JPH0617394U - 電動機の速度検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルスジェネレータを用いた速度検出装置に
おいて、特に低速域であっても、常に適切な検出出力レ
ベルを維持できるものを提供する。 【構成】 パルスジェネレータ８は誘導電動機１の速度
に比例した検出パルス９を発生する。カウンタ部１０は
検出パルス９をサンプリング・計数してパルス周波数を
検出する。検出周波数から分周比率（１／１，１／２，
１／４…）を設定する。分周器１２は設定分周比率で検
出パルス９を分周する。速度検出部１４は、分周後のパ
ルス１３から速度信号１５を生成する。分周比率を示す
基準信号１６と共に速度信号１５を制御回路６に出力す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電動機の速度を検出する装置に係り、特に可変速範囲が広い電動 機を検出対象物とするに適した装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

誘導電動機をクローズドループで速度制御する制御系では、誘導電動機の速度 を検出する速度検出装置が使用される。この種の速度検出装置にはパルスジェネ レータを用いたものがある。すなわち、耐環境性の良い磁気式センサ等を用いて パルスジェネレータを構成し、このパルスジェネレータにより１回転当たり数パ ルスの速度検出パルスを得、速度検出回路により速度検出パルスの平均的速度を 求め、この速度を示すアナログ電圧信号等を速度検出信号として制御回路に出力 する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記の制御系において誘導電動機の可変速範囲が広い場合、特に低速運転の際 、回転むらが発生するなど精度が低下する点が問題となる。これは、低速運転時 、速度検出装置からの検出出力が小さくなって速度偏差の検出が困難となること が原因と考えられる。

【０００４】 従来は、分解能が異なる複数の速度検出装置を誘導電動機に付設し、分解能が 低い方を高速用、高い方を低速用とし、両者を適宜切り替えて使用することで、 上記の問題に対処する手法があるが、この場合、装置規模の大型化を招く他、信 頼性・低廉性を阻害するといった問題が生じる。

【０００５】 この考案の目的は、かかる事情に鑑み、パルスジェネレータを用いた速度検出 装置において、可変速範囲が広い電動機を検出対象物とするに適したものを提供 することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、前記目的を達成するため、次の手段を備えた速度検出装置を提供 するものである。

【０００７】 （１）電動機の回転を検出して検出パルスを発生するセンサ。

【０００８】 （２）検出パルスの周波数を検出し、その検出周波数に従って周波数分割比率を 設定する分割比率設定部。

【０００９】 （３）周波数分割比率に従って検出パルスの周波数分割を行う周波数分割器。

【００１０】 （４）周波数分割器の出力パルスの周波数から速度信号を生成し、前記周波数分 割比率を示す基準信号と共に該速度信号を出力する速度検出部。

【００１１】

【作用】

この考案に係る速度検出装置では、センサからの検出パルスの周波数を常時監 視しており、周波数が適切な範囲にくるように周波数分割比率を設定して周波数 分割を行ったうえで、検出出力（速度信号）の生成に用いる。このことにより、 可変速範囲が広い場合でも、検出出力は適切なレベルに維持される。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を説明する。図１は、実施例に係る誘導電動機の速 度制御系を示す。１は誘導電動機、２は誘導電動機１を運転するインバータであ る。３はコンバータであり、電源４からの交流電力を順変換してインバータ２に 供給する。５は誘導電動機１の速度を検出する速度検出装置である。６は検出速 度に基づいて誘導電動機１を速度制御する制御回路、７は制御回路６の指示に基 づいてゲートトリガ信号を発生するベースドライバ回路である。

【００１３】 速度検出装置５において、８は誘導電動機１の速度に比例した検出パルス９を 発生するパルスジェネレータ、１０は検出パルス９をサンプリング・計数してパ ルス周波数を検出するカウンタ部であり、あらかじめ設定された周波数範囲と検 出パルス周波数を照合して分周比率（１／１，１／２，１／４…）を設定し、設 定した分周比率を分周指令１１として分周器１２に出力する。分周器１２は、分 周指令１１に従った比率で検出パルス９を分周し、分周後のパルス１３を出力す るものである。速度検出部１４は、パルス１３の平均周期測定等を行って平均的 速度を示す速度信号１５を生成・出力すると共に、分周比率を示す基準信号１６ を出力するものである。

【００１４】 かかる構成において、たとえば誘導電動機１を０〜８０００ｒｐｍの範囲で速 度制御する場合、極低速２ｒｐｍの速度制御を滑らかに行うために１回転当たり ３２パルスの分解能が必要とすると、最大速度８０００ｒｐｍでは検出パルス９ は１２８ｋパルス（＝１２８ｋＨｚ）となる。誘導電動機１を適切に速度制御す るための最大の入力パルス数を６０ｋＨｚ程度とすると、高速運転時に検出パル ス９を１／２分周すれば、パルス周波数を最高６４ｋＨｚの範囲に抑えることが できる。カウンタ部１０は、たとえば６０ｋＨｚ近くに設定されたしきい周波数 を検出パルス９の周波数が下回る場合は分周比率１／１を設定する一方で、第１ しきい周波数を検出パルス９の周波数が上回る場合は分周比率１／２を設定する 。この分周比率に基づいて分周器１２が検出パルス９を分周することで、パルス １３の周波数が上記の範囲内に維持される。このパルス１３を元に速度検出部１ ４が速度信号１５を生成するので、速度信号１５のレベルが適切な範囲に維持さ れる。制御回路６は、各分周比率に対応した制御モードがあらかじめ設定されて おり、基準信号１６に従って制御モードを選択したうえで、速度信号１５を元に 速度制御を行う。このことにより、低速運転時でも、制御回路６において有効な 速度偏差を検出でき、高精度の制御が可能となる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したようにこの考案によれば、検出パルスの周波数に従って検出パル スを適宜周波数分割したうえで速度信号を生成するので、可変速範囲が広い場合 でも、検出信号を適切なレベルに維持することができる。したがって誘導電動機 の制御回路において、速度に拘わらず有効な速度偏差を検出することが可能とな り、特に低速運転時の制御精度を向上させることが可能となる。また、単一の速 度検出装置で広範囲の速度に対応でき、しかもカウンタや分周器等を付加するだ けの簡素な回路構成であるので、誘導電動機の制御装置が小型化・低廉化され、 信頼性も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る誘導電動機の制御装
置を示すブロック図。

【符号の説明】

１…誘導電動機 ８…パルスジェネレータ ９…検出パルス １０…カウンタ部 １１…分周指令 １２…分周器 １４…速度検出部 １５…速度信号 １６…基準信号

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機の回転を検出して検出パルスを発
   生するセンサと、 該検出パルスの周波数を検出し、検出周波数に従って周
   波数分割比率を設定する分割比率設定部と、 前記周波数分割比率に従って前記検出パルスの周波数分
   割を行う周波数分割器と、 周波数分割器の出力パルスの周波数から速度信号を生成
   し、前記周波数分割比率を示す基準信号と共に該速度信
   号を出力する速度検出部とを備えたことを特徴とする電
   動機の速度検出装置。