JPH06179876A - タールの凝縮による閉塞防止方法 - Google Patents

タールの凝縮による閉塞防止方法

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JPH06179876A
JPH06179876A JP33469092A JP33469092A JPH06179876A JP H06179876 A JPH06179876 A JP H06179876A JP 33469092 A JP33469092 A JP 33469092A JP 33469092 A JP33469092 A JP 33469092A JP H06179876 A JPH06179876 A JP H06179876A
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tar
coal
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gas
pipe
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JP33469092A
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Yoshihisa Sakurai
義久 桜井
Mitsuhiro Sakawa
光弘 坂輪
Katsuhiko Shiraishi
勝彦 白石
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Nippon Steel Corp
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石炭の急速熱分解または石炭の低温乾留等に
より発生する高粘度のタールについて、工程を複雑化す
ることなく凝縮による閉塞を起こさずにタール中の有効
成分である軽質分も十分に回収することのできるタール
の凝縮による閉塞防止方法を提供するものである。 【構成】 石炭を処理しタールを発生する装置におい
て、100〜1100℃の温度範囲にある工程に、沸点
が300℃以下のタールを溶解する能力を有する成分を
該発生タールに対して5重量%以上添加することを特徴
とするタールの凝縮による閉塞防止方法により達成され
る。 【効果】 石炭を処理しタールを発生する装置におい
て、発生したタールの凝縮による閉塞を加熱することな
く防止でき、生成タールの軽質分をタールを溶解する能
力を有する成分として利用した場合、自己完結型として
処理でき、操業においても極めて経済的な技術である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なタールの凝縮に
よる閉塞防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、石炭の急速熱分解または低温乾留
等により発生するタールは、高温による二次分解の影響
が少ないため、原料石炭の影響を大きく受け、石炭によ
っては、高粘度のタールを発生する。このような高粘度
のタールは、装置の配管などに凝縮し閉塞を起こす場合
がある。このような場合、該閉塞箇所を外部より加熱し
タールの凝縮を防止したり、予め凝縮し難いようにター
ル自体の温度を上げることにより、タールの粘度を下
げ、閉塞を防止していた。
【0003】しかしながら、上記のようなタールの凝縮
による閉塞箇所が装置上、加熱が困難な場所であった
り、あるいは加熱により後工程が複雑になることが多
い。また、加熱によりタール中の有効成分である軽質分
が、ガス中に蒸発し、回収できなくなる等の問題もあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような従来技術の現状に鑑み、新規なタールの凝縮によ
る閉塞防止方法を提供するものである。
【0005】さらに本発明の目的は、石炭の急速熱分解
または石炭の低温乾留等により発生する高粘度のタール
について、工程を複雑化することなく凝縮による閉塞を
起こさずにタール中の有効成分である軽質分も十分に回
収することのできるタールの凝縮による閉塞防止方法を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、新規なタールの凝縮による閉塞防止
方法について鋭意研究した結果、石炭の急速熱分解また
は石炭の低温乾留等により発生する高粘度のタールに、
タールを溶解する成分を適当に添加することにより、タ
ールの粘度が大幅に低下し、タールの流動性が高くなる
ことに着目し、該タールを溶解する成分を、該成分の沸
点より高い温度の工程に添加蒸発させ、ガスまたは蒸気
状のタールと混合させることにより、凝縮後のタール中
に添加した該タールを溶解する成分を含ませ、凝縮ター
ルの粘度を低下させることによりタールの高粘度を要因
とする閉塞を防止できることを見出だし、この知見に基
づき本発明を完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明の目的は、(1)石炭を
処理しタールを発生する装置において、100〜110
0℃の温度範囲にある工程に、沸点が300℃以下のタ
ールを溶解する能力を有する成分を該発生タールに対し
て5重量%以上添加することを特徴とするタールの凝縮
による閉塞防止方法により達成される。
【0008】また、本発明の他の目的は、(2)石炭を
処理しタールを発生する装置において、200〜600
℃の温度範囲にある工程である上記(1)に示すタール
の凝縮による閉塞防止方法によっても達成される。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、(3)ター
ルを溶解する能力を有する成分の沸点が190℃以下で
ある上記(1)または(2)に示すタールの凝縮による
閉塞防止方法によっても達成される。
【0010】さらにまた、本発明の他の目的は、(4)
タールを溶解する能力を有する成分の添加が、前記発生
タールに対して10重量%以上である上記(1)ないし
(3)のいずれか一つに示すタールの凝縮による閉塞防
止方法によっても達成される。
【0011】
【作用】以下、本発明を実施態様に基づき、より詳細に
説明する。
【0012】まず、本発明に用いられる石炭を処理しタ
ールを発生する装置としては、特に限定されるものでな
く、石炭の急速熱分解または低温乾留装置等に広く用い
ることができるものであり、こうした具体的な1例とし
ては、図1に示すような本発明者らにより完成された新
規な石炭の急速熱分解方法に用いられる石炭急速熱分解
装置等が挙げられる。
【0013】図1に示すように本発明のタールの凝縮に
よる閉塞防止方法を用いてなる石炭急速熱分解装置1と
しては、熱分解反応器2があり、該熱分解反応器2上部
には、フィーダー3を介して石炭ホッパー4が設置され
ている。また該熱分解反応器2の上部側面にはガス供給
口5が設けられ、該ガス供給口5とガス予熱管6のガス
排気口7とが配管8により連結されている。また、ガス
予熱管6のガス供給口9はガスボンベ10に配管11に
より連結されている。さらに、熱分解反応器2およびガ
ス予熱管6の側面外周部には一定間隔を開けて全周に加
熱器として反応器ヒータ12および予熱管ヒータ13が
それぞれ設置されている。
【0014】また、熱分解反応器2の下部には石炭の熱
分解により生成されるガス、タール、チャーの生成物取
出口14が設けられ、該生成物取出口14とチャーベッ
セル15とが配管16で連結されている。同様にチャー
ベッセル15から順にサイクロン17付きチャーベッセ
ル18、第1のタールポット19a、第2のタールポッ
ト19b、第3のタールポット19c、タールフィルタ
ー20およびガスメーター21を経てガス分析器(図示
せず)がそれぞれ配管22、23、24、25、26お
よび27により連結されている。
【0015】また該配管16の外周部には熱交換用の配
管28が設置され、該配管28の一端は上記配管11経
路上に3ポート切換弁29により連結されており、また
該配管28の経路上にはブロアー30が設けられて、該
配管28の他端は上記配管27と3ポート切換弁31に
より連結されている。さらに配管23の外周部には水冷
式冷却管32が配置されている。
【0016】また、上記ブロアー30から3ポート切換
弁31までの配管28から分岐した配管33は、ガスメ
ーター21と3ポート切換弁31との間の配管27に接
続されており、該配管33の経路上には開閉弁34が設
けられている。また、上記フィーダー3および石炭ホッ
パー4には、ブロアー30の送風口側の配管28より分
岐した配管35が接続されている。
【0017】上記構成を有する石炭急速熱分解装置1に
おいて、本発明に係るタールの凝縮による閉塞防止方法
を利用すべく、上記水冷式冷却管32が配置されている
位置よりもサイクロン17付きチャーベッセル18側の
配管23とタールを溶解する能力を有する成分の貯蔵タ
ンク36とが配管37で連結されている。該配管37の
経路上には流量調節弁38が設置されている。
【0018】したがって、上記構成を有する石炭急速熱
分解装置1を用いて、石炭を急速熱分解し、液状生成物
(タール)を発生させ、該タールを本発明に基づいて閉
塞させることなく捕集し、該装置1全体として連続して
運転を行うには、まず石炭ホッパー4に原料石炭を装入
する。なお、該石炭は、あらかじめ一定の粒度以下に粉
砕し、粉末状としたものを使用する。該粉末状の石炭粒
子を、フィーダー3を通して熱分解反応器2に落下装入
する。
【0019】なお上記フィーダー3および石炭ホッパー
4には、必要とする生成物の内容にあわせて配管35よ
り一定量の石炭ガスを送風することで、熱分解反応器2
への該石炭粒子の落下装入速度の調整にも利用すること
ができる。
【0020】続いて、予め所定の温度にヒータ12によ
り加熱された熱分解反応器2内に落下装入された該石炭
粒子は、上記該ガス供給口5より供給されるガス予熱管
6により約500〜1100℃程度に予熱された雰囲気
ガスと混合され、不活性または還元性雰囲気下で、10
気圧以下で103 ℃/min以上の昇温速度で、滞留時
間0.5〜10秒の範囲内で熱分解反応器2内を落下す
ることにより熱分解処理される。
【0021】その後、配管16を通過する際に、配管2
8の石炭ガスとの熱交換により約300〜700℃程度
まで冷却された石炭生成物は、上記チャーベッセル15
で該石炭生成物中の固体成分(主にチャー)が捕集さ
れ、続いてサイクロン17に送られ石炭生成物としての
ガス化成分に一部残留している該固体成分がチャーベッ
セル18で捕集される。
【0022】続いて、固体成分の除かれた上記ガス化成
分には、配管23を通過する際に、貯蔵タンク36よ
り、配管37を通じて沸点が300℃以下のタールを溶
解する能力を有する成分が発生タールに対して5重量%
以上の割合となるように流量調節弁38により調節しな
がら添加される。この段階で、該ガス化成分の温度は3
00〜700℃程度であることから、該タールを溶解す
る能力を有する成分は添加後、直ちに蒸発しガス化成分
中に均一に分散される。その後、該タール溶解能力を有
する成分ガスを含むガス化成分は、水冷式冷却管32に
より約10〜100℃まで冷却され、該ガス化成分のう
ちのタール成分は液状または半固体状になりタールポッ
ト19aに送られ、タール成分(液状生成物)として捕
集されるが、凝縮後のタール中に蒸発していた上記ター
ル溶解能力を有するガス成分も液化されて含有されてい
ることから、該凝縮タールの粘度は著しく低下し該ター
ルの流動性が高くなり、該水冷式冷却管32部分での冷
却後にも配管23で閉塞を起こすことなくタールポット
19aに容易に捕集できるものである。同様にして順次
タールポット19b、19cで上記タール溶解能力を有
する成分を含む該タールが凝縮されて、閉塞することな
くタール成分を捕集した後、タールフィルター20で完
全にタール成分が捕集される。
【0023】その後、石炭の生成物の残りである低温の
ガス化成分は、ガスメーター21を経てガス分析器(図
示せず)に送られベンゼン、トルエン、キシレン(BT
X)および炭化水素ガス(HCG)として捕集される
か、あるいは3ポート切換弁31を調節することによ
り、ガス予熱管6を経て熱分解反応器2に循環させて、
石炭ガスとして石炭の急速熱分解反応に利用されるもの
である。
【0024】なお、上記石炭の急速熱分解方法における
チャー等の生成物の製造において使用される原料石炭と
しては、特に限定されるものでなく、無煙炭、半無煙
炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭等が利用できる。好ましく
は、揮発分の含有率の多い瀝青炭、亜瀝青炭等である。
【0025】また、上記フィーダー3より供給される石
炭粒子の粒度としては、通常500μm以下、好ましく
は100μm以下である。
【0026】さらに、上記ガス予熱管6により予熱され
るガスとしては、不活性または還元性ガスを用いること
ができる。該不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス等
が用いられ、また該還元性ガスとしては水素等が使用さ
れるが、上記急速熱分解装置1の連続運転により生成す
るベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)および炭化
水素ガス(HCG)等の石炭ガス成分を循環させて再利
用させても良い。また、該ガス予熱管により該ガスは、
通常500〜1100℃、好ましくは700〜900℃
まで予熱して用いられる。
【0027】さらにまた、本発明者らにより完成された
新規な石炭の急速熱分解方法を用いてなる該石炭の急速
熱分解条件としては、熱分解反応器2内を該石炭粒子が
落下する際に、反応器内圧力が通常10気圧以下、好ま
しくは1〜5気圧、石炭粒子の昇温速度が通常103
/min以上、好ましくは103 〜107 ℃/min、
より好ましくは103 〜104 ℃/minであり、さら
に反応器2内の雰囲気ガスの最高温度(石炭粒子の最終
到達温度に相当)は通常700〜1100℃、好ましく
は700〜900℃、また該石炭粒子の反応器2内の滞
留時間は、通常0.5〜10秒、好ましくは1〜5秒、
より好ましくは2〜3秒の範囲内である。上記条件下で
該石炭粒子を急速に熱分解することで安定して有用な気
体、液体、固体生成物を多量に得ることができるもので
ある。なお、ここで石炭急速熱分解における該石炭粒子
の昇温速度は、以下に示す昇温速度計算式により算出し
たものである。
【0028】
【数1】
【0029】なお、上記昇温速度計算式においては、粒
子の部分的な温度変化はないものとし、また熱分解反応
による密度、比熱等の物性値の変化もないものとして規
定したものである。
【0030】次に、本発明に係る石炭を処理しタールを
発生する装置において適用できる工程としては、通常1
00〜1100℃、好ましくは200〜600℃の温度
範囲にある工程である。該工程の温度条件が、100℃
未満の工程では、タールは凝固しており、該凝縮タール
にタールを溶解する能力を有する成分を添加しても、該
タール溶解能力を有する成分を均一に凝縮タール中に含
ませることができず、該凝縮タールの粘度を低下させる
ことは十分でなく、本発明の効果は十分に得られず好ま
しくない。また該工程の温度条件が、1100℃を越え
る場合には、発生するタールは、高温による二次分解の
影響を受け、高粘度のタールを発生することもないこと
から、特に本発明の方法を用いる必要性が乏しくなるも
のである。
【0031】また、本発明に用いられるタールを溶解す
る能力を有する成分としては、有機溶剤を始めタールを
溶解することのできるものであれば、いかなるものでも
よいが、蒸発温度、タールへの溶解能力および凝縮後の
タール粘度を考慮すれば、該タールを溶解する能力を有
する成分の沸点が、通常300℃以下、好ましくは19
0℃以下である。さらにタールを溶解する能力を有する
成分として、好まししいものは、発生タールの300℃
の蒸留成分(軽油+カルボール油+ナフタリン油+洗浄
油)であり、より好ましくは該発生タールの190℃の
蒸留成分(軽油+カルボール油+ナフタリン油)であ
る。該発生タールの蒸留成分のような軽質分を利用する
ことにより、自己完結型で処理できるため、後工程での
該タールを溶解する能力を有する成分の分離、除去など
の余分の工程を必要とせず、またコスト的にも別途有機
溶剤などを使用する必要がなく優れている。
【0032】さらに本発明に用いられるタールを溶解す
る能力を有する成分の添加量としては、発生タールに対
して通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上であ
る。該添加量が5重量%未満の場合には、本発明の効果
が十分に発揮できず好ましくない。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0034】実施例1 図1に示す本発明のタールの凝縮による閉塞防止方法を
用いてなる石炭急速熱分解装置1を用いて、石炭の急速
熱分解を行い、液状生成物(タール)を発生させ、該タ
ールを閉塞させることなく捕集し、該装置全体として連
続運転を行うことができるか否か確認した。
【0035】本実施例1では、石炭ホッパー4に原料石
炭として、あらかじめ粒径74μm以下100%に粉砕
したインドネシアA炭で揮発分46.7%、ビトリニッ
ト平均反射率0.465の石炭を石炭供給量5kg/h
rとして装入した後、粉末状の石炭粒子を、フィーダー
3を通して熱分解反応器2に落下装入した。続いて、雰
囲気ガスの最高温度が700℃となるように加熱された
熱分解反応器2内に落下装入された上記石炭粒子は、上
記該ガス供給口5より約700℃程度に予熱された熱分
解反応により生成した石炭ガスを40リッター/min
として循環使用(石炭ガス生成までは窒素ガスを使用)
することによる還元性(不活性)雰囲気下で、滞留時間
を2secとして、常圧で昇温速度を104 ℃/min
として、急速熱分解処理を5時間行った。
【0036】その後、チャーベッセル15および18で
該石炭生成物中の固体成分(主にチャー)を捕集した。
【0037】続いて、固体成分の除かれたガス化成分に
貯蔵タンク36より、配管37を通じてタール溶解能力
を有する成分として発生タールの300℃の蒸留成分お
よび発生タールの190℃の蒸留成分をそれぞれ用いて
該発生タールに対してそれぞれ3、5および10重量%
の割合となるように流量調節弁38により調節しながら
添加した。この段階で、該ガス化成分の温度は350〜
450℃程度であった。上記の各蒸留成分は添加後、直
ちに蒸発しガス化成分中に均一に分散された。その後、
該蒸留成分ガスを含む上記ガス化成分は、水冷式冷却管
32により約10〜100℃まで冷却され、該ガス化成
分のうちのタール成分は液状または半固体状になりター
ルポット19aに送られて捕集された。同様にして順次
タールポット19b、19cで上記蒸留成分を含む該タ
ールが凝縮されて、タール成分を捕集した後、タールフ
ィルター20で完全にタール成分が捕集された。
【0038】その後、石炭の生成物の残りである低温の
ガス化成分(ベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)
および炭化水素ガス(HCG))を、ガスメーター23
を経てガス分析器(図示せず)に送り捕集した。
【0039】上記石炭の急速熱分解を、上記の各蒸留成
分ごとでかつ添加量ごとにそれぞれ5時間づつ行い、熱
分解により得られたタールによる水冷式冷却管32によ
る冷却部分からタールポット19a、19b、19cお
よびタールフィルター20付近の配管などへの閉塞トラ
ブルにより該急速熱分解装置1の連続運転の可否を確認
した。該確認結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から、本発明のタールの凝縮に
よる閉塞防止方法により石炭を処理しタールを発生する
熱分解装置において、タールが凝縮するより以前の工程
に、該発生タールの300℃の蒸留成分、好ましくは発
生タールの190℃の蒸留成分を用いて該発生タールに
対して5重量%以上、好ましくは10重量%以上の割合
となるように添加することにより、該蒸留成分は直ちに
蒸発しガス化成分中に均一に分散されるため、該蒸留成
分ガスを含む上記ガス化成分は、水冷式冷却管32で冷
却され、該ガス化成分のうちのタール成分が液状または
半固体状になりタールポットで捕集されるが、凝縮後の
タール中に蒸発していた上記蒸留成分も液化されて含有
されることから、該凝縮タールの粘度は著しく低下し該
タールの流動性が高くなり、該水冷式冷却管以降の配管
部分等でも閉塞を起こすことなくタールポットに容易に
捕集でき、連続して運転できることが確認できた。
【0042】
【発明の効果】本発明により、石炭を処理しタールを発
生する装置において、発生したタールの凝縮による閉塞
を、加熱することなく防止できる。
【0043】生成タールの軽質分をタールを溶解する能
力を有する成分として利用した場合、自己完結型として
処理できるため、操業においても極めて経済的な技術で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るタールの凝縮による閉塞
防止方法を石炭の急速熱分解により発生する高粘度のタ
ールに利用する場合における、石炭急速熱分解装置の一
実施態様の構成を模式的に表わす概略図である。
【符号の説明】
1…石炭急速熱分解装置 2…熱分解反応器 3…フィーダー 4…石炭ホッパー 5、9…ガス供給口 6…ガス予熱管 7…ガス排気口 10…ガスボンベ 8、11、16、22〜28、33、35、37…配管 12…反応器ヒータ 13…予熱管ヒータ 14…生成物取出口 15、18…チャー
ベッセル 17…サイクロン 19a、19b、1
9c…タールポット 20…タールフィルター 21…ガスメーター 29、31…3ポート切換弁 30…ブロアー 32…水冷式冷却管 34…開閉弁 36…貯蔵タンク 38…流量調節弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭を処理しタールを発生する装置にお
    いて、100〜1100℃の温度範囲にある工程に、沸
    点が300℃以下のタールを溶解する能力を有する成分
    を該発生タールに対して5重量%以上添加することを特
    徴とするタールの凝縮による閉塞防止方法。
  2. 【請求項2】 前記石炭を処理しタールを発生する装置
    において、200〜600℃の温度範囲にある工程であ
    る請求項1に記載のタールの凝縮による閉塞防止方法。
  3. 【請求項3】 前記タールを溶解する能力を有する成分
    の沸点が190℃以下である請求項1または2に記載の
    タールの凝縮による閉塞防止方法。
  4. 【請求項4】 前記タールを溶解する能力を有する成分
    の添加が、前記発生タールに対して10重量%以上であ
    る請求項1ないし3のいずれか一つに記載のタールの凝
    縮による閉塞防止方法。
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