JPH06180963A - カートリッジケース入り光ディスク媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 光ディスク装置に装着される際に光ディスク
媒体１と光ディスク装置とを固定する装着金属部材２が
挿入される凹状の装着金属部材挿入部を有する光ディス
ク媒体１と、カートリッジケース３とからなり、上記装
着金属部材２の厚さが、上記カートリッジケース３にお
ける光ディスク媒体１の回転中心部付近の内部空間の厚
さ方向の隙間の大きさより大であることを特徴とするカ
ートリッジケース入り光ディスク媒体。 【効果】 装着金属部材を光ディスク媒体に固着または
封止する必要がなく、装置金属部材の取付け工程は装着
金属部材を光ディスク媒体に設けられた凹状の挿入部に
挿入するだけで済み、工程を簡略化できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカートリッジケース入り
の光ディスク媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク媒体は光ディスク装置で回転
されることにより、記録された信号の読み取り、信号の
記録等が行われる。回転中に光ディスク装置のスピンド
ルから光ディスク媒体が脱離せず安定に回転を継続する
ために、光ディスク装置のスピンドルに光ディスク媒体
が固定される必要がある。光ディスク媒体を光ディスク
装置に固定する方式には、大きく分けて２つある。一つ
は、光ディスク装置に設けられたクランピング部材で、
光ディスク媒体の回転中心付近（回転中心の周囲）を押
さえ込み、機械的に光ディスク媒体を上下より挟み込ん
で光ディスク媒体を光ディスク装置のスピンドルに固定
する方式である。また、他の一つは、光ディスク媒体の
回転中心部付近に固着または封止により設けられた装着
金属部材を、光ディスク装置のスピンドルに設けられた
磁石で吸引することにより磁力的に光ディスク媒体をス
ピンドルに固定する方式である。

【０００３】前者の方式は、実用化された光ディスクシ
ステム（光ディスク媒体と光ディスク装置との総称の意
味で使用する。）でいえば、コンパクトディスク（Ｃ
Ｄ）、レーザーディスク（ＬＤ）および一部の追記型光
ディスク（ＷＯＲＭ）に用いられている。後者の方式
は、ＩＳＯ国際規格の追記型光ディスク（ＷＯＲＭ）、
光磁気（ＭＯ）ディスクおよびミニディスク（ＭＤ）に
用いられている。前者の方式は、後者の方式に比較して
装着金属部材が不要であるだけ部材数が少なくて済み、
製造工程が簡単で、光ディスク媒体の製造コストが低い
という特徴をもつ。一方、後者の方式は、前者の方式に
比較して、光ディスク装置に高価なクランピング部材を
設けることに代えてスピンドルに安価な磁石を設けてあ
るために、光ディスク装置の製造コストが低くなるだけ
でなく、かさ高いクランピング部材が不要であるだけ光
ディスク装置をコンパクトにすること、特に光ディスク
装置の厚さを薄くすることが可能である。したがって、
近年、光ディスク装置の小型化が要望されるにつれて、
後者の方式が採用される傾向がある。また、光ディスク
媒体の取扱いを簡便にするために、光ディスク媒体をカ
ートリッジケースに納めて使用することが好まれる傾向
がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、後者の
方式に於いては、上記の装着金属部材を光ディスク媒体
に固着（接着、超音波融着などによる。）または封止
（脱落防止用のツメを設置することによる。）すること
が必要であり、装着金属部材の材料費を要することのほ
か、装着金属部材を取付ける工程が必要になる。したが
って、この装着金属部材取付工程による設備費および運
転費の増大ならびに不良品発生による歩留まり低下によ
る光ディスク媒体製造コストの増大が生じる。

【０００５】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
ので、装着金属部材を固着または封止する必要がなく、
製造工程が簡略化されるカートリッジケース入り光ディ
スク媒体を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のカートリッジケース入り光ディスク媒体
は、光ディスク装置に装着される際に光ディスク媒体と
光ディスク装置とを固定する装着金属部材が挿入される
凹状の装着金属部材挿入部を有する光ディスク媒体と、
カートリッジケースとからなり、上記装着金属部材の厚
さが、上記カートリッジケースにおける光ディスク媒体
の回転中心部付近の内部空間の厚さ方向の隙間の大きさ
より大であることを特徴とする。なお、上記の隙間の大
きさとは、カートリッジケースの上記内部空間の厚さか
ら、光ディスク媒体の厚さを引いた大きさをいう。

【０００７】

【実施例】本発明のカートリッジケース入り光ディスク
媒体の一例を示す図１を用いて本発明を具体的に説明す
る。図１は本発明のカートリッジケース入り光ディスク
媒体の平面図（ｂ）と立面断面図（ａ）とである。この
立面断面図（ａ）は平面図（ｂ）に示す１点鎖線ａ−
ａ′で切断してできる断面を立面図としたものである。

【０００８】本発明における光ディスク媒体１は、例え
ば、厚さ１．２ｍｍのポリカーボーネート製円盤（ディ
スク基板）であり、このディスク基板は、デジタル信号
化された音楽信号などが大きさ１μｍ程度の微小な凹部
として同心円状に配列されて記録されたり、光磁気効果
をもつ記録膜がスパッタリング法によりコーティングさ
れたりしている。なお、本明細書において、「光ディス
ク媒体」とは図１に示すような円盤状の部材をいう。

【０００９】本発明のカートリッジケース入り光ディス
ク媒体は少なくとも、上記の光ディスク媒体１と装着用
金属部材２とこれらを収納するカートリッジケース３と
からなるものであり、通常、この他にシャッター部材４
を有する。シャッター部材４はカートリッジケース３に
設けられた開口部５を覆い隠すように、図１の左右方向
にスライドさせることができる。

【００１０】上記のカートリッジケース入り光ディスク
媒体は、これを駆動して信号を記録、再生等する装置
（プレーヤーまたはドライブと称される。）にセットさ
れるとシャッター部材４がスライドして開口部５が露出
され、この開口部５より信号の記録、再生のために必要
なレーザービームが光ディスク媒体１に照射される。ま
た、プレーヤーまたはドライブの光ディスク回転支持体
の回転中心は上記凸部７に相対し、当該回転支持体に設
けられた磁石が装置用金属部材２を充分に強い力で吸着
し、この吸着力によって光ディスク媒体１は上記光ディ
スク回転支持体に固定され、光ディスク回転支持体の回
転に応じて光ディスク媒体１が回転する。

【００１１】上記の装着用金属部材２は光ディスク媒体
１の回転中心部に設けられた凹部６に挿入され、この凹
部６の光ディスク媒体面の裏側にほぼ対応する位置に設
けられた凸部７の直径はカートリッジケース３の中央に
設けられた円形開口部８の直径より小さく作られてお
り、凸部７は円形開口部８の中で回転する。

【００１２】本発明における装着用金属部材２の厚さ
は、カートリッジケース３における光ディスク媒体１の
回転中心部付近の内部空間の厚さ方向の隙間より大であ
る。例えば、装着用金属部材２の厚さ（断面図の上下方
向の大きさ）が３．６ｍｍであれば、カートリッジケー
ス３の内部空間の高さ４．０ｍｍ（断面図の上下方向）
から光ディスク媒体１の厚さ１．２ｍｍ（断面図の上下
方向）を差し引いた隙間の大きさ２．８ｍｍよりも上記
装着用金属部材２の厚さが大きい。かかる場合、カート
リッジケース３の内壁と光ディスク媒体１との間隙が充
分に小さいので、装着用金属部材２が光ディスク媒体１
の凹部６から脱落することがない。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のカートリッ
ジケース入り光ディスク媒体によれば、装着金属部材を
光ディスク媒体に固着または封止する必要がなく、装着
金属部材の取付け工程は装着金属部材を光ディスク媒体
に設けられた凹状の挿入部に挿入するだけで済むため、
工程を簡略化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１に示す本発明のカートリッジケース入
り光ディスク媒体の一例の平面図と立面断面図である。

【符号の説明】

１…光ディスク媒体 ２…装着金属部材 ３…カートリッジケース ４…シャッター部材 ５…開口部 ６…光ディスク媒体の凹部 ７…光ディスク媒体の凸部 ８…円形開口部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスク装置に装着される際に光ディ
   スク媒体と光ディスク装置とを固定する装着金属部材が
   挿入される凹状の装着金属部材挿入部を有する光ディス
   ク媒体と、カートリッジケースとからなり、上記装着金
   属部材の厚さが、上記カートリッジケースにおける光デ
   ィスク媒体の回転中心部付近の内部空間の厚さ方向の隙
   間の大きさより大であることを特徴とするカートリッジ
   ケース入り光ディスク媒体。