JPH06174876A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH06174876A
JPH06174876A JP43A JP33035992A JPH06174876A JP H06174876 A JPH06174876 A JP H06174876A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 33035992 A JP33035992 A JP 33035992A JP H06174876 A JPH06174876 A JP H06174876A
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fuel
rods
fuel rods
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spacers
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Inventor
Koji Hiraiwa
岩 宏 司 平
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温時には炉停止余裕を改善し、出力運転時
には反応度を高めるとともに限界出力を高めるようにし
た燃料集合体を得ること。 【構成】 核分裂性物質ペレットを充填した複数の燃料
棒及びウォーターロッドとをスペーサーによって拘束
し、これをチャンネルボックスに収容した燃料集合体に
おいて、或る区域にある燃料棒36を拘束するスペーサ
ー23と他の区域にある燃料棒37を拘束するスペーサ
ー22とを、互いに熱膨張率が異なる部材によって形成
し、少なくとも一部の燃料棒と燃料棒との間隔が低温時
よりも出力運転時に大きく、かつ少なくとも一部の最外
周辺の燃料棒36とチャンネルボックス26内壁との間
隔が出力運転時より低温時に大きくなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉用の燃料集合体
に係り、特に燃料棒の支持方法を改善した燃料集合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子炉用の燃料集合体は、多数
の燃料棒と1本或は数本のウォーターロッドとが束状と
してチャンネルボックス内に収納され、各燃料棒とウォ
ーターロッドの上下両端が上部タイプレート或は下部タ
イプレートに支持され、中間部は上下方向に適宜離間し
て設けられたスペーサーによって位置決めされている。
そして、上記上部タイプレート及び下部タイプレートが
最外周辺に位置する一部の燃料棒からなるタイロッドに
よって互いに連結されている。
【0003】スペーサーは丸型の部品(丸セル)を燃料
棒の数だけ格子状に組み合わせ相互に溶接固定し、周囲
を周辺支持バンドに溶接して1体のものとしたものであ
る。上記丸セルの中には突起とバネが設けられており、
燃料棒が上記セル内に挿入されたとき、その燃料棒がセ
ルのほぼ中心位置にくるようにしてあり、各燃料棒をセ
ル内に挿入することによって各燃料棒が一定間隔で保持
されるようにしてある。そして、このスペーサーは燃料
集合体の軸方向の7〜8ケ所にほぼ等間隔に設けられ、
通常ウォーターロッドに噛み合わせ方式で固定される。
【0004】スペーサーに用いる材料は、通常ジルカロ
イ(ジルコニウムをベースとする合金)又はインコネル
(ニッケルをベースとする合金)が使用されており、ま
たこの2種類の金属を組み合わせる場合もある。
【0005】燃料棒の配置方法については正方格子状に
均一に配設されるのが普通であるが、非均一な配置とし
て性能を改善する方式も特開昭58−173491号公
報記載のように提案されている。この例ではチャンネル
ボックスと燃料棒の間隔を通常より拡大しており、これ
により隣接燃料集合体の燃料棒との間隔を大きくして水
の間隔を大きくして、低温停止時に炉心の反応度を低下
させて炉停止余裕(停止した原子炉で制御棒価値の最も
大きい制御棒が抜けた場合の未臨界度)を増加させるよ
うにしたものである。
【0006】また、燃料棒の間隔に大小を設ける方法も
特開昭64−31090号に示すように提案されてお
り、この方法では集合体の内側に間隔の大きい部分を設
けることにより、主として出力運転時の反応度を改善で
きることが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、沸騰水型発
電炉(BWR)では炉心停止時(低温時)の反応度特性
である炉停止余裕に対して安全確保のために一定以上の
余裕が義務付けられており、全てのBWRの燃料及び炉
心はこの余裕を満足するように設計される。
【0008】従来のBWRでも余裕が維持されてきた
が、炉心や燃料の分野では高性能化に伴なって前記の余
裕が減少する傾向にある。例えば燃料の濃縮度を高めて
燃料の取出し燃焼度を増加する場合、出力時よりも低温
時の反応度が高まる傾向にあり、炉停止余裕が減少す
る。このような問題に対しては、前述の特開昭58−1
73491号に示すように燃料集合体のチャンネル内壁
と燃料棒の間隔を拡大する方法があるが、この方法では
出力運転時の反応度の低下や局所ピーキングの増加等の
問題があり、炉停止余裕改善によって出力運転時の性能
が低下してしまう等の問題がある。
【0009】本発明はこのような点に鑑み、低温時には
炉停止余裕を改善し、出力運転時には反応度を高めると
ともに限界出力を高めて経済性と安全性を両立し得るよ
うにした燃料集合体を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、被覆管内
に核分裂性物質ペレットを充填した複数の燃料棒及びウ
ォーターロッドとをスペーサーによって拘束し、これを
チャンネルボックスに収容した燃料集合体において、或
る区域にある燃料棒を拘束するスペーサーと、他の区域
にある燃料棒を拘束するスペーサーとを、互いに熱膨張
率が異なる部材によって形成し、少なくとも一部の燃料
棒と燃料棒との間隔が低温時よりも出力運転時に大き
く、かつ少なくとも一部の最外周辺の燃料棒とチャンネ
ルボックス内壁との間隔が出力運転時より低温時に大き
くなるようにしたことを特徴とする。
【0011】また、第2の発明は、上記スペーサーにお
ける少なくとも一部のセルとセルとを温度によって変形
または膨張する部材を介して連結し、少なくとも一部の
燃料棒と燃料棒との間隔が低温時よりも出力運転時に大
きく、かつ少なくとも一部の最外周辺の燃料棒とチャン
ネルボックス内壁との間隔が出力運転時より低温時に大
きくなるようにしたことを特徴とする。
【0012】さらに、第3の発明は上述の如きものにお
いて、上部タイプレート及び下部タイプレートを連結す
るタイロッドが、集合体の第2列目以内の位置に設けら
れていることを特徴とする。
【0013】
【作用】炉の運転停止時においては、スペーサーの熱膨
張或は変形がないので、スペーサで規定された寸法に応
じて或る燃料棒と隣接する燃料棒との間隔が小さく、ま
た最外周辺の燃料棒とチャンネルボックス内壁との間隔
が大きくなっている。
【0014】そこで、出力運転によって温度が上昇する
と、スペーサーの熱膨張差或は温度によるスペーサ部の
変形によって所定の燃料棒と燃料棒との間隔が大きくか
つ最外周辺の燃料棒とチャンネルボックス内壁との間隔
が小さくなる。したがって、停止時における炉停止余裕
が高くなるとともに、出力運転時の反応度と限界出力を
高めることができる。
【0015】
【実施例1】発明者は、上記した問題を解決する方法を
検討するために、2次元核熱計算コード及び燃料集合体
熱・流体解析コードを使用して燃料棒配置と炉停止余
裕、出力運転時の反応度、限界出力特性との関係を評価
して考察した結果、運転時の反応度及び限界出力特性を
維持したままの炉停止余裕を改善できる方式が可能であ
ることを見いだした。ここでは、典型的な燃料棒配置を
仮定して、出力運転時の反応度、停止時の炉停止余裕、
出力運転時の限界出力(沸騰状態が変化して熱除去能力
が低下する点の集合体出力)を評価した。
【0016】すなわち、図22に示すように9×9燃料
棒の並びを周辺位置から順に第0列、第1列とし(最大
4列までとし、中心線に対して対称とした)、第n列
(n=0〜4,0はチャンネルボックス内壁位置とす
る)と第n+1列との間隔をそれぞれ1mmだけ拡大し、
それ以外の燃料棒間隔は一様に縮小して計算を行なっ
た。燃料棒間隔と出力運転時の反応度との関係を図23
に、停止余裕と燃料棒間位置との関係を図24に、また
限界出力と燃料棒間位置との関係を図25に示す。
【0017】これらの計算結果から発明者は燃料棒間隔
はその位置によって運転時反応度、炉停止余裕、限界出
力の影響が異なっており、運転時反応度については第3
列の間隔拡大が最も望ましく、また限界出力については
第1列の間隔拡大が望ましいことを見出した。
【0018】このような現象はBWRの燃料では運転状
態によって蒸気や水が非均質に分布するために生じてい
ると考えられている。まず出力運転時の反応度について
は、集合体内部に水ギャップを設けると、出力運転相当
のボイド率において反応度増加効果があり、9×9燃料
の場合、特に第3列の間隔を拡大することが効果的であ
る。効果については特開昭64−31090号公報にお
いてもすでに指摘されている。ここでの例は9×9燃料
の場合であるが、この他の配列の場合でも、燃料棒間隔
に大小を設けることで同様な特性を実現できるのは明ら
かである。
【0019】次に炉停止余裕については、制御棒が引き
抜けた水ギャップ(燃料集合体と燃料集合体との間のス
ペース)が局所的に減速過剰であり、この部分の水が増
加すると反応度が低下する特性があることによる。この
ことからチャンネル内壁と第1列燃料棒との間隔を広げ
ることは水ギャップを拡大したのと同じ効果があるた
め、炉停止時に反応度を低下させる効果がある。これ以
外の燃料棒間の拡大では減速過剰の度合いが低いか減速
不十分であるため炉停止余裕改善効果が少ないか逆に悪
化する場合もある。この炉停止余裕については以上の理
由から燃料棒の配列数は9×9だけでなくどのような場
合にもチャンネル内壁と第1列燃料棒との間隔を拡げる
場合に成り立つことは明らかである。
【0020】さらに限界出力については、一般に燃料集
合体の最外周燃料棒の冷却が最も厳しく、この燃料棒の
周囲の冷却材流路を拡大することによって冷却能力を改
善することができる。すなわち、このことは第1列の拡
大(ただし第0列の幅は減少させない)によって限界出
力を改善できることが示されている。
【0021】以上示したように、燃料集合体の燃料棒位
置を運転時と停止時で変更できれば出力運転時に反応度
を増加し或は限界出力を増加し、停止時には炉停止余裕
を改善できることは明らかである。
【0022】ところで、BWRでは出力運転時と停止時
のそれぞれの温度はその運転圧力の飽和温度となってお
り、現在のBWRでは運転時は約290℃、停止時約2
0℃であり、温度差は270℃程度となる。したがっ
て、この温度差で十分な幅で変化できスペーサー等に使
用できる材料が存在すれば所要の機能を持つ燃料集合体
を構成することができる。
【0023】図1は本発明の燃料集合体における第1実
施例の概略構成を模式的に示す図であり、この燃料集合
体20は燃料棒21と図示しないウォーターロッドが9
行9列に規則的に配置され、上下方向には水平方向位置
固定用のスペーサー22と最周辺位置燃料棒移動用の熱
膨張スペーサー23が交互に配設され、それぞれ4個ず
つ計8個のスペーサーによって燃料棒が拘束されてい
る。これらの燃料棒21の一部はその上部が上部タイプ
レート24に固定され、また下部が下部タイプレート2
5に固定されており、他の燃料棒は上部タイプレート2
4、下部タイプレート25に固定されず横方向に自由に
移動できるようにしてあり、これらがチャンネルボック
ス26内に収容されている。
【0024】図2はスペーサ22の上部断面を模式的に
示したものである。そのスペーサ22はジルカロイ合金
製であって、燃料集合体の周辺位置以外の燃料棒の1本
ずつを水平方向に支持する円形のセル30と、中心部の
ウォーターロッド用の太径セル31を7行7列に配置
し、相互をスポット溶接して、それらの周囲をスペーサ
ーベルト32で囲み周辺の接触点でスポット溶接されて
一体として構成されている。そしてこのスペーサー22
は、図示しないウォーターロッドの突起部とウォーター
ロッド用セルと噛み合って集合体に対して上下方向に支
持されるようにしてある。
【0025】一方、図3はスペーサー23の上部断面を
模式的に示す図であって、計32個の周辺位置用の丸型
のセル33と内部ベルト34及び外部固定ベルト35を
溶接固定して構成されており、全てインコネルで作ら
れ、相互に溶接固定されている。
【0026】このようにスペーサー23は熱膨張率が1
3×10-61/K程度のインコネル製であり、スペーサ
ー22は熱膨張率が6×10-61/K程度のジルカロイ
製であるため、スペーサー23の全幅を例えば14cm程
度、運転時から停止時への温度変化が270℃程度とす
れば、運転中の原子炉が停止された場合、スペーサー全
幅ではスペーサー22と23の間に0.3mm程度の膨張
差が生じる。その結果周辺位置燃料棒36はスペーサー
23とスペーサー22との温度差によって水平方向に移
動し、第2列の燃料棒37との間隔は運転時には広く、
停止時には狭くなり、またこのため停止時には周辺位置
燃料棒36とチャンネルボックス26内壁との間隔も大
きくなる。
【0027】すなわち、図4の(a)は出力運転時の燃
料棒の位置を示しており、周辺位置以外例えば第2列の
燃料棒37は一定間隔となっている。一方、図4の
(b)は停止時の燃料棒位置を示しており、スペーサー
22,23の膨張差によって周辺位置燃料棒36は出力
運転時よりも第2列の燃料棒37に接近し、図4に示す
ように出力運転時における第2列の燃料棒37と周辺位
置燃料棒36との間隙tが停止時にはt′と小さくな
り、一方周辺位置燃料棒36とチャンネルボックス26
との間隙lはl′と大きくなる。
【0028】しかして、図25の結果から出力運転時に
第1列と第2列の燃料棒間隔を広くすることによって、
限界出力は均一の燃料棒間隔とした場合より5%程度限
界出力を向上でき、また第2列目燃料棒の出力が増加す
るため、局所出力ピーキング係数も低減される。また、
図24の結果から、低温時には周辺位置燃料棒とチャン
ネル内壁との間隔が大きくなるため、炉停止余裕が増加
する。このように本実施例では出力運転時の限界出力と
停止時の炉停止余裕を同時に改善することができる。
【0029】なお、本実施例ではスペーサー23をイン
コネル製としたが、本実施例のような効果を得るために
はインコネルだけに限らず、ジルカロイよりも熱膨張率
の大きい材料を用いてもでき、例えばインコネルよりも
熱膨張の大きいステンレス合金や原子炉で利用できるよ
うに水に対する耐食性を改善したアルミ合金などが利用
できる。このアルミ合金は一般にインコネルの2倍程度
の熱膨張率があり、熱変化幅をより大きくできる利点が
ある。またステンレス合金についても一般にインコネル
よりも熱膨張率が大きく、さらに耐食性もアルミ合金よ
りも優れている利点がある。
【0030】
【実施例2】図5は本発明の第2の実施例を示す図であ
り、(a)及び(b)は熱膨張によって燃料棒を移動さ
せるためのスペーサー40の運転時及び停止時における
断面構造を示す。このスペーサー40は周辺位置用セル
33、コーナー位置用セル41、中央位置用セル42、
熱膨張部材43、コーナー位置用セル固定用はり44、
スペーサーベルト32より成っている。
【0031】上記熱膨張部材43は、図6に示すよう
に、2枚のインコネル製の板材45の中央部に設けた切
欠き45aを互いに噛み合わせてクロス状とし、その板
材45の一端部を周辺位置用セル33の上下に設けられ
た部材支持用の穴部分33aに係合させ、他端部を上記
周辺位置用セル33と隣接する中央位置用セル42の上
下穴部分(図示せず)に係合されている。
【0032】中央位置用セル42はそれぞれがスポット
溶接され、またコーナー位置用セル41はスペーサーベ
ルト32の内側に溶接固定され、さらにコーナー位置用
セル固定用はり44にも溶接され、このコーナー位置用
セル固定用はり44は中央位置用セル42にも溶接固定
される。したがって、周辺位置用セル33は上記熱膨張
部材43を介して中央位置用セル42にのみ接続されて
いる。
【0033】しかして、前記熱膨張部材43は、その温
度変化による各セルとの熱膨張差によって、2枚の板材
45が噛み合わせられている切欠き部45aを中心とし
て、図7の(a)及び(b)に示すように変形する。す
なわち、板材45とセル33の角度は運転時のθ1 が停
止時にはそのθ1 より小さいθ2 となり、部材の幅tも
運転時の幅t1 よりも低温時の幅t2 が小さくなる。
【0034】したがって、運転時と停止時において第1
列目燃料と第2列目燃料との間隔が変化する。運転時と
停止時の変化幅(t1 −t2 )はセルの高さ、初期設定
角度θ2 によって変化するが、スペーサーセルの高さを
約5cm、角度を約10°とすると熱膨張部材の変化幅は
凡そ部材当り0.5mm程度となり、第1実施例より大き
い変化が可能である。
【0035】この実施例では出力運転時に第1列の燃料
棒と第2列の燃料棒との間隔を大きくし、低温時には第
1列の燃料棒とチャンネルボックス内壁との間隔を大き
くするため、第1実施例と同様に出力運転時には限界出
力が増加し、局所ピーキングが減少し、停止時には炉停
止余裕が増加する。また、本実施例では初期設定角度に
よって変化幅が変更可能であり、例えばθ2 をさらに小
さくすることによって変化幅をさらに大きくすることが
可能である。
【0036】また、本実施例で用いた熱膨張部材以外に
も温度で変化する材料を利用することができる。例えば
熱膨張率の異なる2種類の金属を組み合わせて温度によ
って変形するようにしたバイメタルや運転時と停止時の
間の温度に変形温度を持つ形状記憶合金をセルとセルの
間に設けることもできる。
【0037】さらに、本実施例のスペーサー40は一般
に燃料集合体の上下方向に均一に設置するものである
が、少なくとも燃料棒を移動させることができる位置に
このスペーサーが設置されていればよいため、燃料集合
体の上下方向の一部にのみこのスペーサーを設けても同
様な効果を奏する。
【0038】
【実施例3】図8は第3の実施例の燃料棒配置を模式的
に示しており、燃料棒50とウォーターロッド51が規
則的に正方格子状に配置されてチャンネルボックス26
に収容されている。(a)は運転時の燃料棒位置であ
り、第3列目の燃料棒と第4列目の燃料棒との間隔がそ
の他の燃料棒間隔よりも大きくなっている。また(b)
は停止時の燃料棒位置であり、第3列目の燃料棒と第4
列目の燃料棒との間隔は運転時よりも縮小し、チャンネ
ルボックス内壁と第1列燃料棒との間が大きくなってい
る。このような燃料棒位置の温度変化は例えば実施例2
の熱膨張部材をスペーサーの第3列と第4列のセルの間
に設置すれば3行3列(3×3)の燃料棒単位での移動
が可能である。このように本実施例では燃料棒が温度に
よって3×3の燃料棒単位で移動し、出力運転時には第
3列と第4列の間隔を拡大することによって反応度を高
めることができ、さらに低温時にはチャンネルボックス
内壁と第1列燃料棒との間を拡大して炉停止余裕を増加
させることができる。
【0039】
【実施例4】図9は第4の実施例の燃料棒配置を模式的
に示しており、燃料棒50とウォーターロッド51が規
則的に正方格子状に配置されてチャンネルボックス26
に収容されている。(a)は運転時の燃料棒位置であ
り、(b)は停止時の燃料棒位置を示しており、すべて
の燃料棒間隔t1 が低温時の方が出力運転時よりも縮小
し、チャンネルボックス内壁と第1列燃料棒との間l′
は逆に大きくなっている。このような燃料棒位置の温度
変化はすべてのスペーサーセルの間に実施例2のような
熱膨張部材を設置すれば可能となる。このように本実施
例では燃料棒間隔が出力運転時には拡大するため、反応
度が増加し、また低温時にはチャンネルボックス内壁と
第1列燃料棒との間が拡大して炉停止余裕が増加する。
【0040】
【実施例5】図10乃至図12は本発明の第5の実施例
を示す図であり、図10は燃料集合体の縦断側面の概略
を示す図、図11(a),(b)は運転時及び低温時に
おける図10のA−A線断面図、第12は図10のB−
B線断面図である。
【0041】そこで、燃料棒50は正方格子状に配列さ
れ、中心部に2本のウォーターロッド51が中心部に配
置されており、チャンネルボックスに収容して燃料集合
体が構成されている。本燃料集合体では、燃料集合体の
1/2より上部の部分のみ運転温度によって燃料棒位置
が変化し、図11(a)と(b)に示すように、上部断
面A−Aにおいて、出力運転時には第3列と第4列の間
が広く、停止時にはチャンネルボックス内壁と第1列燃
料棒との間が広くなる構造としてあり、下部断面B−B
においては運転状態によらず燃料棒間隔が変化しない構
造としてある。炉停止余裕で問題となる停止時において
は出力ピークが集合体の1/2より上部にあるため、停
止時に集合体の1/2より上部のチャンネルボックス内
壁と第1列燃料棒との間のみ拡大しても出力時の特性を
改善しかつ炉停止余裕を大きくすることができる。
【0042】
【実施例6】図13は下部タイプレート53の水平断面
図を示しており、下部タイプレートには大きい直径の冷
却材通過穴54と小さい直径の冷却材通過穴55があ
り、冷却材はこれらのホールを通過して上方の燃料棒に
達する。またタイロッド56固定用のねじ穴57が2列
目燃料棒位置のうち8ケ所に設けられている。燃料棒の
うちタイロッド56は図14に示すようにこのねじ穴5
7に挿入できるよう他の燃料棒よりも長くなっており、
タイロッド以外の燃料棒は逆に下部タイプレートまで達
しないよう短くなっている。このようにタイロッド位置
を第2列目燃料棒の位置とすることによって実施例1お
よび2のように第1列と第2列との間隔が変化する場合
であっても第1列がタイロッドとなっていないことによ
って第1列燃料棒が横方向に移動することが可能とな
る。またこのように燃料棒のすべてを下部タイプレート
に挿入しないことによって下部タイプレートの冷却材通
過穴を増加することができ、炉心の圧力損失を減少でき
る利点もある。本実施例では第2列位置にタイロッド固
定穴を設置したが、第3の実施例のように外側の3列が
移動するような場合は、第4列より内部またはウォータ
ーロッドをタイロッドとすることで燃料の移動を妨げな
い構造とすることができる。
【0043】
【実施例7】図15は上部タイプレート60の水平断面
図、図16は同上縦断面図、図17は燃料棒の配列図を
示しており、上部タイプレート60にはタイロッド81
挿入用の穴82が8ケ所設けられており、タイロッド位
置は第2列および第3列の対角線上に設けられている。
またタイロッドのみ上部タイプレートに挿入固定される
ようになっており、その他の燃料棒83はスペーサーに
上下方向に支持されており、上部タイプレートには挿入
されない構成となっている。このようにタイロッド位置
を第1列目燃料棒以外の位置とすることによって実施例
1および2のように第1列と第2列との間隔が変化する
場合であっても第1列燃料棒が横方向に自由に移動する
ことが可能となる。
【0044】
【実施例8】図18は燃料集合体90の縦断面とスペー
サー配置を模式的に示しており、本実施例では熱膨張し
ないスペーサー91は7ケ配置し、熱膨張スペーサー9
2はその間に3ケ配置される。本実施例は、熱膨張しな
いスペーサー91を従来燃料程度の7ケに増加し、より
燃料棒支持を強固にすることができる。
【0045】また、熱膨張しないスペーサー91と熱膨
張スペーサー92を交互に7ケ配置し、燃料棒支持を強
固にするとともに熱膨張スペーサー数増加により燃料棒
移動をより確実に行うことができるようにしてもよい。
【0046】
【実施例9】図19は他の実施例におけるスペーサー1
00の配置を模式的に示しており、熱膨張しないスペー
サー101が熱膨張スペーサー102の内部に位置する
ように配置される。これらのスペーサーは機械的に完全
に分離しており、燃料集合体組み立て時に燃料集合体の
同じ位置に配置され外見上一体のスペーサー100を構
成する。この実施例によれば外見上現在の燃料集合体と
同じスペーサー構成とすることができ、冷却材の流れや
冷却特性を現在の燃料集合体と同じにできるため、本実
施例と従来燃料集合体を混在して同じ炉心で使用するこ
とができる。
【0047】
【実施例10】図20はさらに他の実施例における熱膨
張スペーサー110の例を示しており、この例では図3
で示した外部のスペーサーベルトが省略されている。こ
のように外部のスペーサーベルトを省略しても熱膨張効
果は他の実施例と同じであり、またスペーサーベルトの
省略により圧力損失も減少させることができ、ボイド発
生と圧力損失増加の相互関係によるチャンネル安定性を
改善でき、安全性を高めることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、運転時には燃料棒の間
隔を大きくし、停止時にはチャンネルボックスと燃料棒
との間隔を大きくすることができ、出力運転時に反応度
と限界出力を高めるとともに、停止時には炉停止余裕も
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料集合体の概略構成を示す縦断面
図。
【図2】本発明における周辺位置以外の燃料棒を支持す
るスペーサーの平面図。
【図3】周辺位置の燃料棒を支持するスペーサーの平面
図。
【図4】(a),(b)はそれぞれ本発明の作動説明
図。
【図5】本発明の第2の実施例のスペーサーの平面図で
あり、(a)は出力運転時、(b)は低温時を示す図。
【図6】本発明の第2の実施例における熱膨張部材の部
分斜視図。
【図7】熱膨張部材の作動説明図。
【図8】本発明の第3の実施例における各燃料棒の配置
説明図であり、(a)は出力運転時、(b)は低温時を
示す図。
【図9】本発明の第4の実施例の燃料棒配置を示す図で
あり、(a)は出力運転時、(b)は低温時を示す図。
【図10】本発明の第5の実施例における燃料集合体の
縦断側面部分図。
【図11】図10のA−A線に沿う断面図で、(a)は
出力運転時、(b)は低温時を示す図。
【図12】図10のB−B線に沿う断面図。
【図13】下部タイプレートの平断面図。
【図14】下部タイプレート部の側面図。
【図15】上部タイプレートの水平断面図。
【図16】同上縦断面図。
【図17】燃料棒の配列説明図。
【図18】本発明の他の実施例における燃料集合体の縦
断面図。
【図19】本発明の他の実施例におけるスペーサーの平
面図。
【図20】本発明のさらに他の実施例における熱膨張ス
ペーサーの平面図。
【図21】本発明の他の実施例における熱膨張スペーサ
ーの平面図。
【図22】一般的な燃料棒の配列説明図。
【図23】燃料棒間隔と出力運転時の反応度との関係線
図。
【図24】燃料棒間隔に対する停止余裕の関係線図。
【図25】燃料棒間隔に対する限界出力関係線図。
【符号の説明】
20 燃料集合体 21,50 燃料棒 22,40 スペーサー 23 熱膨張スペーサー 24 上部タイプレート 25 下部タイプレート 26 チャンネルボックス 30,33 セル 31 太径セル 32 スペーサーベルト 34 内部ベルト 35 外部固定ベルト 36 周辺位置燃料棒 37 第2列の燃料棒 42 中央位置用セル 43 熱膨張部材 45 板材 45a 切欠き 51 ウォーターロッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆管内に核分裂性物質ペレットを充填し
    た複数の燃料棒及びウォーターロッドとをスペーサーに
    よって拘束し、これをチャンネルボックスに収容した燃
    料集合体において、或る区域にある燃料棒を拘束するス
    ペーサーと、他の区域にある燃料棒を拘束するスペーサ
    ーとを、互いに熱膨張率が異なる部材によって形成し、
    少なくとも一部の燃料棒と燃料棒との間隔が低温時より
    も出力運転時に大きく、かつ少なくとも一部の最外周辺
    の燃料棒とチャンネルボックス内壁との間隔が出力運転
    時より低温時に大きくなるようにしたことを特徴とす
    る、燃料集合体。
  2. 【請求項2】被覆管内に核分裂性物質ペレットを充填し
    た複数の燃料棒及びウォーターロッドとをスペーサーに
    よって拘束し、これをチャンネルボックスに収容した燃
    料集合体において、上記スペーサーにおける少なくとも
    一部のセルとセルとを温度によって変形または膨張する
    部材を介して連結し、少なくとも一部の燃料棒と燃料棒
    との間隔が低温時よりも出力運転時に大きく、かつ少な
    くとも一部の最外周辺の燃料棒とチャンネルボックス内
    壁との間隔が出力運転時より低温時に大きくなるように
    したことを特徴とする、燃料集合体。
  3. 【請求項3】上部タイプレート及び下部タイプレートを
    連結するタイロッドが、集合体の第2列目以内の位置に
    設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載
    の燃料集合体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021162406A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 沸騰水型原子炉

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