JPH06176840A - 複合セラミックス整流子 - Google Patents

複合セラミックス整流子

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JPH06176840A
JPH06176840A JP34517192A JP34517192A JPH06176840A JP H06176840 A JPH06176840 A JP H06176840A JP 34517192 A JP34517192 A JP 34517192A JP 34517192 A JP34517192 A JP 34517192A JP H06176840 A JPH06176840 A JP H06176840A
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conductive
commutator
ceramic
metal
ceramics
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JP34517192A
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Akio Chiba
秋雄 千葉
Mutsuo Kamoshita
睦男 鴨志田
Yukio Saito
幸雄 斎藤
Shinichi Sakamoto
真一 坂本
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Koki Holdings Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電セグメントの電気抵抗及び熱抵抗が改良
され、大電流仕様の整流子に適用可能となり、耐火花
性、耐熱性、耐摩耗性を向上させた耐久性に優れたセラ
ミックス整流子を提供する。 【構成】 セラミックス製の整流子の中心絶縁リング4
とその外周部に導電セグメントを配設した複合セラミッ
クス整流子において、前記導電セグメントが金属3及び
導電性セラミックス1からなり、導電セグメント間の絶
縁層は空隙5あるいは絶縁性セラミックスからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転機などの整流子に係
り、導電セグメントを金属と導電性セラミックスとを複
合して、電気抵抗を改良することにより大電流仕様に適
用可能とすると共に、ブラシと接触する整流子の表面を
セラミックスとすることによる、耐火花、耐熱、耐摩耗
性等に優れたセラミックス整流子に関する。
【0002】
【従来の技術】整流子は回転機に用いられる最も重要な
個所である。電機子巻線の各コイルはブラシで短絡さ
れ、その都度巻線内の電流は一方のブラシで正から負
へ、他方のブラシで負から正へと方向に逆転する。その
時間はコイルがブラシで短絡された瞬間から始まり、短
絡が解除された時に終わるもので極めて短時間に完了
し、これが連続して整流が行われる。この整流周期中に
おける短絡コイルの電流は、整流の開始及び整流終了時
にブラシで短絡されていたコイルが開放されるときに電
流変化が大きくなり、ブラシ接触電圧降下がある電圧以
上になった場合に整流火花が発生する。整流火花は整流
終了時のブラシ接触電圧降下が低いと小さく、接触電圧
降下が大きいと火花はアーク放電となる。
【0003】アーク放電の発生は整流子の表面が荒損す
ると発生しやすく、アーク放電が発生するとブラシに高
温スポットが生じブラシの異常摩耗が起こり、整流子は
高温により部分的に軟化を起こす。これによる多量のカ
ーボン粉の発生と空気のイオン化がフラッシュオーバー
の危険性を誘発する問題がある。
【0004】また、整流子は外周面とブラシとの間に機
械的、かつ電気的に良好な接触状態を得て整流作用を行
うものである。従って、常にブラシが安定して摺動接触
するように整流子表面は、凹凸が無く平滑であることが
要求される。しかし、整流子は整流動作中にブラシとの
摺動摩耗及び整流にともなう火花の発生等により、温度
が上昇し熱的な変形、並びに、高速回転にともなう遠心
力によっても変形が生じる。従来、回転機等に用いられ
る整流子は導電セグメントとしてはCu材料が用いら
れ、モールド法あるいはカシメ法で作製されているた
め、耐熱性、耐摩耗性に問題がある。
【0005】つまり、整流子は運転時加熱されたCuセ
グメント間に凹凸が生じ、カーボンブラシの上下運動が
大きくなり、これに伴い火花の発生が多くなり、Cuセ
グメント表面摩耗が大きくなる。特にモールド整流子に
おいては、各々の整流子片を樹脂部材で固定するため、
耐熱性が低く、上述の問題が生じ易く各整流子の変位は
一様でなくなり、隣接する整流子セグメント間に段差が
生じ整流子表面は平滑さを失う。このような傾向は回転
速度が増大すると顕著になり、ブラシの確実な摺動接触
を妨げ整流特性の悪化を招くため、ブラシと整流子間の
整流火花を加速的に増大せしめ、整流子あるいはブラシ
表面の荒損、摩耗の増加により、機器の寿命を著しく低
下し、時には整流子の破損をもたらす等の問題がある。
【0006】これらはいずれも整流周期中に発生する火
花あるいは電流による加熱が原因である。整流中に発生
する火花あるいは電流によって加熱されることで整流子
のセグメントに凹凸が起こるのは、導電材と絶縁材(モ
ールド材)との熱膨張係数の差によることが考えられ
る。整流子の荒損あるいはセグメント間の凹凸が導電セ
グメントにCu材料を用い、モールドあるいはかしめ法
で作製する限りでは上記した問題は避けられない現象で
ある。
【0007】これらに対処するものとしてセラミックス
と金属を組合せた整流子が出願されている。例えば、 特開昭59−72963号公報 特開昭59−113741号公報 特開昭59−113743号公報 特開昭59−132751号公報
【0008】これらの特許は絶縁性セラミックスリング
の表面にCuあるいはCu合金リングを嵌合し、加熱、
加圧等で固着し、導電部を形成するもの、また、予め整
流子中心リングと絶縁セグメントを絶縁セラミックスで
形成し、絶縁セグメントと絶縁セグメントとの間に溶融
Cuを流し込み導電部を形成するものであり、いずれも
整流子表面がCu、Cu合金で形成されるため耐火花
性、耐摩耗性は改良されない。
【0009】また、セラミックスとCu、Cu合金の組
合せで整流子を作製し、運転中に発生する火花等で整流
子が加熱された場合、セラミックスとCu、Cu合金と
の熱膨張が心配される。一般的にセラミックスの熱膨張
係数が小さく、Cu、Cu合金等の金属の熱膨張係数が
大きく、絶縁性セラミックスリングの表面にCuあるい
はCu合金リングを嵌合し、加熱、加圧等で固着しただ
けではセラミックスと金属との接合部が充分でなく加熱
により熱膨張差が生じ金属とセラミックスとが剥離する
問題が考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、整流時
に発生する火花は、整流子表面の荒損、ブラシの異常摩
耗、整流不良、ノイズ発生等の原因となる等、従来技術
には種々の問題があった。そこで、本発明は、上記の従
来技術の問題点を解決し、耐火花性が良好でしかも導電
セグメント部の電気抵抗率及び熱伝導率を改良したセラ
ミックス整流子を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、セラミックス製の整流子中心絶縁リン
グとその外周部に導電セグメントを配設した複合セラミ
ックス整流子において、前記導電セグメントが導電性金
属とこの上に形成した導電性セラミックスとからなるこ
ととしたものである。また、本発明では、セラミックス
製の整流子中心絶縁リングとその外周部に導電セグメン
トとセラミックス製の絶縁セグメントとを交互に配置し
た複合セラミックス整流子において、前記導電セグメン
トが導電性金属とこの上に形成した導電性セラミックス
とからなることとしたものである。
【0012】前記の複合セラミックス整流子において、
導電性金属は弾性率が導電性セラミックス及び絶縁性セ
ラミックスの1/2以下であり、導電セグメントは導電
性セラミックスと導電性金属の厚さ構成がセラミックス
1に対し金属0.5以下であるのがよく、また、導電セ
グメントと導電セグメントの間に空隙を設けて、この空
隙を絶縁部とし、該空隙と接する導電セグメントの端部
を面取りするのがよく、更に、導電セグメントと導電セ
グメントの間の絶縁セグメント部を設けた場合は、この
絶縁セグメント部を凹形とし、凹形と接する導電セグメ
ントの端部を面取りするのがよい。
【0013】本発明の整流子は、回転子のコイルを接合
する接合部(ライザー部)を設けることができ、導電セ
グメント及び絶縁セグメント、中心絶縁リングの各部材
は金属及び金属とセラミックスの混合ろう材を用いて接
合するのがよい。また、本発明で用いるセラミックス材
料は、窒化物、酸化物、炭化物、ホウ化物、酸窒化物、
窒化物−炭化物複合体、窒化物−ホウ化物複合体、酸化
物−ホウ化物複合体、炭化物−ホウ化物複合体から選ば
れた1種類以上からなるのがよい。更に導電セグメント
のセラミックス材料及び金属材料は電気抵抗率が10-4
Ωm以下であり、絶縁セグメント及び絶縁リングのセラ
ミックス材料は電気抵抗率が105 Ωm以上であるのが
よい。
【0014】上記のように本発明では、耐熱、耐摩耗
性、耐食性、軽量、高強度、高硬度の特徴を持つ導電性
セラミックスと金属を接合した導電材とセラミックス絶
縁材とを一体化した整流子を用いるものである。導電性
セラミックスの電気抵抗率及び熱伝導率は金属に比べて
大きく、これだけを単独で用いると、大電流仕様のモー
タでは、導電性セラミックス部で電圧降下が大きくなり
電流が流れ無くなったり、電流が流れても導電セグメン
ト部で発熱したりして整流子として機能しなくなる。
【0015】セラミックスの電気抵抗率を改良するの
に、金属とセラミックスを混合する方法も考えられる
が、金属とセラミックスの融点を比べた場合、金属の融
点が低く、金属を主体とした焼結温度で焼結体を作るた
め、セラミックスの結合が充分でなく、セラミックスが
介在物となりブラシと摺動した場合、整流中に発生する
火花で金属が荒損し、残ったセラミックスでブラシを削
りとることになりブラシの摩耗が大きくなる。
【0016】そこで、金属とセラミックス単体を接合し
導電性セグメントとすることで、電気的に金属部分に電
気が流れ導電セグメントの電気及び熱伝導性が改良され
る。さらに、整流子の表面がセラミックスであるため、
セラミックス粒子とブラシ間に均一に火花が発生するよ
うになり、従来のCuセグメントに比べブラシの局部的
な火花発生が無くなり、同じ電流で運転しても火花の発
生が少なくなり整流子表面の荒損が少なくなる。更に、
導電セグメントの1部に金属を用いているため、運転中
に加熱されても、金属の高い熱伝導性により放熱が良く
なり、整流子は加熱されにくくなる。
【0017】これら材料の整流子を一体化する方法とし
て接合方法がある。接合するろう材の融点は運転時の加
熱温度以上が必要である。P−Cu系、Ag−Cu系、
Cu−Zn系、ニッケル系、パラジュウム系、金ろう系
等が望ましい。接合温度はいずれも500℃以上で、回
転機の他の部品の耐熱温度より高く、運転時のトラブル
で加熱されても整流子セグメントの接合部での剥離、飛
び出し等の問題を防げる。
【0018】セラミックスと金属との接合は熱膨張差に
問題があり、接合するセラミックの熱膨張係数を合致さ
せるのが望ましいが、一般的に金属の熱膨張係数が大き
くセラミックス材に整合するのが困難である。しかし、
弾性率の小さい金属を用いることで金属は塑性変形しク
ラックや割れの発生を防げる。つまり、セラミックスと
ろう材が反応し、ろう材と金属の接合が充分であればセ
ラミックスは高強度材であるため、金属及びろう材が塑
性変形するため接合に問題が無い。
【0019】セラミックスは金属ろう材と反応しにくい
材料であり、ろう材との濡れ性も心配されるが、セラミ
ックス表面にMo−Mn、Cr−Mo等をコーティング
する表面処理を施すことで上記したろう材が使用可能と
なる。また、活性金属を添加したAg−Cuろう材を用
いれば殆どのセラミックスとの接合が可能であり、セラ
ミックスに表面処理無しでも直接セラミックス同志及び
セラミックスと金属を接合させることも可能である。
【0020】一方、導電性セラミックスと回転子からの
Cu線との接合は導電性セラミックスの接合部にTi入
りAgろうを塗布し加熱して接合部とすることで、Cu
線を接合することが可能であるが量産性に乏しい。本発
明のように中心絶縁リングの上に導電性金属、その上に
導電性セラミックスを接合して整流子を構成し、Cu線
の接合部を設けることにより、従来の加圧圧接法が可能
となる。さらには、セラミックスの電気抵抗率は金属に
比べ大きく、大電流仕様に問題があるが、この問題は解
決され、ブラシと接触する整流子面はセラミックスのた
め表面荒れが無くなる。
【0021】使用するセラミックス材料は、窒化物、酸
化物、炭化物、ホウ化物、酸窒化物、窒化物−炭化物混
合体、窒化物−ホウ化物混合体、酸化物−ホウ化物、炭
化物−ホウ化物混合体から選ばれた1種類以上のセラミ
ックスのいずれの組合せでも良い。これらセラミックス
材料は、高強度、低比重、耐摩耗性、高耐食性、高耐熱
性等の特徴があり、整流子の導電セグメントに用いた場
合、整流時に発生する火花は、セラミック粒子とブラシ
間に均一に火花が発生し、従来の金属に比べカーボンブ
ラシの局部的な火花発生がよくなり、しかも、発生率が
小さい特徴もある。
【0022】更にはセラミックスの熱膨張係数は金属に
比べ小さく、しかも絶縁材に樹脂を用いてないため、加
熱されても導電セグメント間の凹凸が小さく、ブラシと
整流子の摺動性を損なわず、火花発生が小さくなり整流
子表面荒損が無く、良好な整流が得られる。また、導電
セグメント部に金属を用いているため、導電セラミック
ス単体を用いることにより電気抵抗が低くなり大電流仕
様も可能となる。これら整流子を構成する導電材料及び
絶縁材料の電気特性は、導電セラミックス及び導電金属
の電気抵抗率は10-4Ωm以下、絶縁材料の電気抵抗は
105 Ωm以上の材料が望ましい。
【0023】
【作用】整流子の導電セグメントを金属と導電性セラミ
ックスで構成することで、導電セグメントは導電性セラ
ミックス部と金属部に電流が流れ、導電性セラミックス
単体に比べ電気抵抗が改良される。さらに、運転中に発
生する火花により加熱されても金属部から放熱され昇温
しにくく、実質的には低熱伝導の導電セグメントとな
る。また、整流子の表面がセラミックスのため、耐火花
性、耐熱性、耐摩耗性を向上させ、整流子表面の荒損を
少ないし、ブラシと整流子の摺動性を良好にした耐久性
に優れたセラミックス整流子が得られる。
【0024】導電材料と絶縁材料とから構成された整流
子において、導電セグメントを金属とセラミックスの接
合セグメントにすることで、導電性セラミックス単体セ
グメントに比べ電気抵抗が小さく及び熱伝導性が大きく
なり、大電流仕様整流子にすることができるようにな
る。また、ブラシと摺動する整流子面がセラミックスで
あるため、耐火花性、耐摩耗性、耐熱性、耐食性が大幅
に向上する。さらに、セラミックス自体の熱膨張係数が
小さく、セグメント間での凹凸の発生が無くブラシの摺
動性が円滑になるため、異常火花発生が押さえられ、整
流子の荒損の無い耐久性に優れた整流子が得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 図1に本発明の整流子形状の実施例を示す。整流子の作
製方法は、まず、絶縁セラミックスリング4表面にろう
材2を塗布し、金属リング3(Cu、Cu合金、Ag、
Ag合金等)を設置する。更に、ろう材2を金属リング
3の表面に塗布し、その外周部に導電性セラミックスリ
ング1を設置してセラミックス/金属/セラミックスの
複合リングとした。
【0026】複合リング作製に用いたろう材は2%Ti
−72%Ag−26%Cuで、絶縁セラミックスはAl
2 3 、金属はCu又はCu合金、導電性セラミックス
材料はTiNを用いた。これらの材料を所定の形状にセ
ット後真空雰囲気中(5×10-5Torr以下)で最高加熱
温度820〜850℃で5分保持し接合した。接合した
結果、いずれの接合部にも割れやクラックの発生が無く
良好な接合体が得られた。
【0027】導電材と絶縁材の接合体に絶縁部を形成す
るため、中心方向に所定のセグメント数に中心絶縁リン
グ表面まで切断して、絶縁部を空隙5で形成し整流子形
状とした。絶縁部を形成するため導電部を切断するが、
この時導電部の切断部が鋭角になりカーボンブラシを削
り取るため、図2に示すように導電部のエッジ部分8を
面取りし、ブラシが削り取られるのを防止した。また、
整流子表面にカーボンが付着しても、絶縁部への付着が
無く良好な整流が得られる。
【0028】Cu、Cu合金、Ag、Ag合金は弾性率
が小さく熱膨張差の緩和材になるが導電セグメントとC
u、Cu合金、Ag、Ag合金の厚さの比が極端に異な
ると割れが生じやすくなり、整流子形状、使用電流等に
より適宜割れが生じないように選択して接合する必要が
あり、導電性金属の弾性率は、導電性セラミックス及び
絶縁セラミックスの1/2以下が望ましい。
【0029】これらの接合時の割れやクラックの発生の
原因としては接合面積及び接合材の厚みにより異なって
くることから、導電性セラミックスの厚みと接合する金
属の厚み構成をセラミックス1に対して金属0.5以下
とすることが望ましい。また接合部の面積を小さくして
接合する方法としては、金属リングを分割(最小分割は
セグメント数)して接合することで割れやクラックの発
生が防止できる。また、金属と導電性セラミックスの複
合セラミックスを予め作製し、これを中心絶縁リングに
接合してもよい。更には、金属とセラミックスの熱膨張
差が大きい場合、接合材(ろう材にセラミックス添加)
を傾斜材として接合する必要がある。
【0030】一方、セラミックスとろう材とが濡れにく
い、あるいは強度の弱いセラミックスの場合、セラミッ
クス表面に蒸着、イオンプレーティング、スパッター、
CVD、焼き付け法等で金属を固着後接合する必要があ
る。以上のような接合方法は加熱、加圧、電圧印加、雰
囲気制御、還元等と、これらの組合せ方法があり、接合
材、被接合材、ろう材等の組合せにより接合に適した方
法を選択する必要がある。
【0031】実施例2 図3に絶縁セグメント7にセラミックスを用いた整流子
形状を示す。整流子の作製方法は中心絶縁リングに絶縁
セグメントが入る溝10を作製し、次に絶縁リングの溝
にろう材を塗布し、絶縁セグメントをセットし、その
後、導電セグメントの金属と導電性セラミックスをセッ
トし整流子形状とした。
【0032】上記絶縁リングに設けた溝は導電材と絶縁
材を同時にろう材を用い接合するため、ろう材で電気的
に導電パスができるため電気絶縁性を得るのに中心絶縁
リングに溝を設け、その溝にろう材を塗布しその後絶縁
セグメントを設置し、電気的な絶縁を取り加熱接合し
た。接合条件は実施例1と同じ方法とした。また、他の
接合方法としては、絶縁リングに絶縁セグメント、導電
セグメントの金属の接合を高融点ろう材(例えばTi入
り Ag−8ろう)で接合し、その後絶縁リングの絶縁
セグメントの接合体に導電セグメントの金属の接合体を
低融点のTi入りBAg−1のろう材を用いて接合す
る。つまり、高融点ろう材と低融点ろう材を組み合わせ
て接合しても良い。
【0033】接合した整流子は、そのままの状態で整流
子として使用可能であるが図4に示すように絶縁部に若
干の溝を設けても良い。溝を設けるときに導電材のカッ
トされた部分が面取りあるいは曲面にすることでブラシ
が削り取られるのが防止できる。また、整流子表面にカ
ーボンが付着しても絶縁部への付着が無く良好な整流が
得られる。
【0034】実施例3 セラミックスと金属の接合は実施例1、2で示した方法
で可能であるが、回転子の巻線は通常エナメルを塗布し
たCu線が用いられ、耐熱温度300℃以下と低く、回
転子からのCu線を整流子のろう付けと同時にはできな
い。そこで、Cu線の接合を容易にするため、図5の整
流子正面に示すCu線コイル接合部を装備したセラミッ
クス整流子を作製した。
【0035】作製方法はまず、絶縁性セラミックスリン
グ4の外周にろう材2を塗布し、次にCu線コイル接合
部9を設けた導電性金属リング11を設置し、更に、そ
の外周に導電性セラミックスリング1をろう材を介して
セットして加熱接合した。この時導電セグメントは実施
例1で述べたように分割して接合しても良い。また、C
u線コイル接合部は図6に側面図として示すように、実
施例1で述べた方法の形状に整流子の一端の方向に導電
性金属の輪をセットし接合してCu線コイル接合部を装
備しても良い。これらの熱接合方法は実施例1〜2の方
法を用いた。
【0036】図7はCu線を接合する部分の拡大図で、
接合体は所定のセグメント数に中心絶縁リング表面まで
切断し更に、Cu線コイルとの接合部は接合するCu線
の線径の入る溝9を設けた。このような形状にすること
でセラミックス整流子の一部が金属のため、従来から用
いている量産方法の加圧圧接法(ヒュウジング法等)が
適用できる。
【0037】実施例4 整流子を図1、3、5に示す形状に加工し、実際のモー
タに組込試験した。まず、接合強度を知るため、無負加
の状態で回転数を36,000rpm で10分間運転して
整流子が破壊するか試験したが、接合セラミックス整流
子の破壊は無かった。次に負加試験として電流密度20
A/cm2 、回転数28,000rpm の条件で30時間運
転した。このとき、比較のためCuセグメントを用いた
整流子も同じ条件で試験した。導電セグメントに金属と
導電性セラミックスを用いた整流子は、Cuセグメント
を用いた整流子に比べ、若干抵抗が大きかった。電流値
で数%であり、従来のCu整流子と大差が無かった。
【0038】これは、導電セグメントに金属と導電性セ
ラミックスを用いることでセラミックス単体の導電セグ
メントを用いた場合より、整流子の電気抵抗が改良され
たためと思われる。導電セグメントの電気抵抗の改良
は、導電性セラミックスと金属とを複合する場合、金属
の占める割合を多くすることで改良されるが、接合時の
割れやクラックの問題があり、整流子形状やモーター使
用電力等で導電セグメントを作製する必要がある。ま
た、整流中に整流子は加熱されるが、導電セグメントに
セラミックスと金属の複合した整流子の温度は、従来の
Cuを用いた整流子に比べ、10%以下の昇温で運転に
は殆ど問題は無かった。これに対して導電セグメントに
導電性セラミックス単体を用いた整流子の温度は、約3
0%高くなる。これは、導電性セラミックスが加熱され
ても金属部で放熱されるため、導電セグメントにセラミ
ックスと金属とを複合した整流子の加熱温度が低くなっ
たためと考えられる。
【0039】金属と導電性セラミックスを用いたセラミ
ックス整流子の運転時の火花はブラシ全面から発生し、
火花の色彩は赤色に近く従来のCu整流子を用いた時の
白色に比べ火花温度が低い。これは火花の片寄りが無
く、火花がブラシから均一に発生しているためで、ブラ
シと整流子との摺動性が良いことが判った。つまり、運
転時に整流子は加熱されるが、セラミックス整流子は加
熱されても導電セグメント間の凹凸の発生が無く摺動性
が良好な状態に保たれるためである。
【0040】試験後の整流子表面の粗さは試験前後で殆
ど差が無く、整流子表面の荒損が無くなった。また、ブ
ラシは従来のCu整流子を用いた時より摩耗量が多かっ
た。ブラシの摩耗量はセラミックス整流子の表面仕上げ
状態によるが、試験の結果、運転初期摩耗量は多く、そ
の後の摩耗量は少なくなる。試験後の整流子表面を観察
すると導電性セラミックス表面にブラシ材が付着してい
る。つまり、摩耗量が少なくなるのは負荷試験を行うと
導電部にブラシ材が電着しブラシとの摺動性が改良され
摩耗が少なくなったためと考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば導電セグメントが金属と
導電性セラミックスの複合のため、セラミックス単体の
セグメントに比べ電気抵抗率及び熱伝導性が改良され、
大電流仕様の整流子に適用可能となる。また、整流子の
導電材料及び絶縁材料をセラミックスで構成することで
耐熱性、耐摩耗性、軽量化が図られる。つまりセラミッ
クスは不燃性材料で、従来Cu材の導電セグメントに比
べ、火花が発生しても整流子表面が溶けにくく、整流子
表面の荒損が無く耐久性に優れた整流子となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合導電セグメントを設け、絶縁溝を
設けた複合セラミックス整流子の断面図。
【図2】導電セグメントに面取りを付けた複合セラミッ
クス整流子の部分拡大図。
【図3】本発明の複合導電セグメントと絶縁セグメント
を一体接合した複合セラミックス整流子の断面図。
【図4】絶縁部に凹部を設け、導電セグメントに面取り
を付けた複合セラミックス整流子の部分拡大図。
【図5】複合導電セグメントにCu線コイル接合部を設
けた複合セラミックス整流子の断面図。
【図6】一端にCu線コイル接合部を設けた複合セラミ
ックス整流子の平面図。
【図7】Cu線コイル接合部を設けた複合セラミックス
整流子の部分拡大図。
【符号の説明】
1:導電性セラミックス、2:ろう材3:金属、4:中
心絶縁リング、5:絶縁空隙部、6:整流子中心穴、
7:絶縁セグメント、8:導電セグメントの面取り部、
9:Cu線接合部、10:絶縁セグメント挿入部、1
1:Cu線接合用金属部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 幸雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 坂本 真一 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 日 立工機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス製の整流子中心絶縁リング
    とその外周部に導電セグメントを配設した複合セラミッ
    クス整流子において、前記導電セグメントが導電性金属
    とその上に形成した導電性セラミックスとからなること
    を特徴とする複合セラミックス整流子。
  2. 【請求項2】 セラミックス製の整流子中心絶縁リング
    とその外周部に導電セグメントとセラミックス製の絶縁
    セグメントとを交互に配置した複合セラミックス整流子
    において、前記導電セグメントが導電性金属とその上に
    形成した導電性セラミックスとからなることを特徴とす
    る複合セラミックス整流子。
  3. 【請求項3】 前記導電性金属は、弾性率が導電性セラ
    ミックス及び絶縁性セラミックスの1/2以下であり、
    導電セグメントは導電性セラミックスと導電性金属の厚
    さ構成がセラミックス1に対し金属0.5以下であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の複合セラミックス
    整流子。
  4. 【請求項4】 中心絶縁リングの外周部に設けた導電セ
    グメントは、導電セグメントと導電セグメントの間に空
    隙を設けて絶縁部とし、該空隙と接する導電セグメント
    の端部を面取りしたことを特徴とする請求項1記載の複
    合セラミックス整流子。
  5. 【請求項5】 導電セグメントと導電セグメントの間の
    絶縁セグメント部を凹形とし、凹形と接する導電セグメ
    ントの端部を面取りしたことを特徴とする請求項2記載
    のセラミックス複合整流子。
  6. 【請求項6】 前記整流子は、回転子のコイルを接合す
    る接合部(ライザー部)を設けたことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項記載の複合セラミックス整流
    子。
  7. 【請求項7】 導電セグメント及び絶縁セグメント、中
    心絶縁リングの各部材は金属及び金属とセラミックスの
    混合ろう材を用いて接合されていることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項記載の複合セラミックス整流
    子。
  8. 【請求項8】 セラミックス材料が、窒化物、酸化物、
    炭化物、ホウ化物、酸窒化物、窒化物−炭化物複合体、
    窒化物−ホウ化物複合体、酸化物−ホウ化物複合体、炭
    化物−ホウ化物複合体から選ばれた1種類以上のセラミ
    ックスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    1項記載の複合セラミックス整流子。
  9. 【請求項9】 導電セグメントのセラミックス材料及び
    金属材料は、電気抵抗率が10-4Ωm以下であり、絶縁
    セグメント及び絶縁リングのセラミックス材料は、電気
    抵抗率が105 Ωm以上であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれか1項記載の複合セラミックス整流子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の複
    合セラミックス整流子を装備した回転装置。
JP34517192A 1992-12-02 1992-12-02 複合セラミックス整流子 Withdrawn JPH06176840A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100821109B1 (ko) * 2000-08-30 2008-04-11 로베르트 보쉬 게엠베하 후크 정류자
CN102576968A (zh) * 2009-09-23 2012-07-11 罗伯特·博世有限公司 用于在电机中传输电流的换向器

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KR100821109B1 (ko) * 2000-08-30 2008-04-11 로베르트 보쉬 게엠베하 후크 정류자
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