JPH061808U

JPH061808U - 低摩擦型シリンダ

Info

Publication number: JPH061808U
Application number: JP4832592U
Authority: JP
Inventors: 公平川口
Original assignee: 三立精機株式会社
Priority date: 1992-06-17
Filing date: 1992-06-17
Publication date: 1994-01-14

Abstract

(57)【要約】【目的】ピストンロッドの作動力を小さく抑えた低摩
擦型シリンダを提供することを目的とする。【構成】シリンダ１内に嵌入するピストン２をテフロ
ン等の低摩擦樹脂製となし、前記ピストン２のピストン
ロッド３と嵌合するシリンダ両側のブッシユ４，５との
界面に静圧軸受６，７を構成する流体導入路ａ，ｂ，ｃ
を形成し、前記シリンダ内に導入されるピストンの作動
流体Ｅ１の一部を前記静圧軸受に導入させる低摩擦型シ
リンダである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、極めて低い静摩擦及び動摩擦で作動するように改良した低摩擦型シリンダに関する。

【０００２】

【従来技術と問題点】

従来の流体シリンダは、金属製のシリンダ及びピストン，ピストンロッドとこの軸受ブッシュから構成されたものが主流である。従って、動き始めの静摩擦抵抗や作動中の動摩擦抵抗が大きいため、その作動力も４００ｇ以上の押圧力となり、極めて小さな作動力を要求されるアクチュエータには適合しない。そこで、実開昭６０ー１４３９０２号公報に見るよう、ピストンとシリンダ及びピストンロツドとシリンダのブッシュの界面に、流体の静圧を加える流体導入路とこの流体排出路とを備えた低摩擦型シリンダが提供されている。

【０００３】上記静圧軸受を備えたシリンダにおける問題点は、長いピストンロッド端部からシリンダとの摺動面に至るピストンにわたって長い通路の流体導入路とこの流体排出路とを各々備えなければならず、通路の加工が困難である。また、ピストンロッドとシリンダのブツシュとの界面にも静圧軸受の流体導入路と流体排出路との２本の通路を設けなければならなず、通路の加工費が嵩む。更に、ピストンロッドを作動させる該流体導入ポートと静圧流体導入，導出路が別々であるから、配管が複雑となり、メンテナンス性も悪い等の問題点が有り、小型の低摩擦型シリンダには適していない。

【０００４】

【考案が解決する課題，目的】

本考案は、前記従来技術の低摩擦型シリンダが持つ問題点を解決するもので、静圧軸受を流体導入路側だけにより構成し、簡潔且つ、低廉な低摩擦型シリンダを提供することに成功した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記課題，目的を解決するための手段として、シリンダ内に嵌入するピストンをテフロン等の低摩擦樹脂製となし、前記ピストンのピストンロッドと嵌合するシリンダ両側のブッシユとの界面に静圧軸受を構成する流体導入路を形成し、前記シリンダ内に導入されるピストンの作動流体の一部を前記静圧軸受に導入させることを特徴とする低摩擦型シリンダとしたものである。

【０００６】これにより、シリンダ内のピストンを作動すべく、作動流体をシリンダ内に圧入供給すると、この一部がピストンロッドと嵌合するシリンダ両側のブッシユとの界面に形成される静圧軸受に供給される。従って、ピストン作動のための圧力流体の供給だけにより、静圧軸受も同時に成立し、極めて低い静摩擦によってピストンが軽く動き始める。動摩擦についても同様に極めて低い値となり、軽く動くことができ、低作動力で作動したいアクチュエータとしての性能を具備する。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の低摩擦型シリンダの断面図であり、図２は図１のＡ−Ａ線の断面図であり、図３は従来型と本考案低摩擦型シリンダとの性能比較を示す作用図である。

【０００８】先ず、図１，２において、本考案の低摩擦型シリンダ１０を説明する。１のシリンダ内には、これに嵌入するピストン２を低摩擦係数の材質であるテフロン等の樹脂製となしている。前記ピストン２を中腹部に嵌着するピストンロッド３の両側軸部３Ａ，３Ｂは、これに嵌合する界面のシリンダ両側ブッシユ４，５に凹環状の静圧軸受６，７を構成する。前記静圧軸受６，７の凹環状６Ａ，７Ａに連絡する流体導入路ａ，ｂ，ｃはシリンダ壁内に形成され、且つこの流体導入路ａ，ｂ，ｃは前記シリンダ空間Ｃ１内に導入する流体ポート８に連結している。しかして、流体ポート８に供給される作動流体Ｅ１の大部分はピストン２を作動するシリンダ１の空間Ｃ１内に送り込まれ、その一部が前記静圧軸受６，７の凹環状６Ａ，７Ａへ導入されて静圧軸受６，７を形成し、外部へ放出する関係に構成されている。

【０００９】図１，２においては、流体ポート８に供給される作動流体Ｅ１でピストン２は、図示の左側へ移動し、流体ポート９に供給される作動流体Ｅ２でピストン２は、図示の右側へ移動する関係をなしている。また、図示では流体ポート８に供給される作動流体Ｅ１の一部のみが前記静圧軸受６，７に供給される片側静圧形態になっているが、流体ポート９に供給される作動流体Ｅ２でも前記静圧軸受６，７に流体を供給させる両側静圧形態にすることが望ましい。尚、この実施例では、前記ピストンロッド３の左側軸部３Ａに、研削用の砥石１１が付設され、上下に往復動するワークＷに所定の低加圧力を付与する関係を示している。

【００１０】本考案は、前記のように構成され以下のように作用する。シリンダ１内のピストン２を軽く作動すべく、作動流体Ｅ１を流体ポート８からシリンダ内に圧入供給すると、この一部がピストンロッド３と嵌合するシリンダ両側のブッシユ４，５との界面に形成される静圧軸受６，７に圧力流体が供給される。従って、ピストン作動のための圧力流体の供給をもつて、静圧軸受も同時に成立する。これは、図３に示すよう極めて低い静摩擦（ピーク値）Ｍ１によってピストン２が軽く動き始める。動摩擦Ｍ２についても同様に極めて低い値となり、軽く動くことができ、低作動力Ｆ（５０から１００ｇ）で作動したいアクチュエータとしての性能を具備している。これに対して、従来型のシリンダ２０では、図３に示すよう、特に静摩擦Ｍ３が大きく、又動摩擦Ｍ４も大きな値を示している。従って、この低摩擦型シリンダ１０の使用により、例えば低加圧力制御を行いたいバリ取り機等の加圧シリンダとしての性能を満足させる。

【００１１】

【他の実施例】

本考案は、上記一実施例に限定されることなく考案の要旨内での設計変更が可能であること勿論である。例えば、ピストンロツドの先端に付設する作動部材は、図示のものに限定されず、各種の軽い負荷を作動させられる。更に、シリンダ及びピストンの詳細構成も適宜変更しても本考案を逸脱することはない。

【００１２】

【効果】

本考案は、上記のように構成したから、ピストンを作動する作動流体をシリンダ内に圧入供給すれば、この一部がピストンロッドと嵌合するシリンダ両側のブッシユとの界面に供給され、静圧軸受を形成する。従って、ピストン作動のための圧力流体の供給だけで、静圧軸受も同時に成立し、低作動力で作動するアクチュエータが簡潔な構成によって実現できる。また、簡潔な構成であるから、製造コストも安い上、小型で高性能なアクチュエータを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の低摩擦型シリンダの断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線の断面図である。

【図３】従来型と本考案低摩擦型シリンダとの性能比較
作用図である。

【符号の説明】

１０低摩擦型シリンダ１シリンダ２テフロン等のピストン３ピストンロッド３Ａ，３Ｂ両側軸部４，５ブツシュ６，７静圧軸受６Ａ，７Ａ凹環状８，９流体ポートａ，ｂ，ｃ流体導入路Ｃ１，Ｃ２シリンダ空間Ｅ１，Ｅ２作動流体Ｍ１静摩擦Ｍ２動摩擦Ｆピストンの低作動力

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シリンダ内に嵌入するピストンをテフロ
ン等の低摩擦樹脂製となし、前記ピストンのピストンロ
ッドと嵌合するシリンダ両側のブッシユとの界面に静圧
軸受を構成する流体導入路を形成し、前記シリンダ内に
導入されるピストンの作動流体の一部を前記静圧軸受に
導入させることを特徴とする低摩擦型シリンダ。