JPH0617368B2 - 重合体スケールの付着防止方法 - Google Patents

重合体スケールの付着防止方法

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JPH0617368B2 JP31160388A JP31160388A JPH0617368B2 JP H0617368 B2 JPH0617368 B2 JP H0617368B2 JP 31160388 A JP31160388 A JP 31160388A JP 31160388 A JP31160388 A JP 31160388A JP H0617368 B2 JPH0617368 B2 JP H0617368B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エチレン性二重結合を有する単量体の重合に
おける重合器内壁面などに対する重合体スケールの付着
防止方法に関する。
〔従来の技術〕
重合器内で単量体を重合して重合体を製造する方法にお
いては、重合体が重合器内壁面などにスケールとして付
着する問題が知られている。重合体スケールが重合器内
壁面などに付着すると、重合体の収率、重合器の冷却能
力の低下や付着した重合体スケールが剥離して製品に混
入することによって製品重合体の品質低下を招き、さら
に重合体スケールの除去に多大な労力と時間が必要とな
るなどの不利が生じる。
従来、重合器内壁面などへの重合体スケールの付着を防
止する方法として、例えば、極性化合物や染料、顔料な
どを内壁面に塗布する方法(特公昭45-30343号、同45-3
0835号)、芳香族アミン化合物を塗布する方法(特開昭
51-50887号)、フェノール性化合物と芳香族アルデヒド
との反応生成物を塗布する方法(特開昭55-54317号)等
が提案されている。
これらの方法は塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル単量
体あるいは該単量体を主体としこれと共重合可能な単量
体を少量含む単量体混合物の重合においては重合体スケ
ールの付着防止に有効である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、重合に供される単量体がスチレン、α−メチル
スチレン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル等の
他のエチレン性二重結合を有する単量体である場合に
は、これらの単量体が前記付着防止法で形成される塗膜
に対し著しく大きい溶解能を有するために、塗膜の一部
又は全部が溶解されて失われ、その結果、重合体スケー
ルの重合器内壁面などへの付着を効果的に防止すること
ができない。特に、ステンレス製重合器を使用した場合
にスケール付着が起こり易いという問題があった。
そこで本発明は、ハロゲン化ビニル単量体に限らず、広
範囲のエチレン性二重結合を有する単量体の重合におい
て、重合器内壁面などへの重合体スケールの付着を効果
的に防止することができる方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、重合器の内壁面などに、特定化合物を含
有する2種の塗布液を2段階で塗布することによって、
上記目的を達成し得ることを見出した。
即ち、本発明は、前記課題を解決するものとして、 重合器内におけるエチレン性二重結合を有する単量体の
重合において重合体スケールの付着を防止する方法であ
って、 重合器内壁面および重合中に前記単量体が接触する他の
部分に、予め、まず (a)芳香族化合物の縮合物と、金属化合物および無機コ
ロイドから選ばれる少なくとも1種とを含む塗布液が塗
布され、次に得られた塗膜に、 (b)水溶性ヒドロキシル基含有高分子化合物を含む塗布
液が塗布されてなる重合器内で、前記重合を行なうこと
からなる重合体スケールの付着防止方法を提供するもの
である。
本発明で用いられる塗布液(a)の成分である芳香族化合
物縮合物としては、例えば、特公昭60-30681号公報に記
載された芳香族アミン化合物と芳香族ニトロ化合物とを
縮合触媒の存在下100〜250℃の温度範囲で反応させて得
られる縮合物、またはこの縮合物をアルカリ金属塩もし
くはアンモニウム化合物によりベース化したもの;特公
昭59-16561号公報および特公昭60-54323号公報に記載さ
れた約250以上の分子量を有する直鎖又は分岐鎖ポリ芳
香族アミン;特公昭62-3841号公報に記載された多価フ
ェノールの自己縮合物をアルカリ金属塩水溶液に溶融し
た溶液;特公昭60-59246号公報に記載されたピロガロー
ルとアルデヒドとの反応生成物;特開昭57-192413号公
報に記載されたピロガロール又はヒドロキシヒドロキノ
ンと芳香族アルデヒドとの反応生成物;特開昭61-7309
号公報に記載された芳香族ジアミンと芳香族キノンとを
溶解度パラメータが9.0〜12.2の溶媒の単独もしくは混
合溶媒またはそれに対して等重量以下のアルコールを含
む混合溶媒中で付加反応させ、沈澱分離して得られる平
均分子量3000以上のキノン−アミン化合物等を挙げるこ
とができる。これらは一種単独でも2種以上を組合わせ
ても用いられる。
また、上記芳香族化合物の縮合物とともに塗布液(a)の
成分として用いられる金属化合物としては、金属塩、金
属酸化物、金属水酸化物等があり、例えば、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシ
ウム、バリウム等のアルカリ土類金属;亜鉛等の亜鉛族
金属;アルミニウム等のアルミニウム族金属;チタン、
スズ等のスズ族金属;鉄、ニッケル等の鉄族金属;クロ
ム、モリブデン等のクロム族金属;マンガン等のマンガ
ン族金属;銅、銀等の銅族金属;白金等の白金族金属な
どの金属のケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、ホウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、ハロゲン化
物等が挙げられる。さらに、塗布液(a)に用いられる無
機コロイドとしては、例えば、金コロイド、銀コロイ
ド、イオウコロイド、水酸化第二鉄コロイド、スズ酸の
コロイド、ケイ酸コロイド、二酸化マンガンのコロイ
ド、酸化モリブデンのコロイド、硫酸バリウムのコロイ
ド、五酸化バナジウムのコロイド、水酸化アルミニウム
のコロイド、リチウムシリケートのコロイド等の機械的
粉砕、超音波照射、電気的分散、化学的処理等によって
調製されるコロイドを挙げることができる。
これらの金属化合物および無機コロイドは1種単独でも
2種以上を組合わせても用いられる。
本発明において用いられる塗布液(b)の成分である水溶
性ヒドロキシル基含有高分子化合物としては、例えば、
アミロース、アミロペクチン、デキストリン、酸化デン
プン等のデンプン類;キチン等の動物性粘稠液質物質;
メチルセルロース、グリコールセルロース、セルロース
のメチレンエーテル、エチルメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキヒエチルメチルセルロ
ース等のセルロース誘導体;キシラン、マンナン、アラ
ボガラクタン、ガラクタン、アラバン等のヘミセルロー
ス類;アルコールリグニン、ジオキサンリグニン、フェ
ノールリグニン、ハイドロトロピックリグニン、メルカ
プトリグニン、アルカリリグニン、チオアルカリリグニ
ン、酸リグニン、酸化銅−アンモニアリグニン、過ヨウ
素酸リグニン等のリグニン類;フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂;部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコールなどが挙げられる。これらは1種単独で
も2種以上を組合わせても用いられる。
本発明の方法では、重合器内壁面などに重合体スケール
の付着を防止する塗膜を形成するために、まず前記芳香
族化合物の縮合物の1種又は2種以上と、前記金属化合
物及び無機コロイドから選ばれる少なくとも1種とを含
む塗布液(a)が重合器内壁面及び重合中に単量体が接触
する他の部分、例えば、攪拌軸、攪拌翼などに塗布され
る。塗布液(a)は、前記芳香族化合物の縮合物の1種又
は2種以上と、前記金属化合物及び無機コロイドから選
ばれる少なくとも1種とを、適当な溶媒に溶解又は分散
させて調製し、この塗布液(a)を重合器内壁等に塗布
し、次いで室温ないし100℃程度の温度で乾燥すればよ
い。塗布液(a)における(芳香族化合物の縮合物)/
(金属化合物及び無機コロイドから選ばれる少なくとも
1種)の含有割合は、通常、重量比で100/0.1〜100/500
の範囲が好ましく、特に100/5〜100/200が好ましい。ま
た、塗布液(a)におけるこれらの成分の総濃度は、後述
する塗布量が得られる限り特に制約されないが、通常、
約0.001〜5重量%が好ましい。芳香族化合物の縮合物
と、金属化合物及び/又は無機コロイドとを溶解あるい
は分散するための溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、
2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロ
パノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−
2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコール系溶
剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系
溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶剤;塩化メチレン、1−クロロブタン、塩化アミ
ル、二塩化エチレン、1,1,2−トリクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ギ
酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチル
等のエステル系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレ
ングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フ
ラン類;非プロトン性溶剤及び水などが例示され、これ
らは適宜単独で又は2種以上の混合溶媒として使用され
る。
こうして得られる塗布液(a)の塗膜の乾燥塗布量は、通
常、0.001〜5g/m2が好ましい。
次に、このようにして形成された塗布液(a)の塗膜の上
に塗布液(b)を塗布する。この塗布作業は、例えば、水
溶性ヒドロキシル基含有高分子化合物の1種又は2種以
上を適当な溶媒に、例えば、約0.01〜5.0重量%の濃度
に溶解して塗布液(b)を調製し、この塗布液(b)を前記塗
布液(a)の塗膜面に塗布し、次いで室温ないし100℃程度
の温度で乾燥すればよい。十分な乾燥により塗膜を形成
することが必要である。塗布の際の重合器内壁等の温度
(塗布温度)は室温ないし100℃程度である。溶媒とし
ては、水及び水と容易に混合可能な有機溶剤、例えば、
アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等が
挙げられ、これらは適宜、1種単独で又は2種以上の混
合溶剤として使用される。こうして得られる塗布液(b)
の塗膜の乾燥塗布量は、通常、0.001〜5g/m2が好ま
しい。
このようにして、重合器内壁その他の重合中に単量体が
接触する部分に塗布処理が終了した後は、この重合器に
常法にしたがって、エチレン性二重結合を有する単量
体、重合開始剤、その他必要とされる重合媒体、添加
剤、たとえば単量体の分散助剤を仕込んで重合させれば
よい。
本発明の方法が適用されるエチレン性二重結合を有する
単量体としては、例えば、塩化ビニルなどのハロゲン化
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル、アクリル酸、メタクリル酸あるいはそれらの
エステルまたは塩、マレイン酸またはフマル酸、および
それらのエステルまたは無水物、ブタジエン、クロロプ
レン、イソプレンのようなジエン系単量体、さらにスチ
レン、アクリロニトリル、ハロゲン化ビニリデン、ビニ
ルエーテルなどがあげられる。
また、本発明の方法が適用される重合の形式は特に限定
されず、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の
いずれの重合形式においても有効である。
したがって、重合系に添加される添加物質も通常用いら
れるものは何ら制約なく使用することができる。即ち、
例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド部分ケ
ン化物などの懸濁剤、リン酸カルシウム、ヒドロキシア
パタイトなどの固体分散剤、ラウリル硫酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性乳化剤、ソル
ビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルなどのノニオン性乳化剤、炭酸カルシウム、酸化
チタンなどの充てん剤、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸
カルシウム、ジブチルすずジラウレート、ジオクチルす
ずメルカプチドなどの安定剤、ライスワックス、ステア
リン酸などの滑剤、DOP、DBPなどの可塑剤、トリ
クロロエチレン、メルカプタン類などの連鎖移動剤、pH
調節剤、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
α,α′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、ラウロイルパ
ーオキサイド、過硫酸カリウム、クメンハイドロパーオ
キサイド、n−メンタンハイドロパーオキサイドのよう
な重合触媒などが存在する重合系においても、本発明の
方法は重合体スケールの付着を効果的に防止することが
できる。
本発明の方法が特に好適に実施される重合は、例えば塩
化ビニルなどのハロゲン化ビニルもしくはハロゲン化ビ
ニリデン、またはそれらを主体とする単量体混合物の懸
濁重合あるいは乳化重合である。また、ステンレス製重
合器におけるポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアクリルニトリルなどの重合体のビーズ、ラテ
ックスの製造、SBR、NBR、CR、IR、IIRな
どの合成ゴムの製造(これら合成ゴムは、通常、乳化重
合によって製造される)、ABS樹脂の製造を行なう重
合にとっても好適である。
〔実施例〕
次に、本発明の方法を実施例および比較例により説明す
る。なお、以下の各表において*印を付した実験No.は
比較例であり、それ以外の実験No.は本発明の実施例で
ある。
芳香族化合物の縮合物の製造例 (1)縮合物No.1の製造 アニリン1.00モル、塩酸0.310モル、ニトロベンゼン0.2
27モルおよび塩化第二鉄0.103モルからなる混合物を6
0℃で6時間加熱後、180〜185℃に昇温して水を留去さ
せながら、温度を保って15時間反応させた。反応の間
に水とともに、アニリンおよびニトロベンゼンが留出し
た。留出したアニリンおよびニトロベンゼンを回収し、
反応器中へ戻した。次に、反応器の内温を200℃に昇温
し、この温度で5時間加熱した。
得られた反応混合物(溶融物)を希硫酸中に投入し、60
℃で3時間加熱した後、熱い間に濾過し、未反応のアニ
リンを除去した。次に5〜6回水洗して塩酸を除去後、
乾燥して縮合物を得た。
(2)縮合物No.2の製造 m−フェニレンジアミン1.00モル、塩酸0.10モルおよび
レゾルシノール0.83モルからなる混合物を、60で1時間
加熱後、2時間かけて発生するアンモニアを除去しなが
ら300℃に昇温した。温度が300℃に達した時点で、冷却
を開始して、1時間で室温に戻して、固型の縮合物を得
た。
(3)縮合物No.3の製造 ピロガロール3モルを水2に溶解させた後、ベンズア
ルデヒド2モル及びリン酸6モルを添加し、100℃で4
時間反応させた。
得られた反応混合物を濾過し、熱水で5〜6回洗浄して
過剰のリン酸を除去した後、乾燥して縮合物No.3を得
た。
実施例1 内容積1000の攪拌機付ステンレス製重合器を用いてつ
ぎのようにして重合を行った。
各実験において、まず、第1表に示すとおりに、芳香族
化合物の縮合物を濃度0.5重量%にメタノールに溶解
し、さらに第1表に示す金属化合物もしくは無機コロイ
ドを芳香族化合物の縮合物/金属化合物及び無機コロイ
ドの重量比が第1表に示すとおりになるように加えて塗
布液(a)を調製し、これを重合器内壁その他重合中に単
量体が接触する部分に塗布し、50℃で15分間加熱、乾燥
後、水洗した。
次に、水溶性ヒドロキシル基含有高分子化合物を水に溶
解して調製した塗布液〔塗布液(b)〕を塗布し、乾燥後
水洗した。
各実験で用いた塗布液(a)の芳香族化合物の縮合物、金
属化合物又は無機コロイド、(芳香族化合物の縮合物)
/(金属化合物又は無機コロイド)の重量比、並びに塗
布液(b)の水溶性ヒドロキシル基含有高分子化合物及び
使用した溶媒、並びに塗布及び乾燥の条件を第1表に示
す。ただし、実験No.1〜6は塗布液を塗布しないか、
又は塗布液(a)もしくは(b)の一方のみを塗布した比較例
である。
その後、このように塗布処理された重合器中に水400k
g、スチレン260kg、アクリロニトリル140kg、ポリアク
リルアミド部分ケン化物400g及びα,α′−アゾビス
イソブチロニトリル1.2kgを仕込み、攪拌しながら90℃
で5時間重合した。重合終了後、重合器内壁面に付着し
た重合体スケールの量を測定した。結果を第1表に示
す。
実施例2 内容積100の攪拌機付ステンレス製重合器に、実施例
1と同様に方法で塗布液(a)を塗布した後、塗布液(b)を
塗布した。各実験で用いられた芳香族化合物の縮合物、
金属化合物もしくは無機コロイド、及び水溶性ヒドロキ
シル基含有高分子化合物、並びに塗布液(b)の濃度、塗
布及び乾燥の条件を第2表に示す。ただし、実験No.16
〜20は、塗布液を塗布しないか、又は塗布液(a)又は(b)
の一方のみを塗布した比較例である。
次に、このように塗布処理した重合器中に、水40kg、オ
レイン酸ソーダ500g、ポリブタジェンラテックス(固
形分45%)13kg、スチレン9.0kg、アクリロニトリル5.0
kg、t−ドデシルメルカプタン40g、及びクメンハイド
ロパーオキサイド140gを仕込み、内温65℃に昇温後、
ブドウ糖200g、硫酸第1鉄2g及びピロリン酸ソーダ1
00gを仕込み、攪拌しながら65℃で5時間重合を行っ
た。重合終了後、重合器内壁面に付着した重合体スケー
ルの量を測定した。結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法によると、従来困難であった、エチレン性
二重結合を有する単量体の重合における重合体スケール
の重合器内壁面などへの付着を効果的に防止することが
できる。特に、溶解能の高い単量体、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、アクリロニ
トリル等を含む重合系の重合の場合でも重合体スケール
の付着を防止することができる。特に、従来、スケール
付着が起こり易かったステンレス製重合器を使用した重
合においても重合体スケールの付着を効果的に防止する
ことができ、工業的価値が高い。また、塗布液の塗布は
毎バッチあるいは数バッチに1回の割合で行うことによ
り、重合器内壁面などに重合体スケールを付着させるこ
となく、重合器をくり返し使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合器内におけるエチレン性二重結合を有
    する単量体の重合において重合体スケールの付着を防止
    する方法であって、 重合器内壁面および重合中に前記単量体が接触する他の
    部分に、予め、まず (a)芳香族化合物の縮合物と、金属化合物および無機コ
    ロイドから選ばれる少なくとも1種とを含む塗布液が塗
    布され、次に得られた塗膜に、 (b)水溶性ヒドロキシル基含有高分子化合物を含む塗布
    液が塗布されてなる重合器内で、前記重合を行なうこと
    からなる重合体スケールの付着防止方法。
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