JPH06178971A - 脱気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱気のためのシステムを簡素化し、動力の低
減を行うとともに、設置スペースの縮小を図る。 【構成】 脱気塔１４へ被脱気水を供給するための管２
２路に、空気を吸引して管２２路内の水に混合するエア
ーエジェクター１６を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、上水処理施設などにお
いて使用される脱気装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上水処理施設、特に井戸水を使用
する上水処理施設においては、水中の鉄およびマンガン
を除去する際に溶存ガスが存在するとその除去効率がよ
くないので、予め溶存ガスを除くために、図２および図
３に示すようにして脱気が行われている。ここで溶存ガ
スとは、水中に含まれている硫化水素、炭酸ガス、揮発
性有機物等を意味する。例えば、図２の脱気装置におい
ては、脱気用の水槽１を設け、槽１内の下部に散気管２
を設置して、この散気管２にブロワー３を接続してい
る。そして、ポンプ４で汲み上げた井戸水５を槽１の上
部から供給するとともに、槽１内では散気管２から空気
を供給し、槽１の底部からポンプ６によって水を取り出
している。これにより、水中の溶存ガスは、散気管２か
ら発せられた気泡が水中を上昇していく時にこの気泡に
向かって気化し、空気と一緒に水面から出ていく。ま
た、槽１底部から取り出された水は、ＮａＯＣｌ処理さ
れた後に濾過され、処理水とされる。

【０００３】また、図３の脱気装置においては、脱気用
の水槽７の下部に循環管８を設け、この循環管８に循環
ポンプ９を介装して、槽７の上方にシャワーノズル１０
が設けられている。そして、ポンプ１１で汲み上げた井
戸水１２を槽７の上部から供給するとともに、槽７下部
から循環管８で水を取り出して循環ポンプ９でシャワー
ノズル１０に送り、このノズル１０からシャワーリング
している。また、槽７の底部から、ポンプ１３によって
水を取り出している。これによって、被処理水は、シャ
ワーノズル１０から噴出する時に空気と混合され、水中
の溶存ガスはこの空気に向かって気化して、空気と一緒
に出ていく。このようにして、被処理水は、循環ポンプ
９により循環され、シャワーリングが繰り返される間に
脱気される。槽７の底部から取り出された水は、ＮａＯ
Ｃｌ処理および濾過が行われ、処理水とされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の脱気装置では、脱気用の水槽およびブロワ
ーや循環ポンプなどの機器が必要であり、機器のための
動力や水槽の設置スペースをも要するという問題があ
る。

【０００５】本発明は上記問題を解決するもので、脱気
のためのシステムを簡素化し、動力の低減を行うととも
に、設置スペースの縮小を図ることを目的とするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明の脱気装置は、脱気塔へ被脱気水を供給するた
めの管路に、空気を吸引して管路内の水に混合するエア
ーエジェクターを設けたものである。

【０００７】

【作用】上記構成により、エアーエジェクターで脱気用
の空気を自然に吸引して配管内で気液混合し、溶存ガス
を空気に向かって気化させて、脱気塔内で空気と一緒に
放出することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例の脱気装置を図面に
基づいて説明する。図１に示した実施例において、１４
は小型の脱気塔であり、ポンプ１５によって汲み上げら
れた井戸水が頂部から供給されるように管２２が配設さ
れている。また、ポンプ１５と脱気塔１４との間にはエ
アーエジェクター１６が設けられていて、このエジェク
ター１６によって空気を吸引可能である。脱気塔１４内
における上部にはスプレーノズル１７が設けられるとと
もに、底部は水槽１８となっていて、スプレーノズル１
７から噴出された井戸水が水槽１８に落下して貯えられ
るようになっている。そして、脱気塔１４内におけるス
プレーノズル１７と水槽１８との間には、邪魔板１９が
塔１４の内壁から中心方向に複数段設置されている。ま
た、水槽１８には流出口２０が設けられていて、外部に
設置されたポンプ２１によって水が取り出されるように
なっている。

【０００９】以下、上記構成における作用を説明する。
ポンプ１５により汲み上げられた井戸水は、管２２を通
って脱気塔１４へ圧送され、スプレーノズル１７から噴
出される。このとき、管２２内の水圧が管２２外部の空
気圧より大きくなるため、エアーエジェクター１６にお
いて空気が自然に吸引される。これにより、井戸水と空
気とが管２２内で混合されて、溶存ガスは空気に向かっ
て気化し、スプレーノズル１７から水が噴出される時に
空気と一緒に溶存ガスが放出される。また、スプレーノ
ズル１７から噴出された水は、自然落下するときに邪魔
板１９に当たって種々の方向に飛散しながら水槽１８に
入るが、この間にも水と空気とが混合されて、残存して
いた溶存ガスが気化し、空気と一緒に放出される。水槽
１８内に蓄えられた水はポンプ２１によって塔１４外へ
取り出され、ＮａＯＣｌ処理および濾過されて、処理水
とされる。

【００１０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、エアーエ
ジェクターにより空気を吸引して水に混合することで、
水中の溶存ガスは従来の曝気による脱気装置と同等に脱
気され、かつ、空気を供給するための動力や水を循環す
る動力を必要としないので、動力源を節減することがで
きる。

【００１１】また、脱気のための水槽が必要なく、小型
の脱気塔を使用可能であるため、装置をコンパクト化で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の脱気装置を示した説明図で
ある。

【図２】従来の脱気装置の説明図である。

【図３】従来の別の例の脱気装置の説明図である。

【符号の説明】

１４ 脱気塔 １６ エアーエジェクター ２２ 管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 脱気塔へ被脱気水を供給するための管路
   に、空気を吸引して管路内の水に混合するエアーエジェ
   クターを設けたことを特徴とする脱気装置。