JPH06176623A - せせらぎ風音防止型電線及びその方法 - Google Patents

せせらぎ風音防止型電線及びその方法

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JPH06176623A
JPH06176623A JP32675292A JP32675292A JPH06176623A JP H06176623 A JPH06176623 A JP H06176623A JP 32675292 A JP32675292 A JP 32675292A JP 32675292 A JP32675292 A JP 32675292A JP H06176623 A JPH06176623 A JP H06176623A
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JP
Japan
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electric wire
wind noise
wire
tape
spiral rod
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Pending
Application number
JP32675292A
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English (en)
Inventor
Katsuyoshi Kumofuji
勝義 雲藤
Kiyoshi Shimojima
清志 下嶋
Hiroshi Kubokawa
弘 窪川
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 風速10m/s前後のときに発生する1KH
z以上のせせらぎ風音を防止するせせらぎ風音防止型電
線及びその方法を提供する。 【構成】 電線3外周にスパイラルロッド巻き付けピッ
チ長さの1/2以上の幅を有するテープ5をスパイラル
ロッド4間に巻き付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、風音の発生を防止する
電線に係り、特に、風速10m/s前後のときに発生す
る1KHz以上のせせらぎ風音を防止するせせらぎ風音
防止型電線及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】架空送電線に風が当たると風音が発生す
る。風音は風の強さによって大きさが変化し、ある周波
数領域に強く発生する傾向がある。図12は風の強さ
(風速)に対する風音の周波数と大きさとの関係を示す
グラフである。図12(a)は単導体の場合、図12
(b)は2導体の場合である。これらのグラフを見ると
比較的強い風の時における風音は100Hz前後で顕著
に大きい。このように電線は風音に関して100Hz前
後の卓越周波数を有している。この顕著な風音を防止す
るためにスパイラルロッドを有する風音防止型電線(ス
パイラル線)が実用化されている。
【0003】スパイラル線は、図11に示されるように
多数の素線11を撚合わせてなる電線の外周に所定のピ
ッチでスパイラルロッド12を巻き付けたものであり、
電線の外径D、その最外層を構成する素線の径d、及び
スパイラルロッドのピッチの関係を最適に定めることで
風音を防止することができる。例えば、図7に示したよ
うに風速11m/sにおいてスパイラルロッドの無いも
のは50Hzのところに風音のピークがあるが、スパイ
ラルロッドがあればそのピークが解消されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年架空送
電線の大容量化が進められるなかで、断面積が1160
mm2 、1520mm2 等の大サイズの電線(ACS
R)が用いられるようになってきたが、このような大サ
イズの電線には上記100Hz前後の卓越周波数を有し
た風音の他に、特定の風速の領域において、1KHz以
上の風音(以下せせらぎ風音と言う)が発生することが
見出だされた。せせらぎ風音は、前記した風音が風の強
さに応じて増減しているのに対し、比較的風の弱い弱い
領域、即ち風速7m/sから13m/sの限られた領域
で発生する。せせらぎ風音は、上記スパイラルロッドで
は防止できないことが確かめられた。例えば、先ほどの
図7でもスパイラルロッドの有無に拘らず1KHz〜2
KHzの間にせせらぎ風音によるピークが現れている。
【0005】スパイラルロッドを有する風音防止型電線
を設けて100Hz前後の風音を防止したにも拘らず、
大サイズの電線を用いたために、新たにせせらぎ風音が
発生し住民から苦情が出るようになった。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、風速10m/s前後のときに発生する1KHz以上
のせせらぎ風音を防止するせせらぎ風音防止型電線及び
その方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、多数の素線を撚合わせてなる電線に、電線
の外径Dとその最外層を構成する素線の径dとの間にd
/D≦1/10の関係があって、電線の外周に所定のピ
ッチでスパイラルロッドを巻き付けた風音防止型電線に
おいて、上記電線外周にスパイラルロッド巻き付けピッ
チ長さの1/2以上の幅を有するテープをスパイラルロ
ッド間に巻き付けたものである。
【0008】上記テープの外表面をアルミとし、その内
側に導電性若しくは半導電性の粘着剤を設けてもよい。
【0009】
【作用】本出願人は、せせらぎ風音を防止するべく鋭意
努力の結果、せせらぎ風音の特性、及び発生原因を究明
することに成功した。本発明はこの発見に基づいてなさ
れたものである。
【0010】まず、せせらぎ風音の特徴は図12からわ
かるように1KHz以上の周波数を有し、特定の風速の
領域に限定して発生している。これをせせらぎ風音のピ
ーク値と風速との関係で示すと図8(a)のようになっ
ている。図8(b)はピーク値を現す周波数と風速との
関係を示したものである。いずれも断面積が1160m
2 のACSRと1520mm2 のACSRとについて
調べたものである。図8からせせらぎ風音は風速10m
/s前後においてのみ発生し、周波数が1KHz〜2K
Hzの間にあることが分かる。
【0011】次に、本出願人は、せせらぎ風音の発生が
電線の表面の粗さに関係していることを見出だした。電
線の外径をDとし、電線の最外層を構成する素線の径を
dとすると、d/Dは電線の表面の粗さを現す形状指数
である。図10に示されるように、形状指数とせせらぎ
風音の音圧レベルとの間には、顕著な関係がある。図示
されるように、d/D>1/10では音圧レベルが小さ
いのにd/D=1/10を境にしてd/D≦1/10で
は音圧レベルが極端に大きくなっている。形状指数が小
さいということは、素線の径dを同じものとすると電線
の外径Dが大きいことであるから、電線の外径Dを大き
くするとせせらぎ風音が発生することになる。断面積が
810mm2 のACSR、1160mm2 のACSR、
1520mm2 のACSRについて形状指数を求めて図
10にあてはめると、810mm2 のACSRではせせ
らぎ風音が発生せず、それよりも断面積を大きくすると
せせらぎ風音が発生することが分かる。なお、素線の外
径dは撚合わせの際の機械的強度確保等の関係から通常
3.8〜5.0mm程度の一様な寸法となっており、電
線の外径Dが小さいからといってあまり小さくすること
はできない。
【0012】続いて、本出願人は、せせらぎ風音の発生
メカニズムがパイプオルガン等の管楽器と同様のもので
あることを発見した。即ち、図9(b)に模擬的に示さ
れるように空気の流れ91が窪み部93に来ると渦92
が発生し、この渦92による空気の振動が窪み部93の
空孔94で共鳴してエッジトーンと呼ばれる音を発生す
る。図9(a)に示されるように多数の素線を撚合わせ
てなる電線の表面には、素線11間の凹凸95が形成さ
れているが、この凹凸95が上記窪み部93として働
く。風による空気の流れ96が素線11の表面から剥離
して小さな渦97が形成され、渦97の振動が窪み部9
3で共鳴してエッジトーンを発生しているのである。
【0013】従って、上記形状指数が1/10より小さ
い電線において、せせらぎ風音を防止するには、上記エ
ッジトーンを発生させないように素線間の凹凸を無くせ
ばよいと考えるに至った。そこで、電線の外周にテープ
を巻き付けることにより素線間の凹凸を無くしたとこ
ろ、せせらぎ風音を確実に消音することができた。その
結果は、図6に示されている。図6は風速11m/sに
おいて形状指数が1/10より小さい電線にテープ巻付
けを行った場合と、行わない場合とについて風音の周波
数と風音の大きさとの関係を示している。図のようにせ
せらぎ風音のピーク(破線)のあった周波数領域が全く
平坦になっている。ただし、このときの電線にはスパイ
ラルロッドが巻き付けられておらず、従来の低域の風音
に対しては効果がないことが分かる。逆に、電線表面の
平滑化により電線の周りの空気の流れが層流化し、これ
によって流れが速くなった分、電線表面より空気の流れ
が剥離する時に、剥離に伴う圧力騒音が増加するため、
風音の増大につながることになる。
【0014】以上の研究結果に鑑み、図7のスパイラル
ロッドによる風音防止効果に、図6のテープによるせせ
らぎ風音防止効果を複合させ、本発明の構成としたもの
である。
【0015】即ち、上記構成により、電線外周にスパイ
ラルロッド巻き付けピッチ長さの1/2以上の幅を有す
るテープをスパイラルロッド間に巻き付けることにより
素線間の凹凸を滑らかにして、100Hz前後に卓越周
波数を持つ風音を防止すると同時に1KHz以上のせせ
らぎ風音を防止することができる。
【0016】なお、ここでテープの幅をスパイラルロッ
ド巻き付けピッチ長さPの1/2以上とした理由を説明
する。テープをスパイラルロッド間に巻き付ける際に、
テープの幅をPに対して様々の大きさにした結果が、図
5に示されている。図示されるように、テープ幅がP/
2より小さい時にはせせらぎ風音防止効果が小さく、P
/2以上であれば効果が顕著であり、しかもテープ幅に
左右されないことが分かる。従って、テープ幅はスパイ
ラルロッド巻き付けピッチ長さの1/2以上にするのが
よい。
【0017】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0018】図1に示されるように、本発明に係るせせ
らぎ風音防止型電線は、多数の鋼線1が撚合わされ、そ
の外周に多数の径dのアルミ素線2が撚合わされて表面
にアルミ素線2による凹凸を有した電線3が形成されて
おり、その外径はDであり、断面積が1160mm2
は、1520mm2 である。さらにその外周に、径d0
のスパイラルロッド4が所定のピッチで螺旋状に巻き付
けられている。スパイラルロッド巻き付けピッチは、P
1 である。電線3の外径Dとその最外層を構成するアル
ミ素線2の径dとの間にd/D≦1/10の関係があ
る。この電線3の外周にスパイラルロッド巻き付けピッ
チ長さP1 の1/2以上の幅を有するテープ5がスパイ
ラルロッド4間に螺旋状に巻き付けられている。テープ
5のピッチはP1 に等しく、電線の側面には交互にスパ
イラルロッド4とテープ5とが現れている。このテープ
5は、外表面がアルミで構成され、その内側に導電性若
しくは半導電性の粘着剤が設けられている。図示される
ように電線3の断面の半周以上をテープ5が覆い、側面
から見てもアルミ素線2による凹凸6が大部分テープ5
に隠れており、テープ5の表面は滑らかである。せせら
ぎ風音防止型電線は、素線2間の凹凸6を滑らかにし
て、100Hz前後に卓越周波数を持つ風音を防止する
と同時に1KHz以上のせせらぎ風音を防止することが
できる。
【0019】また、図2はスパイラルロッド4を2条設
けたせせらぎ風音防止型電線である。鋼線1、アルミ素
線2を撚合わせてなる図1と同様の電線3の外周に、2
本の径d0 のスパイラルロッド4が、所定のピッチで且
つ互いに所定の間隔を隔てて巻き付けられ、それぞれの
スパイラルロッド巻き付けピッチはP1 、両スパイラル
ロッドの間はその約半分のP2 である。両スパイラルロ
ッド4の間にそれぞれテープ5が設けられている。テー
プ幅はP2 の1/2以上である。
【0020】このせせらぎ風音防止型電線においてd0
=7.5、P1 =400mmとし、風速V=11m/
s、15m/s、20m/sの風を与えた時の風音の周
波数と風音の大きさとの関係を図4に示した。それぞれ
の風速における100Hz前後の卓越周波数を有する風
音(破線)が防止されると同時に、風速11m/sにお
けるせせらぎ風音(破線)が防止されていることが分か
る。
【0021】本発明のせせらぎ風音防止型電線を作ると
きには、電線3にスパイラルロッド4とテープ5とを同
時に巻き付けてもよいし、スパイラルロッド4を先に巻
き付けておいて、後からテープ5を巻き付けてもよい。
その際、テープ5がスパイラルロッド4上に掛かってし
まうと、風音防止効果を損なう。そこで、図3に示され
るように予め成形機で螺旋状に成形されたテープ5を使
用するとスパイラルロッド4間に巻き付けることが容易
となる。
【0022】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0023】(1) 100Hz前後の風音防止を妨げ
ることなくせせらぎ風音を防止できるので、便利であ
る。
【0024】(2) スパイラルロッド間にテープを巻
き付けるだけなので、既設のスパイラルロッド付き架空
送電線にも追加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すせせらぎ風音防止型電
線の断面図及び側面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すせせらぎ風音防止型
電線の断面図及び側面図である。
【図3】予め整形機で螺旋状に整形されたテープの断面
図及び側面図である。
【図4】本発明を実施したときの音圧レベル対周波数の
グラフによる風音特性図である。
【図5】せせらぎ風音の減衰量対テープ幅のグラフによ
る風音特性図である。
【図6】テープ巻き付けのみのときの音圧レベル対周波
数のグラフによる風音特性図である。
【図7】スパイラルロッドの有無による音圧レベル対周
波数のグラフによる風音特性図である。
【図8】せせらぎ風音のピーク音圧対風速、ピーク周波
数対風速のグラフによる風音特性図である。
【図9】せせらぎ風音発生メカニズムの模式図である。
【図10】せせらぎ風音の音圧レベル対形状指数のグラ
フによる風音特性図である。
【図11】従来例を示す風音防止型電線の断面図であ
る。
【図12】送電線の音圧レベル対周波数のグラフによる
風音特性図である。
【符号の説明】
2 素線(アルミ素線) 3 電線 4 スパイラルロッド 5 テープ D 電線の外径 d 素線の径

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の素線を撚合わせてなる電線に、電
    線の外径Dとその最外層を構成する素線の径dとの間に
    d/D≦1/10の関係があって、電線の外周に所定の
    ピッチでスパイラルロッドを巻き付けた風音防止型電線
    において、上記電線外周にスパイラルロッド巻き付けピ
    ッチ長さの1/2以上の幅を有するテープをスパイラル
    ロッド間に巻き付けたことを特徴とするせせらぎ風音防
    止型電線。
  2. 【請求項2】 上記テープの外表面をアルミとし、その
    内側に導電性若しくは半導電性の粘着剤を設けたことを
    特徴とする請求項1記載のせせらぎ風音防止型電線。
  3. 【請求項3】 多数の素線を撚合わせてなる電線に、電
    線の外径Dとその最外層を構成する素線の径dとの間に
    d/D≦1/10の関係があって、電線の外周に所定の
    ピッチでスパイラルロッドを巻き付けて100Hz前後
    に卓越周波数を持つ風音を防止する方法において、上記
    電線外周にスパイラルロッド巻き付けピッチ長さの1/
    2以上の幅を有するテープをスパイラルロッド間に巻き
    付けることにより素線間の凹凸を滑らかにして1KHz
    以上のせせらぎ風音を防止することを特徴とする電線の
    せせらぎ風音の防止方法。
JP32675292A 1992-12-07 1992-12-07 せせらぎ風音防止型電線及びその方法 Pending JPH06176623A (ja)

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