JP2021162406A - 沸騰水型原子炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を支持する支持ロッドを使用し、四角筒状のチャンネルボックスの4つのコーナ部の近傍に配置される燃料棒を冷却し、燃料棒の除熱性能を向上させる沸騰水型原子炉を提供する。【解決手段】本発明の沸騰水型原子炉は、炉心に装荷される燃料集合体7の燃料棒8と、燃料棒を三角格子状に配置する四角筒状のチャンネルボックス9と、燃料棒を支持するスペーサと、を有し、チャンネルボックスの4つのコーナ部に配置され、スペーサを固定し、冷却水を流出する支持ロッド20を有することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、沸騰水型原子炉に関する。
沸騰水型原子炉には、その炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を三角格子状に稠密に配置し、燃料集合体の燃料棒の本数を増加すると共に、運転中に四角筒状のチャンネルボックスでボイドを発生させることにより、中性子スペクトルを硬化させ、核分裂プルトニウム転換比を向上させる沸騰水型原子炉が存在する。なお、以下、このような沸騰水型原子炉を、低減速スペクトル沸騰水型原子炉と称する場合がある。
この技術分野の背景技術として、特開2018−066690号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、運転中に中性子スペクトルを硬化させる沸騰水型原子炉、つまり、低減速スペクトル沸騰水型原子炉が記載されている。
また、沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体には、燃料棒を冷却する冷却水が供給される。
この技術分野の背景技術として、特開2012−211798号公報(特許文献2)がある。特許文献2には、沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体が、スペーサと、複数の燃料棒と、中間端栓付ウォータロッドと、を有することが、記載されている。
特開2018−066690号公報 特開2012−211798号公報
特許文献1には、低減速スペクトル沸騰水型原子炉が記載されている。また、特許文献2には、燃料棒に冷却水を供給する中間端栓付ウォータロッドを有する沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体が記載されている。
しかし、特許文献1及び特許文献2には、低減速スペクトル沸騰水型原子炉の炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を支持する支持ロッドについては記載されていない。また、この支持ロッドを使用し、四角筒状のチャンネルボックスの4つのコーナ部の近傍に配置される燃料棒を冷却することについては、記載されていない。
そこで、本発明は、炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を支持する支持ロッドを使用し、四角筒状のチャンネルボックスの4つのコーナ部の近傍に配置される燃料棒を冷却し、燃料棒の除熱性能を向上させる沸騰水型原子炉を提供する。
上記した課題を解決するため、本発明の沸騰水型原子炉は、炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒と、燃料棒を三角格子状に配置する四角筒状のチャンネルボックスと、燃料棒を支持するスペーサと、を有し、チャンネルボックスの4つのコーナ部に配置され、スペーサを固定し、冷却水を流出する支持ロッドを有することを特徴とする。
本発明によれば、炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を支持する支持ロッドを使用し、四角筒状のチャンネルボックスの4つのコーナ部の近傍に配置される燃料棒を冷却し、燃料棒の除熱性能を向上させる沸騰水型原子炉を提供することができる。
なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明により、明らかにされる。
実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を説明する垂直断面図である。 実施例1に記載する複数の燃料集合体7を説明する水平断面図である。 実施例1に記載する1つの燃料集合体7を説明する水平断面図である。 実施例1に記載する支持ロッド20を説明する外観図である。 実施例1に記載する支持ロッド20を説明する(A)垂直断面図及び(B)水平断面図である。 実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する組み立て図(1)である。 実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する組み立て図(2)である。 実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する組み立て図(3)である。 実施例1に記載する1つの燃料集合体7のコーナ部を説明する水平断面図である。 実施例1に記載する1つの燃料集合体7のコーナ部を説明する垂直断面図である。 実施例2に記載する支持ロッド20Aを説明する外観図である。 実施例3に記載する1つの燃料集合体7Bを説明する水平断面図である。 実施例3に記載する支持ロッド20Bを説明する外観図である。 実施例3に記載する支持ロッド20Bを説明する外観図である。 実施例3に記載する1つの燃料集合体7Bのコーナ部を説明する水平断面図である。
以下、本発明の実施例を、図面を使用して説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
本実施例において、沸騰水型原子炉には、冷却材として冷却水を使用し、再循環ポンプにより冷却水を、原子炉圧力容器外へ流出させ、再び、原子炉圧力容器内へ流入させることにより、冷却水を循環させる沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)、インターナルポンプを有し、冷却水を原子炉圧力容器の内部で循環させる改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)、ABWRにおけるインターナルポンプを使用しない、高経済性単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor:ESBWR)などを含む。
まず、実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を説明する。
図1は、実施例1に記載する低減速スペクトル沸騰水型原子炉100を説明する垂直断面図である。
低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒を三角格子状に稠密に配置し、燃料集合体の燃料棒の本数を増加すると共に、運転中に四角筒状のチャンネルボックスでボイドを発生させることにより、中性子スペクトルを硬化させ、核分裂プルトニウム転換比を向上させる沸騰水型原子炉である。
つまり、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、四角筒状のチャンネルボックスに、三角格子状に稠密に燃料棒を配置し、水対燃料体積比を低減し、核分裂性プルトニウム転換比を向上する。
低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、以下の構成を有する。
・原子炉圧力容器101の内部に配置される円筒状の炉心シュラウド102
・炉心シュラウド102の内部に配置され、複数の燃料集合体が正方格子状に装荷される炉心103
・原子炉圧力容器101の内部に配置され、炉心103を覆うシュラウドヘッド104
・シュラウドヘッド104に配置され、上方へと延伸する気水分離器105
・気水分離器105の上部に配置される蒸気乾燥器106
・炉心シュラウド102の内部に配置され、シュラウドヘッド104の下方で、炉心シュラウド102に配置され、炉心103の上端部に位置する上部格子板107
・炉心シュラウド102の内部に配置され、炉心シュラウド102に配置され、炉心103の下端部に位置する炉心支持板108
・炉心支持板108に配置される複数の燃料支持金具109
・原子炉圧力容器101の内部に配置され、燃料集合体の核反応を制御するため、炉心103に複数の水平断面が十字状の制御棒(十字型制御棒)を挿入する制御棒案内管110
・原子炉圧力容器101の底部よりも下方に配置される制御棒駆動機構ハウジング(図示せず)の内部に配置され、制御棒と連結する制御棒駆動機構111
・原子炉圧力容器101の底部に配置され、その下方から原子炉圧力容器101の内部へ貫通するように、配置される複数のインターナルポンプ113
そして、複数のインターナルポンプ113は、複数の制御棒案内管110の最外周よりも外側であって、環状に相互に所定の間隔を形成して、配置される。インターナルポンプ113のインペラ117は、円筒状の炉心シュラウド102の外面と原子炉圧力容器101の内面との間に形成される環状のダウンカマ114に向けて、配置される。
原子炉圧力容器101の内部の冷却水118は、インターナルポンプ113のインペラ117により、原子炉圧力容器101の底部側から、炉心103の内部に流入する。
炉心103の内部に流入する冷却水118は、燃料集合体の核反応により、加熱され、水と蒸気との気液二相流となり、気水分離器105に流入する。気水分離器105に流入する気液二相流は、湿分を含む蒸気(気相)と水(液相)とに分離される。
水(液相)は、再び、冷却水118としてダウンカマ114に降下する。
一方、蒸気(気相)は、蒸気乾燥器106に流入し、湿分が除去され、主蒸気配管115を介して、タービン(図示せず)に供給される。タービンに供給される蒸気は、復水器(図示せず)により水に戻される。この水は、給水配管116を介して、原子炉圧力容器101の内部に流入する。原子炉圧力容器101の内部に流入する水は、冷却水118としてダウンカマ114に降下する。
このように、インターナルポンプ113は、炉心103に装荷される燃料集合体の核反応により発生する熱を、効率よく冷却するため、冷却水118を循環させる。つまり、冷却水118は、原子炉圧力容器101の底部側から、炉心103の内部に強制的に供給され、原子炉圧力容器101の内部で循環する。
次に、実施例1に記載する複数の燃料集合体7を説明する。
図2は、実施例1に記載する複数の燃料集合体7を説明する水平断面図である。また、図2は、実施例1に記載する複数の燃料集合体7を、炉心103の上端部に位置する上部格子板107の上方から俯瞰する平面図である。
炉心103に装荷される燃料集合体7は、複数の燃料棒(図示せず)を有する四角筒状(水平断面が正方形状の角筒状)のチャンネルボックス9、下部タイプレート(図示せず)、上部タイプレート(図示せず)を有する。
そして、複数の燃料集合体7は、炉心103に、正方格子状に装荷される。また、燃料集合体7と燃料集合体7との間には、燃料集合体7の核反応を制御するため、十字型制御棒3が挿入され、この間は、チャンネルスペーサ15により、維持される。また、燃料集合体7と燃料集合体7との間には、冷却水118が流通する。
また、燃料集合体7は、上部格子板107で囲まれる1つの開口部に、4体が装荷され、燃料集合体7の水平方向の位置は、燃料集合体7を上部格子板107に、チャンネルファスナー(図示せず)を使用し、押し付けることにより、維持される。
また、燃料集合体7は、上部格子板107とチャンネルスペーサ15とにより、水平方向の位置を維持される。また、燃料集合体7は、燃料支持金具109に配置され、燃料支持金具109は、炉心支持板108に配置される。また、燃料集合体7と燃料集合体7との間には、制御棒駆動機構111に連結され、燃料集合体7と燃料集合体7との間を上下方向に移動する十字型制御棒3が挿入される。
なお、実施例1では、特に、燃料集合体7の体数は限定されない。
次に、実施例1に記載する1つの燃料集合体7を説明する。
図3は、実施例1に記載する1つの燃料集合体7を説明する水平断面図である。
燃料集合体7は、四角筒状のチャンネルボックス9と、水平断面において、三角格子状に稠密に配置され、水平方向の形状が円形の複数の燃料棒8と、を有する。
チャンネルボックス9は、側壁部91、側壁部92、側壁部93、側壁部94を有する。なお、説明の都合上、互いに向かい合う一対の側壁部91の内面と側壁部93の内面との間を第1内面と称し、互いに向かい合う一対の側壁部92の内面と側壁部94の内面との間を第2内面と称する場合がある。つまり、第1内面の方向(側壁部91⇔側壁部93)と第2内面の方向(側壁部92⇔側壁部94)とは直交する。
ここで、燃料棒8の三角格子状の配置について、説明する。
燃料棒8は、側壁部91及び側壁部93に、平行に、17列(側壁部91から側壁部93に(図中、左から右に)向かって、第1列から第17列まで)、243本が配置される。
そして、
(1)第1列、第17列には、13本の燃料棒8(第1燃料棒配列)が、
(2)第2列、第4列、第6列、第8列、第10列、第12列、第14列、第16列には、14本の燃料棒8(第2燃料棒配列)が、
(3)第3列、第5列、第7列、第9列、第11列、第13列、第15列には、15本の燃料棒8(第3燃料棒配列)が、
配置されることにより、燃料棒8が、三角格子状に配置される。
そして、第1燃料棒配列の燃料棒8(側壁部91及び側壁部93に対向する燃料棒8)は、最外層に配置される。また、第2燃料棒配列の両端の燃料棒8及び第3燃料棒配列の両端の燃料棒8、つまり、2燃料棒配列の燃料棒8及び第3燃料棒配列の燃料棒8であって、側壁部92及び側壁部94に対向する燃料棒8は、最外層に配置される。
このように、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100の炉心103に装荷される燃料集合体7は、四角筒状のチャンネルボックス9に、燃料棒8を三角格子状に配置するため、最外層の燃料棒8とチャンネルボックス9との間には、必然的に、間隙が形成される。
最外層の燃料棒8とチャンネルボックス9との間に形成される間隙とは、具体的には、(1)チャンネルボックス9の4つのコーナ部に形成される間隙A、
(2)チャンネルボックス9の側壁部92と最外層の燃料棒8とで形成される、及び、チャンネルボックス9の側壁部94と最外層の燃料棒8とで形成される間隙B(第2間隙)、
である。なお、間隙Aの断面積は、間隙Bの断面積よりも、大きい。
また、チャンネルボックス9の側壁部91と第1列の燃料棒8とで形成される領域、チャンネルボックス9の側壁部93と第17列の燃料棒8とで形成される領域、燃料棒8と燃料棒8との間の領域、3本の燃料棒8で囲まれる領域にも、間隙が形成される。なお、これらの領域の断面積は、間隙Aの断面積や間隙Bの断面積よりも、小さい。
そして、燃料集合体7は、四角筒状のチャンネルボックス9と、水平断面において、三角格子状に稠密に配置される複数の燃料棒8と、を有し、更に、チャンネルボックス9の4つのコーナ部に、4つの支持ロッド20を有する。そして、支持ロッド20は、上部タイプレートと下部タイプレートとを固定する。
特に、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100では、燃料集合体7の4つのコーナ部の周辺(近傍)、つまり、チャンネルボックス9の4つのコーナ部の周辺(近傍)に配置される燃料棒8(4つのコーナ部であって、最外層の燃料棒8から内側に2〜3層目の燃料棒8)の出力が高くなることが明らかになり、チャンネルボックス9の4つのコーナ部の周辺に配置される燃料棒8の除熱性能を向上させることが重要である。
そこで、4つの支持ロッド20は、それぞれ、チャンネルボックス9の4つのコーナ部に配置される。つまり、4つの支持ロッド20は、間隙Aに配置される。そして、4つの支持ロッド20は、第1燃料棒配列の両端の外側に、配置される。これにより、間隙Aに流通する冷却水118を効率よく使用することができると共に、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
また、支持ロッド20は、水平方向の形状が円形である。支持ロッド20の断面積は、燃料棒8の断面積よりも、小さい。つまり、支持ロッド20の直径は、燃料棒8の直径よりも、小さい。これにより、支持ロッド20を、チャンネルボックス9との間及び最外層の燃料棒8との間に、隙間を形成して、配置することができる。
次に、実施例1に記載する支持ロッド20を説明する。
図4は、実施例1に記載する支持ロッド20を説明する外観図である。
図5は、実施例1に記載する支持ロッド20を説明する(A)垂直断面図及び(B)水平断面図である。
図4に示すように、支持ロッド20は、支持ロッド中央部21、支持ロッド下部22、支持ロッド上部23を有する。
支持ロッド中央部21には、複数のスペーサ固定用突起24が配置される。
支持ロッド下部22には、ねじ加工が施され、支持ロッド下部22は、下部タイプレートと接続し、下部タイプレートと支持ロッド20とを固定する。
支持ロッド上部23には、ねじ加工が施され、支持ロッド上部23は、上部タイプレートと接続し、上部タイプレートと支持ロッド20とを固定する。
つまり、支持ロッド20は、上部タイプレートと下部タイプレートとを、固定する。
そして、図5(A)に示すように、上部タイプレートと下部タイプレートとを固定する支持ロッド20は、更に、冷却水118が流通する冷却水流路27、冷却水118を流出する円形の冷却水流出部25、冷却水118を流入する冷却水流入部26を有する。
特に、冷却水流入部26は、支持ロッド下部22の底部(支持ロッド20の底部)に形成され、冷却水流出部25は、支持ロッド中央部21の側面に形成され、冷却水流路27は、支持ロッド下部22の内部及び支持ロッド中央部21の内部に形成される。
つまり、冷却水118は、支持ロッド下部22に形成される冷却水流入部26から流入し、支持ロッド下部22及び支持ロッド中央部21に形成される冷却水流路27を流通し、支持ロッド中央部21に形成される冷却水流出部25から流出する。このように、冷却水118は、支持ロッド20の内部を上方に流通し、燃料棒8が配置される領域に流出する。
なお、下部タイプレートには、リークホール(図示せず)が形成され、燃料支持金具109に流入する冷却水の一部は、リークホールからリークフローとして、燃料集合体7と燃料集合体7との間を、非沸騰状態で上部格子板107まで流通する。
また、図5(A)のAA矢視である図5(B)に示すように、支持ロッド中央部21には、冷却水118が一方向に流出するように、冷却水流出部25が、1箇所、形成される。
なお、燃料棒8は、ペレット状の燃料が有効長方向に積層され、ペレット状の燃料が有効長方向に積層される高さが、燃料の有効長である。実施例1では、長尺燃料の半分である燃料棒8を使用するため、この燃料の有効長は、約2.0m(1.8m)である。
そして、冷却水流路27の高さは、この燃料の有効長と同等(約2.0m)であることが好ましい。これにより、冷却水118を効率よく使用することができる。
また、冷却水流出部25は、燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置の支持ロッド中央部21に、形成されることが好ましい。
つまり、冷却水流出部25は、燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置に対応する支持ロッド中央部21の位置、つまり、燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置に対応する支持ロッド20の位置に、形成されることが好ましい。
実施例1では、燃料の有効長が約2.0mであるため、冷却水流出部25は、冷却水流入部26から0.9〜1.8mの位置の支持ロッド中央部21に、形成することが好ましく、更に、冷却水流出部25は、冷却水流入部26から1.4〜1.8mの位置の支持ロッド中央部21に、形成することが好ましい。これにより、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
なお、燃料棒8に使用されるペレット状の燃料には、例えば、劣化ウラン、天然ウラン、減損ウラン、低濃縮ウランの少なくとも1つを含むウランに、プルトニウムを富化した核燃料、又は、プルトニウムとアクチノイド核種とを富化した核燃料が、使用される。
チャンネルボックス9を流通する冷却水118は、燃料棒8により加熱され、気液二相流となり、上方に流通する。このため、特に、燃料棒8の上方は、燃料棒8の表面の液膜が減少する可能性がある。燃料棒8の表面の液膜が減少すると、燃料棒8の除熱性能が低下する。
そこで、実施例1では、この燃料棒8の表面の液膜が減少する可能性がある領域(燃料棒8の有効発熱高さ領域)に、冷却水118を供給する。つまり、この燃料棒8の表面の液膜が減少する可能性がある領域に、冷却水118を集中的に供給する。これにより、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
なお、冷却水流路27は、中実の支持ロッド20の内部を切削し、形成してもよいし、配管形状の部材を使用し、形成してもよい。
また、実施例1では、冷却水流出部25の形状は、円形であるが、正方形や長方形であってもよい。
次に、実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する。
図6は、実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する組み立て図(1)である。
図7は、実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する組み立て図(2)である。
図8は、実施例1に記載する支持ロッド20の組み立て工程を説明する組み立て図(3)である。
まず、図6に示すように、スペーサ固定用突起24が配置される支持ロッド20を、下部タイプレート11(図示せず)に、ねじ加工を使用し、固定する。
次に、スペーサ固定用突起24に、スペーサ10を、溶接により、固定する。なお、スペーサ固定用突起24が配置される位置、つまり、スペーサ10が固定される位置は、燃料棒8を安定して配置することができる位置であれば、特に、限定されない。
また、スペーサ10は、複数の燃料棒8を等間隔に配置(支持)すると共に、燃料棒8と燃料棒8との接触を防止する。つまり、スペーサ10は、燃料棒8を等間隔に配置し、支持ロッド20は、スペーサ10を固定する。
次に、図7に示すように、スペーサ10に、燃料棒8を配置し、燃料棒8は、下部タイプレート11とスペーサ10とにより、支持される。燃料棒8の下部は、下部タイプレート11(図示せず)に、接続し、下部タイプレート11に配置される燃料棒挿入孔(図示せず)に挿入される。
このように、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、複数の燃料棒8を等間隔に配置すると共に、燃料棒8と燃料棒8との接触を防止するため、燃料集合体7の高さ方向に、スペーサ10を、複数個、配置する。そして、スペーサ10は、支持ロッド20に配置されるスペーサ固定用突起24に固定される。
支持ロッド20を使用することにより、燃料集合体7の全体に燃料棒8を配置することができると共に、スペーサ10を固定することができる。つまり、実施例1では、燃料集合体7内又は燃料集合体7外に、スペーサ10を固定するための新たな構造材を配置する必要がない。
実施例1では、特に、それぞれの側壁部に対向する燃料棒8(最外層の燃料棒8)であって、それぞれ中央部の4つの燃料棒8に、特別な燃料棒80(図3参照)を配置する。
つまり、第1列の燃料棒8における中央部の燃料棒8、第17列の燃料棒8における中央部の燃料棒8、第9列の両端の燃料棒8、の4つ燃料棒8を、支持ロッド20と同等の長さとする、特別な燃料棒80を配置する。
この燃料棒80は、下部には、ねじ加工が施され、その下部は、下部タイプレート11と接続し、下部タイプレート11と燃料棒80とを固定する。また、この燃料棒80は、上部には、ねじ加工が施され、その上部は、上部タイプレート12と接続し、上部タイプレート12と燃料棒80とを固定する。
なお、燃料棒80の有効発熱高さ領域の位置は、燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置と同等である。また、燃料棒80は、燃料の有効長が約2.0mの燃料棒に、上部タイプレート12との接続部用部材を追設し、形成される。
つまり、燃料棒80の長さは、支持ロッド20の長さと同等であり、燃料棒8の長さよりも、長い。
実施例1では、燃料棒8の長さは、支持ロッド20の長さや燃料棒80の長さよりも、短い。燃料棒8の長さ(1.8m)は、支持ロッド20の長さや燃料棒80の長さ(3.6m)の約1/2である。
このように、チャンネルボックス9の4つのコーナ部に配置される4つの支持ロッド20と4つの長尺の燃料棒80とにより、上部タイプレート12と下部タイプレート11とを固定する。このように長尺の燃料棒80を配置することにより、支持ロッド20やスペーサ10を、更に安定させることができる。
次に、図8に示すように、支持ロッド20と長尺の燃料棒80とにより、上部タイプレート12と下部タイプレート11とを固定する。
支持ロッド20と長尺の燃料棒80とは、下部タイプレート11に、固定される。支持ロッド下部22や長尺の燃料棒80の下部を、下部タイプレート11の挿入孔(図示せず)に差し込み、それぞれに加工されるねじを締め付け、固定する。
また、支持ロッド20と長尺の燃料棒80とは、上部タイプレート12に、固定される。支持ロッド上部23や長尺の燃料棒80の上部を、上部タイプレート12に配置される支持ロッド20の貫通孔(図示せず)や長尺の燃料棒80の貫通孔(図示せず)に挿入し、それぞれに加工されるねじにナット28を締め付け、固定する。
そして、上部タイプレート12には、燃料集合体7の交換時に、燃料交換装置(図示せず)が掴むハンドル13を有する。
次に、実施例1に記載する1つの燃料集合体7のコーナ部を説明する。
図9は、実施例1に記載する1つの燃料集合体7のコーナ部を説明する水平断面図である。
図10は、実施例1に記載する1つの燃料集合体7のコーナ部を説明する垂直断面図である。
図9及び図10は、燃料集合体7の1つコーナ部、つまり、チャンネルボックス9の1つのコーナ部において、支持ロッド20の冷却水流出部25から流出する冷却水118の流れを示す。
図9に示すように、通常運転時には、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118が、冷却水流出部25を介して、燃料棒8が配置される領域に流出する。
支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118は、加熱されることなく、水単相で上方に流通し、燃料棒8が配置される領域に流出する。
一方、燃料棒8と燃料棒8との間を上方に流通する冷却水118は、燃料棒8により加熱され、流通する。
ここで、燃料棒8と燃料棒8との間を上方に流通する冷却水118に発生する圧損Aは、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118に発生する圧損Bよりも、大きい。圧損Aと圧損Bとを、冷却水流出部25が形成される高さ位置で比較すると、燃料棒8と燃料棒8との間を上方に流通する冷却水118の圧力Aは、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118の圧力Bよりも、低くなる。
この圧力差により、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118を、冷却水流出部25を介して、燃料棒8が配置される領域に流出させることができる。
実施例1では、冷却水流出部25の向き、つまり、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118が流出する向きを、第1列の上端(説明の便宜上「上端」と記載)の燃料棒8と第2列の上端(説明の便宜上「上端」と記載)の燃料棒8との間(コーナ部に形成される2つの最外層の燃料棒8の間)に、向ける。
つまり、チャンネルボックス9の4つのコーナ部では、冷却水流出部25の向き、
(1)第1列の一端の燃料棒8と第2列の一端の燃料棒8との間、
(2)第1列の他端の燃料棒8と第2列の他端の燃料棒8との間、
(3)第17列の一端の燃料棒8と第16列の一端の燃料棒8との間、
(4)第17列の他端の燃料棒8と第16列の他端の燃料棒8との間、
に向ける。
これにより、燃料棒8と燃料棒8との間に、冷却水118が流通する(図中、点線矢印参照)。そして、チャンネルボックス9の4つのコーナ部の周辺に配置される、出力が高くなる燃料棒8(4つのコーナ部であって、最外層の燃料棒8から内側に2〜3層目の燃料棒8、特に、太い円で描かれた3本の燃料棒8)に、冷却水118を流通させ、これら燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
また、チャンネルボックス9の4つのコーナ部に、支持ロッド20を設置することにより、チャンネルボックス9とコーナ部に形成される最外層の燃料棒8との間隙Aに停滞する冷却水118を低減することができ、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
また、チャンネルボックス9の4つのコーナ部に、支持ロッド20を設置することにより、間隙Aに流入する、燃料棒8と燃料棒8との間を上方に流通する冷却水118を、燃料棒8が配置される領域に戻すことができ、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
また、図9のBB矢視である図10に示すように、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118は、冷却水流出部25を介して、水平方向に、燃料棒8が配置される領域に流出する。
支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118は、水平方向に流出するが、燃料棒8と燃料棒8との間を上方に流通する冷却水118と合流することにより、斜め上方に流通する。
これにより、冷却水118を効率よく使用することができ、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
なお、実施例1では、支持ロッド20の内部を上方に流通する冷却水118を、水平方向に流出させるが、燃料棒8と燃料棒8との間を上方に流通する冷却水118の流れを考慮し、水平方向よりも下方に向けて、流出させてもよい。
このように、実施例1に記載する沸騰水型原子炉は、その炉心103に装荷される燃料集合体7の燃料棒8を、四角筒状のチャンネルボックス9に、三角格子状に稠密に配置する、いわゆる、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100である。
そして、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、その炉心103に装荷される燃料集合体7の燃料棒8であって、三角格子状に稠密に配置される燃料棒8と、燃料棒8を三角格子状に配置する四角筒状のチャンネルボックス9と、燃料棒8を等間隔に支持するスペーサ10と、チャンネルボックス9の4つのコーナ部(チャンネルボックス9の4つのコーナ部に形成される間隙A)に配置され、スペーサ10を固定する4つの支持ロッド20と、を有する燃料集合体7を有する。
また、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100は、その炉心103に装荷される燃料集合体7の燃料棒8であって、三角格子状に稠密に配置される燃料棒8と、燃料棒8を三角格子状に配置する四角筒状のチャンネルボックス9と、燃料棒8を等間隔に支持するスペーサ10と、チャンネルボックス9の4つのコーナ部(チャンネルボックス9の4つのコーナ部に形成される間隙A)に配置され、スペーサ10を固定し、冷却水118を流出する4つの支持ロッド20を有する。
支持ロッド20は、その断面積が、燃料棒8の断面積よりも、小さい。
また、チャンネルボックス9のそれぞれの側壁部に対向し、それぞれ中央部の4つの燃料棒8は、燃料棒8よりも長尺な燃料棒80であり、この長尺な燃料棒80は、燃料棒8に上部タイプレート12との接続部用部材を追設し、形成する。
また、燃料棒8は、その長さが、支持ロッド20の長さや燃料棒80の長さよりも、短い。つまり、支持ロッド20は、その長さが、燃料棒8の長さよりも、長い。
また、支持ロッド20は、その内部に冷却水118が流通する冷却水流路27を有し、冷却水118を、燃料棒8が配置される領域に流出する。そして、支持ロッド20は、冷却水118を流出する冷却水流出部25及び冷却水118を流入する冷却水流入部26を有する。
冷却水流出部25は、燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置(燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置に対応する支持ロッド20の位置)に形成され、冷却水流入部26は、支持ロッド20の底部に形成される。
また、冷却水流出部25は、その向きが、コーナ部に形成される2つの最外層の燃料棒8の間に向けられる。
このように、実施例1によれば、四角筒状のチャンネルボックス9の4つのコーナ部の周辺に配置される燃料棒8を、直接的に、冷却することができ、燃料棒8の除熱性能を向上させることができる。
また、実施例1によれば、低減速スペクトル沸騰水型原子炉100において、上部タイプレート12と下部タイプレート11とを固定し、燃料棒8を効率的に配置し、燃料集合体7を実現することができる。
次に、実施例2に記載する支持ロッド20Aを説明する。
図11は、実施例2に記載する支持ロッド20Aを説明する外観図である。
実施例2に記載する支持ロッド20Aは、実施例1に記載する支持ロッド20と比較して、冷却水流出部25が相違する。なお、その他の構成は、基本的に、実施例1と同様である。
実施例1では、冷却水流出部25は、1箇所、形成されるが、実施例2では、複数箇所、形成される。
支持ロッド20Aは、複数個の冷却水流出部25Aを有する。冷却水流出部25Aは、高さ方向に、複数箇所(実施例2では2箇所)、形成される。また、冷却水流出部25Aは、水平方向に、複数箇所(実施例2では3箇所)、形成される。
実施例2によれば、これにより、多方向に、また、相違する高さから、冷却水118を、燃料棒8が配置される領域に流出させることができる。
なお、実施例2では、支持ロッド20Aの高さ方向及び水平方向に、冷却水流出部25Aを形成するが、必ずしも高さ方向及び水平方向に形成する必要はなく、高さ方向又は水平方向のいずれかに冷却水流出部25Aを形成してもよい。つまり、支持ロッド20Aは、高さ方向又は/及び水平方向に複数個の冷却水流出部25Aを有する。
また、実施例2では、上部の冷却水流出部25Aは、冷却水流入部26から1.4〜1.8mの位置の支持ロッド20Aに、下部の冷却水流出部25Aは、冷却水流入部26から0.9〜1.4mの位置の支持ロッド20Aに、形成されることが好ましい。
また、実施例2では、上部の冷却水流出部25Aの直径は、下部の冷却水流出部25Aの直径よりも、大きいことが好ましい。
このように、実施例2によれば、燃料棒8を、効率的に、冷却することができ、燃料棒8の除熱性能を、更に向上させることができる。
次に、実施例3に記載する1つの燃料集合体7Bを説明する。
図12は、実施例3に記載する1つの燃料集合体7Bを説明する水平断面図である。
実施例3に記載する燃料集合体7Bは、実施例3に記載する燃料集合体7と比較して、更に、支持ロッド20B(第2支持ロッド)を有する点が相違する。なお、その他の構成は、基本的に、実施例1と同様である。
支持ロッド20Bは、第2列、第4列、第14列及び第16列の燃料棒8の両端の外側の8箇所に、配置される。
つまり、支持ロッド20Bは、第2燃料棒配列の両端の燃料棒8の外側であって、この両端の燃料棒8と側壁部92又は側壁部94との間の間隙Bに、配置される。特に、支持ロッド20Bは、間隙Bであって、側壁部91から2列分及び側壁部93から2列分(支持ロッド20に近い領域(間隙B))に配置される。
支持ロッド20Bは、第2燃料棒配列の両端の燃料棒8の外側であって、支持ロッド20に近い間隙Bに、配置される。支持ロッド20Bは、間隙Bであって、支持ロッド20に近い領域に、配置される。
また、支持ロッド20Bは、半円筒形状を有し、水平方向の形状が半円形である。支持ロッド20Bが半円筒形状を有することにより、支持ロッド20Bを、チャンネルボックス9との間及び最外層の燃料棒8との間に、隙間を形成して、間隙Bに配置することができる。
なお、実施例3では、支持ロッド20Bを、支持ロッド20に近い2箇所(合計8箇所)の間隙Bに配置するが、これ以外の間隙Bに配置してもよい。
これにより、燃料棒8が配置される領域に流出させる冷却水118を増加させることができるため、燃料棒8の除熱性能を、更に向上させることができる。
次に、実施例3に記載する支持ロッド20Bを説明する。
図13A及び図13Bは、実施例3に記載する支持ロッド20Bを説明する外観図であり、図13Aは、円形の冷却水流出部25Bが、右側に形成されるものを示し、図13Bは、円形の冷却水流出部25Bが、右側に形成されるものを示す。
支持ロッド20Bは、支持ロッド中央部21B、支持ロッド下部22B、支持ロッド上部23Bを有する。
支持ロッド下部22Bには、ねじ加工が施されず、支持ロッド下部22Bは、下部タイプレートと接続する。
支持ロッド上部23Bには、ねじ加工が施されず、支持ロッド上部23Bは、上部タイプレートと接続する。
つまり、支持ロッド20Bは、上部タイプレート12と下部タイプレート11とで支持される。
支持ロッド20Bは、冷却水118が流通する冷却水流路(図示せず)、冷却水118を流出する冷却水流出部25B、冷却水118を流入する冷却水流入部(図示せず)を有する。
特に、冷却水流入部は、支持ロッド下部22Bの底部に形成され、冷却水流出部25Bは、支持ロッド中央部21Bの側面に形成され、冷却水流路は、支持ロッド下部22Bの内部及び支持ロッド中央部21Bの内部に形成される。
つまり、冷却水118は、支持ロッド下部22Bに形成される冷却水流入部から流入し、支持ロッド下部22B及び支持ロッド中央部21Bに形成される冷却水流路を流通し、支持ロッド中央部21Bに形成される冷却水流出部25Bから流出する。このように、冷却水118は、支持ロッド20の内部を上方に流通し、燃料棒8が配置される領域に流出する。
なお、実施例3では、支持ロッド上部23Bには、ねじ加工が施されていないが、支持ロッド上部23Bに、ねじ加工を施し、支持ロッド上部23Bを、上部タイプレート12に配置される貫通孔(図示せず)に挿入し、加工されるねじにナットを締め付け、固定してもよい。
また、支持ロッド20Bの長さは、支持ロッド20の長さと、同等であり、冷却水流出部25Bは、燃料棒8の有効発熱高さ領域の位置に形成される。
次に、実施例3に記載する1つの燃料集合体7Bのコーナ部を説明する。
図14は、実施例3に記載する1つの燃料集合体7Bのコーナ部を説明する水平断面図である。
図14は、燃料集合体7の1つコーナ部、つまり、チャンネルボックス9の1つのコーナ部において、支持ロッド20Bの冷却水流出部25Bから流出する冷却水118の流れを示す。
実施例3では、冷却水流出部25Bの向き、つまり、支持ロッド20Bの内部を上方に流通する冷却水118が流出する向きを、以下のとおり、形成する。
1つのコーナ部の近傍における並列する2つの第2支持ロッド20Bのうち、支持ロッド20に近い支持ロッド20B(第21支持ロッド20B)の冷却水流出部25B(第1冷却水流出部25B)の向きを、第2列の上端(説明の便宜上「上端」と記載)の燃料棒8と第3列の上端(説明の便宜上「上端」と記載)の燃料棒8との間(2つの最外層の燃料棒8の間)に、向ける(例えば、図13Aのものを使用)。
1つのコーナ部の近傍における並列する2つの第2支持ロッド20Bのうち、支持ロッド20に遠い支持ロッド20B(第22支持ロッド20B)の冷却水流出部25B(第2冷却水流出部25B)の向きを、第3列の上端(説明の便宜上「上端」と記載)の燃料棒8と第4列の上端(説明の便宜上「上端」と記載)の燃料棒8との間(2つの最外層の燃料棒8の間)に、向ける(例えば、図13Bのものを使用)。
第1冷却水流出部25Bの向き(第21支持ロッド20Bから流出する冷却水118の向き)を、
(1)第2列の一端の燃料棒8と第3列の一端の燃料棒8との間、
(2)第2列の他端の燃料棒8と第3列の他端の燃料棒8との間、
(3)第16列の一端の燃料棒8と第15列の一端の燃料棒8との間、
(4)第16列の他端の燃料棒8と第15列の他端の燃料棒8との間、
である2つの最外層の燃料棒8の間に向ける。
第2冷却水流出部25Bの向き(第22支持ロッド20Bから流出する冷却水118の向き)を、
(1)第3列の一端の燃料棒8と第4列の一端の燃料棒8との間、
(2)第3列の他端の燃料棒8と第4列の他端の燃料棒8との間、
(3)第15列の一端の燃料棒8と第14列の一端の燃料棒8との間、
(4)第15列の他端の燃料棒8と第14列の他端の燃料棒8との間、
である2つの最外層の燃料棒8の間に向ける。
このような向きに、冷却水118を流出させることにより、燃料棒8と燃料棒8との間に、冷却水118が効率よく流通する(図中、点線矢印参照)。そして、チャンネルボックス9の4つのコーナ部の周辺に配置される、出力が高くなる燃料棒8(4つのコーナ部であって、最外層の燃料棒8から内側に2〜3層目の燃料棒8、特に、太い円で描かれた3本の燃料棒8)に、冷却水118を流通させ、これら燃料棒8の除熱性能を、更に向上させることができる。
なお、冷却水流出部25から流出する冷却水118は、実施例1と同様に、燃料棒8が配置される領域に流出する。
また、このように支持ロッド20Bを設置することにより、間隙Bに停滞する冷却水118を低減することができ、燃料棒8の除熱性能を、更に向上させることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために、具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を、他の実施例の構成の一部に置換することもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することもできる。また、各実施例の構成の一部について、それを削除し、他の構成の一部を追加し、他の構成の一部と置換することもできる。
3…十字型制御棒、7、7B…燃料集合体、8、80…燃料棒、9…チャンネルボックス、10…スペーサ、11…下部タイプレート、12…上部タイプレート、13…ハンドル、15…チャンネルスペーサ、20、20A、20B…支持ロッド、21、21B…支持ロッド中央部、22、22B…支持ロッド下部、23、23B…支持ロッド上部、24…スペーサ固定用突起、25、25A…冷却水流出部、26…冷却水流入部、27…冷却材流路、28…ナット、91、92、93、94…側壁部、100…低減速スペクトル沸騰水型原子炉、101…原子炉圧力容器、102…炉心シュラウド、103…炉心、104…シュラウドヘッド、105…気水分離器、106…蒸気乾燥器、107…上部格子板、108…炉心支持板、109…燃料支持金具、110…制御棒案内管、111…制御棒駆動機構、113…インターナルポンプ、114…ダウンカマ、115…主蒸気配管、116…給水配管、117…インペラ、118…冷却水。

Claims (15)

  1. 炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒と、前記燃料棒を三角格子状に配置する四角筒状のチャンネルボックスと、前記燃料棒を支持するスペーサと、を有する沸騰水型原子炉であって、
    前記チャンネルボックスの4つのコーナ部に配置され、前記スペーサを固定し、冷却水を流出する4つの支持ロッドを有することを特徴とする沸騰水型原子炉。
  2. 請求項1に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記支持ロッドは、前記冷却水を流入する冷却水流入部と、前記冷却水を流出する冷却水流出部と、前記冷却水が流通する冷却水流路と、を有し、前記冷却水を、前記燃料棒が配置される領域に流出することを特徴とする沸騰水型原子炉。
  3. 請求項2に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記冷却水流出部は、前記燃料棒の有効発熱高さ領域の位置に対応する前記支持ロッドの位置に形成され、前記冷却水流入部は、前記支持ロッドの底部に形成されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  4. 請求項1に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記チャンネルボックスの4つのコーナ部は、前記チャンネルボックスの4つのコーナ部に形成される間隙であることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  5. 請求項1に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記支持ロッドは、その断面積が、前記燃料棒の断面積よりも、小さいことを特徴とする沸騰水型原子炉。
  6. 請求項1に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記チャンネルボックスのそれぞれの側壁部に対向し、それぞれ中央部の4つの燃料棒が、前記燃料棒よりも長尺な燃料棒であることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  7. 請求項6に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記長尺な燃料棒は、前記燃料棒に上部タイプレートとの接続部用部材を追設し、形成されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  8. 請求項1に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記支持ロッドは、その長さが前記燃料棒よりも長いことを特徴とする沸騰水型原子炉。
  9. 請求項2に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記冷却水流出部は、その向きが、コーナ部に形成される2つの最外層の前記燃料棒の間に向けられることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  10. 請求項2に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記冷却水流出部が、前記支持ロッドの高さ方向又は/及び水平方向に複数個形成されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  11. 請求項10に記載する沸騰水型原子炉であって、
    上部の冷却水流出部の直径は、下部の冷却水流出部の直径よりも、大きいことを特徴とする沸騰水型原子炉。
  12. 請求項2に記載する沸騰水型原子炉であって、
    第2間隙であって、前記支持ロッドに近い領域に、水平方向の形状が半円形である第2支持ロッドを有することを特徴とする沸騰水型原子炉。
  13. 請求項12に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記第2支持ロッドは、第2列、第4列、第14列及び第16列の燃料棒の両端の外側の8箇所に配置されることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  14. 請求項13に記載する沸騰水型原子炉であって、
    前記第2支持ロッドから流出する冷却水の向きが、2つの最外層の燃料棒の間であることを特徴とする沸騰水型原子炉。
  15. 炉心に装荷される燃料集合体の燃料棒と、前記燃料棒を三角格子状に配置する四角筒状のチャンネルボックスと、前記燃料棒を支持するスペーサと、を有する沸騰水型原子炉であって、
    前記チャンネルボックスの4つのコーナ部に配置され、前記スペーサを固定する支持ロッドを有することを特徴とする沸騰水型原子炉。
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