JPH06173404A - 階段用滑り止め - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は階段用滑り止めに関し、施工作業性を
良好にすることを目的とする。 【構成】階段用滑り止めは、硬質の基台２と、この基台
２上に予め固定された滑り止め材１とを備える。基台２
は、裏面にネジ受け部３を備えており、スタッドボルト
４が着脱可能に装着される。滑り止めの施工は、基台２
の裏面にスタッドボルト４を螺合した後、該スタッドボ
ルト４を踏面５に適宜手段により埋設してなされる。基
台２の裏面から螺合されるスタッドボルト４を介して滑
り止めを階段６に固定する構成により、スタッドボルト
４の表面部への露出が防止され、従来例におけるような
固定ネジの目隠し作業が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、階段用滑り止めに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】階段からの滑落を防止するために、階段
の段鼻部に固定されて使用される階段用滑り止めの従来
例を図４に示す。この従来例において、階段用滑り止め
Ａは、断面略Ｌ字形状の基台２と、基台２上に形成され
た嵌合凹部７に嵌合される滑り止め材１とから構成さ
れ、固定ネジ８で階段６の踏面５に固定される。

【０００３】一方、滑り止め材１は、固定ネジ８による
固定部位に対応するキャップ嵌合孔９を備えており、該
キャップ嵌合孔９に目隠しキャップ１０を嵌合させて固
定ネジ８の頭部８ａが覆われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
例においては、施工後に固定ネジ８の頭部８ａを隠すた
めの目隠しキャップ１０を装着することが必要であり、
嵌合代の少ない目隠しキャップ１０を嵌合固定しても長
期の使用により脱落しやすく、さらには、目隠しキャッ
プ１０の装着部位に意匠的な違和感が生じてしまうとい
う欠点を有するものであった。

【０００５】かかる欠点を解消するために、基台２の固
定作業後に固定ネジ８の目隠しを兼ねて滑り止め材１を
嵌合することも提案されているが、このように構成する
場合には、滑り止め材１と基台２との嵌合代が長くなる
ために、施工現場での滑り止め材１の嵌合作業に多大な
工数を要する上に、滑り止め材１の嵌合作業にもばらつ
きが生じ易く、滑り止め材１の嵌合不良によって装着後
の剥離が生じやすいという欠点を有するものであった。

【０００６】本発明は、以上の欠点を解消すべくなされ
たものであって、施工作業性が良好で、かつ、美観も優
れた階段用滑り止めを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は、実施例に対応する図１に示すように、上面に滑り
止め材１が予め設けられた硬質の基台２と、基台２の裏
面に形成されたネジ受け部３に着脱可能に螺合されるス
タッドボルト４とを有し、前記基台２の裏面に螺合され
たスタッドボルト４を踏面５に埋設して階段６の段鼻部
に設置される階段用滑り止めを提供することにより達成
される。

【０００８】

【作用】階段用滑り止めは、硬質の基台２と、この基台
２上に予め固定された滑り止め材１とを備える。基台２
は、裏面にネジ受け部３を備えており、スタッドボルト
４が着脱可能に装着される。

【０００９】滑り止めの施工は、基台２の裏面にスタッ
ドボルト４を螺合した後、該スタッドボルト４を踏面５
に適宜手段により埋設してなされる。基台２の裏面から
螺合されるスタッドボルト４を介して滑り止めを階段６
に固定する構成により、スタッドボルト４の表面部への
露出が防止され、従来例におけるような固定ネジの目隠
し作業が不要となる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の望ましい実施例を添付図面に
基づいて詳細に説明する。図１に本発明の実施例に係る
滑り止めを示す。階段用滑り止めＡは、基台２と、滑り
止め材１と、全長に渡ってネジが形成されたスタッドボ
ルト４とからなり、基台２は、階段６の蹴上げ部６ａに
対応する垂下片１１と、踏面５に対応する水平片１２と
を有して断面略Ｌ字形状に形成される。基台２の垂下片
１１は、上方に折り返された後、さらに、後方に折曲さ
れて前部係止片１３が形成され、基台２の水平片の後端
部には上方に折曲される後部係止片１４が形成される。

【００１１】また、基台２の水平片１２には、裏面に向
けてバーリング加工が施され、スタッドボルト４がねじ
込まれるネジ孔３（ネジ受け部）が形成される。ネジ孔
３は、基台２の長手方向に沿って、一直線状、あるいは
千鳥状に複数個設けられており、階段６への取り付け作
業の便宜のために、後部係止片１４には、ネジ孔３の位
置を示す刻印１５が打たれている。なお、図１において
２１は階段６の踏面５に敷設されるタイル、カーペット
等の階段仕上げ材を示す一方、滑り止め材１は、金属薄
板１ａ上に軟質材１ｂを一体的に積層して形成され、そ
の上面には、滑り止め効果を高めるための凹凸１６、１
６・・が形成される。また、滑り止め材１は、前端に係
止部１７を備えており、該係止部１７を基台２の前部係
止片１３に係止させた状態で、粘着テープ、あるいは接
着剤等により基台２上に固定される。

【００１２】以上のように構成される滑り止めＡは、設
置現場での作業工数を低減させるために、予め基台２に
固定させた状態で施工現場に搬送され、さらに、保管、
運搬上の便宜を配慮して、スタッドボルト４も基台２か
ら取り外された状態で施工現場に搬送される。

【００１３】次に、この実施例に係る滑り止めの階段６
への設置方法を説明する。先ず、上記滑り止めＡの設置
に際して、階段６の踏面５には、接着剤充填孔１８が穿
孔される。接着剤充填孔１８は、スタッドボルト４の径
よりもやや大径で、かつ、スタッドボルト４の基台２へ
の装着時の突出長さよりやや深く形成される。

【００１４】この接着充填孔１８は、基台２へのスタッ
ドボルト４立設位置に対応させて形成されるもので、正
確な位置出しをするために、上述した刻印１５がゲージ
として利用される。

【００１５】次いで、上記接着剤充填孔１８に接着剤を
充填するとともに、基台２のネジ孔３にスタッドボルト
４をねじ込み、さらに、図２に示すように、スタッドボ
ルト４を接着剤が充填された接着剤充填孔１８に挿入し
て設置作業が終了する。

【００１６】接着剤としては、例えば、変性エポキシア
クリレート系樹脂接着剤を使用することができ、スタッ
ドボルト４の挿入後、接着剤が自然固化すると、スタッ
ドボルト４は接着剤を介して階段６に強固に固定される
こととなる。

【００１７】なお、接着剤として上記変性エポキシアク
リレート系樹脂接着剤等の、固化時間が短い速硬性の接
着剤を使用する場合には、基台２の裏面と踏面５との間
に塗布される周知の接着剤を併用することも可能であ
り、接着剤充填孔１８に充填される接着剤を、スタッド
ボルト４による固定を恒久接着剤が固化するまでの仮止
め用として使用することも可能である。

【００１８】図３はかかる使用方法に適した実施例を示
すもので、スタッドボルト４は、上端部のみにネジ部が
形成されており、下端部はピン状に形成される。一方、
階段６の踏面５側には、スタッド受け孔１９が穿孔され
ており、該スタッド受け孔１９内にカールプラグ２０が
埋め込まれる。カールプラグ２０は、弾性的に拡開可能
な複数葉の拡開片２０ａ、２０ａ・・を有しており、ス
タッドボルト４が挿入されることにより外方に拡開して
スタッド受け孔１９の内壁を圧接し、抜け止めがなされ
る。

【００１９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の階段用滑り止めによれば、基台の裏面にネジ受け部を
設け、該ネジ受け部に、階段への固定手段となるスタッ
ドをねじ込むようにしたので、スタッドが表面に露出す
ることがなくなる。

【００２０】この結果、目隠し等を装着する手間が省け
る上に、設置現場では、スタッドボルトを踏面に埋設す
るだけの作業を行うだけでよく、その他の作業は工場で
行うことができるので、設置作業性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す説明図で、（ａ）は断面
図、（ｂ）は要部平面図である。

【図２】階段への設置方法を示す斜視図である。

【図３】本発明の第２の実施例を示す断面図である。

【図４】従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 滑り止め材 ２ 基台 ３ ネジ受け部 ４ スタッドボルト ５ 踏面 ６ 階段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に滑り止め材が予め設けられた硬質の
   基台と、 基台の裏面に形成されたネジ受け部に着脱可能に螺合さ
   れるスタッドボルトとを有し、 前記基台の裏面に螺合されたスタッドボルトを踏面に埋
   設して階段の段鼻部に設置される階段用滑り止め。