JPH06176864A - 電子レンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアの多数の小孔からのマイクロ波漏洩量を
抑制することを目的とする。 【構成】 本発明の電子レンジは、調理物１０を収納す
るキャビティー４と、該キャビティー４の前面開口を閉
塞し、多数の小孔２ａを備えたドア２と、マイクロ波マ
イクロ波を発生するマグネトロン６と、前記キャビティ
ー４の給電口５と接続し、前記マイクロ波を前記キャビ
ティー４内に導く導波管７と、前記給電口５に対向して
複数枚設けた樹脂板１２とからなり、調理物１１が少な
いとき樹脂板１２でマイクロ波を適当に吸収して、小孔
からマイクロ波の漏洩を抑制するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、キャビティー内の調理物をマイク
ロ波で加熱するとき、調理物が多ければマイクロ波の多
くは調理物に吸収されるが、調理物が少なければ吸収さ
れない余剰のマイクロ波がドアに集中し、小孔（パンチ
ング穴）からの漏洩量が増加する。

【０００３】そこで、ドアの小孔からマイクロ波が漏洩
しないように、小孔の直径を小さくしたり、また例えば
特公昭６１−７７１７号公報に示すように給電口近傍に
反射板を設けたりして、キャビティー内の電波分布モー
ドを変えてドアにマイクロ波が集中しないようにしてい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例において、
電波漏洩させないために小孔の直径を小さくすれば、キ
ャビティー内の調理の様子が見にくくなり、即ち庫内透
視性が悪くなり、また電波分布モードを変更すると加熱
ムラが悪くなったり、マグネトロンとキャビティーのイ
ンピーダンスマッチングが取れず、出力低下を招く恐れ
があった。

【０００５】本発明は、斯る課題を解決するものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の手段は、調理物を収納するキャビティーと、
該キャビティーの前面開口を閉塞し、多数の小孔を有す
るドアと、マイクロ波を発生する高周波発振器と、前記
キャビティーの給電口と接続し、前記マイクロ波を前記
キャビティー内に導く導波管と、前記給電口に対向して
キャビティー内に複数枚設けた樹脂板とから構成され
る。

【０００７】さらに、前記給電口を覆う保護カバーを備
え、該保護カバーには前記樹脂板を一体に形成して構成
される。

【０００８】

【作用】即ち、給電口に対向して設けた樹脂板により、
調理物の量が少ないとき、給電口からキャビティー内に
供給されたマイクロ波を適度に吸収して、ドアの小孔か
らのマイクロ波の漏洩を抑制するものである。

【０００９】

【実施例】図１及び図２において、１は電子レンジ本
体、２は該電子レンジ本体１の前面を閉塞するドア、３
はタイマー３ａ、ドア開放ボタン３ｂを備える操作部、
４は電子レンジ本体１に内設したキャビティーである。

【００１０】前記ドア２は、前記キャビティー４の前面
開口に対向して設置されており、その中央部には、閉塞
した状態でキャビティー４内を透視できるように多数の
小孔２ａが設けられている。また、前記キャビティー４
の上部側壁には、マイクロ波をキャビティー４内に供給
するための給電口５が設けられている。

【００１１】６はマイクロ波を発生する高周波発振器と
なるマグネトロン、７は該マグネトロン６で発生したマ
イクロ波をキャビティー４の給電口５に導く導波管、８
は給電口５より下方の位置で、キャビティー４内の上部
全域を仕切るために例えばポリプロピレン樹脂で成形さ
れた保護カバー、９は該保護カバー８に回転自在に保持
され、給電口５から供給されたマイクロ波を撹拌するス
ターラファン、１０は調理物、１１は調理物１０を載置
する載置台である。

【００１２】前記保護カバー８は、給電口５から導波管
７内に調理物１０の一部や蒸気が入り込まないようにし
たり、スターラファン９に使用者の手や調理物１０が当
らないようにするために設けられる。

【００１３】１２は保護カバー８と一体に形成された電
波漏洩防止用樹脂板で、給電口５に対向してキャビティ
ー４内に平行に配置されている。該樹脂板１２は、給電
口５に対向しないキャビティー４内の他の位置に設ける
と、マイクロ波は既に拡散しているので、より多くのマ
イクロ波が吸収できず、漏洩防止効果が小さくなる。そ
れゆえに、給電口５に対向する位置に配置されている。

【００１４】本実施例では、給電口５と対向して樹脂板
１２ａが設けられ、また樹脂板１２ａに平行して、給電
口５と反対側に同じ大きさの樹脂板１２ｂが設けられて
いる。

【００１５】尚、給電口５と樹脂板１２ａとの距離はマ
グネトロン６からのマイクロ波の半波長以内の距離にし
ないと電波漏洩を防止する効果がない。

【００１６】参考までに、図３において、樹脂板１２ａ
及び１２ｂの厚みをＡ、樹脂板１２ａと１２ｂの距離を
Ｂ、給電口５と樹脂板１２ａの給電口５と対向する面ま
での距離をＣとし、夫々の値を変化させたとき、小孔２
ａから漏洩するマイクロ波量との関係を表１に示す。な
お、漏洩量を測定するとき、キャビティー４の略中央に
載置した５００ｃｃのビーカーに水を２７５ｃｃ入れて
測定している。

【００１７】

【表１】

【００１８】上記表１から分かるように、給電口５に樹
脂板１２を近付けるほど小孔２ａからのマイクロ波漏洩
量は減少し、また樹脂板１２の枚数を増やせばその分減
少することが分かる。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、樹脂板を設けるのみ
で、ドアの小孔から漏洩するマイクロ波の量を容易に抑
制することができるので、キャビティー内の庫内透視性
も悪くならず、また電波分布モードに影響を与えること
がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子レンジの正面図である。

【図２】本発明の電子レンジのキャビティーの断面図で
ある。

【図３】図２中のＡ−Ａ’拡大断面図である。

【符号の説明】

２ ドア ２ａ 小孔 ４ キャビティー ６ マグネトロン ７ 導波管 １２ 電波漏洩防止用樹脂板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 調理物を収納するキャビティーと、該キ
   ャビティーの前面開口を閉塞し、多数の小孔を有するド
   アと、マイクロ波を発生する高周波発振器と、前記キャ
   ビティーの給電口と接続し、前記マイクロ波を前記キャ
   ビティー内に導く導波管と、前記給電口に対向してキャ
   ビティー内に複数枚設けた樹脂板とからなることを特徴
   とする電子レンジ。
2. 【請求項２】 前記給電口を覆う保護カバーを備え、該
   保護カバーには前記樹脂板を一体に形成したことを特徴
   とする請求項１に記載の電子レンジ。