアウター25aと板厚 1.2mm
のインナー25bとの接合部にフレア継手を形成して、
レーザ出力 0.8kw、溶接速度 2 m/分の条件にて端面側
からレーザビームを照射して溶接し、フランジ部を互い
に当接させて接合すると、良好な継手強度を有する溶接
継手が得られた。
【0025】これに対し、従来の接合方法として、上記
のアウター25aおよびインナー25bを重ね継手で溶
接したところ、本接合方法と同程度の継手強度を得るた
めには、レーザ出力 2kw、溶接速度 2 m/分の条件にて
レーザビームを照射しなければならなかった。このこと
から、本接合方法は、従来の接合方法で用いられるレー
ザ出力よりも低い出力のレーザビームを用いても、アウ
ター25aおよびインナー25bを強固に接合可能であ
ることがわかる。
【0026】また、二つの金属部材2・2の接合部にフ
レア継手1を形成し、このフレア継手1の両部材接合面
部4を、これら金属部材2・2の端面側から溶接した
後、この溶接部5よりも端面側の両フランジ部3・3を
互いに押圧して当接させることからなる本接合方法は、
以下に示す点で従来の接合方法よりも優れていることが
わかる。
【0027】即ち、本接合方法は、フレア継手1の両フ
ランジ部3・3が互いに押圧されて当接することによっ
て溶接部5が外部に対して閉じた構造となるので、金
属部材2・2を引き離す方向に応力が掛かっても、これ
ら金属部材2・2が両振りにならず、疲労強度が向上す
る。溶接部5に圧縮応力が掛かり、溶接部5の溶接強
度が向上する。フランジ部3・3における溶接部5近
傍にアンダーカットが形成されたとしても、このアンダ
ーカットに圧縮応力が掛かり、溶接部5の破断の起点と
はならない。図8に示すように、例えば、ドア付近等
に形成されたフレア継手1に、このフレア継手1を被覆
して見栄えを良くするためのシーミングウエルト等のシ
ール部材26を装着するときには、シール部材26のフ
レア継手1への取り付け性が向上する。
【0028】尚、フレア継手1におけるフランジ部3・
3の長さ、即ち金属部材2・2の端面からの溶接部5の
位置は、例えば金属部材2・2の大きさや材質、板厚、
あるいは溶接条件等に応じて、最適な接合が行えるよう
に適宜設定すればよい。また、金属部材2・2の材質や
板厚は、特に限定されるものではなく、材質の異なった
金属部材同士であっても接合することが可能である。
【0029】また、上記の実施例においては、図2に示
すように、溶接部5よりも端面側の両フランジ部3・3
を互いに押圧して、その全面を当接させる場合を例に挙
げて説明したが、一般に、溶接部5は元の金属部材2・
2よりも硬度が大きくなるため、押圧しても変形し難く
なっている。そこで、本発明の他の実施例として、例え
ば、両フランジ部3・3における溶接部5近傍を互いに
当接させることが困難な場合には、図9に示すように、
両フランジ部3・3におけるフランジ端部3a・3a近
傍のみを互いに押圧して当接させてもよい。この場合に
は、図10に示すように、互いに当接していないフラン
ジ基部3b・3bによって溶接部5近傍の外側に凸部が
形成されるので、フレア継手1の剛性が向上すると共
に、例えば、フレア継手1にシール部材27を装着する
ときには、上記の凸部がフレア継手1からのシール部材
27の脱落を防止するストッパーの役目を果たす。これ
により、フランジ部3・3全面を互いに押圧して当接さ
せる場合の作用・効果に加えて、シール部材27の剛性
を低下させてもシール部材27をフレア継手1に係止さ
せることができるので、シール部材27の軽量化を図る
ことが可能となる。
【0030】尚、上記の凸部の形状は、特に限定される
ものではなく、例えば、その断面を略「く」の字型、あ
るいは略円弧状に形成する等、種々の形状とすることが
可能である。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の金属部材の接合方法は、
以上のように、フレア継手の両部材接合面部を、金属部
材の端面側から溶接した後、この溶接部よりも端面側に
形成されたフレア継手の両フランジ部を互いに押圧して
当接させる方法である。
【0032】これにより、フレア継手の両フランジ部が
互いに当接することによって溶接部が外部に対して閉じ
た構造となるので、二つの金属部材を引き離す方向に応
力が掛かっても、これら金属部材が両振りにならず、疲
労強度が向上する。また、溶接部に圧縮応力が掛かるの
で、溶接部の溶接強度が向上する。さらに、フランジ部
における溶接部近傍にアンダーカットが形成されたとし
ても、このアンダーカットに圧縮応力が掛かるので、溶
接部の破断の起点とはならない。その上、例えば、ドア
付近等に形成されたフレア継手に、このフレア継手を被
覆して見栄えを良くするためのシール部材を装着すると
きには、シール部材のフレア継手への取り付け性が向上
するという効果を奏する。
【0033】請求項2記載の金属部材の接合方法は、以
上のように、両フランジ部のフランジ端部近傍のみを互
いに押圧して当接させる方法である。
【0034】それゆえ、両フランジ部における、互いに
当接していない部分によって溶接部近傍の外側に凸部が
形成されるので、フレア継手の剛性が向上すると共に、
例えば、フレア継手にシール部材を装着するときには、
上記の凸部がフレア継手からのシール部材の脱落を防止
するストッパーの役目を果たす。これにより、請求項1
の効果に加えて、シール部材の剛性を低下させてもシー
ル部材をフレア継手に係止させることができるので、シ
ール部材の軽量化を図ることが可能となるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレア継手を示す要部の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例における接合方法を用いて接
合したフレア継手の断面図である。
【図3】フレア継手を接合する接合装置の概略の正面図
である。
【図4】図3におけるB−B矢視断面図である。
【図5】上記接合装置によりフレア継手が接合される様
子を示す説明図である。
【図6】押さえ型を備えたプレス機によりフレア継手の
両フランジ部が互いに押圧されて当接する様子を示す説
明図である。
【図7】センターピラーを示す概略の分解斜視図であ
る。
【図8】接合したフレア継手にシール部材を装着する様
子を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施例における接合方法を用いて
接合したフレア継手の断面図である。
【図10】接合したフレア継手にシール部材を装着する
様子を示す説明図である。
【図11】従来の接合方法を用いて接合したフレア継手
の断面図である。
【図12】従来の接合方法を用いて接合したフレア継手
が応力によって両振りを起こす様子を示す説明図であ
る。
【図13】アンダーカットが形成されたフレア継手を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 フレア継手 2 金属部材 3 フランジ部 4 両部材接合面部 5 溶接部 10 接合装置 12 レーザトーチ 13a 加圧ローラ 17 潰しローラ 25 センターピラー 26 シール部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高密度エネルギビームを用いて、二つの金
    属部材の接合部に設けられたフレア継手を溶接する金属
    部材の接合方法であって、 上記フレア継手の両部材接合面部を、上記金属部材の端
    面側から溶接した後、この溶接部よりも端面側に形成さ
    れたフレア継手の両フランジ部を互いに押圧して当接さ
    せることを特徴とする金属部材の接合方法。
  2. 【請求項2】両フランジ部のフランジ端部近傍のみを互
    いに押圧して当接させることを特徴とする請求項1記載
    の金属部材の接合方法。
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