JPH0618177Y2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は野菜室内の湿度と温度を制御できるようにし
た冷蔵庫に関するものである。

〔従来の技術〕

第３図は、例えば、実開昭６１−２１２６７号公報に示
された従来の野菜室を有する冷蔵庫の断面図である。

図において、１は冷蔵庫の内箱で、ディバイダ２により
冷凍室３と冷蔵室４に区画されている。５は冷蔵室４と
野菜室６を区画する仕切壁である。７，８，９はそれぞ
れ冷凍室扉、冷蔵室扉、野菜室扉で、野菜室扉９は引出
し式になっている。１０は冷却器で、この冷却器で冷や
された冷気がファン１１によりファングリル１２に設け
られた吹出口１３から冷凍室３に吹き出される。１４は
冷凍室吸込口、１５は冷凍室吸込通路、１６は冷凍室３
の背面に設けられた吸込口、１７は冷却器１０で冷やさ
れた冷気を送風ダクト１８へ導く連結ダクトである。

送風ダクト１８へ吹き出された冷気の一部は、冷蔵室開
口１９から冷蔵室温度調節用ダンパサーモスタット２０
を介して冷蔵室ダクト２３、冷蔵室４、冷蔵室吸込口２
１、冷蔵室吸込ダクト２２を通り冷却器１０へもどるよ
うに構成されている。

前記冷蔵室温度調節用ダンパサーモスタット２０は、送
風ダクト１８の冷蔵室開口１９を冷蔵室４の温度を感知
して開閉し、その温度調節をする。２４は冷蔵室ダクト
２３をおおう化粧カバー、２５は棚、２６は野菜室６か
ら冷蔵室４への通風口、２７は通風口に設けたシャッ
タ、２８は野菜室扉９に固定されたアーム２９に載置さ
れた野菜ケースである。３０は一端に冷蔵室ダクト２３
に開口する開口部３１を設け、他端に野菜室６の背壁に
開口する冷気送風口３２を設けた野菜室専用ダクトで、
冷蔵室４の背面の断熱材内に埋設されている。２７′は
送風口３２に相対して配設され、冷気送風口３２を開閉
するシャッタである。

野菜室扉９に固着したアーム２９に懸装された野菜ケー
ス２８は、野菜室扉９を前方に引出すことにより、内箱
１に配設されたレール（図示せず。）にアーム２９が案
内されて引出される。野菜ケース２８の前面と野菜室扉
９内側面との間には所定間隔をおいて空間が設けてあ
り、野菜室６背壁の冷気送風口３２より送風された冷気
は、野菜ケース２８の背面および底面と内箱１とにより
形成される風路と上記空間を通って野菜室６内を冷却
し、仕切壁５の前側に設けた通風口２６を通って冷蔵室
４内に入り、冷蔵室４を冷却する冷気と合流して冷却器
１０の収納部に戻るように構成されている。

なお、野菜ケース２８は野菜室扉９を引き出すことによ
りアーム２９に載置された状態で引き出されるが、蓋３
３は冷蔵庫本体側に残るように構成されている。

このように構成された冷蔵庫においては、冷蔵室温度調
節用ダンパサーモスタット２０により調節された冷気
は、野菜室専用ダクト３０を通って冷気送風口３２から
野菜室６に吹出される。この冷気は野菜ケース２８の周
囲を巡回して野菜ケース２８を冷やし通風口２６から冷
蔵室４に吹出す。そのため、野菜室６の温度制御は冷蔵
室温度調節用ダンパサーモスタット２０に依存し、ま
た、野菜室６の温度はシャッタ２７，２７′で送風口２
６，３２の開口面積を調節し風量を制御することによっ
て行われる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の冷蔵庫は以上のような構成になっていて、湿度に
ついては制御できなかったので、野菜ケース２８内の湿
度は野菜の量に依存し、野菜が多ければ湿度が高くなっ
て野菜ケース２８の周囲に結露したり、底に露がたま
り、これが野菜の腐敗を促進した。また、野菜室６の温
度は、冷蔵室４の温度に依存するが、冷蔵室４と野菜室
６は仕切壁５で仕切られているので、食品の量や扉開閉
数のちがいから必ずしも適正に制御されなかった。

この考案は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、野菜ケース内の温度、湿度を適切に制御す
ることができ、野菜等の保存性を大幅に改善できる冷蔵
庫を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る冷蔵庫は、野菜室の野菜ケース内の湿度
を検出する湿度センサーと、この湿度センサーの検出信
号により駆動されて野菜ケースのケース外へ通ずる連通
口を開閉する野菜ケースダンパと、野菜ケース内の温度
を検出する温度センサーと、この温度センサーの検出信
号により駆動されて野菜室内への冷気送風口を開閉する
野菜室ダンパとを備えたものである。

〔作用〕

上記構成の冷蔵庫においては、湿度センサーが検出すべ
き野菜ケース内の湿度、温度センサーが検出すべき野菜
ケース内の温度を、あらかじめ適正値に設定しておけ
ば、野菜ケース内の湿度と温度を常に適正値に保持する
ことができる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明する。第
１，２図において、１〜２６、２８〜３２は第３図にお
けると同一または相当部分を示す。３３は野菜ケース２
８の蓋、３４は冷気送風口３２に設けられた野菜室ダン
パ、３５は野菜ケース２８の蓋３３の裏に取付けられ、
野菜ケース２８内の温度を検出する温度センサーであ
る。ダンパ３４は温度センサ３５の検出信号により駆動
されて冷気送風口３２を開閉する。３６は野菜ケース２
８の蓋３３の裏に取付けられた野菜ケースダンパ、３７
は蓋３３の裏に取付けられ、野菜ケース２８内の湿度を
検出する湿度センサーである。ダンパ３６は湿度センサ
ー３７の検出信号により駆動されて蓋３３の連通口３８
を開閉する。

このように構成された冷蔵庫では次のように冷却と温度
の制御がなされる。冷却器１０で冷やされた冷気はファ
ン１１により吹出口１３を経て、冷凍室３内に吹き出さ
れ、冷凍室３を冷却後冷凍室吸込口１４から冷凍室吸込
通路１５を経て、また吸込口１６から冷却器１０へもど
る。また、冷気の一部は連結ダクト１７から送風ダクト
１８を通り、冷蔵室開口１９から冷蔵室温度調節用ダン
パサーモスタット２０を通り冷蔵室ダクト２３を経て冷
蔵室４に吹き出され、冷蔵室４を冷却後、冷蔵室吸込口
２１、冷蔵室吸込ダクト２２を通り冷却器１０へもど
る。冷蔵室４の温度は冷蔵室温度により開閉する冷蔵室
温度調節用ダンパサーモスタット２０により適温（たと
えば３〜４℃）に制御される。

また、送風ダクト１８の冷気の一部は野菜室専用ダクト
３０を通り冷気送風口３２から野菜室６に吹き出され、
野菜ケース２８をその外周から冷却する。このとき、野
菜ケース２８の蓋３３に設けられた温度センサー３５に
より野菜室ダンパ３４が開閉されるので、これによって
野菜室６内へ冷気量は制御され、野菜ケース２８内の温
度がコントロールされる。

また、野菜ケース２８は蓋３３によりほぼ密閉状態にな
っているため、野菜等を保存した場合、野菜からの蒸散
により高湿となり露などが内壁につき、これが野菜等に
付着して野菜等の腐敗を促進するが、このように野菜ケ
ース２８内が多湿となった場合には、そのときの湿度を
湿度センサー３７が検出し、野菜室湿度ダンパ３６を駆
動して蓋３３の連通口３８を開閉し、野菜ケース２８内
の湿度を適正（たとえば９０％ＲＨ）に保持する。

なお、上記実施例では、冷凍室、冷蔵室、野菜室をもつ
３ドア冷蔵庫について説明したが、４ドア冷蔵庫など他
の形態の冷蔵庫に応用しても上記実施例と同様の効果を
奏する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、野菜室に吹き出す冷
気量を野菜ケース内の温度により開閉する野菜室ダンパ
により制御し、野菜ケース内の温度を野菜ケース内の湿
度により開閉する野菜室湿度ダンパにより制御するよう
にしたので、野菜ケース内の野菜の有無や量、外気温度
等に影響されることなく、いつも野菜ケース内の温度、
湿度を適切に制御することができ、野菜等の保存性を大
幅に改善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図は扉を除
去した第１図の冷蔵庫の正面図、第３図は従来の冷蔵庫
を示す縦断面図である。 ６は野菜室、２８は野菜ケース、３２は冷気送風口、３
３は野菜ケース２８の蓋、３４は野菜室ダンパ、３５は
温度センサー、３６は野菜ケースダンパ、３７は湿度セ
ンサー、３８は連通口である。 なお、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】庫内に設けられ、外部へ引出し可能な野菜
   ケースと、この野菜ケースが前記庫内に収納された際、
   前記野菜ケースの上部を覆い、前記野菜ケースをほぼ密
   閉状態にする蓋と、この蓋の近傍に配置され、前記野菜
   ケース内の湿度および温度を検出する湿度センサーおよ
   び温度センサーと、前記湿度センサーの検出信号により
   駆動されて前記野菜ケースと前記庫内へ通ずる連通口を
   開閉する野菜ケースダンパと、前記温度センサーの検出
   信号により駆動されて前記庫内の野菜ケース周辺への冷
   気送風口を開閉する野菜室ダンパとを備えた冷蔵庫。