JP4242211B2 - オゾン水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オゾン水から溶存オゾンを除去するオゾン水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オゾンを溶存させたオゾン水は、半導体、液晶製造などの各分野で使用されているが、使用済みの排水に残留するオゾン濃度が高い場合は、系外に放流すると、環境に悪影響を与えるおそれがあり、また、このようなオゾン水を循環再利用しても耐オゾン性能を有さない装置の性能を劣化させてしまうので、使用済みのオゾン水中から溶存オゾンを除去する必要がある。
【0003】
そこで、溶存オゾン水を送水する配管に接続される給水口と排水口とを有し、給水口と排水口の途中に収縮部を設け、その収縮部にオゾンを含まないガスを注入するガス注入部を設けたガス混合管と、このガス混合管の後段に設置されたガス抜き弁を有する気液分離槽とからなり、上記ガス注入部からオゾンを含まないガスをオゾン水に注入し、気液分離槽により、オゾンを含んだガスと水とを分離し、溶存オゾンを除去するようにした溶存オゾン除去装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この溶存オゾン除去装置は、オゾン水が送水管の給水口から収縮部へ圧送されると、収縮部で流速を増し、ガス注入部の静圧が大気圧以下に減圧されるので、ガス注入部からオゾンを含まないガスを吸引する。オゾン水とオゾンを含まないガスが混合されると、溶存オゾン濃度と気相中のオゾン濃度が非平衡であるために、溶存オゾンは気相中へ移動し、水中から除去される。溶存オゾンが除去された水とオゾンを含むガスの混合流体は、気液分離槽へ導入されて、ガスと水に分離され、水は気液分離槽の下部から排出され、オゾンを含むガスはガス抜き弁を通ってオゾンガス分解槽へ導入され、熱分解、触媒を用いた分解によって、無害な酸素に分解されて大気に排出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−177947号公報(第2−3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の溶存オゾン除去装置は、オゾン水を加圧供給するポンプと気液分離槽との間にガス混合管を介在させる必要があり、このガス混合管がポンプにとって負荷になるので、エネルギ効率、処理効率が低下する問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、オゾン水中から溶存オゾンを効率良く除去処理できるオゾン水処理装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明は、水中にオゾンを溶存させたオゾン水を吸込むとともにオゾンを含まない気体を吸込んでオゾン水中に加圧混合溶解させることでオゾン水から溶存オゾンを分離しやすくする渦流ポンプと、この渦流ポンプに接続されオゾン水を水とオゾンガスとに分離して排出する気液分離槽と、この気液分離槽から排出されたオゾンガスを分解処理するオゾンガス分解器と、このオゾンガス分解器の排出側に吸込口が接続された送風手段とを具備し、気液分離槽は、密閉された槽本体と、この槽本体の上部内に配置され渦流ポンプから吐出されたオゾン水を噴出させることで微細化するオゾン水微細化部と、このオゾン水微細化部で微細化されて落下する粒子に対しオゾンを含まない気体を外部より槽本体内に吸込導入する給気口とを備え、送風手段は、オゾンガス分解器を介して気液分離槽の槽本体内に作用する吸込力によりオゾンを含まない気体を給気口より槽本体内に吸引するオゾン水処理装置である
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1および図2に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本オゾン水処理装置を示し、渦流ポンプ11におけるオゾン水吸込口12に、吸込圧力調整弁14を経て、水中にオゾンを溶存させたオゾン水を供給する管路15が接続されるとともに、オゾンを含まない気体としての空気などを吸込むための気体吸込手段16も、この渦流ポンプ11におけるオゾン水吸込口12に接続されている。
【0011】
気体吸込手段16は、渦流ポンプ11のオゾン水吸込口12に気体吸込ノズル16aが挿入され、この気体吸込ノズル16aに接続された管路16bに、オゾンを含まない気体の吸込量を調整する気体吸込調整弁16cが設けられている。
【0012】
さらに、この渦流ポンプ11にて、オゾン水中にオゾンを含まない気体が加圧混合溶解された気液混合体を吐出する気液吐出口17より管路18が引出され、この管路18に、オゾン水を水とオゾンガスとに分離して排出する気液分離槽21が接続されている。
【0013】
この気液分離槽21は、密閉された槽本体22と、この槽本体22の上部内に配置されオゾン水をノズル孔より噴出させることで粒子状または霧状に微細化するオゾン水微細化部23と、このオゾン水微細化部23で微細化されて落下する粒子に対しオゾンを含まない気体を外部から取入れて供給することにより接触させる給気手段としての給気口24とを具備したエア・ストリッピング槽である。
【0014】
この気液分離槽21の槽本体22の下部には、オゾン除去処理後の処理水25を取出すための管路26が接続され、またこの気液分離槽21の槽本体22の上部には、この気液分離槽21から排出されたオゾンガスを分解処理するオゾンガス分解器27が設置されている。
【0015】
このオゾンガス分解器27は、オゾンガスを熱分解または触媒を用いて、無害な酸素に分解し、大気に排出するものである。
【0016】
オゾンガス分解器27の排出側は、送風手段(図示せず)の吸込口に接続されているので、送風手段の吸込力がオゾンガス分解器27を介して槽本体22内にも作用し、外気を給気口24より槽本体22内に吸引して供給することができる。
【0017】
図2に示されるように、前記渦流ポンプ11は、ポンプ本体32内に環状の昇圧通路33が形成され、この昇圧通路33の入口部34にオゾン水吸込口12が連通形成されているとともに、昇圧通路33の出口部35に気液吐出口17が連通形成され、昇圧通路33の入口部34と出口部35との間には隔離部36が形成されている。
【0018】
ポンプ本体32内に羽根車37が回転可能に嵌合されており、この羽根車37の外周部には、所定ピッチで形成された径方向の小羽根38と、これらの小羽根38間の羽根溝39が設けられており、羽根車37の中心に嵌着された回転軸40を外部のモータなどで回動することにより、これらの小羽根38および羽根溝39は、羽根車37と同心円の昇圧通路33内を回転する。
【0019】
渦流ポンプ11のオゾン水吸込口12には、気体吸込ノズル16aが挿入されて固定されており、この気体吸込ノズル16aから昇圧通路33の入口部34に気体が吸込まれるように構成されている。なお、ポンプ入口配管に気体吸込ノズル16aを取付ける場合もある。
【0020】
次に、図示された渦流ポンプ11および気液分離槽21の作用を説明する。
【0021】
管路15よりオゾン水を渦流ポンプ11のオゾン水吸込口12に吸引する。渦流ポンプ11のオゾン水吸込口12に吸込まれたオゾン水は、羽根車37と共に昇圧通路33をほぼ一周し、その間、オゾン水は、羽根車37の各羽根溝39内と昇圧通路33との間で渦流となり、これが各羽根溝39で同時に行なわれながら昇圧通路33内を進み、昇圧通路33を進むにつれて昇圧されて、気液吐出口17から吐出される。
【0022】
このとき、絞り調整されている吸込圧力調整弁14により、渦流ポンプ11のオゾン水吸込口12を負圧にして、管路16bから気体吸込ノズル16aを経て、空気などの、オゾンを含まない気体を吸引する。
【0023】
よって、オゾン水吸込口12から昇圧通路33内にオゾン水が吸込まれる際に、気体吸込ノズル16aから昇圧通路33の入口部34にオゾンを含まない気体も吸込まれ、オゾン水とオゾンを含まない気体とが一緒に羽根車37と昇圧通路33との間で生じる渦流によって混合攪拌され、オゾン水中にオゾンを含まない気体が溶解された気液混合体が作られる。
【0024】
このようにして、渦流ポンプ11は、オゾン水吸込口12からオゾン水を吸込むとともに、気体吸込ノズル16aからオゾンを含まない気体を吸込んでオゾン水中に加圧混合溶解させることで、もともとオゾン水に溶解していた溶存オゾンを、水から分離しやすくする。
【0025】
この渦流ポンプ11で昇圧された気液混合体は、気液吐出口17から管路18に吐出され、この管路18を経て気液分離槽21にそのまま加圧供給される。
【0026】
この気液分離槽21では、渦流ポンプ11で溶存オゾンが分離しやすい状態となって昇圧されたオゾン水を、そのままオゾン水微細化部23より槽本体22内に噴出させて、粒子状または霧状に微細化する。この微細化により、渦流ポンプ11の空気溶解作用でオゾン水から分離しやすくなっている溶存オゾンは、容易に気相化して粒子より分離除去される。
【0027】
さらに、この微細化した粒子は、槽本体22内を落下しつつ、外部から給気口24より供給されたオゾンを含まない気体、例えば空気と接触するので、粒子中の溶存オゾンは、さらに効率良くかつ均一に気相化して、粒子より分離除去される。
【0028】
そして、溶存オゾンを除去処理された後の処理水25は、槽本体22の下部内に溜まり、管路26より排出され、放流または再利用される。
【0029】
一方、槽本体22内で気相化したオゾンガスは、上昇して、オゾンガス分解器27により分解処理され、排気される。
【0030】
次に、この実施の形態の効果を説明する。
【0031】
渦流ポンプ11は、オゾン水に、オゾンを含まない気体を加圧混合溶解してオゾン水中の溶存オゾンを分離しやすい状態にできるとともに、この渦流ポンプ11で昇圧された溶存オゾンの分離しやすい状態のオゾン水を、そのまま気液分離槽21に加圧供給できるので、気液分離槽21ではオゾン水中から溶存オゾンを効率良く気相化して分離除去できる。
【0032】
このとき、渦流ポンプ11と気液分離槽21との間に、従来のようにオゾン水にオゾンを含まないガスを混合させるための特別な混合手段(ミキシングユニット)を設置する必要がなく、装置構造が簡単になるとともにコストダウンも図れる。
【0033】
さらに、渦流ポンプ11により、オゾン水中に、オゾンを含まない気体を効率良く加圧混合溶解させることができる。これにより、オゾンを含まない気体を溶解させた分、オゾン水中の溶存オゾンを、水から分離しやすい状態にできる。
【0034】
その上、渦流ポンプ11で溶存オゾンが分離しやすい状態となって昇圧されたオゾン水を、そのまま気液分離槽21のオゾン水微細化部23に加圧供給するので、渦流ポンプ11の吐出圧力を有効に利用して、オゾン水微細化部23より槽本体22内にオゾン水を噴出させることで効率良く微細化できるとともに、この微細化により、渦流ポンプ11の気体溶解作用でオゾン水から分離しやすくなっている溶存オゾンを、容易に気相化して粒子より分離除去でき、さらに、この微細化した粒子を、槽本体22内を落下させながら、外部より給気口24を経て吸込導入されたオゾンを含まない気体と接触させるので、粒子中の溶存オゾンを、さらに効率良くかつ均一に気相化させて、粒子より分離除去できる。
【0035】
【発明の効果】
発明によれば、渦流ポンプ自体が、オゾン水にオゾンを含まない気体を効率良く加圧混合溶解させてオゾン水中の溶存オゾンを分離しやすい状態にできるとともに、この渦流ポンプで昇圧された溶存オゾンの分離しやすい状態のオゾン水を、そのまま気液分離槽に加圧供給できるので、気液分離槽ではオゾン水中から溶存オゾンを効率良く気相化して分離除去できる。このとき、渦流ポンプと気液分離槽との間に、従来のようにオゾン水にオゾンを含まないガスを混合させるための特別な混合手段を設置する必要がなく、装置構造が簡単になるとともにコストダウンも図れる。さらに、渦流ポンプで溶存オゾンが分離しやすい状態となって昇圧されたオゾン水を、そのまま気液分離槽のオゾン水微細化部に加圧供給するので、渦流ポンプの吐出圧力を有効に利用して、オゾン水微細化部より槽本体内にオゾン水を噴出させることで効率良く微細化できるとともに、この微細化により、渦流ポンプの気体溶解作用でオゾン水から分離しやすくなっている溶存オゾンを、容易に気相化して粒子より分離除去でき、さらに、この微細化した粒子を、槽本体内を落下させながら、オゾンガス分解器を介して槽本体内にも作用する送風手段の吸込力によって外部より給気口を経て槽本体内に吸込導入されたオゾンを含まない気体と接触させるので、粒子中の溶存オゾンを、さらに効率良くかつ均一に気相化させて、粒子より分離除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオゾン水処理装置の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】 同上処理装置に用いられる渦流ポンプの断面図である。
【符号の説明】
11 流ポンプ
21 気液分離槽
22 槽本体
23 オゾン水微細化部
24 気口
27 オゾンガス分解器

Claims (1)

  1. 水中にオゾンを溶存させたオゾン水を吸込むとともにオゾンを含まない気体を吸込んでオゾン水中に加圧混合溶解させることでオゾン水から溶存オゾンを分離しやすくする渦流ポンプと、
    この渦流ポンプに接続されオゾン水を水とオゾンガスとに分離して排出する気液分離槽と、
    この気液分離槽から排出されたオゾンガスを分解処理するオゾンガス分解器と
    このオゾンガス分解器の排出側に吸込口が接続された送風手段とを具備し
    気液分離槽は、
    密閉された槽本体と、
    この槽本体の上部内に配置され渦流ポンプから吐出されたオゾン水を噴出させることで微細化するオゾン水微細化部と、
    このオゾン水微細化部で微細化されて落下する粒子に対しオゾンを含まない気体を外部より槽本体内に吸込導入する給気口とを備え、
    送風手段は、オゾンガス分解器を介して気液分離槽の槽本体内に作用する吸込力によりオゾンを含まない気体を給気口より槽本体内に吸引する
    ことを特徴とするオゾン水処理装置。
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