JP2021009082A - 燃料集合体および軽水炉の炉心 - Google Patents

燃料集合体および軽水炉の炉心 Download PDF

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Abstract

【課題】最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に水が流れ込むのを抑制しつつ、かつ十分な炉停止余裕を確保することができる燃料集合体を提供する。【解決手段】原子炉に装荷される燃料集合体であって、チャンネルボックスと、チャンネルボックス内に配置され、核燃料物質を内部に充填している複数の燃料棒と、複数の燃料棒で構成された燃料棒群とチャンネルボックスとの間に配置され、燃料棒の軸方向に沿って柱状に形成された、柱状構造体を備え、柱状構造体は、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域を内部に有する、燃料集合体を構成する。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料集合体および軽水炉の炉心に関し、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な燃料集合体および軽水炉の炉心に関する。
燃料集合体および十字型制御棒を装荷している沸騰水型原子炉において、燃料集合体内の燃料棒を三角格子稠密に配置するとともに、運転中にチャンネルボックス内でボイドを発生させることによって中性子スペクトルを硬化させた構成(以下、低減速スペクトル沸騰水型原子炉と称する)が提唱されている(例えば、特許文献1を参照)。
低減速スペクトル沸騰水型原子炉の燃料集合体において、横断面が正方形状になっている燃料集合体内に、燃料棒を正三角形格子稠密に配置した場合には、最外層の燃料棒とチャンネルボックスとの間に間隙が生じる。そのため、燃料棒を冷却する冷却材が、燃料集合体の最外層の燃料棒とチャンネルボックスとの間隙に集中して流れる。
これにより、燃料集合体の中央領域に流れる冷却材の量が減少し、燃料集合体の中央領域に存在する燃料棒の冷却性能が低下する。
この問題を解決する燃料集合体が、幾つか提案されている。
その一つは、特許文献1に記載された燃料集合体である。この燃料集合体は、最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に、係合突起を設置することによって、冷却材が燃料集合体の外周部に偏在して流れることを抑制している。
特開平11−23765号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成のように、最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に係合突起を設置すると、原子炉の炉停止余裕が小さくなることが分かった。
低減速スペクトル沸騰水型原子炉では、原子炉の停止時に挿入される、中性子を吸収し炉心の反応度を抑制する制御棒の中性子吸収効果が減少する。また、運転時から冷温時になったときの反応度の増加幅(以下、H/Cスイング)が大きくなる傾向がある。
このことから、低減速スペクトル沸騰水型原子炉は、現行運転実績のある沸騰水型原子炉のように、中性子を効率よく減速させて核分裂を効率よく引き起こす沸騰水型原子炉と比較すると、炉停止余裕が小さくなる傾向がある。そして、特許文献1に記載されているように係合突起を設置すると、炉停止余裕が小さくなって、設計目標値を達成できなくなる可能性が生じる。
以上のことから、最外層の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に係合突起を設置することにより、燃料棒の除熱性を確保する効果はあるが、炉停止余裕が小さくなり、十分な炉停止余裕を確保することが難しくなる。
上述した問題の解決のために、本発明においては、原子炉の運転時に、最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に水が流れ込むのを抑制しつつ、かつ十分な炉停止余裕を確保することができる燃料集合体を提供するものである。また、この燃料集合体を備えた軽水炉の炉心を提供するものである。
また、本発明の上記の目的およびその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって、明らかにする。
本発明の燃料集合体は、原子炉に装荷される燃料集合体であって、チャンネルボックスと、チャンネルボックス内に配置され、核燃料物質を内部に充填している複数の燃料棒を有する。
さらに本発明の燃料集合体は、複数の燃料棒で構成された燃料棒群とチャンネルボックスとの間に配置され、燃料棒の軸方向に沿って柱状に形成された、柱状構造体を備え、この柱状構造体の内部に、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域を設ける。
本発明の軽水炉の炉心は、上記本発明の燃料集合体が装荷されているものである。
本発明の燃料集合体の構成によれば、柱状構造体の内部に導水領域を設けたことにより、冷却材が燃料集合体の外周部に偏在して流れることを抑制し、かつ最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に水領域を確保することができる。これにより、燃料集合体に装荷される燃料棒の除熱性と、炉停止余裕の確保を両立することができる。
また、本発明の軽水炉の炉心によれば、燃料の除熱性が十分に得られ、かつ十分な炉停止余裕を有する軽水炉を実現することができる。
なお、上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る実施例を適用する改良型沸騰水型原子炉の概略構成図である。 実施例1において図1の炉心に装荷される燃料集合体およびその近傍の水平断面図である。 実施例1の柱状構造体の軸方向における概略断面図である。 実施例2の柱状構造体の軸方向における概略断面図である。 実施例3の柱状構造体の軸方向における概略断面図である。 図5のオリフィスの軸方向長さを変化させた際の柱状構造体の圧損を、燃料集合体の燃料領域のサブチャンネルの圧損に対する相対値で示したグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態および実施例について、文章もしくは図面を用いて説明する。ただし、本発明に示す構造、材料、その他具体的な各種の構成等は、ここで取り上げた実施の形態および実施例に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
前述した特許文献1に記載された構成における、炉停止余裕が小さくなる課題は、燃料集合体の燃料棒群とチャンネルボックスとの間に係合突起を設置すると、係合突起がない場合は水が入る領域が、係合突起の構造物によって埋められるため生じる。
そこで、この課題を解決するため、本発明に係る炉心の燃料集合体では、特許文献1の係合突起に相当する柱状構造体の内部に、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域を確保する。
本発明の燃料集合体は、原子炉に装荷される燃料集合体であり、チャンネルボックスと、チャンネルボックス内に配置され、核燃料物質を内部に充填している複数の燃料棒を備える。
また、本発明の燃料集合体は、複数の燃料棒で構成された燃料棒群とチャンネルボックスとの間に配置され、燃料棒の軸方向に沿って柱状に形成された、柱状構造体を備える。
そして、柱状構造体の内部に、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域を設ける。
本発明の軽水炉の炉心は、上記本発明の燃料集合体が装荷されている構成である。
上記の燃料集合体において、さらに、柱状構造体を複数設け、複数の柱状構造体のうちの少なくとも1つの柱状構造体がチャンネルボックスの内面に隣接している構成とすることができる。
上記の燃料集合体において、さらに、燃料棒の軸方向の長さと、柱状構造体の軸方向の長さが等しい構成とすることができる。
上記の燃料集合体において、さらに、複数の燃料棒および柱状構造体が、下部タイプレートによって下端部が支持され、上部タイプレートによって上端部が支持され、燃料棒の軸方向に配置された複数の燃料スペーサによって束ねられている構成とすることができる。
上記の燃料集合体において、さらに、複数の燃料棒が燃料集合体の横断面において正三角格子状に配置されている構成とすることができる。例えば、複数の燃料棒を上述した正三角格子稠密に配置することができる。
上記の燃料集合体において、さらに、導水領域の軸方向の長さが燃料集合体の軸方向の長さと等しい構成とすることができる。
上記の燃料集合体において、さらに、柱状構造体の軸方向における上端部および下端部が開口されている構成とすることができる。
この構成において、さらに、導水領域の横断面の面積よりも、横断面の面積が小さい構造物が、柱状構造体の下端部または導水領域の内部(下端部から上端部までの中間の位置)に1つ以上設置されている構成とすることができる。
上記の燃料集合体において、さらに、柱状構造体の軸方向における上端部が開口され、下端部は閉じた底部となっている構成とすることができる。
柱状構造体は、燃料棒の軸方向に沿って柱状に形成されている。柱状構造体は、好ましくは、一般的な円柱状の燃料棒と同様に、横断面の形状を、円形や略円形、円形を弦で切り取った形状とする。
チャンネルボックスの内面に柱状構造体を隣接させる場合には、柱状構造体の横断面の形状を、円形の一部を弦で切り取った形状として、弦の部分でチャンネルボックスの内面に接続する。
柱状構造体の材料としては、冷却水による劣化や反応がなく、また燃料棒の発熱に対する耐熱性がある、材料を使用することが好ましい。
例えば、特許文献1の構成における、密閉容器および冷却材排除棒の材料(アルミニウム、ジルコニウム、ジルカロイ)、燃料棒の周囲を被覆する燃料被覆管の材料(ジルカロイ、ステンレス鋼)等を、柱状構造体に使用することができる。
そして、柱状構造体の内部に、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域が形成されるように、柱状構造体を導水領域となる空洞を有する形状に作製する。
上述した構成の燃料集合体によれば、複数の燃料棒で構成された燃料棒群とチャンネルボックスとの間に配置され、燃料棒の軸方向に沿って柱状に形成された、柱状構造体を備える。
これにより、燃料集合体に冷却水が流入する際に、柱状構造体によって、冷却水が燃料棒群とチャンネルボックスとの間の間隙に流入することを抑制することができる。従って、燃料集合体の燃料棒の除熱性を確保することができる。
また、柱状構造体の内部に、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域を設けたことにより、燃料棒群とチャンネルボックスとの間に柱状構造体を設置しても、この間隙に導水領域によって水の領域を確保することができる。従って、燃料集合体の燃料棒の除熱性を確保しながら、炉心の炉停止余裕も確保することが可能になる。
複数の柱状構造体のうちの少なくとも1つの柱状構造体がチャンネルボックスの内面に隣接している構成としたときには、その柱状構造体によって、チャンネルボックスの内面付近に冷却水が流れることを抑制することができる。
燃料棒の軸方向の長さと、柱状構造体の軸方向の長さが等しい構成としたときには、燃料棒群とチャンネルボックスの間の領域への冷却水の流入を十分に抑制すると共に、燃料棒と柱状構造体を含む燃料集合体の設計を容易にする。
柱状構造体の軸方向の長さが燃料棒の軸方向の長さより短い場合(例えば、特許文献1の図8の係合突起33等)には、燃料棒群とチャンネルボックスの間の領域への冷却水の流入を抑制する効果が小さくなる。
柱状構造体の軸方向の長さが燃料棒の軸方向の長さより長い場合には、燃料棒に対して柱状構造体が上下にはみ出すので、燃料棒と柱状構造体を含む燃料集合体の設計を複雑にする。
複数の燃料棒および柱状構造体が、下部タイプレートによって下端部が支持され、上部タイプレートによって上端部が支持され、燃料棒の軸方向に配置された複数の燃料スペーサによって束ねられている構成としたときには、下部タイプレートと上部タイプレートと燃料スペーサという、燃料棒の固定および支持を行う構成に、柱状構造体を適用することができる。これにより、燃料棒と柱状構造体を含む燃料集合体の設計を容易にする。
柱状構造体の軸方向における上端部および下端部が開口されている構成としたときには、燃料集合体の下端から冷却水が流入する際に、冷却水の一部が柱状構造体の導水領域内に流入する。そして、柱状構造体の導水領域に流入した冷却水が上方向に流れることから、柱状構造体が水を内包しつつ、冷却水の流れ方向を制御することが可能である。
さらに、導水領域の横断面の面積よりも、横断面の面積が小さい構造物が、柱状構造体の下端部または導水領域の内部に1つ以上設置されている構成としたときには、この構造物により柱状構造体における圧損を調節して、燃料集合体のサブチャンネルの圧損と等しくすることが可能である。これにより、燃料集合体の燃料棒の除熱性を十分に確保することが可能になる。
柱状構造体の軸方向における上端部が開口され、下端部は閉じた底部となっている構成としたときには、燃料集合体の下方から流入した冷却水が、柱状構造体の底部に妨げられる。これにより、柱状構造体の導水領域に直接流入しないので導水領域内の冷却水の流動性は低くなり、また、燃料棒群とチャンネルボックスとの間の間隙への冷却水の流入を抑制する効果が大きくなる。
本明細書において、本発明に係る燃料集合体および軽水炉の炉心が適用される、「沸騰水型原子炉」は、通常の沸騰水型原子炉、改良型沸騰水型原子炉、高経済性単純化沸騰水型原子炉等を含む。
通常の沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)は、再循環ポンプを備え、冷却材として水(冷却水)を原子炉圧力容器外へ通流し、再び原子炉圧力容器内のダウンカマへ流入させることで冷却水を循環させる構成である。
改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)は、インターナルポンプを備え、冷却水を原子炉圧力容器内で循環させる構成である。
高経済性単純化沸騰水型原子炉(Economic Simplified Boiling Water Reactor:ESBWR)は、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)におけるインターナルポンプを不要とする構成である。
なお、本発明に係る燃料集合体および炉心は、横断面十字状の制御棒(十字型制御棒)を装荷する燃料集合体の体数が異なる、他の沸騰水型原子炉にも適用可能である。
(実施例1)
まず、実施例1の構成の説明に先立ち、本発明の実施例を適用する改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の構成を説明する。
本発明の実施例を適用する改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の概略構成図を、図1に示す。
図1に示す改良型沸騰水型原子炉(ABWR)100は、原子炉圧力容器101内に円筒状の炉心シュラウド102が設けられ、炉心シュラウド102内に、複数の燃料集合体(図示せず)が装荷された炉心103が設置されている。
原子炉圧力容器101内には、炉心103を覆うシュラウドヘッド104に取り付けられ上方へと延伸する、気水分離器105、および気水分離器105の上方に配される蒸気乾燥器106が、設けられている。
上部格子板107が、シュラウドヘッド104の下方で炉心シュラウド102内に配され、炉心シュラウド102に取り付けられて、炉心103の上端部に位置している。炉心支持板108が、炉心103の下端部に位置して炉心シュラウド102内に配され、炉心シュラウド102に設置されている。
複数の燃料支持金具109が、炉心支持板108に設置されている。
原子炉圧力容器101内には、燃料集合体の核反応を制御するために、炉心103へ複数の横断面十字状の制御棒(図示せず)を挿入可能とする、制御棒案内管110が設けられている。
原子炉圧力容器101の底部より下方に設置された、制御棒駆動機構ハウジング(図示せず)内に、制御棒駆動機構111を備え、制御棒は制御棒駆動機構111に連結されている。
原子炉圧力容器101の底部である下鏡112に、下鏡112の下方より原子炉圧力容器101の内部へ貫通するように、複数のインターナルポンプ113が設置されている。これら複数のインターナルポンプ113は、複数の制御棒案内管110の最外周部より外側であって、環状に相互に所定の間隔にて離間し、複数台配されている。これにより、インターナルポンプ113は、制御棒案内管110等と干渉することはない。そして、各インターナルポンプ113のインペラが、円筒状の炉心シュラウド102と原子炉圧力容器101の内面との間に形成される環状のダウンカマ114内に位置付けられている。
原子炉圧力容器101内の冷却材である水(冷却水)は、各インターナルポンプ113のインペラにより、ダウンカマ114を介して、下鏡112側から炉心103へ供給される。炉心103内に流入する冷却水は、燃料集合体(図示せず)の核反応により加熱され気液二相流となり、気水分離器105へ流入する。
気水分離器105を通流する気液二相流は、湿分を含む蒸気(気相)と水(液相)に分離され、液相は再び冷却水としてダウンカマ114へ降下する。一方、蒸気(気相)は、蒸気乾燥器106へと導入され湿分が除去された後、主蒸気配管115を介してタービン(図示せず)へ供給される。
復水器等を介して給水配管116より原子炉圧力容器101内に流入する冷却水は、ダウンカマ114内を下方へと通流する(降下する)。
このように、インターナルポンプ113は、炉心103で発生する熱を効率良く冷却するため、冷却水を炉心103へ強制循環させる。
本実施例は、図1に示した改良型沸騰水型原子炉(ABWR)100に適用したものであり、詳細を後述するように、図1の炉心103に装荷される燃料集合体に、柱状構造体が設置されたことに特徴を有する。
また、本実施例は、特許文献1に開示されているように、正方形状であり正方格子に配置された、現行の燃料のチャンネルボックス内に、燃料棒を正三角格子稠密に配置して、有効長が長尺燃料の半分である燃料を装荷したABWRの例に適用したものである。
本実施例において、図1の炉心103に装荷される燃料集合体、およびその近傍の水平断面図を、図2に示す。
図2に示すように、燃料集合体200は、主として、複数の燃料棒201、複数の燃料棒201を囲むチャンネルボックス202、複数の柱状構造体203、から構成される。
さらに、燃料集合体200は、下部タイプレート(図示せず)、上部タイプレート(図示せず)、複数の燃料スペーサ(図示せず)を有する。
チャンネルボックス202は、横断面が正方形状の角筒であり、横断面のコーナー部は丸く形成されている。
柱状構造体203は、複数の燃料棒201で構成された燃料棒群とチャンネルボックス202との間の間隙、即ち最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202の間の間隙に設置されている。
そして、柱状構造体203は、燃料棒201の軸方向に沿って柱状(円柱状)に形成されており、その柱状構造体203の内部に、蒸気および水を内包することができる、導水領域204を設ける。
この導水領域204は、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる。
本実施例では、柱状構造体203の導水領域204を、柱状構造体203の軸方向に沿って設ける。
複数の燃料棒201、例えば、外径が7.2mmである、243本の燃料棒201が、チャンネルボックス202内において、所定の間隔(例えば、1.5mmピッチ)で正三角形格子稠密の状態に配置されている。
各燃料棒201の下端部が下部タイプレートに支持され、各燃料棒201の上端部が上部タイプレートに支持される。
各柱状構造体203も、下端部が下部タイプレートに支持され、上端部が上部タイプレートに支持される。
各燃料棒201は、燃料棒201の中心軸方向に配置された、複数の燃料スペーサによって、燃料棒201の相互間を前述の所定間隔に保持された状態で、また、各柱状構造体203も燃料棒201との間を所定間隔に保持された状態で、束ねられる。
燃料集合体200の横断面における、各燃料棒201および各柱状構造体203の配置および形状は、用途に合わせて変更が可能である。
チャンネルボックス202は、図2に示すように、4つの側壁部205,206,207および208を有する。
以下、互いに向かい合っている一対の側壁部207および208の各内面を「第1内面」と称し、側壁部207および208に直交する方向に位置して互いに向かい合っている一対の側壁部205および206の各内面を「第2内面」と称する。
燃料集合体200の横断面において、チャンネルボックス202に配置された複数の燃料棒201は、チャンネルボックス202の向かい合っている一対の第2内面の間に存在し、第2内面に対して平行に配列された、複数の燃料棒配列に含まれる。これらの燃料棒配列は、第2内面と直交する方向に位置して互いに向かい合っている、一対の第1内面の間に配置された、複数本の燃料棒201をそれぞれ含んでいる。それらの燃料棒配列は、図中一点鎖線で示す、第1燃料棒配列209、第2燃料棒配列210、さらに、第3燃料棒配列211、を含んでいる。
第2燃料棒配列210に含まれる燃料棒201の本数は、第1燃料棒配列209に含まれる燃料棒201の本数よりも一本少なくなっている。第1燃料棒配列209と第2燃料棒配列210は、一対の第2内面の間(側壁部205と側壁部206の間)で、交互に配置される。
第3燃料棒配列211は、燃料棒配列のうち一対の第2内面のそれぞれに最も近い位置(図中の最上列と最下列)に配置される。各第3燃料棒配列211に含まれる燃料棒201の本数は、第1燃料棒配列209に含まれる燃料棒201の本数よりも二本少なくなっている。これは、第3燃料棒配列211の両端部が、チャンネルボックス202のコーナー部付近に位置しているからである。
ここで、第2燃料棒配列210に含まれる複数の燃料棒201のうち、側壁部208の第1内面に最も近い位置に存在する燃料棒201を「燃料棒212」と称し、側壁部207の第1内面に最も近い位置に存在する燃料棒201を「燃料棒213」と称する。即ち、燃料棒212は第2燃料棒配列210の一端に位置し、燃料棒213は第2燃料棒配列210の他端に位置する。
各第2燃料棒配列210における、燃料棒212と側壁部208の第1内面との間隔および燃料棒213と側壁部207の第1内面との間隔は、それぞれ、各第1燃料棒配列209の両端部に位置する燃料棒201と第1内面との間隔よりも広くなっている。
このため、柱状構造体203が、第2燃料棒配列210の一端部に位置する燃料棒212と側壁部208の第1内面との間、および各第2燃料棒配列210の他端部に位置する燃料棒213と側壁部207の第1内面との間に、配置される。
柱状構造体203は、その横断面の断面形状が、円形もしくは円形を弦で切り取った形となっている。
図3に示す構成では、チャンネルボックス202のコーナー部付近の4本の柱状構造体203は、チャンネルボックス202の内面とは離れて配置され、柱状構造体203の断面形状が円形である。
一方、それ以外の柱状構造体203は、チャンネルボックス202の内面に隣接して配置され、柱状構造体203の断面形状が円形を弦で切り取った形である。そして、断面形状の弦の部分でチャンネルボックス202の内面に接続されている。
図3に示す構成では、柱状構造体203の直径が、燃料棒201の直径と等しくなるように決められている。
また、柱状構造体203の導水領域204の直径は、燃料棒201の被覆管(図示せず)の内径と等しくなるように、例えば6.1mmに、決められている。
なお、柱状構造体203は、本実施例では横断面の断面形状を円形もしくは円形を弦で切り取った形としたが、用途に合わせて、柱状構造体の形状およびその内部の導水領域の断面形状を、他の形状に変更することが可能である。
柱状構造体203の材料としては、冷却水による劣化や反応がなく、また燃料棒201の発熱に対する耐熱性がある、材料を使用することが好ましい。
例えば、特許文献1の構成における、密閉容器および冷却材排除棒の材料(アルミニウム、ジルコニウム、ジルカロイ)、燃料棒の周囲を被覆する燃料被覆管の材料(ジルカロイ、ステンレス鋼)等を、柱状構造体203に使用することができる。
そして、柱状構造体203の内部に導水領域204が形成されるように、柱状構造体203を、導水領域204となる空洞を有する形状に作製する。
さらに、図1の炉心100の横断面において、図2に示すように、隣接して配置された4体の燃料集合体200毎に一体の割合で、横断面が十字形をしている制御棒214が配置される。
制御棒214は、図2に示すように、燃料集合体200の外側で、各燃料集合体200の一つのコーナー部(図2の中央部の燃料集合体200においては左上のコーナー部)に面して配置される。制御棒214の二枚のブレードが、一体の燃料集合体200の二つの側壁部205および207に対向している。
制御棒214は、中性子吸収材(例えば、ボロン)を充填した中性子吸収材領域(図示せず)、およびフォロアー部(図示せず)を有する。中性子吸収材領域およびフォロアー部のそれぞれは、制御棒214におけるブレードの軸方向の長さの1/2になっており、フォロアー部は中性子吸収材領域の上方に配置される。
中性子吸収材領域の、制御棒214の軸方向における長さは、燃料集合体200における後述する燃料有効長の軸方向長さと同じである。そして、制御棒214が炉心100に全挿入されたとき、中性子吸収材領域の全長が、燃料集合体200の燃料有効長の全長と対向する。
フォロアー部は、軽水よりも中性子減速能が小さい第1物質である、炭素で構成されている。制御棒214が炉心100に全挿入されたとき、フォロアー部は、燃料集合体200において燃料有効長の上方に存在する、プレナム部(図示せず)に対向する。このプレナム部は、燃料集合体200内に配置された各燃料棒201の被覆管(図示せず)内で、複数の燃料ペレットが充填された領域(燃料有効長)の上端よりも上方に形成される。
燃料集合体200の側壁部206と、この側壁部206に隣接する他の燃料集合体200との間、および燃料集合体200の側壁部208と、この側壁部208に隣接する他の燃料集合体200との間に、それぞれギャップ導水領域215が存在する。そして、このギャップ導水領域215に、水排除板216が配置される。
本実施例における、図2の柱状構造体203の軸方向における概略断面図を、図3に示す。
図3に示す柱状構造体301(203)は、軸方向に延びて柱状に形成されている。
そして、柱状構造体301(203)の導水領域302(204)は、柱状構造体301(203)の中心軸に沿って、柱状構造体301(203)の軸方向に延びて形成されている。
冷却水は、上向きに、即ち、図3に矢印で示す方向303に流れる。
柱状構造体301(203)の軸方向の長さLは、好ましくは、燃料棒201の燃料有効長と等しく、例えば、軸方向の長さLを1.8mとする。
本実施例では、特に、柱状構造体301(203)の軸方向の下端部301Aは閉じていて、下端部301Aが導水領域302(204)となっていない。即ち、柱状構造体301(203)は、冷却水が流れる方向303の手前側の端部である、下端部301Aが閉じている。
柱状構造体301(203)の下端部301Aが閉じているため、燃料集合体200に流入して、方向303に流れる冷却水は、柱状構造体301の導水領域302(204)に直接流入することができない。冷却水は、柱状構造体301(203)の上端部のみから導水領域302(204)に流入する。このため、導水領域302(204)の冷却水の出入りが限定され、導水領域302(204)の冷却水の流動性は低くなる。
また、柱状構造体301(203)の下端部301Aが閉じているため、冷却水が最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202との間の間隙に流入することを抑制する効果を大きくすることができる。
本実施の形態の構成によれば、燃料集合体200の複数の燃料棒201から成る燃料棒群とチャンネルボックス202の間、即ち、最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202の間の間隙に、柱状構造体301(203)が設けられている。そして、柱状構造体301(203)は、燃料棒201の軸方向に沿って柱状に形成されている。
これにより、燃料集合体200に冷却水が流入する際に、柱状構造体301(203)によって、冷却水が最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202との間の間隙に流入することを抑制することができる。従って、燃料集合体200の燃料棒201の除熱性を確保することができる。
そして、特に柱状構造体301(203)の下端部301Aが閉じているため、冷却水が最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202との間の間隙に流入することを抑制する効果を大きくすることができる。
また、本実施の形態の構成によれば、柱状構造体301(203)の内部に、蒸気および水を内包することができ、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域302(204)を設ける。
これにより、燃料集合体200の最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202との間の間隙に柱状構造体301(203)を設置しても、この間隙に導水領域302(204)によって水の領域を確保することができる。従って、燃料集合体200の燃料棒201の除熱性を確保しながら、炉心100の炉停止余裕も確保することが可能である。
次に、本実施例の効果をより詳細に説明する。
本発明の発明者らは、燃料集合体200の最も外側の燃料棒201とチャンネルボックス202との間の間隙に導水領域302(204)を確保することで、原子炉の炉停止余裕が改善されることを確認した。
上記の効果の確認のために、比較計算を行った。
燃料集合体200について、燃料棒201に含まれるプルトニウム富化度を一様(例えば、14.6wt%)とした。そして、柱状構造体203に導水領域204を設ける場合の制御棒価値およびH/Cスイングを、柱状構造体203に導水領域204を設けない場合の制御棒価値およびH/Cスイングに対する相対値として計算した。
計算の結果、導水領域204を設ける場合には、導水領域204を設けない場合と比較して、制御棒価値が0.2%程度減少し、H/Cスイングが0.5%程度増加することが分かった。
制御棒価値の減少、H/Cスイングの増加は、炉停止余裕が増加し、炉心の安全性が増加することを意味する。そのため、導水領域204を設ける場合、導水領域204を設けない場合と比較して、炉停止余裕を増加させることができる。
なお、本実施例では、図2に示した構成の燃料集合体200に適用したが、最も外側の燃料棒とチャンネルボックスの間に間隙を有する、他の構成の沸騰水型軽水炉の燃料集合体にも適用することが可能である。
(実施例2)
次に、実施例2の燃料集合体の構成を説明する。
実施例2の燃料集合体の柱状構造体の軸方向における概略断面図を、図4に示す。
実施例1では、図3の柱状構造体301の下端部301Aを閉じた構成であった。
これに対して、本実施例では、図4に示すように、柱状構造体401の軸方向の上端部および下端部が開口され、柱状構造体401の導水領域402を、冷却水が流れる方向403において、下端部から上端部まで貫通させる構成とする。
これにより、冷却水を下端部から導水領域402に流入させることができる。
即ち、図3に示した実施例1の構成では、柱状構造体301の下端部301Aが閉じているため、導水領域302に内包される冷却水は、柱状構造体301の上端部のみから流入する。この冷却水の流入は受動的に起こるため、柱状構造体301は導水領域302内の冷却水の流れを制御する機構を有していない。
これに対して、図4に示す本実施例の構成では、柱状構造体401の下端部が開口されており、冷却水が流入する導水領域402を貫通させているので、燃料集合体200に流入する冷却水の一部を柱状構造体401の中に流入させることができる。そして、柱状構造体401の導水領域402に流入した冷却水は、方向403に従い流れることから、柱状構造体401が水を内包しつつ、冷却水の流れ方向を制御することが可能である。
このとき、柱状構造体402の導水領域402を流れる冷却水は、燃料棒の除熱に係らないため、水蒸気とはならず、冷却水として保持される。
ただし、導水領域402が、燃料集合体200の燃料部分のサブチャンネルにおける流路面積よりも極端に大きい場合には、導水領域402における圧損が、燃料集合体の燃料部分のサブチャンネル領域における圧損よりも小さくなる。例えば、導水領域402の直径を、実施例1の導水領域302で例示した、6.1mmとした構成等が、この場合に該当する。
この場合には、圧損の違いによって、燃料集合体200の下端部に冷却水が流入する際に導水領域402に冷却水が流れやすくなる傾向があり、燃料集合体200の燃料部分に流入する冷却水の量が相対的に減少し、燃料棒201が除熱できなくなる可能性がある。
そこで、本実施例では、柱状構造体401の下端部を開口させるとともに、好ましくは、導水領域402の直径が実施例1よりも小さい構成、例えば導水領域402の直径が2.8mmの構成、とする。これにより、柱状構造体401の導水領域402の水力等価直径と、燃料集合体200の燃料部分のサブチャンネル領域における水力等価直径を等しくすることが可能になる。
冷却水が燃料集合体200に流入する下端部では、冷却水の流路配分が水力等価直径で決まる。このため、柱状構造体401の導水領域402の直径を2.8mmにすることで、柱状構造体401と、燃料集合体200の燃料部分のサブチャンネル領域における圧損を等しくし、燃料棒201の除熱性を確保することが可能である。
本実施例のその他の構成は、実施例1と同様の構成を採用することができ、実施例1と同様の構成については重複説明を省略する。本実施例の構成は、実施例1の構成と同様に、柱状構造体401が図2に示した燃料棒群とチャンネルボックス202の間の間隙に設けられ、燃料棒201の軸方向に沿って柱状に形成されている。
本実施例の構成によれば、実施例1の構成と同様に、柱状構造体401が図2に示した燃料棒群とチャンネルボックス202の間の間隙に設けられ、燃料棒201の軸方向に沿って柱状に形成されている。
これにより、燃料集合体に冷却水が流入する際に、柱状構造体401によって、冷却水が最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に流入することを抑制することができる。従って、燃料集合体の燃料棒の除熱性を確保することができる。
また、本実施例の構成によれば、柱状構造体401の内部に、蒸気および水を内包することができ、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域402を設ける。
これにより、燃料集合体の最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に柱状構造体401を設置しても、この間隙に導水領域402によって水の領域を確保することができる。従って、燃料集合体の燃料棒の除熱性を確保しながら、炉心の炉停止余裕も確保することが可能である。
また、本実施例の構成によれば、柱状構造体401の上端部および下端部が開口されており、導水領域402を下端部から上端部まで貫通させている。これにより、燃料集合体の下端から冷却水が流入する際に、冷却水の一部が柱状構造体401の導水領域402内に流入する。
そして、柱状構造体401の導水領域402に流入した冷却水は、方向403に従い流れることから、柱状構造体401が水を内包しつつ、冷却水の流れ方向を制御することが可能である。
さらに、本実施例の構成において、導水領域402の直径を小さくした場合には、導水領域402における圧力損失が大きくなるように調節して、燃料集合体の燃料部分のサブチャンネル領域における圧力損失と等しくすることが可能になる。これにより、燃料棒の除熱性を十分に確保することができる。
(実施例3)
次に、実施例3の燃料集合体の構成を説明する。
実施例2では、導水領域402の直径を小さくすることにより、冷却水の流入部における圧損を調節することができる。
しかしながら、導水領域の直径を小さくすると、導水領域の体積も小さくなるため、実施例1で示した、炉停止余裕を増加させる効果が小さくなる可能性がある。従って、導水領域の直径は変更せずに、燃料集合体内の圧損を等しくする構成が望まれる。
そこで、本実施例では、実施例2と同様に導水領域が柱状構造体の下端部から上端部まで貫通した構成に加えて、冷却水の流入口で圧損を調節し、かつ導水領域の直径を大きくする構成とした。即ち、本実施例では、柱状構造体に加えて、柱状構造体の下端部に、「オリフィス」と呼ばれる、燃料集合体の下端から流入する冷却水の量を制限する構造物を設置する。
実施例3の柱状構造体の軸方向における概略断面図を、図5に示す。
本実施例では、図5に示す通り、柱状構造体501および導水領域502は、図4に示した柱状構造体401および導水領域402と同様に、導水領域502が、冷却水の流れる方向503に沿って下端部から上端部まで貫通した構成とする。
本実施例では、さらに、柱状構造体501の下端部に接続して、オリフィス504を設置する。
オリフィス504の中心部には、オリフィス504の下端部から上端部まで貫通する貫通孔が設けられている。オリフィス504の貫通孔は、図示しないが横断面の形状が円形もしくは略円形となっている。
そして、オリフィス504の貫通孔の直径は、導水領域502の直径よりも小さい。
オリフィス504を設置した際の柱状構造体501の圧損は、オリフィス504の管径(即ち、オリフィス504の外径と貫通孔の直径との差)と、オリフィス504の軸方向の長さを調節することで変更することができる。
本実施例のその他の構成は、実施例1と同様の構成を採用することができ、実施例1と同様の構成については重複説明を省略する。本実施例の構成は、実施例1の構成と同様に、柱状構造体501が図2に示した燃料棒群とチャンネルボックス202の間の間隙に設けられ、燃料棒201の軸方向に沿って柱状に形成されている。
ここで、オリフィス504の設計について、検討を行った。
燃料棒の外径と柱状構造体501の外径とオリフィス504の外径をいずれも7.1mmとして、導水領域502の直径を6.1mmとして、オリフィス504の貫通孔の直径を2.8mmとした。
そして、オリフィス504の軸方向の長さを変えた、数種類の構成のそれぞれについて、以下の3点から評価して、柱状構造体501の圧損を、燃料集合体200の燃料領域における圧損と等しくする設計を検討した。
(1)オリフィス504の冷却水の流入口(下端部)における入口圧損
(2)冷却水の出口部(柱状構造体501の上端部)における出口圧損
(3)管径が等しい導水領域502を冷却水が通過する際の圧損
具体的には、オリフィス504の軸方向の長さを1cm〜6cmの範囲で変化させた場合の、柱状構造体501の圧力損失を上記の3点から計算して、その計算値から、燃料集合体200の燃料領域のサブチャンネルの圧力損失に対する相対値を求めた。
検討結果として、図5のオリフィス504の軸方向長さを変化させた際の柱状構造体501の圧力損失を、燃料集合体200の燃料領域のサブチャンネルの圧力損失に対する相対値で示したグラフを、図6に示す。図6において、燃料集合体200の燃料領域のサブチャンネルの圧力損失を太実線11で示し、柱状構造体501(オリフィス504を含む)の圧力損失を細実線12で示す。
図6から、オリフィス504の軸方向の長さを、例えば4cm程度にすることで、オリフィス504を含む柱状構造体501による圧力損失を、燃料集合体200の燃料領域のサブチャンネルにおける圧力損失と同程度にできる。
なお、燃料集合体200の仕様が変更されて圧力損失が変化した場合でも、オリフィス504の貫通孔の直径や軸方向の長さを調節することで、柱状構造体501による圧損を、燃料集合体のサブチャンネルの圧損と等しくすることが可能である。
本実施例の構成によれば、実施例1の構成と同様に、柱状構造体501が図2に示した燃料棒群とチャンネルボックス202の間の間隙に設けられ、燃料棒201の軸方向に沿って柱状に形成されている。
これにより、燃料集合体に冷却水が流入する際に、柱状構造体501によって、冷却水が最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に流入することを抑制することができる。従って、燃料集合体の燃料棒の除熱性を確保することができる。
また、本実施例の構成によれば、柱状構造体501の内部に、蒸気および水を内包することができ、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域502を設ける。
これにより、燃料集合体の最も外側の燃料棒とチャンネルボックスとの間の間隙に柱状構造体501を設置しても、この間隙に導水領域502によって水の領域を確保することができる。従って、燃料集合体の燃料棒の除熱性を確保しながら、炉心の炉停止余裕も確保することが可能である。
また、本実施例の構成によれば、柱状構造体501の下端部が開口されており、導水領域502を下端部から上端部まで貫通させている。これにより、燃料集合体の下端から冷却水が流入する際に、冷却水の一部が柱状構造体501の導水領域502内に流入する。
そして、柱状構造体501の導水領域502に流入した冷却水は、方向503に従い流れることから、柱状構造体501が水を内包しつつ、冷却水の流れ方向を制御することが可能である。
さらに、本実施例の構成によれば、柱状構造体501の下端部に接続して、貫通孔を有するオリフィス504が設置されている。そして、オリフィス504の貫通孔の直径は、柱状構造体501の導水領域502の直径よりも小さい。
これにより、オリフィス504の圧損を調節して、オリフィス504の圧損を燃料集合体のサブチャンネルの圧損と等しくすることが可能であり、燃料集合体の燃料棒の除熱性を十分に確保することが可能になる。
そして、導水領域502の直径がオリフィス504の貫通孔の直径よりも大きいので、冷却水が入る導水領域502の体積を大きくすることができ、炉心の炉停止余裕を十分に確保することが可能になる。
実施例3では、オリフィス504を柱状構造体501の下端に設置した構成であったが、柱状構造体の下端部から上端部までの中間の位置にオリフェスを設置した構成や、オリフィスを複数個所に設置した構成を採用してもよい。これらの構成によっても、実施例3の構成のように、圧損を調節することが可能である。
また、実施例3では、オリフィス504の貫通孔の直径を、柱状構造体501の導水領域502の直径よりも小さい構成としていた。即ち、図示しないが、オリフィス504の貫通孔は、横断面の形状が円形または略円形であった。
オリフィスの貫通孔は、横断面の形状が円形または略円形には限定されない。柱状構造体の導水領域の横断面の面積S1よりも、オリフィスの貫通孔の横断面の面積S2が小さく、貫通孔が導水領域に連続する構成であれば、同様の作用効果が得られる。
なお、本発明は、上述した実施の形態および各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施の形態および各実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
100 改良型沸騰水型原子炉(ABWR)、101 原子炉圧力容器、102 炉心シュラウド、103 炉心、104 シュラウドヘッド、105 気水分離器、106 蒸気乾燥器、107 上部格子板、108 炉心支持板、109 燃料指示金具、110 制御棒案内管、111 制御棒駆動機構、112 下鏡、113 インターナルポンプ、114 ダウンカマ、115 主蒸気配管、116 給水配管、200 燃料集合体、201 燃料棒、202 チャンネルボックス、203 柱状構造体、204 導水領域、205,206,207,208 側壁部、209 第1燃料棒配列、210 第2燃料棒配列、211 第3燃料棒配列、212 第2燃料棒配列の一端に位置する燃料棒、213 第2燃料棒配列の他端に位置する燃料棒、214 制御棒、215 ギャップ水領域、216 水排除板、301,401,501 柱状構造体、302,402,502 導水領域、504 オリフィス

Claims (10)

  1. 原子炉に装荷される燃料集合体であって、
    チャンネルボックスと、
    前記チャンネルボックス内に配置され、核燃料物質を内部に充填している複数の燃料棒と、
    前記複数の燃料棒で構成された燃料棒群と前記チャンネルボックスとの間に配置され、前記燃料棒の軸方向に沿って柱状に形成された、柱状構造体を備え、
    前記柱状構造体の内部に、原子炉の運転時に水蒸気もしくは水で満たされる、導水領域を設けた
    ことを特徴とする燃料集合体。
  2. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記柱状構造体を複数設け、前記複数の柱状構造体のうちの少なくとも1つの柱状構造体が前記チャンネルボックスの内面に隣接していることを特徴とする燃料集合体。
  3. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記燃料棒の軸方向の長さと、前記柱状構造体の軸方向の長さが等しいことを特徴とする燃料集合体。
  4. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記複数の燃料棒および前記柱状構造体は、下部タイプレートによって下端部が支持され、上部タイプレートによって上端部が支持され、前記燃料棒の軸方向に配置された複数の燃料スペーサによって束ねられていることを特徴とする燃料集合体。
  5. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記複数の燃料棒は、前記燃料集合体の横断面において正三角格子状に配置されていることを特徴とする燃料集合体。
  6. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記導水領域の軸方向の長さが、前記燃料集合体の軸方向の長さと等しいことを特徴とする燃料集合体。
  7. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記柱状構造体の軸方向における上端部および下端部が開口されていることを特徴とする燃料集合体。
  8. 請求項1に記載の燃料集合体において、
    前記柱状構造体の軸方向における上端部が開口され、下端部は閉じた底部となっていることを特徴とする燃料集合体。
  9. 請求項7に記載の燃料集合体において、
    前記導水領域の横断面の面積よりも小さい断面積を有する構造物が、前記柱状構造体の下端または前記導水領域の内部に、1つ以上設置されていることを特徴とする燃料集合体。
  10. 請求項1に記載の前記燃料集合体が装荷されている
    ことを特徴とする軽水炉の炉心。
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