JP4416970B2 - 燃料スペーサ及び燃料集合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に外周部の燃料棒の熱的裕度を改善して、限界出力を向上させるように構成した燃料スペーサおよびこのスペーサを組み込んだ燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、沸騰水型原子炉用燃料集合体は図8に示すような構成になっている。すなわち、燃料集合体1は、正方角筒状の燃料チャンネル2内に核燃料を収容した多数本の燃料棒3と核燃料を収容してないウォータロッド4を正方格子状に配列すると共に、それらの上下両端部を上部タイプレート5と下部タイプレート6とによりそれぞれ固定し、その中間部を軸方向に適宜間隔を保持するように設置した複数個の燃料スペーサ7で整列支持している。
【0003】
燃料スペーサ7は燃料棒3およびウォータロッド4を整列支持し、燃料棒3の水平方向の振動を拘束するようになっている。燃料スペーサ7の設計に際して考慮すべきことは、燃料棒3の間隔保持、燃料棒3の熱膨張余裕、燃料集合体組立時の組立容易性、燃料棒3との接触面の最小化、冷却材流動変化を最小にして熱的な限界を最大にすること、および派生する中性子吸収の最小化、さらには運転時の原子炉条件に耐える十分な機械的強度を有すること等である。
【0004】
このような設計仕様を満足させるために、従来から各種の燃料スペーサが提案され実用化されてきたが、その代表的な一例として実公昭48−027360号公報に開示されている図9(a),(b)に示した構造の格子型燃料スペーサ8が公知である。この格子型燃料スペーサ8は長い間使用されてきたもので、図9(a)は格子型燃料スペーサ8の上面図、(b)は(a)の側面図を示している。
図9(a),(b)において、矩形状に形成されたバンド9内に、バー10およびディバイダ11を縦横に配列して格子を形成し、格子内の複数個の升目を燃料棒挿通路12として燃料棒を挿入するが、バー10の各交差部に角形スプリング13を配設することで燃料スペーサ8が構成されている。
【0005】
このバンド9の側面には外向きに突出するローブ(突起)14が一体的に設けられている。このローブ14によりバンド9とそれを取り囲むチャンネルボックス2の間に適切な間隔を持たせるようにしている。
【0006】
バンド9,バー10およびディバイダ11の材質には、ジルコニウムのように中性子吸収断面積が小さい材料が使用されている。一方、角形スプリング13のみは、強度は強いが中性子吸収断面積の大きいばね材料を使用し、その分量を最小限に抑えることで中性子経済上好ましいものとしてある。
【0007】
また、燃料スペーサ部での圧力損失の低減および燃料集合体の限界出力の増加を目的に種々な燃料スペーサが提案されており、その代表的な丸セル型燃料スペーサが例えば特開昭59−065287号公報に開示されており、それを図10(a),(b)に示す。
【0008】
丸セル型燃料スペーサ22は、図10(a),(b)に示すように、矩形状バンド15内に複数の円筒状セル18を互いに点溶接17により連結して配列すると共に、隣接したセル18相互の2つの側面部にスプリング19を配置し、セル18内を燃料棒挿通路16としている。また、図9に示した格子型燃料スペーサ8と同様にバンド15の側面にはローブ20が設けられており、上面には限界出力特性向上を目的としてフロータブ21がそれぞれ複数個配設されている。
【0009】
このような独立したセル18を配列してなる丸セル型燃料スペーサ22は、図8に示した燃料棒3を押圧保持して特にスペーサ構成部材による冷却材流路の閉鎖を回避し、また、セル18の垂直方向の断面形状の変化を制限して、スペーサ部を通過する際での冷却材の流れの大きな変化を制御している。その結果、スペーサ部での圧力損失の増加を制御すると同時に、燃料集合体の限界出力を増加させることができるものとなっている。
【0010】
通常の原子炉運転では、燃料集合体内において外周に配置された燃料棒は発熱量が大きいことから熱的裕度が低いため、その燃料棒へ冷却材を多く供給する必要がある。そこで、チャンネル内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンドにより剥ぎ取り、フロータブによって外周燃料棒へ導くことにより、熱的裕度を向上させていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年、原子力発電プラントにおいては、核燃料経済性の向上と、使用済燃料体数の低減を目的として、燃料集合体1体から取り出せるエネルギーを増大させる高燃焼度化が進められている。高燃焼度化を実現するためには、燃料集合体の平均濃縮度を高める必要があり、炉停止余裕が低下するという支障が生じる。これは、平均濃縮度を高めると、原子炉運転時と停止時の反応度差が拡大し、原子炉停止時の実効増倍率が増大するからである。
【0012】
ここで、原子炉停止時には全ての制御棒が炉心に挿入されていて未臨界状態になっているが、仮に1本の制御棒が挿入されてなくても未臨界であることが安全設計上要求されており、したがって、最も反応度価値の高い制御棒が挿入されなかった場合の未臨界度を炉停止余裕と呼んでいる。
【0013】
この炉停止余裕を改善する最も有効な対策は、燃料棒間ピッチを僅かに小さくし、チャンネルと最外周燃料棒との間隔を広げることである。これは、原子炉停止時において中性子減速過剰領域として働く燃料集合体外周の非沸騰水領域を広げることにより、原子炉停止時の無限増倍率を下げる方法で、炉停止余裕を改善できる。
しかしながら、チャンネルと最外周燃料棒との間隔を広げるために、バンド側面に設けられているローブ高さを増大した場合、バンドとチャンネルとの間隔も広がることになり、バンドにより冷却材を外周燃料棒へ導く効果が低下し、燃料棒冷却に有効に利用できなくなるため、限界出力が低下する可能性がある。
【0014】
本発明は、このような点に鑑み、外周燃料棒の熱的余裕を向上させた燃料スペーサ、特に燃料集合体の高燃焼度化を目指した場合に、炉停止余裕の改善を目的として燃料棒間ピッチを小さくしチャンネルボックスと最外周燃料棒との間隔を広げた燃料集合体においても外周部の燃料棒の熱的裕度を改善して限界出力を向上させた燃料スペーサと、この燃料スペーサを組み込んだ燃料集合体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に係る発明は、複数本の燃料棒と内部に冷却材の一部が流れるウォータロッドとを正方格子状に配列して構成した燃料集合体の軸方向に複数個配列され、ほぼ矩形状に形成されたバンドと、このバンドの内部にバンドと平行する複数のディバイダを設け、このディバイダによって格子状に前記燃料棒の挿入空間を形成し、前記バンドの前記ディバイダと接する位置の冷却材下流側に冷却材を燃料棒側に向ける傾斜したフロータブを突出するように形成した沸騰水型原子炉用燃料集合体の格子型燃料スペーサにおいて、前記バンドの前記ディバイダと接する位置の冷却材上流側に、冷却材を導入するように切り欠きを設けるとともに、前記ディバイダの前記バンドと接する位置の冷却材上流側に、冷却材を導入するように切り欠きを設けたことを特徴とする。
【0016】
しかして、ディバイダのバンドと接する位置の上流側に切り欠きを設けることにより、冷却材の流路面積を大きく確保することができるとともに、バンド上流側で剥ぎ取ったチャンネル内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンド内の切り欠き部が位置する領域に効率よく導くことができる。しかもこの切り欠き部位置の下流側のバンドにフロータブを設けることにより、切り欠き部の位置する領域に導いたバンド内面の液膜や近傍を流れる冷却材を外周燃料棒へ効率よく導くことができ、燃料棒の熱的裕度を向上させることができる。
【0017】
本発明の一つは、前記バンドには、前記ディバイダと接する位置の上流側に切り欠きが設けられていることを特徴とする。本発明によれば、請求項1に係る発明と同様の効果が得られるが、さらに、フロータブの位置する領域の上流部での冷却材の流路面積を大きく確保することができる。
【0018】
本発明の一つは、前記バンドと外周燃料棒との間隔が前記ディバイダと燃料棒との間隔に比べて大きくしてあることを特徴とする。本発明によれば、バンドと外周燃料棒との間隔をディバイダと燃料棒との間隔に比べて大きくとることにより、バンドとチャンネルとの間隔を広げることなく、チャンネルと最外周燃料棒との間隔を広げることができ、バンドがチャンネル内面と近接することにより、特に、バンドによりチャンネル内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンドル内へ効率よく導くことができる等の効果を奏する。
【0019】
本発明の一つは、複数本の燃料棒と内部に冷却材の一部が流れるウォータロッドとを正方格子状に配列して構成した燃料集合体の軸方向に複数個配列され、ほぼ矩形状に形成されたバンドと、このバンド内に配列された円筒状の複数のセルと、このセル内に挿通される前記燃料棒の間隔を保持するスプリングとを有する丸セル型燃料スペーサにおいて、前記バンドには、互いに隣接する外周セルと接する部位間の上流側に切り欠きが設けられるとともに、この切り欠き部位置の下流側には冷却材の流れを燃料棒側に向けるように傾斜したフロータブが突出形成されていることを特徴とする。しかしてこの場合も請求項1に係る発明と同様な効果を奏する。
【0020】
本発明の一つは、前記バンドと外周燃料棒との間隔が前記各セル間の間隔に比べて大きくしてあることを特徴とする。しかして、この発明も、バンドとチャンネルとの間隔を広げることなく、チャンネルと最外周燃料棒との間隔を広げることができ、バンドがチャンネル内面と近接することにより、特に、バンドによりチャンネル内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンドル内へ効率よく導くことができる。
【0021】
本発明の一つは、前記バンドには、前記複数のセルのうち外周セルと接する位置の上下部に内向きの突起が設けられ、この突起が前記外周セルに接合されていることを特徴とする。しかして、本発明によれば、セルの内向きの突起により、バンドとチャンネルとの間隔を広げることなく、チャンネルと最外周燃料棒との間隔を広げることができる。バンドがチャンネル内面と近接することにより、特に、バンドによりチャンネル内面の液膜や近傍を流れる冷却材を外周燃料棒へ効率よく導くことができる。
【0022】
本発明の一つは、前記バンドには、前記複数のセルのうち外周セルと接する位置の上下方向全長にわたって内向きの凸部が設けられ、この凸部が前記外周セルと接合されていることを特徴とする。しかして、本発明によれば、さらに、上下方向全長にわたって凸部を設けているためバンド部の投影面積が小さく、流路抵抗を低くすることができる。
【0023】
本発明の一つは、前記複数のセルのうち前記バンドと接する位置の上下部に外向きの突起が設けられ、この突起が前記バンドに接合されていることを特徴とする。しかして、本発明によれば、セルの外向きの突起により、最外周燃料棒との間隔を広げることができる。
【0024】
本発明の一つは、前記複数のセルのうち前記バンドと接する位置の上下方向全長にわたって外向きの凸部が設けられ、この凸部が前記バンドに接合されていることを特徴とする。この場合も、さらに、上下方向全長にわたって凸部を設けているため外周セル部の投影面積が小さく、流路抵抗を低くすることができる。
【0025】
請求項2に係る発明は、複数本の燃料棒と内部に冷却材の一部が流れるウォータロッドとを正方格子状に配列して構成した燃料集合体において、請求項1に記載の燃料スペーサを燃料集合体の軸方向の上部領域に組み込んでなることを特徴とする。しかして、この燃料集合体においては、上記スペーサによる効果を奏し、外周部の燃料棒の熱的裕度を改善して限界出力を向上させることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1(a)、(b)は本発明に係る燃料スペーサの第1の実施の形態を示す要部上面図及び要部側面図であって、図9に示した格子型燃料スペーサ8と基本的には同様の構造をしているが、本実施の形態に係る格子型燃料スペーサ32は、ディバイダ11の形状が改良されている。したがって、本実施の形態では従来例と異なった部分のみを説明し、スペーサの全体的な構造は図9(a),(b)とほぼ同様なのでその説明は省略する。
【0027】
図1(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、本実施の形態に係る格子型燃料スペーサ32においては、ディバイダ11がバンド9と接する位置の上流側において、そのディバイダ11にバンド9側に向かって上方に傾斜する切り欠き24が設けられており、この切り欠き24部の位置の下流側にはバンド9にバンドの内面側に傾斜されたフロータブ23が形成されている。また、バンド9の内面には外周の燃料棒と対応する位置に突起9aが形成されており、その突起9aにより外周の燃料棒が支持され、バンド9と外周燃料棒31との間隔がディバイダ11と燃料棒31との間隔に比べて大きくなるようにしてある。
【0028】
つぎに、本実施の形態による作用を説明する。格子型燃料スペーサ32においては、ディバイダ11のバンド9と接する位置の上流側に切り欠き24が設けられていることにより、切り欠き24部が位置する領域に冷却材の流路面積を大きく確保することができ、バンド9の上流側で剥ぎ取られた冷却材がバンド9内の切り欠き24部が位置する領域に効率よく導かれる。この切り欠き24部位置の下流側にはバンド9にフロータブ23を設けられているので、切り欠き24部が位置する領域に導かれたバンド内面の液膜や近傍を流れる冷却材が外周燃料棒31の方向に効率よく導かれ、燃料棒の熱的裕度が向上する。
【0029】
また、炉停止余裕の改善を目的として燃料棒間ピッチを小さくしチャンネル2と最外周燃料棒との間隔を広げる際に、燃料スペーサのローブ14を高くするとチャンネル2内面とバンド9の間隔が広がるため、バンド9によりチャンネル内面近傍を流れる冷却材を剥ぎ取ることができず、外周燃料棒31への冷却効果が低下する。
【0030】
しかしながら、上記格子型燃料スペーサ32においては、バンド9に設けた突起9aにより、バンド9と外周燃料棒31との間隔をディバイダ11と燃料棒31との間隔に比べて大きくとることができ、バンド9がチャンネル2内面と近接するため、バンド9によりチャンネル2内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンド9内へ効率よく導くことができる。さらに、ディバイダ11のバンド9と接する位置の上流側に切り欠き24が設けられていることにより、切り欠き24部が位置する領域の冷却材の流路面積を大きく確保することができるため、バンド9上流側で剥ぎ取った冷却材をバンド9内の切り欠き24部の位置する領域に効率よく導くことができる。しかも、この切り欠き24部位置の下流側にはバンド9にフロータブ23を設けることにより、切り欠き24部の位置する領域に導いたバンド9の内面の液膜や近傍を流れる冷却材を外周燃料棒31へ効率よく導くことができ、燃料棒の熱的裕度が向上する。
【0031】
つぎに図2は、本発明の第2の実施の形態を示す図であり、第1実施の形態の変形例である。したがって、第1実施の形態と同様の作用と効果については、説明を省略して相違部分のみを説明する。
【0032】
図2(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、格子型燃料スペーサ33には、バンド9がディバイダ11と接する位置の上流側において、そのバンド9に切り欠き25が設けられており、この切り欠き25部の位置の下流側にはバンド9にフロータブ23が形成されている。
【0033】
しかして、この実施の形態も第1の実施の形態とほぼ同様の作用を奏するとともに、第1の実施の形態と比べて、さらに、フロータブの位置する領域の上流部で冷却材の流路面積を大きく確保することができる。
【0034】
また、図2(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、この実施の形態に係る格子型燃料スペーサ33に於いても、さらに、バンド9と外周燃料棒31との間隔がディバイダ11と燃料棒31との間隔に比べて大きくなるようにバンド9が配設されている。しかして、この場合も図1に示すものと同様な作用効果を奏する。
【0035】
つぎに図3は本発明の第3の実施の形態を示す図であり、図10に示した丸セル型燃料スペーサ22と基本的には同様の構造をしているが、本実施の形態に係る丸セル型燃料スペーサ34は、バンド15の形状が改良されている。したがって、本実施の形態では従来例と異なった部分のみを説明し、スペーサの全体的な構造は図10(a),(b)とほぼ同様なのでその説明は省略する。
【0036】
図3(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、本実施の形態に係る丸セル型燃料スペーサ34では、バンド15には、そのバンド15が互いに隣接する外周セル18と接する部位の中間部の上流側に切り欠き27が設けられており、この切り欠き27部位置の下流側にはバンド15にフロータブ23が形成されている。
【0037】
しかして、この丸セル型燃料スペーサ34においては、バンド15の外周セル18と接する部位と部位間の上流側に切り欠き27を設けることにより、切り欠き27部の位置する領域の冷却材の流路面積が大きく確保されるため、チャンネル2内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンド15内の切り欠き部27の位置する領域に効率よく導くことができる。さらに、この切り欠き27部位置の下流側にはバンド15にフロータブ21が設けられていることにより、切り欠き27部の位置する領域に導いたバンド15内面の液膜や近傍を流れる冷却材が外周燃料棒31へ効率よく導かれ、燃料棒の熱的裕度が向上する。
【0038】
つぎに図4は、本発明の第4の実施の形態を示す図であり、第3の実施の形態の変形例である。したがって、第3の実施の形態と同様の作用と効果については、説明を省略して相違部分のみを説明する。
【0039】
図4(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、本実施の形態に係る丸セル型燃料スペーサ35においては、バンド15に、その外周セル18と接する位置の上下部に内向きの突起26が設けられ、この突起26と外周セル18とは上下部で点溶接により接合されている。バンド15の突起26と突起26の間に位置する上流側には切り欠き27が設けられており、この切り欠き27部位置の下流側にはバンド15にフロータブ23が形成されている。
【0040】
しかして、この丸セル型燃料スペーサ35においては、外周セル18と接する位置のバンド15上下部に内向きの突起26が設けられ、この突起26部と外周セル18とを溶接することにより、バンド15とチャンネル2の間隔を広げることなく、チャンネル2と最外周燃料棒31との間隔を広げることができる。バンド15がチャンネル2内面と近接することにより、バンド15によりチャンネル2内面の液膜や近傍を流れる冷却材がバンド15内へ効率よく導かれる。さらに、バンド15の突起26と突起26の間に位置する上流側に切り欠き27を設けることにより、切り欠き27部の位置する領域の冷却材の流路面積を大きく確保することができるため、バンド15上流側で剥ぎ取ったチャンネル2内面の冷却材をバンド15内の切り欠き部27の位置する領域に効率よく導くことができる。この切り欠き27部位置の下流側にはバンド15にフロータブ21を設けることにより、切り欠き27部の位置する領域に導いたバンド15内面の液膜や近傍を流れる冷却材を外周燃料棒31へ効率よく導くことができ、燃料棒の熱的裕度が向上する。
【0041】
つぎに図5により本発明の第5の実施の形態を説明する。第5の実施の形態は第4の実施の形態の変形例である。したがって、第4の実施の形態と同様の作用と効果については、説明を省略して相違部分のみ説明する。
【0042】
図5(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、丸セル型燃料スペーサ36は、バンド15の外周セル18と接する位置の上下方向全長にわたって内向きの凸部28が設けられ、この凸部28と外周セル18とは上下部で点溶接により接合されている。
【0043】
本実施の形態による作用は、第4の実施の形態とほぼ同様であるが、第4の実施の形態と比べて、上下方向全長にわたって凸部28を設けているため、バンド15部の投影面積を小さくし、流路抵抗を低くすることができる。
【0044】
次に図6により本発明の第6の実施の形態を説明する。第6の実施の形態は第4の実施の形態の変形例である。したがって、第4の実施の形態と同様の作用と効果については、説明を省略して相違部分のみを説明する。
【0045】
図6(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、丸セル型燃料スペーサ37は、外周セル18のうちバンド15と接する位置の上下部に外向きの突起29が設けられ、この突起29とバンド15とが上下部で点溶接により接合されている。
【0046】
本実施の形態による作用は、第4の実施の形態とほぼ同様であるが、第4の実施または第5の実施の形態のようにバンド15側に突起などを設けるのではなく、外周セル18側に突起29を設けることにより、バンド15は従来と同一とすることができる。
【0047】
つぎに図7により本発明の第7の実施の形態を説明する。第7の実施の形態は第6の実施の形態の変形例である。したがって、第6の実施の形態と同様の作用と効果については、説明を省略して相違部分のみを説明する。
【0048】
図7(a)の要部上面図および(b)の要部側面図に示すように、丸セル型燃料スペーサ38は、外周セル18のうちバンド15と接する位置の上下方向全長にわたって外向きの凸部30が設けられ、この凸部30とバンド15は上下部で点溶接により接合されている。
【0049】
本実施の形態による作用は、第6の実施の形態とほぼ同様であるが、第6の実施の形態と比べて、上下方向全長にわたって凸部を設けているため、セル18部の投影面積を小さくし、流路抵抗を低くすることができる。
【0050】
このようにバンド或いはセルに突起、凸部を有し、バンドとディバイダとが接触する位置の上流側にバンド及びディバイダに切り欠きを設けこの切り欠き部の下流側ではバンドにフロータブを形成した燃料スペーサは、燃料集合体の軸方向に複数個配置することができる。
【0051】
この燃料集合体は、第1の実施の形態から第7の実施の形態の燃料スペーサのうち1種類もしくは2種類以上組み合わせて軸方向に配置することができ、この形態においては、第1の実施の形態から第7の実施の形態と同様の作用効果を奏するが、限界出力の厳しい軸方向上部においては第1の実施の形態或いは第4の実施の形態或いは第6の実施の形態の燃料スペーサを配置し、軸方向下部では第1の実施の形態あるいは第4の実施の形態あるいは第6の実施の形態に比べて圧力損失の小さい第2の実施の形態或いは第5の実施の形態或いは第7の実施の形態の燃料スペーサを配置することなどにより、安定性および限界出力に優れた特性を有することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、上述のように、バンドとディバイダとが接する位置の上流側においてバンド或いはさらにディバイダに切り欠きを設けることにより、この切り欠き部の位置する領域近傍に冷却材の流路面積を大きく確保することができ、切り欠きの位置の下流側のバンドにフロータブを設けることにより、切り欠き部の位置する領域に導いたバンド内面の液膜や近傍を流れる冷却材を外周燃料棒へ効率よく導くことができ、燃料棒の熱的裕度が向上させることができる。さらに、燃料集合体の高燃焼度化を目指した場合に、炉停止余裕の改善を目的として燃料棒間ピッチを小さくし、バンドとチャンネルとの間隔を広げることなくチャンネルボックスと最外周燃料棒との間隔を広げた燃料集合体においては、バンドがチャンネル内面と近接することにより、バンドによりチャンネル内面の液膜や近傍を流れる冷却材をバンド内へ効率よく導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る格子型燃料スペーサの第1実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図2】(a)は本発明に係る格子型燃料スペーサの第2実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図3】(a)は本発明に係る丸セル型燃料スペーサの第3実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図4】(a)は本発明に係る丸セル型燃料スペーサの第4実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図5】(a)は本発明に係る丸セル型燃料スペーサの第5実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図6】(a)は本発明に係る丸セル型燃料スペーサの第6実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図7】(a)は本発明に係る丸セル型燃料スペーサの第7実施の形態のバンドと外周セルの要部を示す上面図、(b)は(a)の側面図。
【図8】一般的な燃料集合体を示す縦断面図
【図9】(a)は従来の格子型燃料スペーサを示す上面図、(b)は(a)において一部断面で示す側面図。
【図10】(a)は従来の丸セル型燃料スペーサを示す上面図、(b)は(a)において一部断面で示す側面図。
【符号の説明】
1 燃料集合体
2 チャンネル
3 燃料棒
4 ウォータロッド
5 上部タイプレート
6 下部タイプレート
7 燃料スペーサ
8 格子型燃料スペーサ
9,15 バンド
10 バー
11 ディバイダ
12,16 燃料棒挿通路
13 角形スプリング
14,20 ローブ
17 点溶接部
18 セル
19 スプリング
21,23 フロータブ
22 丸セル型燃料スペーサ
24,25,27 切り欠き
26 内向き突起
28 内向き凸部
29 外向き突起
30 外向き凸部
31 外周燃料棒
32,33 本発明の格子型燃料スペーサ

Claims (2)

  1. 複数本の燃料棒と内部に冷却材の一部が流れるウォータロッドとを正方格子状に配列して構成した燃料集合体の軸方向に複数個配列され、ほぼ矩形状に形成されたバンドと、このバンドの内部にバンドと平行する複数のディバイダを設け、このディバイダによって格子状に前記燃料棒の挿入空間を形成し、前記バンドの前記ディバイダと接する位置の冷却材下流側に冷却材を燃料棒側に向ける傾斜したフロータブを突出するように形成した沸騰水型原子炉用燃料集合体の格子型燃料スペーサにおいて、
    前記バンドの前記ディバイダと接する位置の冷却材上流側に、冷却材を導入するように切り欠きを設けるとともに、前記ディバイダの前記バンドと接する位置の冷却材上流側に、冷却材を導入するように切り欠きを設けたことを特徴とする燃料スペーサ。
  2. 複数本の燃料棒と内部に冷却材の一部が流れるウォータロッドとを正方格子状に配列して構成した燃料集合体において、請求項1に記載の燃料スペーサを燃料集合体の軸方向の上部領域に組み込んでなることを特徴とする燃料集合体。
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