JPH06180584A - 効果付加装置 - Google Patents

効果付加装置

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JPH06180584A
JPH06180584A JP4354210A JP35421092A JPH06180584A JP H06180584 A JPH06180584 A JP H06180584A JP 4354210 A JP4354210 A JP 4354210A JP 35421092 A JP35421092 A JP 35421092A JP H06180584 A JPH06180584 A JP H06180584A
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JP
Japan
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signal
filter
envelope
input
pitch
Prior art date
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Pending
Application number
JP4354210A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsukazu Nakae
哲一 仲江
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部音響信号を取り込んで、弦楽器のチョッ
パーベース奏法により得られる楽音を発生する効果付加
装置を提供することを目的としている。 【構成】 人が発声した音声をディジタル変換して音声
ディジタル信号X(n) として取り込み、この音声ディジ
タル信号X(n) をエンベロープ抽出処理部32でエンベ
ロープ抽出して、エンベロープ信号E(n) をフィルタ係
数選択部31に出力する。フィルタ係数選択部31はこ
のエンベロープ信号E(n) に基づいてフィルタ係数部3
3に記憶されているフィルタ係数のうち適切なフィルタ
係数を選択し、帯域通過フィルタ30に出力する。帯域
通過フィルタ30はこのフィルタ係数により音声ディジ
タル信号X(n) をフィルタ処理し、信号Y(n) をピッチ
変換処理部34に出力する。ピッチ変換処理部34はこ
の信号Y(n) をピッチ変換して1オクターブダウンさ
せ、出力ディジタル信号Z(n) として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部から入力される音
声等の外部音響信号を検出し、この検出音響信号に対し
て種々の処理を施してチョッパーベース奏法による楽音
を出力する効果付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、外部から入力される外部音響
信号、特に、入力される音声信号に対して、種々の効果
を付与して出力することより、より高級な、あるいは面
白味のある音声とする装置が提案されている。
【0003】このような装置の代表的なものとしては、
例えば、カラオケ装置があり、カラオケ装置では、コー
ラスやエコー等の効果を付与している。
【0004】また、近年、人が発声した音声を外部音響
信号として取り込み、この外部音響信号をスペクトル変
換することにより、現存する種々の楽器から発生される
楽音に近い音声を発生させるような試みが為されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
効果を付与する装置にあっては、現存する種々の楽器か
ら発声される楽音に近い音声を発生することは、種々試
みられているが、現存する楽器を特殊な奏法で演奏した
場合に発生される音声を発生するものはなかった。
【0006】ところが、より面白味のある効果を付加す
るという面からは、現存する楽器を特殊な奏法により発
生される楽音を発生させる装置が求められている。特
に、弦楽器における特殊奏法として、親指と人差し指又
は中指等を使用して弾くチョッパーベース奏法は、親指
で主に弦を叩き、人差し指等で弦を引っ張り上げて離し
て、フィンガーボードに強く当てることによって音を出
しており、このようなチョッパーベース奏法では、その
奏法の特殊性から、発生音に通常の奏法とは異なる特有
のノイズや音が含まれているため、従来の効果を付与す
る装置では、試みられておらず、このような特殊奏法に
より発生される楽音を発生させる装置が求められてい
る。
【0007】そこで、本発明は、外部音響信号を取り込
んで、弦楽器のチョッパーベース奏法により得られる楽
音を発生することのできる効果付加装置を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の効果付加装置
は、外部より音響信号を入力する入力手段と、前記入力
手段により入力された音響信号からエンベロープを抽出
するエンベロープ抽出処理と、前記エンベロープ抽出処
理により得られたエンベロープ信号に基づいて前記入力
手段から入力された音響信号の特定帯域の信号のみ抽出
するフィルタ処理と、前記フィルタ処理により抽出され
た特定帯域の音響信号のピッチを下降させて出力するピ
ッチ下降処理と、を行なう信号処理手段と、を有するこ
とにより、上記目的を達成している。
【0009】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記信号処理手段が、複数種のフィルタ係数を記
憶する記憶手段を有し、前記フィルタ処理が、前記エン
ベロープ抽出処理により抽出されたエンベロープ信号の
レベルに応じて前記記憶手段から所望のフィルタ係数を
読み出す係数選択処理と、前記係数選択処理により選択
されたフィルタ係数に基づいて前記入力手段から入力さ
れた外部音響信号の特定帯域の信号のみ抽出するバンド
パスフィルタ処理と、を行なうものであってもよい。
【0010】また、前記ピッチ下降処理は、例えば、請
求項3に記載するように、前記フィルタ処理からの音響
信号のピッチを1オクターブ分下降させるオクターブ下
降処理を行なってもよい。
【0011】また、本発明の効果付加装置は、外部より
音響信号を入力する入力手段と、前記入力手段により入
力された音響信号からエンベロープを抽出するエンベロ
ープ抽出手段と、前記エンベロープ抽出手段により得ら
れたエンベロープ信号に基づいて前記入力手段から入力
された音響信号の特定帯域の信号のみ抽出するフィルタ
手段と、前記フィルタ手段により抽出された特定帯域の
音響信号のピッチを下降させて出力するピッチ下降手段
と、から成る信号処理手段と、を有することにより、上
記目的を達成している。
【0012】この場合、例えば、請求項5に記載するよ
うに、前記信号処理手段は、複数種のフィルタ係数を記
憶する記憶手段を有し、前記フィルタ手段は、前記エン
ベロープ抽出処理により抽出されたエンベロープ信号の
レベルに応じて前記記憶手段から所望のフィルタ係数を
読み出す係数選択手段と、この係数選択手段により選択
されたフィルタ係数に基づいて前記入力手段から入力さ
れた外部音響信号の特定帯域の信号のみ抽出するバンド
パスフィルタ手段と、を有してもよい。
【0013】また、前記ピッチ下降手段は、例えば、請
求項6に記載するように、前記フィルタ処理からの音響
信号のピッチを1オクターブ分下降させるオクターブ下
降手段であってもよい。
【0014】
【作用】本発明の効果付加装置によれば、外部より入力
された音響信号からエンベロープを抽出し、このエンベ
ロープ信号に基づいて、入力された音響信号の特定帯域
の信号のみ抽出する。そして、この抽出された特定帯域
の音響信号のピッチを下降させて出力する。
【0015】したがって、外部音響信号のエンベロープ
信号に基づいて外部音響信号の特定帯域の信号を抽出す
ることにより、所定のノイズを取り込むことができ、ま
た、この特定帯域の音響信号のピッチを下降させること
により、チョッパーベース奏法の音程に調整することが
できる。その結果、弦楽器のチョッパーベース奏法によ
り得られる楽音を発生させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0017】図1〜図10は、本発明の効果付加装置の
一実施例を示す図である。
【0018】図1は、効果付加装置1の全体回路ブロッ
ク図であり、効果付加装置1は、マイクロフォン2、ア
ンプ3、ローパスフィルタ4、A/D変換器5、DSP
(Digital Signal Processor)6、フィルタ係数ROM
7、ワークRAM8、D/A変換器9、アンプ10及び
スピーカ11等を備えている。
【0019】上記DSP6、フィルタ係数ROM7、ワ
ークRAM8及びD/A変換器9は、バス12により接
続されている。
【0020】マイクロフォン2は、演奏者が発音した音
声をアナログ声信号に変換して、アンプ3に出力し、ア
ンプ3は、このアナログ声信号を増幅してローパスフィ
ルタ4に出力する。
【0021】ローパスフィルタ4は、入力されるアナロ
グ声信号にフィルタ処理を施して、A/D変換回路5に
出力し、A/D変換回路5は、フィルタ処理されたアナ
ログ声信号を音声ディジタル信号X(n) に変換してDS
P6に出力する。
【0022】したがって、マイクロフォン2、アンプ
3、ローパスフィルタ4及びA/D変換回路5は、全体
として演奏者の発声動作による外部音響信号を音声ディ
ジタル信号X(n) として入力する入力手段として機能
する。
【0023】DSP6は、フィルタ係数ROM7に記憶
されているフィルタ係数を利用し、ワークRAM8をワ
ークメモリとして使用して、後述するように、音声ディ
ジタル信号X(n) にエンベロープ抽出処理、フィルタ処
理及びピッチ下降処理を施すことにより効果を付加し
て、出力ディジタル信号Z(n) をD/A変換器9に出力
する。
【0024】D/A変換器9は、DSP6から入力され
る出力ディジタル信号Z(n) をアナログ信号に変換し
て、アンプ10に出力し、アンプ10でアナログ信号を
増幅して、スピーカ11から放音する。
【0025】すなわち、効果付加装置1は、演奏者が、
マイク2に向かって発声動作すると、発声によりマイク
ロフォン2から入力されたアナログの声信号をアンプ3
で増幅した後、ローパスフィルタ4及びA/D変換回路
5で音声ディジタル信号X(n) に変換し、DSP6に入
力する。DSP6は、音声ディジタル信号X(n) に基づ
いて、まず、ピッチ抽出を行ない、次に、フィルタ処理
を施して、音声ディジタル信号X(n) のうちこのエンベ
ロープ抽出により得られたエンベロープ信号に応じた特
定帯域の信号のみを抽出する。そして、このフィルタ処
理により抽出された特定帯域の音声ディジタル信号X
(n) のピッチを、ピッチ下降処理により下降させ、出力
ディジタル信号Z(n) としてD/A変換器9に出力す
る。D/A変換器9は、DSP6から入力された出力デ
ィジタル信号Z(n) をアナログ出力楽音信号に変換し、
アンプ10で増幅した後、スピーカ11から放音する。
【0026】図2は、図1のDSP6の構成図である。
【0027】DSP6は、インタフェース20、アドレ
スカウンタ21、オペレーションROM22、デコーダ
23、乗算器24、フラグレジスタ25、加減算器26
及びレジスタ群27等を備えている。
【0028】インタフェース20は、図1に示したD/
A変換器9に接続されるバス28及びA/D変換器5に
接続されるバス29を収容し、各バスと内部の回路とを
接続する。
【0029】オペレーションROM22は、DSP6全
体の動作を制御するマイクロプログラムを格納したRO
Mであり、アドレスカウンタ21からの指定アドレスに
基づいて対応するプログラム命令が読み出される。オペ
レーションROM22の出力は、デコーダ23にも与え
られており、DSP6内の各回路に各種制御信号を出力
し、所望の動作を行なわせる。
【0030】また、DSP6の内部バスには、図1のフ
ィルタ係数ROM7及びワークRAM8が接続されて、
オペレーションROM22のプログラム命令に従って適
宜フィルタ係数データや音声ディジタル信号X(n) 等
がDSP6に対して供給されたり、或いはワークRAM
8に対して入出力されたりする。
【0031】乗算器24及び加減算器26は、それぞれ
2入力、1出力の形式で内部バスに接続されており、各
種演算処理を行なう。そして、この加減算器26からの
演算結果(比較結果等)に従ってジャッジ処理をするた
め、フラグレジスタ25を介して、アドレスカウンタ2
1へジャッジ結果を示すフラグ信号が送出され、このフ
ラグレジスタ25の出力に応じてアドレスカウンタ21
のアドレス値が適宜変更されて、オペレーションROM
22からはアドレスジャンプされたプログラム命令が読
み出される。そして、レジスタ群27は、演算途中のデ
ータを記憶する複数のレジスタからなり、乗算器24ま
たは加減算器26の各入出力端子に内部バスを介して接
続されている。
【0032】次に、DSP6は、そのDSP6で実現す
る機能を疑似的に表わすと、図3のように示され、その
機能は、帯域通過フィルタ(BPF)30、フィルタ係
数選択部31、エンベロープ抽出処理部32、フィルタ
係数部33及びピッチ変化処理部34で実現される。
【0033】このDSP6では、音声ディジタル信号X
(n) は、帯域通過フィルタ30及びエンベロープ抽出処
理部32に入力され、帯域通過フィルタ30のフィルタ
係数は、フィルタ係数選択部31により設定される。こ
のフィルタ係数選択部31は、エンベロープ抽出処理部
32の抽出したエンベロープ信号に基づいて、フィルタ
係数部33に格納されているフィルタ係数から帯域通過
フィルタ30のフィルタ係数を選択して設定し、帯域通
過フィルタ30は、このフィルタ係数で音声ディジタル
信号X(n) をフィルタ処理して、ピッチ変換処理部34
に出力する。ピッチ変換処理部34は、帯域通過フィル
タ30でフィルタ処理された音声ディジタル信号X(n)
を1オクターブダウンするピッチ変換処理し、出力ディ
ジタル信号Z(n) として出力する。
【0034】エンベロープ抽出処理部32は、図4に示
すように、絶対値処理部(ABS)35と高域減衰フィ
ルタ(HCF)36により構成されている。
【0035】絶対値処理部35には、音声ディジタル信
号X(n) が入力され、絶対値処理部35は、音声ディジ
タル信号X(n) に絶対値処理を施して、音声ディジタル
信号X(n) の絶対値|X(n) |を高域減衰フィルタ36
に出力する。
【0036】高域減衰フィルタ36は、IIRディジタ
ルフィルタが使用され、その動作処理をZ変換で表わす
と、図5のように示される。
【0037】すなわち、高域減衰フィルタ36は、加算
器40、41、乗算器42、43、44、45、46及
び遅延器47、48で構成され、加算器40に音声ディ
ジタル信号X(n) の絶対値|X(n) |が入力される。加
算器40、41は、各入力を加算し、各乗算器42〜4
6は、それぞれ図5中に示す係数a0〜a2及び係数b
1、b2を乗算して、出力する。
【0038】ここで、各係数a0〜a2、b1、b2
は、以下の通りである。
【0039】a0=a2=a1/2=Tx2/(1+21/2
Tx+Tx2) b1=2(1−Tx2)/(1+21/2Tx+Tx2) b2=−(1−21/2Tx+Tx2)/(1+21/2Tx
+Tx2) なお、サンプリング周波数をfx、高域減衰周波数をf
0としたとき、Tx=tan(πf0/fs)である。
【0040】そして、加算器40は、音声ディジタル信
号X(n) の絶対値|X(n) |に乗算器42及び乗算器4
3の出力を加算して、乗算器44及び遅延器47に出力
し、乗算器44は、入力に係数a0を乗算して、加算器
41に出力する。遅延器47は、加算器40の出力を1
サンプリングタイミング遅延して遅延器48、乗算器4
2及び乗算器45に出力し、遅延器48は、遅延器47
の出力をさらに1サンプリングタイミング遅延して、乗
算器43及び乗算器46に出力する。乗算器42は、遅
延器47の出力に係数b1を乗算して、加算器40に出
力し、乗算器43は、遅延器48の出力に係数b2を乗
算して加算器40に出力する。また、乗算器45は、遅
延器47の出力に係数a1を乗算して、加算器41に出
力し、乗算器46は、遅延器48の出力に係数a2を乗
算して、加算器41に出力する。そして、加算器41
は、乗算器44、乗算器45及び乗算器46の出力を加
算して、エンベロープ信号E(n) として出力する。
【0041】したがって、高域減衰フィルタ36は、音
声ディジタル信号X(n) の絶対値|X(n) |に、次式で
表わされるフィルタリング処理を施してエンベロープを
抽出し、エンベロープ信号E(n) として出力する。
【0042】 E(n) =a0|X(n)|+a1|X(n-1)|+a2|X(n-2)| −b1E(n-1)−b2E(n-2) ・・・・・(1) そして、いま、マイクロフォン2から発声により発音さ
れた音声が入力されるので、高域減衰周波数f0として
は、80[Hz]程度が設定され、高域減衰フィルタ3
6は、この高域減衰周波数f0以上で12dB/オクタ
ーブ減衰させる。
【0043】このようにしてエンベロープ抽出されたエ
ンベロープ信号E(n) は、フィルタ係数選択部31に出
力され、フィルタ係数選択部31は、このエンベロープ
に対応するフィルタ係数をフィルタ係数部33に記憶さ
れているフィルタ係数から選択して、帯域通過フィルタ
30に出力する。そして、このフィルタ係数部33に
は、帯域通過フィルタ30の中心周波数f0が300〜
2000[Hz]の間で、40程度の中心周波数につい
てのフィルタ係数が予め記憶されている。
【0044】帯域通過フィルタ30は、フィルタ係数選
択部31から入力されるフィルタ係数に基づいて入力さ
れる音声ディジタル信号X(n) にフィルタ処理を施し、
ピッチ変換処理部34に出力する。
【0045】帯域通過フィルタ30は、上記高域減衰フ
ィルタ36と同様のIIRディジタルフィルタが使用さ
れ、Z変換で表わすと、図6のように示される。
【0046】図6において、帯域通過フィルタ30は、
加算器50、51、乗算器52、53、54、55、5
6及び遅延器57、58で構成され、加算器50に音声
ディジタル信号X(n) が入力される。加算器50、51
は、各入力を加算し、各乗算器52〜56は、それぞれ
図6中に示す係数a3〜a5及び係数b3、b4を乗算
して、出力する。
【0047】ここで、各係数a3〜a5、b3、b4
は、以下の通りである。
【0048】a3=(1+KTx/Q+Tx2)/(1
+Tx/Q+Tx2) a4=−b3=2(Tx2−1)/(1+Tx/Q+T
2) a5=(1−KTx/Q+Tx2)/(1+Tx/Q+
Tx2) b4=−(1−Tx/Q+Tx2)/(1+Tx/Q+
Tx2) なお、サンプリング周波数をfx、中心周波数をf0、
ゲインをG、共振の鋭さをQとしたとき、K=10
|G|/20、Tx=tan(πf0/fs)であり、いま、
音声が音声ディジタル信号X(n) として入力されるの
で、聴感上、例えば、G=25、Q=8が設定される。
【0049】そして、加算器50は、音声ディジタル信
号X(n) に乗算器52及び乗算器53の出力を加算し
て、乗算器54及び遅延器57に出力し、乗算器54
は、入力に係数a3を乗算して、加算器51に出力す
る。遅延器57は、加算器50の出力を1サンプリング
タイミング遅延して遅延器58、乗算器52及び乗算器
55に出力し、遅延器58は、遅延器57の出力をさら
に1サンプリングタイミング遅延して、乗算器53及び
乗算器56に出力する。乗算器52は、遅延器57の出
力に係数b1を乗算して、加算器50に出力し、乗算器
53は、遅延器58の出力に係数b2を乗算して加算器
50に出力する。また、乗算器55は、遅延器57の出
力に係数a1を乗算して、加算器51に出力し、乗算器
56は、遅延器58の出力に係数a2を乗算して、加算
器51に出力する。そして、加算器51は、乗算器5
4、乗算器55及び乗算器56の出力を加算して、フィ
ルタ処理信号Y(n) として図3に示すピッチ変換処理部
34に出力する。
【0050】したがって、帯域通過フィルタ30は、図
7に示すような帯域特性のフィルタを形成し、音声ディ
ジタル信号X(n) に、次式で表わされるフィルタリング
処理を施して、フィルタ処理信号Y(n) として出力す
る。
【0051】 Y(n) =a3X(n)+a4X(n-1)+a5X(n-2) −b3Y(n-1)−b4Y(n-2) ・・・・・(2) このように、音声ディジタル信号X(n) は、帯域通過フ
ィルタ30によりフィルタ処理され、信号Y(n) として
ピッチ変換処理部34に出力され、ピッチ変換処理部3
4は、この信号Y(n) をピッチ変換することにより、1
オクターブ降下させて、出力ディジタル信号Z(n) とし
てD/A変換器9に出力する。
【0052】D/A変換器9は、DSP6から入力され
た出力ディジタル信号Z(n) をアナログ出力楽音信号に
変換し、アンプ10で増幅した後、スピーカ11から放
音する。
【0053】次に、作用を説明する。
【0054】効果付加装置1は、マイクロフォン2に向
かって発声されると、この音声をマイクロフォン2で検
出し、アンプ3で増幅した後、ローパスフィルタ4でノ
イズを除去して、A/D変換器5でディジタル変換す
る。DSP6は、このディジタル変換された音声ディジ
タル信号X(n) を所定のサンプリングタイミング毎に取
り込み、上記図3に示したエンベロープ抽出処理、帯域
通過フィルタ処理及びピッチ変換処理を行なうことによ
り、チョッパーベース奏法で演奏された楽音としての音
声制御処理を行なって、D/A変換器9、アンプ10及
びスピーカ11を介して外部に発生する。
【0055】以下、効果付加装置1による音声制御処理
を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】効果付加装置1は、電源が投入されると、
まず、ワークRAM8の書込アドレスカウンタWA及び
読込アドレスカウンタRAをクリアし(ステップS
1)、ワークRAM8の内容をクリアして(ステップS
2)、初期設定処理を行なう。
【0057】初期設定処理が完了すると、A/Dフラグ
をチェックし(ステップS3)、A/Dフラグが「有
り」を示すのを待って、次の処理に移行する。このA/
Dフラグは、サンプリング周波数fs毎に、「有り」が
設定される。したがって、DSP6における処理は、サ
ンプリング周波数fsで設定されるサンプリング周期毎
に実行される。
【0058】A/Dフラグが「有り」を示すと、ステッ
プS4に移行して、ステップS4で、A/D変換器5
で、マイクロフォン2から取り込まれアンプ3及びロー
パスフィルタ4を介してA/D変換器5に入力されるア
ナログの音声信号をA/D(アナログ/ディジタル)変
換し、音声ディジタル信号X(n) に変換する。
【0059】そして、ステップS5で、音声ディジタル
信号X(n) のエンベロープ値E(n)を求めるエンベロー
プ抽出処理を行なう。
【0060】このエンベロープ抽出処理は、DSP6に
より、図4に示した絶対値処理及び高域減衰フィルタ処
理を実行することにより、エンベロープ値E(n) を求め
る処理であり、図9に示すように処理される。
【0061】すなわち、まず、ステップP1で、図4の
絶対値処理部35の処理に該当する絶対値処理を行な
い、音声ディジタル信号X(n) の絶対値|X(n) |を求
める。次いで、ステップP2で、図4の高域減衰フィル
タ36の処理に該当するフィルタ処理を行ない、図5に
示したIIRディジタルフィルタにより、上記(1)式
の処理を行なって、エンベロープ値E(n) を求める。
【0062】このエンベロープ抽出処理を行なうと、再
び、図8に戻って、ステップS6で、エンベロープ抽出
処理で求めたエンベロープ値E(n) に対応するフィルタ
係数を使用して、音声ディジタル信号X(n) から信号Y
(n) を求める帯域通過フィルタ処理(BPF処理)を行
なう。
【0063】このBPF処理は、DSP6により、図6
に示した帯域通過フィルタ処理を実行することにより、
信号Y(n) を求める処理であり、図10に示すように処
理される。
【0064】すなわち、まず、ステップQ1で、上記エ
ンベロープ抽出処理により得たエンベロープ値E(n) に
対応するフィルタ係数を読み出し、次に、ステップQ2
で、この読み出した係数を使用して、音声ディジタル信
号X(n) に上記式(2)に示すフィルタ処理を施すこと
により、信号Y(n) を求める。
【0065】このように、音声ディジタル信号X(n) の
エンベロープ信号E(n) に対応した特定帯域の信号のみ
を、音声ディジタル信号X(n) から取り出すことによ
り、音声ディジタル信号X(n) にチョッパーベース奏法
により発生するノイズと近似のノイズを付加することが
できる。
【0066】このBPF処理を終了すると、再び、図8
に戻って、ステップS7で、信号Y(n) のデータを書込
アドレスカウンタWAが示すアドレスに書き込み、ステ
ップS8で、書込アドレスカウンタWAをインクリメン
トする。
【0067】次に、ステップS9で、A/Dフラグが
「有り」かどうかチェックし、A/Dフラグが「有り」
になるまで、すなわち、次のサンプリングタイミングに
なるまで待って、次のサンプリングタイミングでサンプ
リングした音声信号に対して、ステップS10からステ
ップS14において、上記ステップS4からステップS
8までの処理と同様の処理を行なう。
【0068】すなわち、ステップS10で、次にサンプ
リングしたアナログの音声信号をA/D変換して、音声
ディジタル信号X(n) に変換する。この音声ディジタル
信号X(n) から、ステップS11で、ステップS5と同
様のエンベロープ抽出処理により、エンベロープ値E
(n) を抽出し、ステップS12で、ステップS6と同様
のBPF処理により、信号Y(n) を求める。次に、ステ
ップS13で、この信号Y(n) のデータをワークRAM
の書込アドレスカウンタWAが示すアドレスに書き込
み、ステップS14で、書込アドレスカウンタWAをイ
ンクリメントする。
【0069】次に、ステップS15で、読込アドレスカ
ウンタRAの示すアドレスからワークRAMのデータを
読み出して、出力ディジタル信号Z(n) とし、ステップ
S16で、読込アドレスカウンタRAをインクリメント
して、次のデータの読出アドレスを設定する。
【0070】そして、ステップS17で、出力ディジタ
ル信号Z(n) をD/A変換器9に出力し、D/A変換器
9でD/A変換して、エフェクト音として、すなわち、
チョッパーベース奏法により演奏された音として、出力
する。
【0071】このように、本実施例によれば、マイクロ
フォン2に向かって発声すると、この発声による音声
を、所定サンプリングタイミング毎に、音声ディジタル
信号X(n) として取り込み、DSP6によりこの音声デ
ィジタル信号X(n) からエンベロープを抽出する。そし
て、DSP6によりこのエンベロープ信号E(n) に基づ
いて音声ディジタル信号X(n) の特定帯域の信号のみ抽
出し、この抽出された特定帯域の音声ディジタル信号X
(n) のピッチを下降させて出力する。
【0072】したがって、音声を発生させて入力するだ
けで、この発声による音声ディジタル信号X(n) の特定
帯域の信号のみを抽出して、そのピッチを下降させるこ
とができ、弦楽器のチョッパーベース奏法により発生さ
れる音低音やノイズを付加することができる。その結
果、弦楽器のチョッパーベース奏法により得られる楽音
を発生させることができる。
【0073】なお、上記実施例では、入力音響信号とし
て、人が発声することにより発生した音声を入力してい
るが、これに限るものではなく、例えば、効果付加装置
に、外部入力端子を設け、この外部入力端子から楽器等
で発声した音声を入力するようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、外部より入力された音
響信号からエンベロープを抽出し、このエンベロープ信
号に基づいて入力された音響信号の特定帯域の信号のみ
抽出して、この抽出された特定帯域の音響信号のピッチ
を下降させて出力することができるので、弦楽器のチョ
ッパーベース奏法により得られる楽音を発生させること
ができ、より面白味のある楽音を発声させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果付加装置の一実施例の全体構成
図。
【図2】図1のDSPの構成図。
【図3】DSPの機能を疑似的に示したブロック図。
【図4】図3のエンベロープ抽出処理部の詳細な機能を
疑似的に示したブロック図。
【図5】図4の高域減衰フィルタをZ変換で示した図。
【図6】図3の帯域通過フィルタをZ変換で示した図。
【図7】図6の帯域通過フィルタの作用説明図。
【図8】効果付加装置のメイン処理を示すフローチャー
ト。
【図9】図8のエンベロープ抽出処理の詳細な処理を示
すフローチャート。
【図10】図8のBPF処理の詳細な処理を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1 効果付加装置 2 マイクロフォン 3 アンプ 4 ローパスフィルタ 5 A/D変換器 6 DSP 7 フィルタ係数ROM 8 ワークRAM 9 D/A変換器 10 アンプ 11 スピーカ 20 インタフェース 21 アドレスカウンタ 22 オペレーションROM 23 デコーダ 24 乗算器 25 フラグレジスタ 26 加減算器 27 レジスタ群 30 帯域通過フィルタ 31 フィルタ係数選択部 32 エンベロープ抽出処理部 33 フィルタ係数部 34 ピッチ変換処理部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部より音響信号を入力する入力手段
    と、 前記入力手段により入力された音響信号からエンベロー
    プを抽出するエンベロープ抽出処理と、前記エンベロー
    プ抽出処理により得られたエンベロープ信号に基づいて
    前記入力手段から入力された音響信号の特定帯域の信号
    のみ抽出するフィルタ処理と、前記フィルタ処理により
    抽出された特定帯域の音響信号のピッチを下降させて出
    力するピッチ下降処理と、を行なう信号処理手段と、 を有することを特徴とする効果付加装置。
  2. 【請求項2】 前記信号処理手段は、複数種のフィルタ
    係数を記憶する記憶手段を有し、 前記フィルタ処理は、前記エンベロープ抽出処理により
    抽出されたエンベロープ信号のレベルに応じて前記記憶
    手段から所望のフィルタ係数を読み出す係数選択処理
    と、前記係数選択処理により選択されたフィルタ係数に
    基づいて前記入力手段から入力された外部音響信号の特
    定帯域の信号のみ抽出するバンドパスフィルタ処理と、
    から成ることを特徴とする請求項1記載の効果付加装
    置。
  3. 【請求項3】 前記ピッチ下降処理は、前記フィルタ処
    理からの音響信号のピッチを1オクターブ分下降させる
    オクターブ下降処理を行なうことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の効果付加装置。
  4. 【請求項4】 外部より音響信号を入力する入力手段
    と、 前記入力手段により入力された音響信号からエンベロー
    プを抽出するエンベロープ抽出手段と、前記エンベロー
    プ抽出手段により得られたエンベロープ信号に基づいて
    前記入力手段から入力された音響信号の特定帯域の信号
    のみ抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段により
    抽出された特定帯域の音響信号のピッチを下降させて出
    力するピッチ下降手段と、から成る信号処理手段と、 を有することを特徴とする効果付加装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理手段は、複数種のフィルタ
    係数を記憶する記憶手段を有し、 前記フィルタ手段は、前記エンベロープ抽出処理により
    抽出されたエンベロープ信号のレベルに応じて前記記憶
    手段から所望のフィルタ係数を読み出す係数選択手段
    と、この係数選択手段により選択されたフィルタ係数に
    基づいて前記入力手段から入力された外部音響信号の特
    定帯域の信号のみ抽出するバンドパスフィルタ手段と、
    から成ることを特徴とする請求項4記載の効果付加装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ピッチ下降手段は、前記フィルタ処
    理からの音響信号のピッチを1オクターブ分下降させる
    オクターブ下降手段であることを特徴とする請求項4ま
    たは請求項5記載の効果付加装置。
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