JPH06179138A - チルトテーブルの制御装置 - Google Patents

チルトテーブルの制御装置

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JPH06179138A
JPH06179138A JP33046492A JP33046492A JPH06179138A JP H06179138 A JPH06179138 A JP H06179138A JP 33046492 A JP33046492 A JP 33046492A JP 33046492 A JP33046492 A JP 33046492A JP H06179138 A JPH06179138 A JP H06179138A
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JP
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tilt table
workpiece
tilt
turning
moment
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JP33046492A
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English (en)
Inventor
Takumi Hattori
巧 服部
Takeshi Ogura
武 小倉
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チルトテーブル旋回用駆動モータの小出力化
を可能にするとともに、工作物のスムーズかつ高精度な
位置決めと加工を可能にする。 【構成】 支持台3,4に回動可能に支持され工作物W
が載置されるチルトテーブル5と、このチルトテーブル
5をその旋回軸回りに傾斜させるサーボモータ19と、
チルトテーブル5の傾斜時にそのアンバランスモーメン
トを相殺する方向のトルクをチルトテーブル5に付与す
るバランス用シリンダ装置21とを備え、チルトテーブ
ル5の動作時にエンコーダ28により検出された旋回角
度を基にバランス演算プログラムによりチルトテーブル
5のアンバランスモーメントを算出し、このアンバラン
スモーメントが相殺されるように電磁減圧弁26を制御
して流体圧ポンプ27からバランス用シリンダ装置21
に供給される流体圧を旋回角度に応じて制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械のチルトテー
ブル上に載置される工作物の質量およびチルトテーブル
の傾斜角度の変化に応じて生じるチルトテーブルのアン
バランス状態をバランスする状態に制御するチルトテー
ブルの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】NC工作機械のチルトテーブルは、その
水平方向の両端に軸線を一致して突設した支持軸を支持
台に軸支することにより回動可能に支持され、一方の支
持軸にはウォーム減速機を介してサーボモータが連結さ
れており、このサーボモータをNC制御部からの指令信
号により駆動することでチルトテーブルを指令角度に傾
斜させ、ターンテーブルおよびパレットを介して載置し
た工作物に横形マシニングセンタなどにより、所定の加
工を施すようになっている。
【0003】また、バランスシリンダをチルトテーブル
の補助駆動源として組込み、このバランスシリンダによ
り、チルトテーブルのアンバランスモーメントを相殺で
きるようにした方式のものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなチルトテーブルにおいては、その旋回中心回りの
偏荷重によるモーメントは工作物の質量およびチルトテ
ーブルの傾斜角度(旋回角度)により大きく変動し、こ
れに伴いサーボモータにかかる負荷も大きく変動する。
このため、サーボモータには、これらの負荷に見合う出
力の大きなものを選定しなければならず、サーボモータ
が大形化する問題がある。また、工作物の質量が一定で
あっても、チルトテーブルの傾斜角度により、そのモー
メントが変化するため、一定出力のバランスシリンダで
はモーメントの変化に対応できず、サーボモータにかか
る負荷が変動して工作物の位置決めおよび加工精度に悪
影響を及ぼす問題があった。
【0005】本発明は、上述のような従来の問題を解決
するものであり、その目的とするところは、チルトテー
ブルの旋回用駆動モータの小出力化を可能にするととも
に、工作物のスムーズなかつ高精度の位置決め、および
加工を可能にしたチルトテーブルの制御装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】実施例である図1〜図3
に対応づけて本発明を説明すると、本発明は、支持部材
3,4に回動可能に支持され工作物Wが載置されるチル
トテーブル5と、このチルトテーブル5をその旋回軸回
りに傾斜させる駆動モータ19と、チルトテーブル5の
傾斜時にチルトテーブル5にそのアンバランスモーメン
トを相殺する方向のトルクを付与するバランス用シリン
ダ装置21と、このバランス用シリンダ装置21に供給
される流体圧を制御する圧力制御弁26と、チルトテー
ブル5の旋回角度を検出する旋回角度検出手段28と、
検出された旋回角度を基にチルトテーブル傾動時のアン
バランスモーメントを算出し、このアンバランスモーメ
ントが相殺されるように圧力制御弁26を制御してバラ
ンス用シリンダ装置21への供給流体圧を制御する制御
手段31とを備えてなるものである。
【0007】
【作用】上記の構成により、工作物の質量、重心および
チルトテーブルの傾斜角度に応じて生じるチルトテーブ
ルのアンバランスモーメントは、チルトテーブルの旋回
角度を基に算出でき、そして、このアンバランスモーメ
ントが相殺されるようにバランス用シリンダ装置への供
給流体圧を旋回角度に応じて制御する。よって、駆動モ
ータの小出力化および高精度の加工、位置決めが可能に
なる。
【0008】
【実施例】
(第1の実施例)図1〜図4により本発明の第1の実施
例について説明する。図1および図2において、2は図
略のベッド上にX軸方向に移動可能に設置したスライド
テーブルであり、このスライドテーブル2のX軸方向の
両端部上には一対の支持台3,4が固定されている。
【0009】5は両支持台3,4間に配置されたチルト
テーブルであり、このチルトテーブル5は、その両端に
上方へ垂直に伸びる支持部6,7を有し、この支持部
6,7の外側面には、図1〜図4に示すように、X軸方
向と平行で、かつ互いの軸線を一致させた旋回軸8,9
が支持部6,7の上方へ片寄らせて突設され、この各旋
回軸8,9を前記支持台3,4にベアリングを介して軸
支することにより、チルトテーブル5を回動可能に支持
する。
【0010】また、チルトテーブル5は、その旋回軸
8,9による旋回中心を後方、すなわち横形マシニング
センタ10の主軸頭10a側へ片寄らせるか、あるいは
チルトテーブル5の前端側(主軸頭10aと反対の側)
の質量を大きくすることなどにより、工作物許容偏荷重
と同等のアンバランスが前後方向に生じるように設計さ
れている。
【0011】前記チルトテーブル5上にはターンテーブ
ル12が回転可能に設置され、図略の駆動機構によって
位置割出し可能になっているとともに、ターンテーブル
12上には、工作物Wを載置固定するパレット13が図
略のパレットチェンジャによりチルトテーブル5の前面
側から搬出入できるようになっており、さらに、パレッ
ト13は、ターンテーブル12に設けたパレットクラン
プ装置14によって、ターンテーブル12上にクランプ
およびアンクランプできるようになっている。
【0012】次に、チルトテーブル5の傾動機構および
バランス機構の構成について述べる。チルトテーブル5
の傾動機構は、図1〜図4に示すように、旋回軸8の支
持部6との連結側基部に同心に固着した円盤15と、こ
の円盤15の支持台3内への突出端面に同心に固着した
ウォームホイール16と、支持台3内に回転可能に軸支
されウォームホイール16と噛合するウォーム17と、
支持台3に固定され、2枚の平歯車(図3では1枚のみ
示す)18を介してウォーム17に連結されたチルトテ
ーブル旋回用サーボモータ19とから構成される。
【0013】また、チルトテーブル5のバランス機構
は、図3および図4に示すように、旋回軸8に固着した
ピニオン20と、このピニオン20に反時計回り方向の
モーメントを付加することにより、工作物の質量および
チルトテーブル5の傾斜角度の変化に応じて生じるチル
トテーブル5のアンバランス状態をバランスする状態に
制御するバランス用シリンダ装置21とから構成され
る。
【0014】そして、前記バランス用シリンダ装置21
は、支持台3内に支持台3の上端から下端方向に貫通す
るよう組込まれ、ピニオン20の外周と接する部分に開
口22aを形成したシリンダチューブ22と、このシリ
ンダチューブ22内に、その長手方向に沿ってスライド
可能に嵌合され、開口22aに露出するピニオン20に
噛合するラック23とから構成され、ラック23の上端
にはピストン部23aが設けてあるとともに、このピス
トン部23aとシリンダチューブ22の蓋部材24間に
形成されるシリンダ室25には、図1に示すように電磁
減圧弁26を介して流体圧ポンプ27が接続され、ポン
プ27からバランス用の流体圧が供給されるようになっ
ている。
【0015】図1〜図4において、28はチルトテーブ
ル5の旋回角度(傾斜角度)を検出するエンコーダであ
り、このエンコーダ28は旋回軸8に連結されている。
また、29は円盤15の外周面に沿って支持台3に取り
付けた複数の電磁式ブレーキ装置であり、この各ブレー
キ装置29は円盤15の外周囲に同心に形成したフラン
ジ30を両面から挾圧することにより、チルトテーブル
5の旋回を拘束し、チルトテーブル5を指定された傾斜
角度に保持する。
【0016】次に、チルトテーブル5のバランス制御部
の構成を図1を参照して説明する。図1において、31
はチルトテーブル5の傾動機構およびバランス機構を制
御する中央処理装置であり、この中央処理装置31に
は、バランス演算プログラムなどのデータを格納するメ
モリ32、チルトテーブル旋回用サーボモータ19を回
転制御する駆動回路33および電磁減圧弁26のソレノ
イド26aを制御するソレノド駆動回路34が接続され
ている。さらに、中央処理装置31にはエンコーダ28
で検出されるチルトテーブル旋回角度信号が入力される
ようになっている。
【0017】次に、上記のように構成された第1の実施
例の動作について説明する。工作物Wをセットしたパレ
ット13がターンテーブル12上に載置され、パレット
クランプ装置14によりクランプされた状態において、
工作物Wの加工位置を横形マシニングセンタ10に対し
割出す場合は、ターンテーブル12を所定角度回転させ
て工作物Wの加工箇所をマシニングセンタ10に向け
る。その後、中央処理装置31からメモリ32内の加工
位置割出プログラムに従ってチルトテーブル旋回角度指
令を駆動回路33に出力する。駆動回路33では、中央
処理装置31からの指令信号とサーボモータ19のフィ
ードバック系(不図示)から得られる検出信号とを比較
し、その差信号がゼロになるようにサーボモータ19を
駆動制御する。
【0018】これによりサーボモータ19が回転される
と、その回転は平歯車18を介してウォーム17に伝達
され、ウォームホイール16を回転することにより、チ
ルトテーブル5をその旋回軸8,9を中心にして指令値
に応じたチルト角度まで、例えば図3において反時計回
りに旋回させる。
【0019】このとき、旋回軸8と一体のピニオン20
は、図3の矢印方向に回転するため、これと噛合するラ
ック23は図3の矢印方向にスライドされるとともに、
このスライド量に応じてシリンダ室25内に流体圧が流
入する。また、旋回軸8が回転すると、これに伴いチル
トテーブル5の旋回角度が順次検出され、その検出信号
は中央処理装置31に取り込まれる。
【0020】中央処理装置31では、順次取り込まれる
旋回角度データを基にメモリ32のバランス演算プログ
ラムを実行することにより、工作物Wの重心に作用する
モーメントと、工作物Wを除くチルトテーブル5、ター
ンテーブル12およびパレット13を含めた全体の重心
に作用するモーメントを求め、さらに、これら両モーメ
ントから、両モーメントがほぼバランスさせるのに必要
なアンバランスモーメントを求める。そして、このアン
バランスモーメントから電磁減圧弁26の制御電流値を
算出し、これを指令値として中央処理装置31からソレ
ノイド駆動回路34に出力する。ソレノイド駆動回路3
4では指令値に応じて電磁減圧弁26のソレノイドに供
給される電流を制御することにより、流体圧ポンプ27
から減圧弁26を介してバランス用シリンダ装置21の
シリンダ室25内に供給される流体圧を制御する。これ
により、バランス用シリンダ装置21のラック23に図
3の矢印方向に作用するモーメントを増加させてピニオ
ン20にチルトテーブル5のアンバランスモーメントを
減少させる方向のトルクを発生させ、工作物Wの質量お
よびチルトテーブルの傾斜角度の変化に応じて生じるチ
ルトテーブルのアンバランスモーメントを減少させる。
【0021】以下、図5および図6を参照してチルトテ
ーブルのバランス制御を詳細に説明する。図5は工作物
Wの重心がチルトテーブル5の旋回中心Oより高い位置
にあるときの工作物Wのモーメント、工作物Wを除く全
体のモーメントおよびバランス用シリンダ装置21に発
生するモーメントとの関係を座標系に表わしたものであ
り、Mは工作物Wを除くチルトテーブル5、ターンテー
ブル12およびパレット13を含む全体の重心(以下単
に全体の重心という)Aに作用する重力を、Nは工作物
Wの重心Bに作用する重力を、Gはバランス用シリンダ
装置21によりピニオン20を介してチルトテーブル5
に与えられるバランス用の力を、θはチルトテーブル5
の旋回角度を表わす。
【0022】図5に示すような座標系において、チルト
テーブル5のアンバランス状態をバラスさせるための演
算式は数1で与えられる。
【0023】
【数1】
【0024】数1において、M×(S cosθ+T sin
θ)またはM×{(S2 +T2 1/2sin ( θ+
θ1 )}は全体の重心に作用するモーメントを表し、N
×(P cosθ+Q sinθ)またはN×{(P2 +Q2
1/2 sin ( θ+θ2 )}は工作物Wの重心に作用するモ
ーメントを表わし、またG×Lはバランス用シリンダ装
置21によるモーメントを表わす。
【0025】この数1から明らかなように、旋回角度θ
および工作物Wの変化に伴う重力Nが変化すると、全体
のモーメントおよび工作物Wのモーメントも変化するこ
とになるが、この数1を成立させるためには、バランス
用シリンダ装置21のラック23に作用する力Gを求め
ればよい。なお、旋回中心Oから力Gの作用点までの距
離Lは一定である。
【0026】図6は、チルトテーブルの旋回角度θとア
ンバランスモーメントとの関係を表わすグラフである。
なお、ここで、チルトテーブル5は、その旋回軸8,9
による旋回中心を後方、すなわち横形マシニングセンタ
10の主軸頭10a側へ片寄らせるか、あるいはチルト
テーブル5の前端側(主軸頭10aと反対の側)の質量
を大きくすることなどにより、工作物許容偏荷重と同等
のアンバランスが前後方向に生じるように設計されてい
る。
【0027】この図6において、曲線40は、工作物W
の質量をチルトテーブル5が許容し得る最大値とし、か
つ工作物Wの重心から旋回中心Oを通る垂線までの距離
Pと工作物Wの重心から旋回中心Oを通る水平線までの
距離Qに相当する工作物の偏荷重が最大のときにチルト
テーブル5を水平位置から反時計回り方向に90度旋回
したときのチルトテーブルのアンバランスモーメント特
性を示す。
【0028】また、図6の曲線41は、工作物Wの質量
をチルトテーブル5が許容し得る最大値とし、かつ、工
作物Wの重心を旋回中心Oを通る垂線上に一致させて工
作物の偏荷重をゼロとしたときにチルトテーブル5を水
平位置から反時計回り方向に90度旋回したときのチル
トテーブルのアンバランスモーメント特性を示す。
【0029】したがって、曲線40または曲線41に相
当するアンバランスモーメントがチルトテーブル5に生
じた場合は、エンコーダ28により検出された現状の旋
回角度θを中央処理装置31に順次読み込み、M×
{(S2 +T2 1/2 sin ( θ+θ1 )}=G×Lにし
たがい演算することにより、電磁減圧弁26からバラン
ス用シリンダ装置21に供給される流体圧力を随時設定
し、バランス用シリンダ装置21の出力を演算されたG
に合わせることにより、チルトテーブル5のアンバラン
スモーメントを相殺または減少させることができる。
【0030】これによって、サーボモータ19にかかる
負荷を大幅に減少させることができるとともに、サーボ
モータ出力の小容量化および小形化が可能になる。
【0031】また、チルトテーブル5には、前後方向に
設計上のアンバランスが設けてあるから、最大偏荷重の
工作物がターンテーブル12上にセットされても、ウォ
ームの同一歯面に力がかかることになり、これによって
ウォームホイールとウォームとのバックラッシュの影響
がなくなり、工作物の高精度の位置決めと加工を行うこ
とができる。
【0032】(第2の実施例)図7により本発明の第2
の実施例について説明する。図7は、本実施例の全体の
構成を示すもので、図1と同一または相当部分には図1
と同一符号を付してその構成説明を省略し、図1と異な
る部分を重点に述べる。
【0033】図7において、図1と異なる点は、チルト
テーブル5のターンテーブル12上にパレット13を介
して載置される工作物Wの質量、重心の補正係数を加工
前に学習により求め、そして、加工時には、求めた補正
係数と現在の旋回角度とを基にチルトテーブルのアンバ
ランス量を算出し、このアンバランス量が補正されるよ
うにバランス用シリンダ装置の出力を制御するところに
ある。
【0034】このために、第2の実施例では、中央処理
装置31からの旋回角度指令値とエンコーダ28で検出
したチルトテーブル5の旋回角度との偏差を求める偏差
回路35を設け、この偏差回路35から出力される偏差
信号を駆動回路33を介してサーボモータ19に加える
ことにより、チルトテーブル5を指令旋回角度に傾動制
御する。また、チルトテーブル5を旋回するときにサー
ボモータ19に流れる負荷電流IL は中央処理装置31
に入力される。
【0035】中央処理装置31に接続されたメモリ32
には、工作物の補正係数演算プログラム、この演算プロ
グラムにより求めた工作物補正係数およびバランス演算
プログラムなどが格納される。
【0036】次に、本実施例の動作を図8に示すフロー
チャートを参照して説明する。まず、パレット13上に
取り付けた工作物Wをターンテーブル12上に載置した
状態で中央処理装置31により図8に示す処理をスター
トさせる。
【0037】図8に示す処理がスタートされると、中央
処理装置31はステップS1からステップS4によって
加工前に工作物の補正係数演算プログラムが実行され、
ステップS4にて補正係数が記憶される。補正係数が記
憶された工作物は加工に入るが、これと平行してステッ
プS6以下で示すバランス演算プログラムが実行され、
加工が終了するまで繰り返される。
【0038】工作物の補正係数演算に際しては、まず、
ステップS1において、中央処理装置31から偏差回路
35に旋回角度指令値を出力し、この偏差回路35から
指令値とエンコーダ28の検出値との差出力で駆動回路
33を通してサーボモータ19を制御することにより、
チルトテーブル5を反時計回り方向(主軸頭10a側)
へ一定角度旋回させる。このとき、バランス用シリンダ
装置21からピニオン20に作用する力をゼロにしてお
き、この状態でチルトテーブル5を一定角度傾けたとき
にアンバランス量に応じてサーボモータ19に流れる負
荷電流IL を検出する(ステップS2)。
【0039】次のステップS3では、中央処理装置31
に取り込んだ負荷電流IL に基づいて工作物Wの質量お
よび重心の補正係数を算出する。算出された工作物固有
の補正係数はメモリ32の所定のエリアに記憶される
(ステップS4)。
【0040】次に、加工中のバランス演算処理について
述べる。この場合は、ステップS5において加工プログ
ラムをスタートさせることにより、中央処理装置31か
ら偏差回路35および駆動回路33を通してサーボモー
タ19に起動指令を与え、サーボモータ19を起動する
ことによりチルトテーブル5を指令旋回角度に傾動させ
る。そして、チルトテーブル5を傾動させることによ
り、ステップS6においてエンコーダ28で検出される
チルトテーブル5の旋回角度θを中央処理装置31に読
み込む。
【0041】次のステップS7では、加工前の学習時に
算出した工作物固有の補正係数と、エンコーダ28から
読み込んだ旋回角度θを基に上記数1にしたがってチル
トテーブル5のアンバランスモーメントを算出する。そ
して、算出したアンバランスモーメントが相殺されるよ
うに、流体圧ポンプ27からバランス用シリンダ装置2
1に供給される流体圧を電磁減圧弁26により制御する
(ステップS8)。
【0042】上述のような第2の実施例においては、加
工前に工作物固有の質量および重心に関連する補正係数
を算出しており、そして、加工前に算出した補正係数と
チルトテーブルの現在の旋回角度とに基づいて、チルト
テーブル旋回動作時のアンバランスモーメントを随時計
算し、このアンバランスモーメントがキャンセルされる
ようにバランス用シリンダ装置を制御する構成にしたか
ら、質量および重心の異なる種々の工作物がチルトテー
ブル上に荷重されても、これによってサーボモータの出
力が変化することがなく、常に一定の出力でチルトテー
ブルを旋回させ得る。
【0043】これに伴い、チルトテーブルを用いてコン
タリング加工などを行う場合、滑らかで、かつ効率のよ
い加工が可能になる。また、第1の実施例と同様にサー
ボモータの小容量化、小形化が可能になる。
【0044】(第3の実施例)図9により本発明の第3
の実施例について説明する。図9は、本実施例の全体の
構成を示すもので、図1と同一または相当部分には同一
符号を付してその構成説明を省略し、図1と異なる部分
を重点に述べる。
【0045】図9において、第1の実施例と異なる点
は、チルトテーブル5の旋回動作時に工作物Wによるア
ンバランスモーメントを、現在の旋回角度と、工作物の
質量、重心、その他工作物データから随時計算し、この
アンバランスモーメントがキャンセルされるようにバラ
ンス用シリンダ装置への流体圧を制御するところにあ
る。
【0046】このために、第3の実施例においては、工
作物Wのデータを入力する入力装置36を中央処理装置
31に接続し、この入力装置36から入力された各種工
作物のデータ、例えば、工作物Wの質量、工作物Wの重
心偏差量(図5において、旋回中心Oから工作物の重心
Bまでの水平方向の距離P、および旋回中心Oから重心
Bまでの鉛直方向の距離Qに相当)はメモリ32に格納
され、このデータは工作物Wによるチルトテーブル旋回
時のアンバランスモーメントの算出に利用される。
【0047】上述のように構成された第3の実施例にお
いて、加工前に各種工作物Wの質量および重心偏差量
(重心位置)の各データを入力装置36から入力してメ
モリ32に格納しておく。
【0048】かかる状態で加工プログラムを中央処理装
置31で実行することにより、中央処理装置31からの
指令信号でサーボモータ19を駆動回路33を介して制
御し、これによりチルトテーブル5を旋回動作させる。
そして、エンコーダ28で検出されるチルトテーブル5
の旋回角度θを中央処理装置31に順次読み込むと同時
に、この旋回角度θとメモリ32から読みで出した工作
物Wの質量および重心偏差量P,Qを基に前記数1にし
たがってチルトテーブル5のアンバランスモーメントを
算出する。
【0049】そして、中央処理装置31では、算出され
たアンバランスモーメントから、該アンバランスモーメ
ントをキャンセルするのに必要な電磁減圧弁26の制御
電流を算出し、これを指令値としてソレノイド駆動回路
34に出力する。ソレノイド駆動回路34では、指令値
に応じて電磁減圧弁26のソレノイドに供給される電流
を制御することにより、流体圧ポンプ27から減圧弁2
6を介してバランス用シリンダ装置21に供給される流
体圧を制御する。これにより、バランス用シリンダ装置
21からチルトテーブル5にそのアンバランスモーメン
トがキャンセルされる方向のトルクを与える。
【0050】上述のような第3の実施例においては、工
作物毎にその質量、重心偏差量などの工作物データを入
力し、この工作物データとチルトテーブルの旋回角度と
を基に工作物を含むチルトテーブルのアンバランスモー
メントを算出し、このアンバランスモーメントをバラン
ス用シリンダ装置でキャンセルできるようにしたので、
より正確なアンバランス補正が可能になるほか、第1の
実施例と同様な効果が得られる。
【0051】(第4の実施例)図10により本発明の第
4の実施例について説明する。図10は、本実施例の全
体の構成を示すもので、図1と同一または相当部分には
同一符号を付してその構成説明を省略し、図1と異なる
部分を重点に述べる。
【0052】図10において、第1の実施例と異なる点
は、チルトテーブル旋回用のサーボモータに流れる負荷
電流を検出し、この負荷電流が設定値以下となるように
バランス用シリンダ装置を制御するようにしたところで
ある。
【0053】このために、第4の実施例においては、加
工プログラムで動作するNC装置37から旋回指令信号
を偏差回路35に出力するとともに、エンコーダ28に
より検出した現在のチルトテーブル5の旋回角度を偏差
回路35に取り込み、偏差回路35で求めた指令信号と
現在の旋回角度との差信号を駆動回路33に加えること
によりサーボモータ19を制御し、チルトテーブル5を
旋回させる。これと同時にサーボモータ19に流れる負
荷電流IL をNC装置37に随時読み込み、予め設定し
た設定値と比較する。
【0054】そして、この比較結果から得られる偏差信
号をソレノイド駆動回路34を介して電磁減圧弁26の
ソレノイド26aに加えることにより、流体圧ポンプ2
7から電磁減圧弁26を通してバランス用シリンダ装置
21に供給される流体圧を増加方向に制御する。これに
より、チルトテーブル5に、そのアンバランスモーメン
トがキャンセルされる方向のトルクを与え、偏差信号が
ゼロまたは負荷電流I L が設定値以下になるようにバラ
ンス用シリンダ装置21を制御する。
【0055】上述のような第4の実施例においては、工
作物を含めたチルトテーブルのアンバランスモーメント
をバランス用シリンダ装置でキャンセルすることができ
るから、第1の実施例と同様な作用効果が得られるほ
か、第3の実施例に示すような工作物データの入力操作
などが不要になる利点がある。
【0056】なお、上記実施例では、図5に示すように
工作物Wの重心Bが旋回中心Oより主軸頭10a側にあ
り、かつ旋回中心Oより高い位置にある場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、例えば工作物Wの重心
が旋回中心より全体の重心A側にある場合、あるいは旋
回中心Oより低い位置にある場合でも、本発明を適用で
きる。
【0057】また、本発明におけるチルトテーブル駆動
モータはサーボモータに限定されないほか、圧力制御弁
も電磁減圧弁に限らず、請求項に記載した範囲を逸脱し
ない限り、種々の変形が可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、チ
ルトテーブルの旋回角度を基にチルトテーブル傾動時の
アンバランスモーメントを算出し、このアンバランスモ
ーメントが相殺されるように圧力制御弁を制御してバラ
ンス用シリンダ装置への供給流体圧を制御するようにし
たので、チルトテーブル旋回用駆動モータを小出力化で
きるとともに、工作物のスムーズで高精度な位置決めお
よび加工が可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すチルトテーブル制
御装置の全体の構成図である。
【図2】図1の矢印C方向から見た正面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図4】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】第1の実施例におけるチルトテーブルおよび工
作物に発生するモーメントの関係を示す説明図である。
【図6】第1の実施例におけるチルトテーブルのアンバ
ランス特性を示すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施例を示すチルトテーブル制
御装置の構成図である。
【図8】第2の実施例における動作説明用のフローチャ
ートである。
【図9】本発明の第3の実施例を示すチルトテーブル制
御装置の構成図である。
【図10】本発明の第4の実施例を示すチルトテーブル
制御装置の構成図である。
【符号の説明】 2 スライドテーブル 3,4 支持台 5 チルトテーブル 8,9 旋回軸 12 ターンテーブル 13 パレット W 工作物 19 サーボモータ(駆動モータ) 21 バランス用シリンダ装置 26 電磁減圧弁(圧力制御弁) 27 流体圧ポンプ 31 中央処理装置(制御手段) 32 メモリ 34 ソレノイド駆動回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材に回動可能に支持され工作物が
    載置されるチルトテーブルと、このチルトテーブルをそ
    の旋回軸回りに傾斜させる駆動モータと、前記チルトテ
    ーブルの傾斜時に該チルトテーブルにそのアンバランス
    モーメントを相殺する方向のトルクを付与するバランス
    用シリンダ装置と、前記バランス用シリンダ装置に供給
    される流体圧を制御する圧力制御弁と、前記チルトテー
    ブルの旋回角度を検出する旋回角度検出手段と、前記検
    出された旋回角度を基に前記チルトテーブル傾動時のア
    ンバランスモーメントを算出し、このアンバランスモー
    メントが相殺されるように前記圧力制御弁を制御して前
    記バランス用シリンダ装置への供給流体を制御する制御
    手段とを備えたことを特徴とするチルトテーブルの制御
    装置。
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