JP4190823B2 - 沸騰水型原子炉の燃料集合体及び沸騰水型原子炉 - Google Patents

沸騰水型原子炉の燃料集合体及び沸騰水型原子炉 Download PDF

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核燃料集合体、及びそれらの燃料集合体を装荷した沸騰水型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉力プラント(以下、「BWR」という)においては、図8に示すように原子炉格納容器1内に原子炉圧力容器2が設けられており、この原子炉圧力容器2内には複数の燃料集合体及び制御棒等からなる炉心3が配設されているとともに冷却材(例えば水)4が収容されている。冷却材4は再循環ポンプ5を有する再循環系6により強制循環されており、炉心3でウラン235(以下、(U235)と記す)の核分裂により発生した熱を受けることにより飽和水と飽和蒸気が混合した状態となり、炉心上部に移動する。そして、図示しない気水分離器及び蒸気乾燥器により乾燥状態となり、原子炉圧力容器2に接続された主蒸気配管系7を介してタービン8に送られタービン8を駆動させる。このタービン8の駆動により発電機9が回転され発電する。タービン8で仕事をした蒸気は復水器10内に導入されて復水となり、復水ポンプ11により給水加熱器12に送られそこで昇温された後に給水ポンプ13により再度原子炉圧力容器2内に供給される。
【0003】
沸騰水型原子炉の炉心は、より具体的には、図9に示すように構成されている。炉心内には複数の燃料集合体20が挿入されており、4本の燃料集合体20の中央部には制御棒21が配設されている。また、炉心内には中性子束を検出するために複数個の局部出力領域モニタ22が配置されている。
【0004】
従来沸騰水型原子炉に採用されている燃料集合体20は、図10(a)、(b)に示されている9×9燃料集合体の例のように、上部タイプレート23及び下部タイプレート24、これらのタイプレートに両端が保持される複数の燃料棒25、及びウォータロッド26、これらの燃料を束ねる燃料スペーサ27、及び燃料スペーサ27で束ねられた燃料棒束を取り囲み上部タイプレート23に取り付けられるチャンネルボックス28を備えている。燃料棒としては、高さが上部タイプレート23まで達しない部分長の燃料棒29が採用される場合もある。そして上記燃料集合体20は、原子炉の炉心に格子状に装荷されるのが普通である。
【0005】
BWRのチャンネルボックス28は、図11に示すように縦に長い薄肉の筒であり、その断面は、通常、コーナー部に半径約1cmの曲率の四分割円を有する、約13cm四方の擬似正方形である。その材質としては、ジルカロイが用いられる場合が多く、肉厚は、2mm〜3mm程度である。現在商用BWRで使用されている燃料集合体用のチャンネルボックスは、一般的に、コの字状に成形した2枚の金属板を、チャンネルボックス側面中央部の縦方向に溶接し、箱型とすることにより製造されている。
【0006】
さらに、各燃料集合体20は、図12に示すように、炉心支持板30及び上部格子板31で支持され、円筒形のシュラウド32に囲まれている。冷却材4は、下方より、燃料支持金具33のオリフィス及び下部タイプレート24を経由してチャンネルボックス28内に流入し、燃料集合体により熱せられ、沸騰により蒸気(ボイド)を発生し、気液二相流となる。現在運転されている商用BWRでの燃料集合体有効長さは、約3.7mである。このとき、一部の冷却材は、下部タイプレート24に開けられた小孔(リークホール)等を通って、チャンネルボックス28の外側(バイパス領域)に流れ込む。バイパス領域の入口では大きな圧力損失が発生するため、チャンネルボックス28の内側と外側を流れる冷却材では圧力差が生じる。特に、冷却材圧力が高くなっているチャンネルボックス28の入口部で、相対的に前記内外差圧の効果は大きくなっている。そのため、チャンネルボックス28は、その内外の冷却材圧力の違いによる内側から外側に対する力が働くこと、及び、制御棒ローラーの接触面になることを考慮して、強度設計がなされている。
【0007】
以上のような沸騰水型原子炉における燃料集合体としては、国内で商用の発電が行われて以来、7行7列型、8行8列型、改良8行8列型、高燃焼度8行8列型、そして9行9列型が採用されるに至っている。これらの改良により集合体当たりの核分裂性物質の収容量が増加し、集合体内濃縮度分布の最適化と可燃性毒物の最適配置により、高燃焼度化と長期運転サイクル化が実現され、炉心の経済性は向上している。高燃焼度8×8燃料から9×9燃料では、燃料棒が燃料棒本数の増加によって総伝熱面積が増加するため、限界出力特性が改善される。
【0008】
ここで、限界出力特性とは、与えられた運転条件下(出力、流量、圧力、入口エンタルピ)で、当該燃料集合体にて遷移沸騰が発生する出力閾値の高低を意味する。限界出力特性は、燃料集合体格子数(例えば8×8、9×9)の他に、炉心燃料格子形状、スペーサタイプ、ウォータロッド本数・形状・配置等によっても影響を受ける。このため、新燃料集合体の開発に当たっては、通常、実寸の模擬燃料集合体に対して、BWR運転条件下での熱水力試験を行い、限界出力特性を確認している。さらに、試験結果は、BWR燃料集合体についての熱水力解析コードを用いることにより、「限界クオリティ対沸騰長さ」のタイプの沸騰遷移相関式に整理される。その代表的なものとして米国GE社が開発したGEXL相関式であり、現在運転中の商用BWRでは、燃料集合体タイプ毎に求められたGEXL相関式を基にして、定常運転時の最小限界出力比(Minimum Critical Power Ratio、以下MCPRと記す)と、過渡時のMCPR変化量(ΔMCPR)が評価される場合が多い。
【0009】
BWR燃料集合体の限界出力試験と、GEXL相関式については、公開文献1“TLR−009(改訂4)「沸騰水型原子力発電所 GETABの概要、平成10年1月 株式会社東芝」”、または、公開文献2“HLR−007(訂4)「沸騰水形原子力発電所 原子炉の熱特性評価法(GETAB)について、平成9年12月 株式会社日立製作所」”に詳しい。また、炉心燃料格子形状については、公開文献3“TLR−056「沸騰水型原子力発電所“炉心燃料格子形状”、平成6年4月 株式会社東芝」”、または、公開文献4“HLR−049「沸騰水型原子力発電所“炉心燃料格子形状”、平成6年4月 株式会社日立製作所」”に具体的な記載がある。
【0010】
図10記載のように、燃料棒25及びウォータロッド26は上下方向にわたり燃料スペーサ27で等間隔に保持され、上下両端部は上部タイプレート23及び下部タイプレート24で固定されて燃料棒束を構成している。この燃料棒束の外側は角筒状チャンネルボックス28で包囲されている。
【0011】
チャンネルボックス28内を流れる冷却材は下部からチャンネルボックス28内を上昇すると共に燃料棒25により加熱され、沸騰して液相と気相からなる気液二相流となって上部を通過する。その際、気相は主として、燃料棒25に挟まれた比較的広い流路中を流れ、液相は一部が気相に随伴して流れ、その一部は燃料棒25の表面を流れる。
【0012】
図13に示すように、チャンネルボックス28の下端近傍は冷却材が飽和温度以下から飽和温度にまで加熱される領域Aであり、チャンネルボックス内部には蒸気は存在せず水が充満している。チャンネルボックス内部の軸方向の大半の領域Bでは冷却材流は蒸気と水の混合物からなり、チャンネルボックス28の内壁および各燃料棒25の表面には水の液膜35が形成される。軸方向に上方に行くに従って冷却材は蒸気、液滴36となり、燃料棒25からの加熱により発生した蒸気37の冷却材流の中で占める体積が増え、燃料棒表面に接する液膜35の厚さは減少する。もし、燃料棒25に接する液膜35の厚さが過小でその燃料棒25の発熱が大きいときは、冷却効率が低下して燃料棒25が過熱状態になり、極端な場合には遷移沸騰を経て膜沸騰状態に至り燃料棒25が破損する可能性が生じる。原子炉は、いかなる事態においてもこのような状況にならないように設計されなければならない。一方、燃料棒25と異なりチャンネルボックス28はほとんど発熱しないので、チャンネルボックス28の内壁の液膜は厚いままで上方に流れる。
【0013】
燃料棒25の表面を流れる液相が減少すると、燃料棒表面の熱伝達率が低下し(沸騰遷移開始)、過熱が起こるおそれがある。このような燃料棒表面の過熱状態(限界出力)を生じさせないために、冷却材混合による燃料棒表面への液相の供給の観点から限界出力の増加方法が提案されている。
【0014】
例えば、特公平8−27364「燃料集合体」では、燃料棒25の冷却に使われる冷却材割合を増加して冷却効率を増加させるために、燃料棒25の冷却に寄与していないチャンネルボックス28の表面を流れる液相を燃料棒25に振り向ける作用を有する図14に示したような横溝状フロートリッパ38をチャンネルボックス28の内壁に設けることが開示されている。この横溝状フロートリッパ38はチャンネル出口方向に対して削り量が増加する複数の溝状を呈しており、チャンネルボックス28の内面を流れる液膜35にチャンネルボックス28から離れる方向の速度を与えることにより、燃料棒25の冷却に使われる冷却材割合を増加させる効果がある。図14に詳細に示すように、チャンネルボックス28の側面壁の横溝状フロートリッパ38はテ―パ―部38aとエッジ部38bとからなっている。側面壁の表面に形成した液膜35は、テ―パ―部38aに沿って下から上に向かって流れ、エッジ部38bにぶつかるとそこで方向を変え、水滴36となって燃料棒25の方へ飛ばされる。この水滴36が燃料棒25に付着してその液膜35を厚くすることによって燃料棒25の冷却効率を高める。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記燃料集合体においては、フロートリッパの加工位置は側面部とされている。また、コーナー部に沿うように、溝状、または、土手状のフロートリッパを取付けることも可能であるが、従来のコ字状の2枚一組の板を使用して“折り曲げ+溶接方式”によるチャンネルボックスの製作では、コーナー部形成時にフロートリッパ部に歪みが発生する可能性が強い。さらに、溝状のフロートリッパを取付ける場合には、チャンネルボックスの強度が多少なりとも低下する方向となる。
【0016】
本発明は、このような点に鑑み、燃料集合体において、製作が容易で、且つ、チャンネルボックスの強度が増加するフロートリッパをチャンネルの内壁に設けることにより、限界出力の向上を実現できる燃料集合体を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、正方格子状に配列された複数本の燃料棒と一本若しくは複数本の水ロッドとをスペーサにより束状に保持し、その束状の燃料棒をチャンネルボックスにより囲んだ沸騰水型原子炉の燃料集合体において、上記チャンネルボックスをそれぞれ別個に制作された四隅のコーナ部材と四辺の側板を互いに結合することにより形成するとともに、上記チャンネルボックスの内面に、スペーサの個数と高さに合わせて、上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるような上方に向かって傾斜するテーパ面を有し、先端部がエッジ形状をした水平方向に延びる複数のフロートリッパを設けたことを特徴とする。
【0018】
しかして、チャンネルボックスの強度上の問題が生じること無く、且つ、制御棒等の既存設備の変更無しに、所期の目的を達成することができる。
【0019】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1〜図3は、本発明の燃料集合体における第1の実施の形態を示す図であって、図1(a)は、燃料集合体の、高さ方向1/2〜2/2での断面図、図1(b)は、同じく高さ方向0〜1/2での断面図を示したものである。燃料集合体40は10×10格子に構成されており、図10に示した9×9燃料集合体の構造と同様にして、上部タイプレートおよび下部タイプレートに両端部が保持される複数の燃料棒25(被覆管外径約10mm×有効長約3.7m)、ウォータボックス(W)41、及びこれらの燃料棒25とウォータボックス41の相互の間隔を保持する合計7個の燃料スペーサ(下から上に向かって、第1スペーサ〜第7スペーサと称する)を備えている。この場合、燃料棒25は、所定のピッチで格子状に配置されるが、コーナー部の各1本、合計4本の燃料棒25は配置されていない。
【0021】
上部タイプレートに取付けられたチャンネルボックス42は燃料棒束を取り囲み、下方に向かって延びている。チャンネルボックス42の下端部はその形状に合わせられた下部タイプレートの上面より下方に達し、下部タイプレートを囲んでいる。ここで図1(a)、(b)及び図2(a)に示すように燃料集合体40のチャンネルボックス42は、チャンネルボックス42の四隅を形成する4個のコーナ部材43と四辺を形成する側板44とから構成されており、各側板44の左右両側縁には凸条44aが設けられ、他方各コーナ部材43の両側縁には左右両側縁に凹条43aが設けられており、上記各側板44の凸条44aと各コーナ部材43の凹条43aとを係合することにより、側板44を部分的に内側からも覆うように側板44とコーナ部材43とが連結され、筒状に形成されている。この場合、コーナー部の燃料棒25を取り除いたことに伴い、チャンネルボックス42は、互いに向かい合った辺の長さが等しく、隣接した辺の長さが異なる擬似八角形を形成している。
【0022】
図2(a)は上記チャンネルボックス42の斜視図、(b)、(c)、(d)はそれぞれ(a)のA、B、Cにおける平断面図であり、燃料集合体有効長の高さ方向に0〜1/2の間においてだけ、側板44の端縁部の内外両面がコーナ部材43の凹条43a部により覆われている。
【0023】
ところで、図3に示すように、コーナ部材43の内面側には、第5スペーサ45a〜第7スペーサ45cの下端高さから数mm下に合わせて、各スペーサ部の下方位置において、上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるように上方に向かって傾斜するテーパ面を有し、水平方向に延びる突条のフロートリッパ46が形成されている。フロートリッパの上端部は、コーナ部材43の内面に対して約1mm高くなったエッジ(刃形)を形成している。また、フロートリッパ46は、やはり水平方向に張り出しており、図2(c)に示すように側板44を部分的に内側から覆っている。この場合、チャンネルボックス42は、組立て後のチャンネルボックスの強度をさらに増す必要があるときには、例えば、図2(a)のコーナ部材と側板との接触面である点イ,ロ,ハ,ニで溶接を施せば良い(図2では縦1列の4箇所のみ示したが、他の接触面と合わせて計8列×4箇所も同様に溶接する)。
【0024】
しかして、チャンネルボックス42特にコーナ部材43の内面の沿って流れる冷却材が上記フロートリッパ46により燃料棒25側に向けられ、冷却効率の改善が行われる。これはスペーサ45による冷却材(水・蒸気の二相流)の攪拌、液滴の下流側への飛散、そして、燃料棒25への付着によって得られる効果と本質的には同じものである。スペーサ45による二相流の攪拌に起因する燃料棒への液滴の付着は、スペーサ上端位置から離れる程、量が小さくなることから、フロートリッパ46により、スペーサ外周部下端からやや上流付近での液滴の付着を促すことで、特に、コーナー部2本(×4)の燃料棒の限界出力特性が大幅に向上する。このようにして製造されたチャンネルボックスと燃料集合体を、炉心に装荷した場合には、外部のコーナー部の広くなった空間に水が沸騰せずに多く流れるのでボイド反応度が小さくなり、また、原子炉の停止余裕を大きくできる効果も得られる。
【0025】
図4〜図6は本発明の第2の実施の形態の燃料集合体50を示す図であり、チャンネルボックス51は、それぞれ個別に製作された四隅(コーナー部)に位置する4個のコーナ部材52と、四辺を形成する側板53とから構成されている。コーナ部材52における両側部から側板53と平行方向に張り出している拡張片52aの側端面には、長手方向のスリット52aが設けられており、そのスリット52a内に側板53の左右両端部がそれぞれ挿入係合され、側板53の左右両端部が部分的に外側と内側の両方から覆われている。そして、上記各側板53に設けられた凸部53aがコーナ部材52に設けられた凹部52bに係合されている。
【0026】
図4(a)は、燃料集合体の高さ方向1/2〜2/2での断面図、図4(b)は、同じく高さ方向0〜1/2での断面図を示したものであって、燃料集合体の下半部においては拡張片52aにより側板53の内外両面が覆われている。
【0027】
燃料集合体の高さ方向1/2〜2/2の間では、コーナ部材52の内面に、図5に示すように、第5スペーサ45a〜第7スペーサ45cの下端高さから数mm下に合わせて、スペーサ部の下方位置において、上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるようなテーパ面を有し、水平方向に延びる突条のフロートリッパ54aが形成されている。フロートリッパ54aの上端部は、コーナ部材52の内面に対して約1mm高くなったエッジ(刃形)を形成している。また、フロートリッパ54aはやはり水平方向に張り出しており、図4(a)に示すように側板53を部分的に内側から覆っている。
【0028】
さらに、本実施の形態では、側板53に対してもフロートリッパ54bが設けられている。側板53のフロートリッパ54bは、図5に示すように、第4〜第5スペーサ間に1個(×4)、第5〜第6スペーサ間、第6〜第7スペーサ間にはそれぞれ2個(×4)が設けられている。ここで、第5〜第7スペーサ位置の下端に近接しているフロートリッパについては、コーナ部材52、側板53共に、同じ高さ、同じ上向き角度にてフロートリッパが設けられている。したがって、本例では、コーナー部2本(×4)の燃料棒のみならず、外周部6本(×4)のフロートリッパによって限界出力特性が大幅に向上する。
【0029】
図6及び図7は、第3の実施の形態の燃料集合体60を示す図であり、第2の実施の形態と同様にチャンネルボックス62が、個別に製作された四隅(コーナー部)に位置する4個のコーナ部材63と、四辺を形成する側板64とから構成されている。このチャンネルボックス62においても、互いに直交する方向に張り出された拡張片63a、63aがコーナ部材63の両側部に設けられ、その拡張片63a、63aの内面に段部63aが形成されており、その段部63aを側板64の両側部に係合させることにより側板64を部分的に外側から覆うように構成され、コーナ部材63と側板64が溶接されている。そして、図6のチャンネルボックス62の断面は、従来のBWR燃料集合体のチャンネルボックスと同じく、擬似正方形となっている。図6(a)は、燃料集合体の、高さ方向1/2〜2/2での断面図、図6(b)は、同じく高さ方向0〜1/2での断面図を示したものである。
【0030】
本例では、図7に示すように、燃料集合体は8個のスペーサにて固定されている。燃料集合体有効長の高さ方向に1/2〜2/2間においてはコーナ部材63のコーナ部内面に、第5スペーサ〜第8スペーサの下端高さから数mm下に合わせて、スペーサ部の下方部に水平方向に延びる溝65が形成され、その溝65の上面部に上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるようなテーパ面66を有するフロートリッパ67が形成されている。
【0031】
しかして、コーナ部材63の内面における液膜が、上記フロートリッパ67により燃料棒外面の液膜が薄くなるスペーサ下端部に向かってより確実に飛散するようになる。したがって、特に、コーナー部1本(×4)の燃料棒の限界出力特性が大幅に向上する。なお、コーナ部材には、側板と比べて十分な厚みが確保されているため、溝部を設けた場合でも、チャンネルボックスの強度は確保される。
【0032】
上述した例以外にも、フロートリッパのエッジ部の上向き角度、形状を、コーナ部材と側板で変えることにより、燃料集合体外周部の除熱特性を最適化することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に於いては、チャンネルボックスの内面に、スペーサの個数と高さに合わせて、上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるようなテーパ面を有し、先端部がエッジ形状をした水平方向に延びる複数のフロートリッパを設けたので、チャンネルボックスの内面の液膜が上記フロートリッパにより特にスペーサ下端部に向かって向きが変えられ、水滴として燃料棒の方に飛散され、燃料棒表面の冷却効果が高められ、燃料集合体外周部の限界出力を大幅に向上させることができる。しかも、チャンネルボックスが別個に制作されたコーナ部材と側板とを結合することにより形成されているので、コーナ部へのフロートリッパの成形加工が容易となり、従来型チャンネルボックスに対しては設置が難しかったコーナ部へも、側面部と同様にしてフロートリッパを設けることができる等の効果を奏する。また、フロートリッパ部が側板を内側からも部分的に覆うようにした場合には、チャンネルボックスの内側から外側に対して働く力に対する強度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明の燃料集合体の第1の実施の形態を示す構成図であり、(a)は、燃料集合体の高さ方向1/2〜2/2での断面図、(b)は、同じく高さ方向0〜1/2での断面図。
【図2】(a)は上記第1の実施の形態におけるチャンネルボックスの斜視図、(b)、(c)、(d)はそれぞれ(a)におけるA部、B部、C部の断面図。
【図3】第1の実施の形態におけるチャンネルボックスと燃料集合体スペーサの位置関係を示す図。
【図4】(a)、(b)は、本発明の燃料集合体の第2の実施の形態を示す構成図であり、(a)は、燃料集合体の高さ方向1/2〜2/2での断面図、(b)は、同じく高さ方向0〜1/2での断面図。
【図5】第2の実施の形態におけるチャンネルボックスと燃料集合体スペーサの位置関係を示す図。
【図6】(a)、(b)は、本発明の燃料集合体の第3の実施の形態を示す構成図であり、(a)は、燃料集合体の高さ方向1/2〜2/2での断面図、(b)は、同じく高さ方向0〜1/2での断面図。
【図7】第3の実施の形態におけるチャンネルボックスと燃料集合体スペーサの位置関係を示す図。
【図8】原子力プラントの概略構成を示す図。
【図9】沸騰水型原子炉の炉心全体の部分断面図。
【図10】(a)は沸騰水型原子炉の燃料集合体の縦断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図。
【図11】従来のチャンネルボックスの斜視図。
【図12】沸騰水型原子炉の炉心シュラウドと集合体配置の関係図。
【図13】チャンネルボックス側面での冷却材の流れを示す模式図。
【図14】フロートリッパーを有するチャンネルボックス側面近傍の冷却材の詳細な流れを示す模式図。
【符号の説明】
20 燃料集合体
25 燃料棒
27 燃料スペーサ
28 チャンネルボックス
40、50、60 燃料集合体
41 ウォータボックス
42、51、62 チャンネルボックス
43、52、63 コーナ部材
43a 凹条
44、53、64 側板
44a 凸条
45a、45b、45c スペーサ
46、54a、54b、54c、67 フロートリッパ
52a 拡張片
53a 突部
66 テーパ面

Claims (7)

  1. 正方格子状に配列された複数本の燃料棒と一本若しくは複数本の水ロッドとをスペーサにより束状に保持し、その束状の燃料棒をチャンネルボックスにより囲んだ沸騰水型原子炉の燃料集合体において、
    上記チャンネルボックスをそれぞれ別個に制作された四隅のコーナ部材と四辺の側板によって構成し、
    上記コーナ部材はその左右両側に上記側板と平行方向に張り出された拡張片が形成されており、燃料集合体有効長の高さ方向に0から1/2の間においてはその拡張片に長手方向に延びるスリットを形成し、そのスリットに上記側板の側縁部を挿入係合し、
    燃料集合体有効長の高さ方向の1/2〜2/2間には、上記コーナ部材の内面にスペーサの個数と高さにあわせて上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるような上方に向かって傾斜するテーパ面を有し、先端部がエッジ形状をした水平方向に延びる複数のフロートリッパを設けたことを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  2. 正方格子状に保持された複数本の燃料棒における四隅の全長燃料棒1本×4、またはそれに隣接した2本を加えた3本×4の全長燃料棒を取り除いた上で、上記別個に制作された四隅のコーナ部材と四辺の側板を互いに結合することにより形成された擬似八角形のチャンネルボックスで囲んだことを特徴とする、請求項1記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  3. 上記側板の内面には、上記コーナ部材と同様に、燃料集合体有効長の高さ方向の1/2〜2/2間には、スペーサの個数と高さにあわせて、複数のフロートリッパを設けたことを特徴とする、請求項1または2に記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  4. チャンネルボックス内面に設けられたフロートリッパは、1つのスペーサ間隔に複数あり、且つ、エッジ部の垂直面に対する上向き角度、及び、水平面に対する上向き角度がそれぞれで異なることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  5. 上記フロートリッパと独立して、或いはフロートリッパと連続して上流側から下流側に対して流路面積が小さくなるような溝状部が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  6. 上記フロートリッパは、エッジ形状の先端部が、スペーサ下端高さから1cm以内の上流側に位置することを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体。
  7. 請求項1〜に記載した燃料集合体を装荷したことを特徴とする沸騰水型原子炉。
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