JPH06179834A - 電子写真特性の優れた無金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体 - Google Patents
電子写真特性の優れた無金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体Info
- Publication number
- JPH06179834A JPH06179834A JP33185392A JP33185392A JPH06179834A JP H06179834 A JPH06179834 A JP H06179834A JP 33185392 A JP33185392 A JP 33185392A JP 33185392 A JP33185392 A JP 33185392A JP H06179834 A JPH06179834 A JP H06179834A
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- free phthalocyanine
- electrophotographic
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- pigment powder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子写真術において顕著な光電変換作用を示
す顔料である無金属フタロシアニン(例えば、X形)の
実用的顔料粉体において、電子写真特性、特に暗減衰特
性が優れた無金属フタロシアニン顔料粉体を提供する。 【構成】 例えば蛍光X線分析法で分析したとき、C、
H、N以外の種々の夾雑元素の中で、特にS(硫黄元
素)の含有率が0.1重量%未満の感光性無金属フタロ
シアニン顔料粉体である。 【効果】 元来種々の微量夾雑物の存在が不可避の材料
である顔料は、その用途によって許容される夾雑物の種
類と量が異なるが、電子写真用感光性無金属フタロシア
ニン顔料粉体においては、種々の夾雑元素の中で特にS
(硫黄元素)の含有率が0.1重量%未満の場合に、そ
れを電子写真感光体作成に使用したとき暗減衰が小さい
優れた該感光体を与える。
す顔料である無金属フタロシアニン(例えば、X形)の
実用的顔料粉体において、電子写真特性、特に暗減衰特
性が優れた無金属フタロシアニン顔料粉体を提供する。 【構成】 例えば蛍光X線分析法で分析したとき、C、
H、N以外の種々の夾雑元素の中で、特にS(硫黄元
素)の含有率が0.1重量%未満の感光性無金属フタロ
シアニン顔料粉体である。 【効果】 元来種々の微量夾雑物の存在が不可避の材料
である顔料は、その用途によって許容される夾雑物の種
類と量が異なるが、電子写真用感光性無金属フタロシア
ニン顔料粉体においては、種々の夾雑元素の中で特にS
(硫黄元素)の含有率が0.1重量%未満の場合に、そ
れを電子写真感光体作成に使用したとき暗減衰が小さい
優れた該感光体を与える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真特性の優れた無
金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電
子写真感光体に関し、更に詳しくは、電子写真感光体に
使用したときに小さい暗減衰を示す無金属フタロシアニ
ン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体に関
する。
金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電
子写真感光体に関し、更に詳しくは、電子写真感光体に
使用したときに小さい暗減衰を示す無金属フタロシアニ
ン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体に関
する。
【0002】可視光域から近赤外域に亘って高い感光性
を有する無金属フタロシアニンは、物質の光電変換作用
を本質的に利用する光電変換素子、例えば太陽電池、光
センサー、光スイッチング素子、電子写真感光体等にお
ける光活性物質として有効に利用でき、とりわけ電子写
真感光体用感光性顔料として近年盛んに検討されつつあ
るものである。
を有する無金属フタロシアニンは、物質の光電変換作用
を本質的に利用する光電変換素子、例えば太陽電池、光
センサー、光スイッチング素子、電子写真感光体等にお
ける光活性物質として有効に利用でき、とりわけ電子写
真感光体用感光性顔料として近年盛んに検討されつつあ
るものである。
【0003】
【従来の技術】光電変換物質を使用した光電変換素子と
りわけ電子写真感光体において、従来Se、Se/T
e、Se/As、CdS、Si、ZnO等の無機物質が
使われたが、感光波長域の広さ、安全性、加工性,経済
性などの点で十分に満足し得るものはなく、近年に到っ
て有機光半導体(OPCと略称)と呼ばれる各種化学構
造の有機化合物が上記無機物質の欠点を補って余りある
優れた材料であることが判り、多数の有用なOPCが見
出され、既に実用化されているものも幾つかある。
りわけ電子写真感光体において、従来Se、Se/T
e、Se/As、CdS、Si、ZnO等の無機物質が
使われたが、感光波長域の広さ、安全性、加工性,経済
性などの点で十分に満足し得るものはなく、近年に到っ
て有機光半導体(OPCと略称)と呼ばれる各種化学構
造の有機化合物が上記無機物質の欠点を補って余りある
優れた材料であることが判り、多数の有用なOPCが見
出され、既に実用化されているものも幾つかある。
【0004】それらの中でも、フタロシアニン類は最も
優れたOPCの一つであり、可視光域から近赤外域まで
に亘る感光波長域の広さ、高い感光度、安定性(耐久
性)、安全性、塗工・加工性、経済性等の勝れた特長を
持つことで著名のものである。フタロシアニン類にも
銅、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、ジ
ルコニウム、インジウム、ゲルマニウム、錫、鉛、モリ
ブデン、硅素等の金属イオンと錯塩を形成した金属フタ
ロシアニン、あるいは金属を含有しない無金属フタロシ
アニンが知られており、いずれも有用なOPCとして知
られる。
優れたOPCの一つであり、可視光域から近赤外域まで
に亘る感光波長域の広さ、高い感光度、安定性(耐久
性)、安全性、塗工・加工性、経済性等の勝れた特長を
持つことで著名のものである。フタロシアニン類にも
銅、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、チタン、ジ
ルコニウム、インジウム、ゲルマニウム、錫、鉛、モリ
ブデン、硅素等の金属イオンと錯塩を形成した金属フタ
ロシアニン、あるいは金属を含有しない無金属フタロシ
アニンが知られており、いずれも有用なOPCとして知
られる。
【0005】本発明はフタロシアニン類の中でも特に無
金属フタロシアニン(メタルフリーフタロシアニン)に
関し、とりわけ、例えば特公昭44−14106号公報
に記載されているような特殊な処理を施して電子写真術
における光導電性材料として有用であるような結晶型に
変換した無金属フタロシアニン(X形メタルフリーフタ
ロシアニンと呼ばれるもの)、あるいは特公平2−46
939号公報に記載されているような変形τ型又は変形
η型無金属フタロシアニンと呼ばれるもの、あるいは特
開平2−233769号公報記載のもの等の如き、可視
光域から近赤外域に亘って高い感光性を有する無金属フ
タロシアニンに関するが、電子写真感光体に使用して勝
れた有用性を発揮する無金属フタロシアニンは、感光度
が高いだけでは不十分で、併せて小さい暗減衰を示さな
ければならない。
金属フタロシアニン(メタルフリーフタロシアニン)に
関し、とりわけ、例えば特公昭44−14106号公報
に記載されているような特殊な処理を施して電子写真術
における光導電性材料として有用であるような結晶型に
変換した無金属フタロシアニン(X形メタルフリーフタ
ロシアニンと呼ばれるもの)、あるいは特公平2−46
939号公報に記載されているような変形τ型又は変形
η型無金属フタロシアニンと呼ばれるもの、あるいは特
開平2−233769号公報記載のもの等の如き、可視
光域から近赤外域に亘って高い感光性を有する無金属フ
タロシアニンに関するが、電子写真感光体に使用して勝
れた有用性を発揮する無金属フタロシアニンは、感光度
が高いだけでは不十分で、併せて小さい暗減衰を示さな
ければならない。
【0006】すなわち、電子写真術においては導電性支
持体上に設けた電子写真感光体層{フタロシアニンのよ
うな光電変換機能顕著な色材(これを電荷発生材料CG
Mと称する)と必要ならば電荷輸送材料(CTMと称す
る)とを絶縁性結着剤中に分散して塗工した単層構造の
もの、あるいはCGM層とCTM層とを重ね塗りした複
層構造のものなどがあるが、本発明においては全ての構
造の電子写真感光体層を包含する}の上へ暗所にて静電
荷を帯電させた後、画像状に露光を行なうことによって
露光部分の電気伝導度を大きくし、結果として静電荷か
らなる潜像を形成させ、次いでトナーと呼ばれる乾燥着
色粉もしくは着色粉懸濁液を接触させて、静電潜像に対
応した可視画像を得る(現像)のを作像プロセスの基本
とする。
持体上に設けた電子写真感光体層{フタロシアニンのよ
うな光電変換機能顕著な色材(これを電荷発生材料CG
Mと称する)と必要ならば電荷輸送材料(CTMと称す
る)とを絶縁性結着剤中に分散して塗工した単層構造の
もの、あるいはCGM層とCTM層とを重ね塗りした複
層構造のものなどがあるが、本発明においては全ての構
造の電子写真感光体層を包含する}の上へ暗所にて静電
荷を帯電させた後、画像状に露光を行なうことによって
露光部分の電気伝導度を大きくし、結果として静電荷か
らなる潜像を形成させ、次いでトナーと呼ばれる乾燥着
色粉もしくは着色粉懸濁液を接触させて、静電潜像に対
応した可視画像を得る(現像)のを作像プロセスの基本
とする。
【0007】可視画像濃度は静電電位値に対応するの
で、静電潜像は一般に極力高電位であることが望まれ
る。しかし、電子写真感光体層は多少の暗電導を示すの
で、帯電直後に比べ現像時の電位はこの間の時間経過に
つれて低下する(暗減衰)のは避けられないが、暗減衰
はできるだけ小さくしなければならない。感光体層の暗
電導度はそれを構成する諸材料に主として依存するが、
中でもCGMは通常、染料・顔料の類いであり元来極性
の高い物質であって絶縁体とは言い難いが、極力高抵抗
の材料が選択使用される。特に最近はその物理的・化学
的安定性の故に、顔料と呼ばれる不融・不溶の有機色材
が好んで用いられ、とりわけ上記のフタロシアニン類は
高特性の故に多く検討されている。
で、静電潜像は一般に極力高電位であることが望まれ
る。しかし、電子写真感光体層は多少の暗電導を示すの
で、帯電直後に比べ現像時の電位はこの間の時間経過に
つれて低下する(暗減衰)のは避けられないが、暗減衰
はできるだけ小さくしなければならない。感光体層の暗
電導度はそれを構成する諸材料に主として依存するが、
中でもCGMは通常、染料・顔料の類いであり元来極性
の高い物質であって絶縁体とは言い難いが、極力高抵抗
の材料が選択使用される。特に最近はその物理的・化学
的安定性の故に、顔料と呼ばれる不融・不溶の有機色材
が好んで用いられ、とりわけ上記のフタロシアニン類は
高特性の故に多く検討されている。
【0008】さて、近年コヒーレント光であるレーザー
光が実用段階に達し、その高い解像度と高照度の故に電
子写真術においても走査露光による画像形成が可能とな
り、精細画像を得るのに利用されるようになった。しか
もコンピューター技術の進歩と相まって、コンピュータ
ー処理された画像信号をレーザー光のオン・オフに変換
し、いわゆるコンピューター・ツー・プレートと呼ばれ
るようなコンピューター処理画像情報の感光体への直接
露光が可能となり、例えば新聞印刷に使用するような大
版の感光板への利用も実用化されつつある。このような
大版の感光板の場合、像露光走査の開始から完了までに
要する走査時間の間の暗減衰による帯電電位の低下は特
に好ましくなく、該感光体の暗抵抗を電子写真式事務用
複写機(PPC)用感光体などより余程大きくするよう
な材料から組立てなければならない。
光が実用段階に達し、その高い解像度と高照度の故に電
子写真術においても走査露光による画像形成が可能とな
り、精細画像を得るのに利用されるようになった。しか
もコンピューター技術の進歩と相まって、コンピュータ
ー処理された画像信号をレーザー光のオン・オフに変換
し、いわゆるコンピューター・ツー・プレートと呼ばれ
るようなコンピューター処理画像情報の感光体への直接
露光が可能となり、例えば新聞印刷に使用するような大
版の感光板への利用も実用化されつつある。このような
大版の感光板の場合、像露光走査の開始から完了までに
要する走査時間の間の暗減衰による帯電電位の低下は特
に好ましくなく、該感光体の暗抵抗を電子写真式事務用
複写機(PPC)用感光体などより余程大きくするよう
な材料から組立てなければならない。
【0009】優れたOPCであるフタロシアニン類の中
では、各種金属フタロシアニンは金属イオンと有機リガ
ンドとの錯塩であるため特に極性が大で、従って暗電導
度も大であって、金属フタロシアニン例えばチタニルオ
キシフタロシアニンよりは低感度であるが暗電導度が遥
かに小さい無金属フタロシアニンが、特に大版感光板の
ような場合に選択使用されるわけである。
では、各種金属フタロシアニンは金属イオンと有機リガ
ンドとの錯塩であるため特に極性が大で、従って暗電導
度も大であって、金属フタロシアニン例えばチタニルオ
キシフタロシアニンよりは低感度であるが暗電導度が遥
かに小さい無金属フタロシアニンが、特に大版感光板の
ような場合に選択使用されるわけである。
【0010】顔料類は水や有機溶剤類に加熱時でも難溶
のため再結晶精製は困難であり、また、昇華精製は実験
室的には可能ではあるが極めて生産性悪くコスト高とな
り工業規模では実際上行ない得ない。従って、化学薬品
を含んでいてもよい水や有機溶剤などによる顔料粉体の
洗浄操作が精々行ない得る工業的精製手段であって、顔
料粉体に夾雑する不純物(これは顔料製造時使用した化
学薬品類や機器・装置類の材質や不慮の混入物等に由来
すると考えられる)を完璧に除去することは、実際問題
として不可能である。すなわち、工業的実用顔料は純度
的には實に不完全なものであって、高純度材料とはとて
も言い難い不純な材料なのであり、実際には夾雑物をそ
の目的には許容される範囲に含有した材料なのである。
例えば、化学名が同一であっても塗装ペイント用顔料を
電子写真やその他のファインな目的に用いることはでき
ない。
のため再結晶精製は困難であり、また、昇華精製は実験
室的には可能ではあるが極めて生産性悪くコスト高とな
り工業規模では実際上行ない得ない。従って、化学薬品
を含んでいてもよい水や有機溶剤などによる顔料粉体の
洗浄操作が精々行ない得る工業的精製手段であって、顔
料粉体に夾雑する不純物(これは顔料製造時使用した化
学薬品類や機器・装置類の材質や不慮の混入物等に由来
すると考えられる)を完璧に除去することは、実際問題
として不可能である。すなわち、工業的実用顔料は純度
的には實に不完全なものであって、高純度材料とはとて
も言い難い不純な材料なのであり、実際には夾雑物をそ
の目的には許容される範囲に含有した材料なのである。
例えば、化学名が同一であっても塗装ペイント用顔料を
電子写真やその他のファインな目的に用いることはでき
ない。
【0011】暗減衰の小ささから選ばれた無金属フタロ
シアニンは種々の結晶構造を有するいわゆる同質異晶も
しくは結晶多形を示す有機顔料であり、例えば上記の特
公昭44−14106号公報に記載されているX形メタ
ルフリーフタロシアニンと呼ばれる高い感光性を示す結
晶構造のもの、特開昭58−182639号公報記載の
τ型もしくはη型無金属フタロシアニンと呼ばれるも
の、あるいは特開平2−233769号公報記載のもの
等、電子写真感光体に使用し得るとされる結晶構造のも
のはいずれの場合もα(アルファ)型無金属フタロシア
ニンを機械的摩砕処理などの手段によって結晶転移させ
たものであり、アルファ型無金属フタロシアニンは高い
感光性を有する無金属フタロシアニンを製造する上で必
要欠くべからざる中間体であることが分かる。このアル
ファ型無金属フタロシアニンは、上記のような大概の公
知文献においては、粗製無金属フタロシアニン(ベータ
型である場合が多い)を濃硫酸へ溶解させた溶液を得
て、しかるのち、数倍量以上の水へ加えて沈殿させるこ
とによって生成されている。この微細な沈殿の分離は、
例えば濾過によって行われ、更に中性になるまで水洗さ
れる。
シアニンは種々の結晶構造を有するいわゆる同質異晶も
しくは結晶多形を示す有機顔料であり、例えば上記の特
公昭44−14106号公報に記載されているX形メタ
ルフリーフタロシアニンと呼ばれる高い感光性を示す結
晶構造のもの、特開昭58−182639号公報記載の
τ型もしくはη型無金属フタロシアニンと呼ばれるも
の、あるいは特開平2−233769号公報記載のもの
等、電子写真感光体に使用し得るとされる結晶構造のも
のはいずれの場合もα(アルファ)型無金属フタロシア
ニンを機械的摩砕処理などの手段によって結晶転移させ
たものであり、アルファ型無金属フタロシアニンは高い
感光性を有する無金属フタロシアニンを製造する上で必
要欠くべからざる中間体であることが分かる。このアル
ファ型無金属フタロシアニンは、上記のような大概の公
知文献においては、粗製無金属フタロシアニン(ベータ
型である場合が多い)を濃硫酸へ溶解させた溶液を得
て、しかるのち、数倍量以上の水へ加えて沈殿させるこ
とによって生成されている。この微細な沈殿の分離は、
例えば濾過によって行われ、更に中性になるまで水洗さ
れる。
【0012】本発明者は文献類を参考にして先ず無金属
フタロシアニンの粗製顔料を合成し(これはベータ型で
あった)、次いで硫酸/水系再沈殿処理によってアルフ
ァ型に転移させ、その後機械的摩砕処理により可視光域
から近赤外域に亘って高い感光性を示す無金属フタロシ
アニンを試験的に多数作成してみたところ、試作条件の
少しの違い、あるいは試作ロットの違い、実験者の違
い、使用機器類の違い、試作規模の違い、使用した化学
薬品類のグレードや製造者の違い、水洗に使用した水の
純度の違い、等々によって、得られた高感光性無金属フ
タロシアニンの電子写真特性、特に暗減衰の程度が大き
くばらつくという重大な問題に直面したが、電子写真特
性、特に暗減衰の大きさとその原因とりわけ該顔料中の
具体的な夾雑物の種類や量との関係について記載した文
献は全く見当らなかった。そこで、具体的にどういう顔
料粉体を作れば暗減衰を小さくできるかを詳しく検討し
た結果、本発明が生まれるに到ったのである。
フタロシアニンの粗製顔料を合成し(これはベータ型で
あった)、次いで硫酸/水系再沈殿処理によってアルフ
ァ型に転移させ、その後機械的摩砕処理により可視光域
から近赤外域に亘って高い感光性を示す無金属フタロシ
アニンを試験的に多数作成してみたところ、試作条件の
少しの違い、あるいは試作ロットの違い、実験者の違
い、使用機器類の違い、試作規模の違い、使用した化学
薬品類のグレードや製造者の違い、水洗に使用した水の
純度の違い、等々によって、得られた高感光性無金属フ
タロシアニンの電子写真特性、特に暗減衰の程度が大き
くばらつくという重大な問題に直面したが、電子写真特
性、特に暗減衰の大きさとその原因とりわけ該顔料中の
具体的な夾雑物の種類や量との関係について記載した文
献は全く見当らなかった。そこで、具体的にどういう顔
料粉体を作れば暗減衰を小さくできるかを詳しく検討し
た結果、本発明が生まれるに到ったのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た電子写真特性の、特に優れた暗減衰特性の実用的無金
属フタロシアニン顔料粉体を提供することである。もう
一つの目的は、優れた電子写真特性の、特に優れた暗減
衰特性の電子写真感光体を提供することである。
た電子写真特性の、特に優れた暗減衰特性の実用的無金
属フタロシアニン顔料粉体を提供することである。もう
一つの目的は、優れた電子写真特性の、特に優れた暗減
衰特性の電子写真感光体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、電子写
真感光体に使用したときに高い感光性を示す結晶構造の
無金属フタロシアニン顔料乾燥粉体において、S(硫黄
元素)の含有率が0.1重量%未満であるものを使用す
ることによって解決された。(顔料乾燥粉体中の夾雑元
素の定性および定量分析方法は種々あるが、蛍光X線分
析法が検出し得る元素の種類が多く、かつ乾式で高感度
であり、そのうえ非破壊分析法であるので、サンプリン
グした無金属フタロシアニン顔料乾燥粉体のような貴重
な少量サンプルの分析法として最も適していた。また、
本発明においては、元素は単体を意味せず、各種化合物
や単体を構成する要素である)。
真感光体に使用したときに高い感光性を示す結晶構造の
無金属フタロシアニン顔料乾燥粉体において、S(硫黄
元素)の含有率が0.1重量%未満であるものを使用す
ることによって解決された。(顔料乾燥粉体中の夾雑元
素の定性および定量分析方法は種々あるが、蛍光X線分
析法が検出し得る元素の種類が多く、かつ乾式で高感度
であり、そのうえ非破壊分析法であるので、サンプリン
グした無金属フタロシアニン顔料乾燥粉体のような貴重
な少量サンプルの分析法として最も適していた。また、
本発明においては、元素は単体を意味せず、各種化合物
や単体を構成する要素である)。
【0015】純粋の無金属フタロシアニンは化学組成式
C32H18N8 で表わされるが、本発明者の試験によれば
実際に得られた該顔料粉体はC、H、N以外の複数種の
元素を夾雑物として微量含むことが分析、特に蛍光X線
分析で判明した。すなわち、Na、Mg、Al、Si、
P、S、Cl、K、Ca、Cr,Fe、Ni、Cu、Z
n、Zr等が検出された(全てのサンプルがこれらの全
部の元素を含むわけではないが)。そして、全てのサン
プルを夫々用いて一定の作成条件で電子写真感光体を作
成し、一定の試験条件で電子写真特性を測定したとこ
ろ、暗減衰の大小がC、H、N以外の全ての夾雑元素の
種類と含有量に大きく影響されるわけではなく、特にS
(硫黄)の含有量に大きく影響されることが見出された
のである(Sがどのような化学構造で夾雑しているかは
微量のこと故、赤外吸収スペクトルでも判定されていな
い)。すなわち、種々の夾雑元素の中でSを0.1重量
%以上含有する高感光性無金属フタロシアニン顔料粉体
を使用した電子写真感光体は、暗減衰が大き過ぎて決定
的に実用不適であることが判明したのである。
C32H18N8 で表わされるが、本発明者の試験によれば
実際に得られた該顔料粉体はC、H、N以外の複数種の
元素を夾雑物として微量含むことが分析、特に蛍光X線
分析で判明した。すなわち、Na、Mg、Al、Si、
P、S、Cl、K、Ca、Cr,Fe、Ni、Cu、Z
n、Zr等が検出された(全てのサンプルがこれらの全
部の元素を含むわけではないが)。そして、全てのサン
プルを夫々用いて一定の作成条件で電子写真感光体を作
成し、一定の試験条件で電子写真特性を測定したとこ
ろ、暗減衰の大小がC、H、N以外の全ての夾雑元素の
種類と含有量に大きく影響されるわけではなく、特にS
(硫黄)の含有量に大きく影響されることが見出された
のである(Sがどのような化学構造で夾雑しているかは
微量のこと故、赤外吸収スペクトルでも判定されていな
い)。すなわち、種々の夾雑元素の中でSを0.1重量
%以上含有する高感光性無金属フタロシアニン顔料粉体
を使用した電子写真感光体は、暗減衰が大き過ぎて決定
的に実用不適であることが判明したのである。
【0016】なお、無金属フタロシアニン顔料粉体の結
晶型は赤外吸収スペクトルやX線回折スペクトル等によ
り、公知文献を参考にして判定することができ、本発明
で使用された該粉体はいずれも高感光性無金属フタロシ
アニンの結晶構造のものであることが確認できている。
しかし、上述の通り実際に製造された高感光性無金属フ
タロシアニン顔料粉体中の夾雑元素の種類や量と電子写
真特性との関連を記載した文献は皆無だったのである。
晶型は赤外吸収スペクトルやX線回折スペクトル等によ
り、公知文献を参考にして判定することができ、本発明
で使用された該粉体はいずれも高感光性無金属フタロシ
アニンの結晶構造のものであることが確認できている。
しかし、上述の通り実際に製造された高感光性無金属フ
タロシアニン顔料粉体中の夾雑元素の種類や量と電子写
真特性との関連を記載した文献は皆無だったのである。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に詳細に説
明する。なお、以下に示す部および%は、断りのない限
り重量基準である。
明する。なお、以下に示す部および%は、断りのない限
り重量基準である。
【0018】実施例1 P.J.ブラチ等の方法(ジャーナル・オブ・ヘテロサ
イクリック・ケミストリー、第7巻、1403頁、19
70年刊)を参考にして合成したベータ型無金属フタロ
シアニンを粗製顔料として用いて、以下の実験を行なっ
た。該粗製顔料(紫色結晶)10部を試薬1級硫酸(濃
度95%)もしくは試薬特級硫酸(濃度97%)の20
0部へ氷水浴冷却下、徐々に加えて溶解し、グラスフィ
ルターを用いて濾過した。これらの溶液を、1000部
もしくは2000部の水(水道水、脱イオン水もしくは
蒸留水)へ、0℃、10℃以下もしくは20℃以下に保
ちつつ、1分、10分もしくは30分間掛けて滴下し、
暫時撹拌後沈殿を濾過器へ直ちに吸引濾過した場合と、
一夜静置後上澄液を傾斜で除いた後沈殿を吸引濾過した
場合とを行ない、夫々フィルターケーキを中性になるま
で水洗した。更に、熱水洗浄を行なった場合、稀アンモ
ニア水で洗った場合、メタノールで洗った場合、含アン
モニアメタノールで洗った場合、これらを組み合わせた
場合、等の洗浄操作を行ない、最後に70℃にて一夜以
上乾燥して、製造操作が少しづつ異なる多数の種類のア
ルファ型無金属フタロシアニン試料を得た。
イクリック・ケミストリー、第7巻、1403頁、19
70年刊)を参考にして合成したベータ型無金属フタロ
シアニンを粗製顔料として用いて、以下の実験を行なっ
た。該粗製顔料(紫色結晶)10部を試薬1級硫酸(濃
度95%)もしくは試薬特級硫酸(濃度97%)の20
0部へ氷水浴冷却下、徐々に加えて溶解し、グラスフィ
ルターを用いて濾過した。これらの溶液を、1000部
もしくは2000部の水(水道水、脱イオン水もしくは
蒸留水)へ、0℃、10℃以下もしくは20℃以下に保
ちつつ、1分、10分もしくは30分間掛けて滴下し、
暫時撹拌後沈殿を濾過器へ直ちに吸引濾過した場合と、
一夜静置後上澄液を傾斜で除いた後沈殿を吸引濾過した
場合とを行ない、夫々フィルターケーキを中性になるま
で水洗した。更に、熱水洗浄を行なった場合、稀アンモ
ニア水で洗った場合、メタノールで洗った場合、含アン
モニアメタノールで洗った場合、これらを組み合わせた
場合、等の洗浄操作を行ない、最後に70℃にて一夜以
上乾燥して、製造操作が少しづつ異なる多数の種類のア
ルファ型無金属フタロシアニン試料を得た。
【0019】こうして得た各試料(どれも濃青色粉体)
の中から9種類について各々5gづつとり、別々のめの
う製ポット(容量250ml)へ入れ、めのう製ボール
(直径20mm)7個づつ加え、遊星型ボールミルP−
5(フリッチュ・ジャパン(株)製)を用いて、デイス
ク360回転/分、ポット780回転/分に設定して2
4時間粉砕処理した後、赤外吸収スペクトルとX線回折
スペクトルを測定したところ、赤外吸収スペクトルでは
いずれも755、735、717cm-1付近に3本の強
い吸収ピークが認められ、X線回折スペクトルではそれ
ぞれブラッグ角度2θ=7.59、9.13、16.6
6、17.24、22.24、23.92、27.2
0、28.64、30.47度付近に、±0.2度のバ
ラツキ範囲で特異的な回折ピークが認められた。これら
の結果から、上で得られたアルファ型無金属フタロシア
ニンのどれからも同条件の粉砕処理によって同一結晶構
造の無金属フタロシアニンが得られ、しかも特公昭44
−14106号公報でX形メタルフリーフタロシアニン
と呼ばれるものと同一であることが判った。
の中から9種類について各々5gづつとり、別々のめの
う製ポット(容量250ml)へ入れ、めのう製ボール
(直径20mm)7個づつ加え、遊星型ボールミルP−
5(フリッチュ・ジャパン(株)製)を用いて、デイス
ク360回転/分、ポット780回転/分に設定して2
4時間粉砕処理した後、赤外吸収スペクトルとX線回折
スペクトルを測定したところ、赤外吸収スペクトルでは
いずれも755、735、717cm-1付近に3本の強
い吸収ピークが認められ、X線回折スペクトルではそれ
ぞれブラッグ角度2θ=7.59、9.13、16.6
6、17.24、22.24、23.92、27.2
0、28.64、30.47度付近に、±0.2度のバ
ラツキ範囲で特異的な回折ピークが認められた。これら
の結果から、上で得られたアルファ型無金属フタロシア
ニンのどれからも同条件の粉砕処理によって同一結晶構
造の無金属フタロシアニンが得られ、しかも特公昭44
−14106号公報でX形メタルフリーフタロシアニン
と呼ばれるものと同一であることが判った。
【0020】実施例2 上記の方法で得たアルファ型無金属フタロシアニンの中
から5種類について各々24gづつとり、アルミナ製ポ
ット(容量400ml)へ入れ、アルミナ製ボール(直
径10mm)400gを加え、100回転/分で10日
間ボールミル粉砕処理した後、赤外吸収スペクトルとX
線回折スペクトルを測定したところ、いずれも上記と同
様にX形メタルフリーフタロシアニンと呼ばれるものと
同一であることが判った。
から5種類について各々24gづつとり、アルミナ製ポ
ット(容量400ml)へ入れ、アルミナ製ボール(直
径10mm)400gを加え、100回転/分で10日
間ボールミル粉砕処理した後、赤外吸収スペクトルとX
線回折スペクトルを測定したところ、いずれも上記と同
様にX形メタルフリーフタロシアニンと呼ばれるものと
同一であることが判った。
【0021】実施例3 市販試薬の無金属フタロシアニン(X線回折により結晶
化の進んだアルファ型と判明)を粗製顔料として用い
て、実施例1と同様に硫酸溶液を大量の冷水中に滴下
し、沈殿を濾過水洗したのち乾燥し、実施例1と同様の
アルファ型無金属フタロシアニンを得た。この中から5
種類について実施例2と同様にアルミナ製ポットとボー
ルを用いるボールミル粉砕処理により、X形へ結晶転移
させた。
化の進んだアルファ型と判明)を粗製顔料として用い
て、実施例1と同様に硫酸溶液を大量の冷水中に滴下
し、沈殿を濾過水洗したのち乾燥し、実施例1と同様の
アルファ型無金属フタロシアニンを得た。この中から5
種類について実施例2と同様にアルミナ製ポットとボー
ルを用いるボールミル粉砕処理により、X形へ結晶転移
させた。
【0022】実施例4 この様にして得られた多数の出発粗製顔料や処理操作が
異なる無金属フタロシアニン顔料粉体のそれぞれを用い
て、下記のようにして電子写真感光体を作成した。無金
属フタロシアニン顔料粉体1部をアクリル系樹脂4部を
溶解したテトラヒドロフラン結着剤溶液60部へ加え、
ガラスビーズ適量を入れたポリ瓶へ入れペイントコンデ
イショナーを用いて2時間、振盪分散した。ガラスビー
ズをふるいで除き、濃青色分散液を表面陽極酸化処理し
たアルミニウム板上に、線巻きドクトルを用いて乾燥後
の固形分塗工量が5g/m2 となるように塗工し、80
℃にて乾燥後黒袋へ入れて1日置いた。
異なる無金属フタロシアニン顔料粉体のそれぞれを用い
て、下記のようにして電子写真感光体を作成した。無金
属フタロシアニン顔料粉体1部をアクリル系樹脂4部を
溶解したテトラヒドロフラン結着剤溶液60部へ加え、
ガラスビーズ適量を入れたポリ瓶へ入れペイントコンデ
イショナーを用いて2時間、振盪分散した。ガラスビー
ズをふるいで除き、濃青色分散液を表面陽極酸化処理し
たアルミニウム板上に、線巻きドクトルを用いて乾燥後
の固形分塗工量が5g/m2 となるように塗工し、80
℃にて乾燥後黒袋へ入れて1日置いた。
【0023】かく作成した単層型電子写真感光体の多数
枚につきそれぞれを、静電記録試験装置(川口電気製S
P−428)により電子写真特性測定を行なった。 測定条件:印加電圧 +6kV、光源 タングステン・
ランプ、試料面照度2ルックス
枚につきそれぞれを、静電記録試験装置(川口電気製S
P−428)により電子写真特性測定を行なった。 測定条件:印加電圧 +6kV、光源 タングステン・
ランプ、試料面照度2ルックス
【0024】測定結果は表1に示すが、表1において、
試料番号の頭の番号は実施例番号に対応する。また、D
D(%)は、暗所10秒後の表面電位残留百分率であ
る。
試料番号の頭の番号は実施例番号に対応する。また、D
D(%)は、暗所10秒後の表面電位残留百分率であ
る。
【0025】
【表1】
【0026】実施例5(蛍光X線分析) 実施例1から3で得られた出発粗製顔料や処理操作が異
なる高感光性無金属フタロシアニン顔料粉体試料のそれ
ぞれにつき、アルミリング法で加圧成形し、蛍光X線分
析装置(理学電機工業製X−RAY SPECTROM
ETER 3270)により、夾雑元素の定性および定
量分析を行なった。分析結果は表2に示すが、表2にお
いて、試料番号の頭の番号は実施例番号に対応する。ま
た、同表内の空欄はN.D.(不検出)を意味し、<1
×10-3%であることを示す。
なる高感光性無金属フタロシアニン顔料粉体試料のそれ
ぞれにつき、アルミリング法で加圧成形し、蛍光X線分
析装置(理学電機工業製X−RAY SPECTROM
ETER 3270)により、夾雑元素の定性および定
量分析を行なった。分析結果は表2に示すが、表2にお
いて、試料番号の頭の番号は実施例番号に対応する。ま
た、同表内の空欄はN.D.(不検出)を意味し、<1
×10-3%であることを示す。
【0027】
【表2】
【0028】表1と表2を照合してみると、次のような
ことが判る。すなわち、表1で不適と評価された試料番
号1−6、1−7、1−8、2−3、2−5、3−5で
は、DD(%)が93.0%未満であって暗減衰率(1
00−DD)(%)が大きい。従って、静電荷の暗所保
持性が悪く、現像時のトナーの付着量が不足し、画像濃
度が不十分となる。これら不適と評価された試料と他の
適と評価された試料について、表2を見ると、しばしば
夾雑し、比較的含有率の高いNa、Mg、Al、Si、
Cl、K、Ca、Fe、Cu、Znなどの含有率と適・
不適との相関は見出し難いが、Sの含有率との関連は強
く、特に100×10-3%未満すなわち0.1%未満の
Sを含有する試料が適と評価されていることが判る。
ことが判る。すなわち、表1で不適と評価された試料番
号1−6、1−7、1−8、2−3、2−5、3−5で
は、DD(%)が93.0%未満であって暗減衰率(1
00−DD)(%)が大きい。従って、静電荷の暗所保
持性が悪く、現像時のトナーの付着量が不足し、画像濃
度が不十分となる。これら不適と評価された試料と他の
適と評価された試料について、表2を見ると、しばしば
夾雑し、比較的含有率の高いNa、Mg、Al、Si、
Cl、K、Ca、Fe、Cu、Znなどの含有率と適・
不適との相関は見出し難いが、Sの含有率との関連は強
く、特に100×10-3%未満すなわち0.1%未満の
Sを含有する試料が適と評価されていることが判る。
【0029】
【発明の効果】実施例から明らかなように、高い感光性
を示す無金属フタロシアニン(例えば、X形無金属フタ
ロシアニン)の実用顔料乾燥粉体は、実際にはC、H、
N以外の各種元素を微量夾雑しているが、電子写真用と
して使用するとき全ての夾雑元素が実用性能を致命的に
低下させるわけではなく、許容されるものもある。しか
し、ことS(硫黄)に関しては暗減衰に与える影響が大
きくシビアに管理する必要があるが、S含有率0.1%
未満であれば許容され、暗減衰の小さい電子写真用感光
性顔料として優秀な、有用な顔料であることが示され
た。そして、かかる顔料を使用した電子写真感光体は、
暗減衰の小さい優れた電子写真感光体であることが示さ
れた。
を示す無金属フタロシアニン(例えば、X形無金属フタ
ロシアニン)の実用顔料乾燥粉体は、実際にはC、H、
N以外の各種元素を微量夾雑しているが、電子写真用と
して使用するとき全ての夾雑元素が実用性能を致命的に
低下させるわけではなく、許容されるものもある。しか
し、ことS(硫黄)に関しては暗減衰に与える影響が大
きくシビアに管理する必要があるが、S含有率0.1%
未満であれば許容され、暗減衰の小さい電子写真用感光
性顔料として優秀な、有用な顔料であることが示され
た。そして、かかる顔料を使用した電子写真感光体は、
暗減衰の小さい優れた電子写真感光体であることが示さ
れた。
Claims (3)
- 【請求項1】 S(硫黄元素)含有率が0.1重量%未
満である感光性無金属フタロシアニン顔料粉体。 - 【請求項2】 S(硫黄元素)含有率が蛍光X線分析法
により求めて0.1重量%未満である請求項1記載の感
光性無金属フタロシアニン顔料粉体。 - 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2記載の感光性
無金属フタロシアニン顔料粉体を使用した電子写真感光
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33185392A JPH06179834A (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 電子写真特性の優れた無金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33185392A JPH06179834A (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 電子写真特性の優れた無金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06179834A true JPH06179834A (ja) | 1994-06-28 |
Family
ID=18248387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33185392A Pending JPH06179834A (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 電子写真特性の優れた無金属フタロシアニン顔料粉体、およびそれを使用した電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06179834A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015069062A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 三菱化学株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 |
-
1992
- 1992-12-11 JP JP33185392A patent/JPH06179834A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015069062A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | 三菱化学株式会社 | 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 |
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