JPH06179685A - ピロロチアゾールカルボキサミド誘導体 - Google Patents

ピロロチアゾールカルボキサミド誘導体

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JPH06179685A
JPH06179685A JP4353658A JP35365892A JPH06179685A JP H06179685 A JPH06179685 A JP H06179685A JP 4353658 A JP4353658 A JP 4353658A JP 35365892 A JP35365892 A JP 35365892A JP H06179685 A JPH06179685 A JP H06179685A
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JP
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group
formula
substituent
methyl
naphthyl
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JP4353658A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hara
弘 原
Koichi Kubota
浩一 窪田
Toshiyasu Mase
年康 間瀬
Kenichi Tomioka
健一 富岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式(I) (式中、 1 :H、低級アルキル基、シクロアルキル基又はアラ
ルキル基;R2 :低級アルキル基又は式−X−R4 で示
される基;但し、R1 とR2 とは隣接する窒素原子と一
体となって、式 で示される基を形成していてもよい。 X:単結合、直鎖又は分岐のアルキレン基;R4
5 :(置換)アリール基、シクロアルキル基又は(置
換)ベンズヒドリル基;R3 :(置換)アリール基、
(置換)アリールメチル基、(置換)ベンズヒドリル基
など、 窒素原子を1乃至2個、更に酸素原子もしくは硫黄原子
を1個有していてもよい、水酸基もしくは低級アルコキ
シ基で置換されていてもよい5乃至6員単環式複素環基
を示す)で示されるピロロチアゾールカルボキサミド誘
導体、その塩、その立体異性体、その水和物又はその溶
媒和物。 【効果】 上記化合物はタキキニン拮抗作用を有し、喘
息、慢性気管支炎等の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タキキニン(tach
ykinins)拮抗作用を有する新規なピロロチアゾ
ールカルボキサミド誘導体、その立体異性体及びそれら
の塩に関する。
【0002】
【従来の技術】タキキニンは、10個程度のアミノ酸か
らなる一群の神経ペプチドである。タキキニンの生理活
性作用は、平滑筋収縮、血圧降下、血管透過性亢進など
多岐にわたっており、その放出により気管支の収縮や気
道の炎症などの気道病変、肥満細胞からのヒスタミンの
遊離などを惹起することが知られている。
【0003】タキキニン拮抗薬としていくつかの化合物
が報告されているが、そのほとんどがペプチドであり、
それらはタキキニン受容体(レセプター)に作用するこ
とにより拮抗作用を発現するものである。従来、ほ乳類
に存在するタキキニン受容体として、サブスタンスPが
最も高い親和性を示すNK−1受容体、ニューロキニン
Aが最も高い親和性を示すNK−2受容体及びニューロ
キニンBが最も高い親和性を示すNK−3受容体が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的
は、タキキニン拮抗作用、特にサブスタンスP拮抗作
用、ニューロキニンA拮抗作用、ニューロキニンB拮抗
作用などの薬理活性を有する新規かつ有用なピロロチア
ゾールカルボキサミド誘導体、その立体異性体ならびに
これらの塩を提供することである。
【0005】本発明の他の目的は、ヒトまたは動物にお
けるタキキニン介在性疾患、例えば、喘息、鼻炎、慢性
気管支炎、咳などの呼吸器疾患;結膜炎、春季カタルな
どの眼疾患;接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、じんま
疹、その他の湿疹様皮膚炎などの皮膚疾患;慢性関節リ
ウマチなどの炎症性疾患;過敏性腸症候群などの消化器
系疾患;疼痛(例えば、糖尿病の神経症、リウマチ性疼
痛、片頭痛、頭痛、歯痛、癌性疼痛、各種炎症性疾患に
伴う疼痛)などの治療または予防に有用な前記誘導体、
その立体異性体またはこれらの塩を有効成分とするタキ
キニン拮抗剤、特にサブスタンスP拮抗剤、ニューロキ
ニンA拮抗剤またはニューロキニンB拮抗剤を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】(式中の各記号及び式中の
【0009】
【化6】
【0010】で示される部分は、下記の意味を有する。 R1 :H、低級アルキル基、シクロアルキル基又はアラ
ルキル基 R2 :低級アルキル基又は式−X−R4 で示される基 但し、R1 とR2 とは隣接する窒素原子と一体となっ
て、式
【0011】
【化7】
【0012】で示される基を形成していてもよい。 X:単結合、直鎖又は分岐のアルキレン基 R4 、R5 :同一又は異って、置換基を有していてもよ
いアリール基、シクロアルキル基又は置換基を有してい
てもよいベンズヒドリル基 R3 :置換基を有していてもよいアリール基、置換基を
有していてもよいアリールメチル基、置換基を有してい
てもよいベンズヒドリル基、シクロアルキル基、シクロ
アルキルメチル基、炭素数3乃至10のアルキル基又は
置換基を有していてもよい縮合複素環基置換メチル基
【0013】
【化8】
【0014】窒素原子を1乃至2個、更に酸素原子もし
くは硫黄原子を1個有していてもよい、水酸基もしくは
低級アルコキシ基で置換されていてもよい5乃至6員単
環式複素環基)で示される新規なピロロチアゾールカル
ボキサミド誘導体、その塩、その立体異性体、その水和
物又はその溶媒和物に関する。以下、上記一般式(I)
についてさらに詳細に説明する。
【0015】なお、本明細書の一般式の定義において
「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1乃
至6個の直鎖又は分岐状の炭素鎖を意味する。従って、
「低級アルキル基」としては、具体的には例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、
tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチ
ルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチ
ルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチ
ルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメ
チルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジ
メチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチ
ルブチル基、2−エチルブチル基、1,2,2−トリメ
チルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、
1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−
メチルプロピル基等が挙げられる。
【0016】また、「低級アルコキシ基」としては、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ
基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ(アミルオ
キシ) 基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチル
オキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ
基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポ
キシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0017】また、R3 が示す「炭素数3乃至10のア
ルキル基」とは、上記「低級アルキル基」における炭素
数3乃至6のものに加えて、さらにヘプチル基、5−メ
チルヘキシル基、オクチル基、6−メチルヘプチル基、
ノニル基、7−メチルオクチル基、デシル基、8−メチ
ルノニル基等が挙げられる。
【0018】Xが示す「直鎖又は分岐のアルキレン基」
としては、炭素数が1乃至12個のアルキレン基が好適
であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、メチル
メチレン基、エチルメチレン基、トリメチレン基、プロ
ピレン基、2−プロピレン基、プロピルメチレン基、イ
ソプロピルメチレン基、ジメチルメチレン基、テトラメ
チレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリ
メチレン基、3−メチルトリメチレン基、1−エチルエ
チレン基、2−エチルエチレン基、2,2−ジメチルエ
チレン基、1,1−ジメチルエチレン基、エチルメチル
エチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチ
レン基、2−メチルテトラメチレン基、3−メチルテト
ラメチレン基、4−メチルテトラメチレン基、1,1−
ジメチルトリメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレ
ン基、3,3−ジメチルトリメチレン基、1,3−ジメ
チルトリメチレン基、2,3−ジメチルトリメチレン
基、1,2−ジメチルトリメチレン基、1−エチルトリ
メチレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、ヘキ
サメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、1,1−
ジメチルテトラメチレン基、2,2−ジメチルテトラメ
チレン基、3,3−ジメチルテトラメチレン基、4,4
−ジメチルテトラメチレン基、1,1,3−トリメチル
トリメチレン基、1,1,2−トリメチルトリメチレン
基、1,1,2,2−テトラメチルエチレン基、ヘプタ
メチレン基、1−メチルヘキサメチレン基、1,1−ジ
メチルペンタメチレン基、5,5−ジメチルペンタメチ
レン基、オクタメチレン基、1−メチルヘプタメチレン
基、1,1−ジメチルヘキサメチレン基、ノナメチレン
基、1−メチルオクタメチレン基、1,1−ジメチルヘ
プタメチレン基、デカメチレン基、1−メチルノナメチ
レン基、1,1−ジメチルオクタメチレン基、ウンデカ
メチレン基、1−メチルデカメチレン基、1,1−ジメ
チルノナメチレン基、ドデカメチレン基、1,1−ジメ
チルデカメチレン基等が挙げられる。
【0019】「シクロアルキル基」や「シクロアルキル
メチル基」の「シクロアルキル基」としては、炭素数が
3〜8個のものが好適であり、具体的にはシクロプロピ
ル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等であ
る。また、「置換基を有していてもよいアリール基」や
「置換基を有していてもよいアリールメチル基」を形成
する「アリール基」とは、炭素環アリール基またはヘテ
ロ環アリール基の双方を意味し、アリール基の置換基と
しては、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、アラルキル
オキシ基、アリールオキシ基、低級アルカノイル基、ア
ラルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、シアノ
基、ニトロ基、アミノ基、又はモノ若しくはジ低級アル
キルアミノ基等から選ばれた同一又は異なる基が挙げら
れ、本明細書中の「アリール基」は、これらの置換基を
1乃至3個有していてもよい。炭素環アリール基には、
具体的には例えば、フェニル基、トリル基、キシリル
基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナ
ントリル基等の基や、低級アルコキシフェニル基、クロ
ルフェニル基、ニトロフェニル基等があり、またヘテロ
環アリール基には、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリ
ル基、フリル基、チエニル基等を好適なものとして例示
することができる。
【0020】「アラルキル基」としては、前記「低級ア
ルキル基」の任意の水素原子が前記「アリール基」で置
換された基が好ましく、具体的にはベンジル基、フェネ
チル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル
基、2−フェニルプロピル基、1−フェニルプロピル
基、1−メチル−2−フェニルエチル基、4−フェニル
ブチル基、3−フェニルブチル基、2−フェニルブチル
基、1−フェニルブチル基、2−メチル−3−フェニル
プロピル基、2−メチル−2−フェニルプロピル基、2
−メチル−1−フェニルプロピル基、1−メチル−3−
フェニルプロピル基、1−メチル−2−フェニルプロピ
ル基、1−メチル−1−フェニルプロピル基、1−エチ
ル−2−フェニルエチル基、1,1−ジメチル−2−フ
ェニルエチル基、5−フェニルペンチル基、4−フェニ
ルペンチル基、3−フェニルペンチル基、2−フェニル
ペンチル基、1−フェニルペンチル基、3−メチル−4
−フェニルブチル基、3−メチル−3−フェニルブチル
基、3−メチル−2−フェニルブチル基、3−メチル−
1−フェニルブチル基、6−フェニルヘキシル基、5−
フェニルヘキシル基、4−フェニルヘキシル基、3−フ
ェニルヘキシル基、2−フェニルヘキシル基、1−フェ
ニルヘキシル基、4−メチル−5−フェニルペンチル
基、4−メチル−4−フェニルペンチル基、4−メチル
−3−フェニルペンチル基、4−メチル−2−フェニル
ペンチル基、4−メチル−1−フェニルペンチル基、1
−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−(1
−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル
基、1−(1−ナフチル)エチル基、1−(2−ナフチ
ル)エチル基、3−(1−ナフチル)プロピル基、3−
(2−ナフチル)プロピル基、2−(1−ナフチル)プ
ロピル基、2−(2−ナフチル)プロピル基、1−(1
−ナフチル)プロピル基、1−(2−ナフチル)プロピ
ル基、1−メチル−2−(1−ナフチル)エチル基、1
−メチル−2−(2−ナフチル)エチル基、4−(1−
ナフチル)ブチル基、4−(2−ナフチル)ブチル基、
3−(1−ナフチル)ブチル基、3−(2−ナフチル)
ブチル基、2−(1−ナフチル)ブチル基、2−(2−
ナフチル)ブチル基、1−(1−ナフチル)ブチル基、
1−(2−ナフチル)ブチル基、2−メチル−3−(1
−ナフチル)プロピル基、2−メチル−3−(2−ナフ
チル)プロピル基、2−メチル−2−(1−ナフチル)
プロピル基、2−メチル−2−(2−ナフチル)プロピ
ル基、2−メチル−1−(1−ナフチル)プロピル基、
2−メチル−1−(2−ナフチル)プロピル基、5−
(1−ナフチル)ペンチル基、5−(2−ナフチル)ペ
ンチル基、4−(1−ナフチル)ペンチル基、4−(2
−ナフチル)ペンチル基、3−メチル−4−(1−ナフ
チル)ブチル基、3−メチル−4−(2−ナフチル)ブ
チル基、6−(1−ナフチル)ヘキシル基、6−(2−
ナフチル)ヘキシル基、5−(1−ナフチル)ヘキシル
基、5−(2−ナフチル)ヘキシル基、4−メチル−5
−(1−ナフチル)ペンチル基、4−メチル−5−(2
−ナフチル)ペンチル基、ベンズヒドリル基、トリチル
基等が挙げられる。
【0021】「置換基を有していてもよい縮合複素環基
置換メチル基」を形成する「置換基を有していてもよい
縮合複素環基」とは、窒素原子、酸素原子および/また
は硫黄原子を任意に1乃至4個含有し、その任意の位置
に1乃至3個の置換基を有していてもよい縮合複素環基
を意味する。好適には下記式で示される基が挙げられ
る。
【0022】
【化9】
【0023】(式中、Ra はホルミル基もしくはアセチ
ル基等の低級アルカノイル基、低級アルキル基又は水素
原子を示す。尚、結合手はベンゼン環、ヘテロ環のいず
れに結合していてもよいことを意味する。)また、式中
【0024】
【化10】
【0025】の部分が意味する、「窒素原子を1乃至2
個、更に酸素もしくは硫黄原子を1個有していてもよ
い、水酸基もしくは低級アルコキシ基で置換されていて
もよい5乃至6員単環式複素環基」を形成する「窒素原
子を1乃至2個、更に酸素原子又は硫黄原子を1個有し
ていてもよい5乃至6員単環式複素環基」の好適な具体
例としては、下式に示される様な基等が挙げられる。
【0026】
【化11】
【0027】一般式(I)の化合物の中には、塩を形成
するものがあり、本発明化合物はそれらの塩をも包含す
る。塩としては、薬学上許容される非毒性のものであ
り、たとえば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、臭化水
素酸塩などの無機酸塩およびマレイン酸塩、フマル酸
塩、酒石酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホ
ン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
【0028】また、一般式(I)の化合物には、不斉炭
素原子にもとづく光学異性体が存在する。又、本化合物
の中にはシクロヘキサン環に基づくシス−、トランス−
幾何異性体が存在することがある。一般式(I)の化合
物は、これらの異性体の分離されたものおよび混合物を
包含する。更に一般式(I) の化合物には、水和物、各
種溶媒和物及び結晶多形のもの等が含まれる。 (製造法)一般式(I)で示される化合物は、つぎの反
応式で示される方法によって製造することができる。
【0029】
【化12】
【0030】(式中、R1 、R2 、R3 及び式中
【0031】
【化13】
【0032】で示される部分は前記を意味する。)上式
中、一般式(I)で示される本発明化合物は、一般式
(III )で示されるアミン又はその塩と一般式(II)で
示されるカルボン酸又はその反応性誘導体とを、常法に
よってアミド化することによって製造することができ
る。化合物(II)の反応性誘導体としては酸クロライ
ド、酸ブロマイドの如き酸ハライド;酸アジド;1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシスクシン
イミド等との活性エステル;対称型酸無水物;アルキル
炭酸、p−トルエンスルホン酸等との混合酸無水物等が
挙げられる。化合物(II)を遊離のカルボン酸又は活性
エステルで反応させるときは、N,N′−ビス(2−オ
キソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロライ
ド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1′−カル
ボニルジイミダゾール、N,N′−ジスクシニミジルカ
ーボネート、1−(3−ジメチルアミノプロピル) −3
−エチルカルボジイミド等の縮合剤の存在下に実施して
もよい。
【0033】反応条件は原料化合物、殊に化合物(II)
の反応性誘導体の種類によって若干異なるが、ピリジ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エーテル、N,
N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ジクロロメタン、ジクロルエタン、クロロホル
ム、酢酸エチル、アセトニトリル等反応に不活性な有機
溶媒中、原料化合物(II)、(III )を等モル乃至原料
化合物(II)又は(III )のどちらか一方を過剰モル用
いて反応させるのが有利である。
【0034】反応性誘導体の種類によって、あるいは原
料化合物(III )の塩を用いる場合など、反応に際し、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホ
リン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の無機塩基などの塩基の存在下に実施するのが有利な
場合がある。なお、ピリジンは溶媒を兼ねることもでき
る。反応温度は反応性誘導体の種類によって異なり、適
宜設定される。
【0035】反応混合物から、生成物を単離、精製する
には、常法による溶媒抽出、濃縮、再結晶、クロマトグ
ラフィー等が適宜用いられる。
【0036】なお、本発明化合物の原料化合物(III )
は、本発明者等による特許出願〔特願平4−59280
号(平成4年2月13日特許出願)及び特願平4−17
0113号(平成4年6月4日特許出願)〕の各明細書
中に記載の製造法により、容易に製造することが可能で
ある。
【0037】
【発明の効果】上記一般式(I)で示される化合物は、
タキキニン拮抗作用、特にサブスタンスP拮抗作用、ニ
ューロキニンA拮抗作用、ニューロキニンB拮抗作用な
どの薬理活性を有しているため、タキキニン介在性疾
患、例えば、喘息、鼻炎、咳、慢性気管支炎などの呼吸
器疾患;結膜炎、春季カタルなどの眼疾患;接触性皮膚
炎、アトピー性皮膚炎、じんま疹、その他の湿疹様皮膚
炎などの皮膚疾患;慢性関節リウマチなどの炎症性疾
患;糖尿病の神経症、リウマチ性疼痛、片頭痛、頭痛、
歯痛、癌性疼痛、上気道炎等の疼痛など各種疾患に伴う
疼痛などの治療または予防に有用である。
【0038】また、本発明化合物(I)の中には、タキ
キニン拮抗作用と共に、血小板活性化因子(PAF)拮
抗作用及び/又はトロンボキサン(TX)合成阻害作用
を併せ持つものが含まれている。PAFは気道平滑筋の
収縮、血管透過性の亢進、血小板凝集、血圧低下等の作
用を有し、喘息、炎症、血栓症、腎炎、ショック等を惹
起する因子と考えられている。また、TXは血小板凝
集、動脈収縮、気管支収縮などの作用を有し、血栓症、
狭心症、気管支喘息に関与する因子と考えられている。
従来、これら各メディエーターの作用を抑える物質の研
究が進められているが、実際の臨床においては一つのメ
ディエーターの活性を抑えても充分な治療効果を得るこ
とは困難な場合もあり、各メディエーターの抑制薬を併
用することがしばしば行なわれてきた。しかし、二種以
上の薬剤の併用は、各薬剤の体内動態をコントロールす
ることが困難であり、併用による予期しない副作用が発
生しないとも限らない。従って、本発明に包含される上
記化合物の如く、タキキニン拮抗作用と抗PAF作用及
び/又はTX合成阻害作用を併有する化合物は、一つの
化合物でこれら各メディエーターを抑制することが求め
られる疾患に対して、臨床上の極めて高い有用性が期待
できる。
【0039】(薬理作用)一般式(I)の化合物が優れ
たタキキニン拮抗作用を示すことは、下記の試験方法に
より確認された。 試験方法:サブスタンスP受容体拮抗作用
【0040】ハートレー系雄性モルモット(550−8
50g)を頭部打撲及び脱血により致死させ、回腸を摘
出した。長さ約2cmの標本を作製し、95%O2 +5
%CO2 の混合ガスを通気させた37℃のTyrode
液を含む内容積10mlのMagnus槽内に静止張力
1.0gで懸垂した。なお、内因性のアセチルコリン、
ヒスタミン、プロスタグランディンの関与を除くため、
アトロピン(5×10-6M)、メピラミン(5×10-6
M)、インドメタシン(5×10-6M)を含むTyro
de液を用いた。張力が安定した約90分後から、サブ
スタンスP(10-8M)を15分間隔で繰り返し作用さ
せた。サブスタンスPによる収縮高が一定した後、種々
濃度の薬物を加え10分間インキュベートし、再度サブ
スタンスPを作用させた。薬物を加える直前2回の収縮
高をコントロールとし、薬物による抑制率を求めた。薬
物の抑制作用曲線から50%抑制率(IC50)をプロビ
ット法により求めた。
【0041】治療のためにこの発明の化合物(I)は、
通常使用される有機もしくは無機固体状もしくは液状賦
形剤のような製薬学的に許容される担体と混合した医薬
製剤の形で使用される。医薬製剤はカプセル剤、錠剤、
丸剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、経口用液剤、懸濁液、乳
剤、注射剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液
剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤
などの経口、非経口の製剤として調製される。所望に応
じて上記製剤中に助剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、
緩衝液およびその他の通常使用される添加剤が含まれて
いてもよい。投与量は症状、投与対象の年令、性別等を
考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
【0042】例えば、経口投与のための固体組成物とし
ては、錠剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固
体組成物においては、1種類またはそれ以上の活性物質
が、不活性な希釈剤、例えば乳糖、マニトール、ブドウ
糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロー
ス、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アル
ミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従
って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン
酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリコール酸カ
ルシウムのような崩壊剤、ラクトースのような安定化
剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような溶解補
助剤を含有していてもよい。錠剤または丸剤は必要によ
り白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの胃
溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい
し、また2以上の層の被覆を施してもよい。さらにゼラ
チンのような吸収されうる物質のカプセルとしてもよ
い。
【0043】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘
味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
経口投与のためのその他の組成物としては、1つまたは
それ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により
処方されるスプレー剤が含まれる。
【0044】本発明による非経口投与のための注射剤と
しては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤とし
ては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。
非溶性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶
液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、
エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80
等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトー
ス)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸)のような補助剤を含んでもよい。これらは例えば
バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合ま
たは照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固
体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用
溶媒に溶解して使用することもできる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲記し、本発明を詳細に説明
する。なお、実施例の原料化合物には新規な化合物も含
まれており、その入手方法を参考例に示す。
【0046】なお、下記参考例及び実施例において以下
に示す略号を用いる。 DCC ;N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF ;N,N−ジメチルホルムアミド HOBT;1−ヒドロキシベンゾトリアゾール THF ;テトラヒドロフラン
【0047】参考例1 N−tert−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニン(4.00g、15.1mmol)、N−メチルモ
ルホリン(1.66ml,15.1mmol)、THF
(80ml)の混合物に、−15〜20℃で、クロロ炭
酸イソブチル(2.06g,15.1mmol)を加
え、20分間攪拌した。反応液にN−メチルベンズヒド
リルアミン(2.97g,15.1mmol)とTHF
(10ml)の混合物を加え、室温で2時間攪拌した
後、減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解
し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ヘキサン:
酢酸エチル=5:1)で精製し、N−ベンズヒドリル−
N(アルファ) −tert−ブトキシカルボニル−N−
メチル−L−フェニルアラニナミド(4.95g,1
1.1mmol,74%)を無色非晶性固体として得
た。
【0048】参考例2 N−tert−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニン(3.33g,12.6mmol)、1−フェニル
−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(2.2
0g,10.5mmol)、酢酸エチル(100ml)
の混合物に、氷冷下、HOBT(2.10g,15.6
mmol)、DCC(2.40g,11.7mmol)
を加え、室温で一夜攪拌した。反応液中の不溶物を濾去
し、濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、10%
クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ト
ルエン:酢酸エチル=9:1)で精製し、2−(N−t
ert−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラニル)
−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキ
ノリン(5.10g,定量的)を無色結晶として得た。
以下、同様にして参考例3の化合物を得た。なお、参考
例1〜3の化合物は以下の試薬を用いても合成できる。 ・ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ
ン酸クロリド ・1,1′−カルボニルジイミダゾール ・1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミドとHOBT ・N,N′−ジスクシニミジルカーボネート
【0049】参考例4 N−ベンズヒドリル−N(アルファ) −tert−ブト
キシカルボニル−N−メチル−L−フェニルアラニナミ
ド(1.00g,2.25mmol)とトリフルオロ酢
酸(20ml)の混合物を室温で30分間攪拌した後、
減圧下濃縮した。得られた残渣に水、炭酸水素ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム水溶液を順次加え、液性をアルカ
リ性とした後、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得ら
れた残渣にDMF(20ml)、N−tert−ブトキ
シカルボニル−L−ヒドロキシプロリン(620mg,
2.70mmol)、HOBT(460mg,3.37
mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3
−エチルカルボジイミド塩酸塩(650mg,3.37
mmol)を加え、室温で一夜攪拌した。反応液を減圧
下濃縮し、得られた残渣に酢酸エチルを加え、水、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;クロロホルム:メタノール=97:3)で精
製し、(4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−
4−ヒドロキシ−L−プロリル−N−ベンズヒドリル−
N−メチル−L−フェニルアラニナミド(1.34g,
定量的)を無色非晶性固体として得た。以下、同様にし
て参考例5〜6の化合物を得た。なお、参考例4〜6の
化合物は以下の試薬を用いても合成できる。 ・ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ
ン酸クロリド ・1,1′−カルボニルジイミダゾール ・N,N′−ジスクシニミジルカーボネート ・DCCとHOBT
【0050】参考例7 2−(N−tert−ブトキシカルボニル−L−フェニ
ルアラニル)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロイソキノリン(410mg,0.900mmo
l)、ジクロロメタン(3ml)の混合物に、氷冷下、
トリフルオロ酢酸(3ml)を加え、室温で1時間攪拌
した後、減圧下濃縮した。得られた残渣に飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣に酢酸
エチル(5ml)、N−tert−ブトキシカルボニル
−L−ヒドロキシプロリン(250mg,1.09mm
ol)、HOBT(150mg,1.11mmol)、
DCC(220mg,1.07mmol)を加え、室温
で一夜攪拌した。反応液中の不溶物を濾去し、濾液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液;クロロホルム:メタノール=9:1)で精
製し、2−〔(4R)−1−tert−ブトキシカルボ
ニル−4−ヒドロキシ−L−プロリル−L−フェニルア
ラニル〕−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒド
ロイソキノリン(570mg,定量的)を無色油状物と
して得た。なお、参考例7の化合物は以下の試薬を用い
ても合成できる。 ・ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ
ン酸クロリド ・1,1′−カルボニルジイミダゾール ・1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミドとHOBT ・N,N′−ジスクシニミジルカーボネート
【0051】実施例1 (4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリル−N−ベンズヒドリル−N−メ
チル−L−フェニルアラニナミド(1.27g,2.2
8mmol)とジクロロメタン(20ml)の混合物
に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(30ml)を加え、そ
のままの温度で10分間、次いで室温で1時間攪拌した
後、減圧下濃縮した。得られた残渣に水、炭酸水素ナト
リウム、水酸化ナトリウム水溶液を順次加え、液性をア
ルカリ性とした後、クロロホルムで抽出した。抽出液を
無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。
得られた残渣とDMF(20ml)、〔(3R)−3−
(3−ピリジル)−1H,3H−ピロロ〔1,2−c〕
チアゾール−7−イル〕カルボン酸(670mg,2.
73mmol)、HOBT(460mg,3.42mm
ol)の混合物に、氷冷下、DCC(710mg,3.
42mmol)を加え、室温で一夜攪拌した後、減圧下
濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、0℃で1
時間攪拌した後、不溶物を濾去した。濾液を水、5%炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;クロロホルム:メタノール=100:3)で
精製し、(4R)−4−ヒドロキシ−1−〔〔(3R)
−3−(3−ピリジル)−1H,3H−ピロロ〔1,2
−c〕チアゾール−7−イル〕カルボニル〕−L−プロ
リル−N−ベンズヒドリル−N−メチル−L−フェニル
アラニナミド(540mg,0.787mmol,35
%)を淡黄色結晶として得た。以下、同様にして実施例
2〜7の化合物を得た(各化合物の化学名は後記表5〜
8参照) 。なお、実施例1〜7の化合物は以下の試薬を
用いても合成できる。 ・ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ
ン酸クロリド ・1,1′−カルボニルジイミダゾール ・1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミドとHOBT ・N,N′−ジスクシニミジルカーボネート また、実施例1〜7の化合物は〔(3R)−3−(3−
ピリジル)−1H,3H−ピロロ〔1,2−c〕チアゾ
ール−7−イル〕カルボン酸、DCC、HOBTの代わ
りに〔(3R)−3−(3−ピリジル)−1H,3H−
ピロロ〔1,2−c〕チアゾール−7−イル〕カルボン
酸クロリドと3級アミンを用いても合成できる。
【0052】実施例8 (4R)−チアゾリジン−4−カルボン酸(250m
g,1.88mmol)、ジクロロメタン(10m
l)、トリエチルアミン(552mg,5.46mmo
l)の混合物に、−30℃以下で〔(3R)−3−(3
−ピリジル)−1H,3H−ピロロ〔1,2−c〕チア
ゾール−7−イル〕カルボン酸クロリド塩酸塩(514
mg,1.71mmol)を加え、室温で一夜攪拌し
た。反応液に水を加え、反応生成物を酢酸エチルで抽出
した後、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧
下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノール=9
3:7)で精製し、(4R)−3−〔〔(3R)−3−
(3−ピリジル)−1H,3H−ピロロ〔1,2−c〕
チアゾール−7−イル〕カルボニル〕−チアゾリジン−
4−カルボン酸を得た。次に、N−ベンズヒドリル−N
(アルファ) −tert−ブトキシカルボニル−N−メ
チル−L−フェニルアラニナミド(455mg,1.0
2mmol)とトリフルオロ酢酸(10ml)の混合物
を室温で30分間攪拌した後、減圧下濃縮した。得られ
た残渣に水、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム水
溶液を順次加え、液性をアルカリ性とした後、クロロホ
ルムで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後、減圧下濃縮した。得られた残渣に上記の(4
R)−3−〔〔(3R)−3−(3−ピリジル)−1
H,3H−ピロロ〔1,2−c〕チアゾール−7−イ
ル〕カルボニル〕−チアゾリジン−4−カルボン酸、D
MF(10ml)、HOBT(207mg,1.54m
mol)、DCC(317mg,1.54mmol)を
加え、室温で一夜攪拌した後、減圧下濃縮した。得られ
た残渣に酢酸エチルを加え、0℃で1時間攪拌した後、
不溶物を濾去した。濾液を水、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:
メタノール=100:1)で精製し、N−ベンズヒドリ
ル−N−メチル−N(アルファ) −〔〔(4R)−3−
〔〔(3R)−3−(3−ピリジル)−1H,3H−ピ
ロロ〔1,2−c〕チアゾール−7−イル〕カルボニ
ル〕−4−チアゾリジニル〕カルボニル〕−L−フェニ
ルアラニナミド(393mg,0.571mmol,5
6%)を黄色油状物として得た。
【0053】なお、実施例8の化合物は以下の試薬を用
いても合成できる。 ・ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ
ン酸クロリド ・1,1′−カルボニルジイミダゾール ・1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカ
ルボジイミドとHOBT ・N,N′−ジスクシニミジルカーボネート
【0054】実施例1〜8の化合物は、中間体のアミノ
保護基としてtert−ブトキシカルボニル基の他に9
−フルオレニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基を用いても合成できる。以下、表1〜表8
に、上記参考例及び実施例により得られた化合物の化学
構造式、化学名及び理化学的性状を掲記する。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/54 ABF 9360−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中の各記号及び 【化2】 で示される部分は、下記の意味を有する。 R1 :H、低級アルキル基、シクロアルキル基又はアラ
    ルキル基 R2 :低級アルキル基又は式−X−R4 で示される基 但し、R1 とR2 とは隣接する窒素原子と一体となっ
    て、式 【化3】 で示される基を形成していてもよい。 X:単結合、直鎖又は分岐のアルキレン基 R4 、R5 :同一又は異って、置換基を有していてもよ
    いアリール基、シクロアルキル基又は置換基を有してい
    てもよいベンズヒドリル基 R3 :置換基を有していてもよいアリール基、置換基を
    有していてもよいアリールメチル基、置換基を有してい
    てもよいベンズヒドリル基、シクロアルキル基、シクロ
    アルキルメチル基、炭素数3乃至10のアルキル基又は
    置換基を有していてもよい縮合複素環基置換メチル基 【化4】 窒素原子を1乃至2個、更に酸素原子もしくは硫黄原子
    を1個有していてもよい、水酸基もしくは低級アルコキ
    シ基で置換されていてもよい5乃至6員単環式複素環
    基)で示される新規なピロロチアゾールカルボキサミド
    誘導体、その塩、その立体異性体、その水和物又はその
    溶媒和物。
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