JPH06173359A - 遮音パネル - Google Patents

遮音パネル

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JPH06173359A
JPH06173359A JP32811592A JP32811592A JPH06173359A JP H06173359 A JPH06173359 A JP H06173359A JP 32811592 A JP32811592 A JP 32811592A JP 32811592 A JP32811592 A JP 32811592A JP H06173359 A JPH06173359 A JP H06173359A
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JP
Japan
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powder
sound
absorbing material
sound insulation
sound absorbing
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Application number
JP32811592A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Ando
秀行 安藤
Yuzo Okudaira
有三 奥平
Yoshitaka Kurihara
善隆 栗原
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量かつ薄型であって、しかも、低周波域で
の遮音性能に優れる遮音パネルを提供する。 【構成】 この発明の遮音パネルは、2枚の表面板2,
3の間の空間に、粉体を利用した吸音材4が少なくとも
一面が開口した複数の枠体5のそれぞれに収められて配
設されており、これらの枠体が、それぞれの開口面を表
面板に対向させるとともに隣り合う枠体同士の間に隙間
G2をあけて表面板の面方向と平行な方向に沿って並べ
られ、かつ、開口面が前記2枚のうちの一方の表面板の
裏面との間に隙間G1をあけており、その反対側の面が
もう一方の表面板の裏面に固定されている構成を特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2枚の表面板の間の
空間に吸音材が配設されてなる遮音パネルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の遮音パネルは、図11に示すよう
に、対向させた2枚の表面板71,71の間の空間にグ
ラスウール、ウレタンフォーなどの多孔質吸音材72を
配設した2重構造のパネル70が一般的であり、軽量で
遮音性能が比較的よく建築用パネルとして実用にも供さ
れている。
【0003】しかしながら、図11の2重構造の遮音パ
ネルは、低周波域の遮音性能という点については十分で
ない。つまり、多孔質吸音材72の低周波域における
吸音率が低いために低周波域の透過損失が中空の2重構
造のパネルの場合に比べあまり増加しない、2重構造
のパネルに特有の低周波域の共鳴透過現象により、特定
の周波数(frmd)で透過損失の顕著な局部的低下が起こ
る、といったことがあるのである。この点を、以下に具
体的に示す。
【0004】図12に示すように2枚の表面板71,7
1を間隔75mm隔てて配置した中空の遮音パネル8
0、および、図13に示すように2枚の表面板71,7
1を間隔75mm隔てて配置するとともに厚み25mm
のグラスウールを多孔質吸音材72として配設した遮音
パネル90の100〜4kHzの透過損失を図14に示
す。図14では、実線が遮音パネル80の透過損失をあ
らわし、破線が遮音パネル90の透過損失をあらわして
おり、低周波域では遮音パネル90の透過損失はさほど
高くなっておらず、周波数frmd で透過損失の顕著な局
部的低下が起きており、前述の結果が裏付けられた形と
なっている。
【0005】一方、前記の周波数frmd は下記の式
(1)に従うことが知られている。
【0006】
【数1】
【0007】但し、ρは空気の密度、cは空気中の音
速、mは両側の表面板の面重量、dは両側の表面板の間
隔をそれぞれあらわす。上記の式(1)より、周波数f
rmd を100Hz以下に移行させ、建築音響上で重要な周
波数帯域である100〜4kHzにおける透過損失を増加
させるために、2枚の表面板の間隔dを大きくするか、
あるいは、表面板の面重量mを増加させることが考えら
れる。
【0008】しかしながら、それなりの透過損失の増加
を達成できるほどに表面板の間隔を拡げると非常に厚い
パネルとなってしまう。また、それなりの透過損失の増
加を達成できるほどに表面板の面重量を増やすと非常に
重いパネルとなってしまう。面重量を2倍にしても、約
6dB分しか遮音性能は向上しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記事情
に鑑み、軽量かつ薄型であって、しかも、低周波域での
遮音性能に優れる遮音パネルを提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明は、対向させた2枚の表面板の間の空間に
吸音材が配設されてなる遮音パネルにおいて、前記吸音
材として粉体を利用した吸音材が用いられていて、この
吸音材が少なくとも一面が開口した複数の枠体のそれぞ
れに収められ、これらの枠体が、それぞれの開口面を表
面板に対向させるとともに隣り合う枠体同士の間に隙間
をあけて表面板の面方向と平行な方向に沿って並べら
れ、かつ、開口面が前記2枚のうちの一方の表面板の裏
面との間に隙間をあけており、その反対側の面がもう一
方の表面板の裏面に固定されている構成をとるようにし
ている。
【0011】以下、この発明にかかる遮音パネルを、図
面を参照しながら具体的に説明する。図1および図2
は、この発明の遮音パネルの構成例をあらわす。遮音パ
ネル1は、図1にみるように、対向させた2枚の表面板
2,3を備え、両表面板2,3の間の空間に吸音材4が
少なくとも1面が開口した枠体5に収められた状態で配
設されている。両表面板2,3間の周端には側板7が介
設されていて、この側板7の幅が表面板2,3間の間隔
を所定の寸法に規定することになる。
【0012】枠体5は、図2にみるように、それぞれの
開口面を表面板に対向させるとともに、隣接する枠体5
同士の間に隙間G2をあけて表面板の面方向と平行な方
向に沿って並べられている。その上、各枠体5は、一方
の表面板3の裏面との間に隙間G1があけており、その
反対側の面がもう一方の表面板2の裏面に固定されてい
る。枠体5は、普通、図1および図2のように、音源側
に臨む表面板(図2では下側の表面板2)の方に全て固
定されるが、これに限らず、例えば、半分が片方の表面
板に後の半分が他方の表面板に固定されるような形態も
あり得る。また、図2に示す枠体5の場合は、固定側の
開口面が底板6で塞がれていて、枠体5への吸音材4の
収納作業やその後の表面板2,3の間への配設作業を行
う上で都合がよいのであるが、必ずしも、固定側の面は
底板6で塞がれた箱状体である必要はなく、底側も開口
面となっているものでもよい。
【0013】吸音材4は下記に詳述するように粉体を利
用した吸音材であるが、粉体が流出する恐れのある状態
で使用する場合には、枠体5の非固定側の開口面を音響
的に透明なシートで閉塞してやればよい。音響的に透明
なシートとは20〜4kHzの周波数帯域で0.8以上の
音透過率を有するものが適当であり、通気性のある織
物、例えばサランクロスやガラスクロスなど、あるい
は、厚みが約0.05mm以下の薄手のシート、例え
ば、ポリエチレンシート、ビニルシートなどが具体的に
挙げられる。このようなシートなら、吸音材の吸音特性
を変化させずに粉体の流出が防げる。
【0014】粉体を利用した吸音材4としては、下記の
ような粉体単体からなるものであってもよい。この発明
の吸音材に使われる粉体は、通常、粒径が0.1〜10
00μm程度、かさ密度が約0.1g/cm3 前後から約
1.5g/cm3 前後の範囲のものであり、金マイカ粉
体、シリカ粉体、アクリル超微粉体、タルク粉体、ケイ
酸カルシウム粉体、フッ素樹脂粉体、パーライト、ベン
トナイト、シラスバルーン、石松子、プルラン、溶融シ
リカ粉体、黒鉛、結晶セルロース粉体、炭化ケイ素粉
体、珪藻土、ナイロンパウダー、アクリル粉体、ポリエ
ステル粉体塗料、小麦粉、ドロマイト粉末、炭素繊維粉
体、二酸化チタン粉体、炭酸カルシウム粉体、塩化ビニ
ル樹脂粉体、ポリメタクリル酸メチル粉体、バリウムフ
ェライト磁粉、シリコーンパウダー等が挙げられる。よ
り具体に挙げるとすると以下のようなものがある。
【0015】すなわち、「平均粒径40μmでかさ密度0.
37g/cm3 の金マイカ粉体」,「平均粒径1.7 〜150 μ
mでかさ密度0.06〜0.28g/cm3 の湿式シリカ粉体」,
「平均粒径3 〜28μmでかさ密度0.31〜0.92g/cm3
球状シリカ粉体」,「平均粒径1.5 〜9.4 μmでかさ密
度0.25〜0.45g/cm3 のタルク粉体」,「平均粒径 1〜
2 μmでかさ密度0.30g/cm3 のアクリル超微粉体」,
「平均粒径20〜30μmでかさ密度0.08g/cm3 のケイ酸
カルシウム粉体」,「平均粒径100 〜150 μmでかさ密
度0.10〜0.17g/cm3 のパーライト粉体」,「平均粒径
5 〜25μmでかさ密度0.37〜0.45g/cm3 のフッ素樹脂
粉体」, 「平均粒径0.3 〜3.5 μmでかさ密度0.51〜0.
74g/cm3 のベントナイト粉体」,「平均粒径30〜50μ
mでかさ密度0.20〜0.32g/cm3 のシラスバルーン」,
「平均粒径35μmでかさ密度0.29g/cm3 の石松子」,
「平均粒径100 μmでかさ密度0.47g/cm3 のプルラ
ン」,「平均粒径5.4 〜32μmでかさ密度0.55〜0.77g
/cm3 の溶融シリカ粉体」,「平均粒径20〜120 μmで
かさ密度0.26〜0.73g/cm3 の黒鉛」,「平均粒径10〜
180 μmでかさ密度0.28〜0.32g/cm3 の結晶セルロー
ス粉体」,「平均粒径0.4〜5.0 μmでかさ密度0.63〜
1.06g/cm3 の炭化ケイ素粉体」,「平均粒径3.2μm
でかさ密度0.26g/cm3 の珪藻土」,「平均粒径 5〜25
0 μmでかさ密度0.32〜0.49g/cm3 のナイロンパウダ
ー」,「平均粒径45μmでかさ密度0.63〜0.67g/cm3
のアクリル粉体」,「平均粒径45μmでかさ密度0.54g
/cm3 のポリエステル粉体」,「平均粒径34〜75μmで
かさ密度0.45〜0.51g/cm3 の小麦粉」,「平均粒径 3
〜8 μmでかさ密度0.65〜0.90g/cm3 のドロマイト粉
体」,「平均繊維径14〜18μm、平均繊維長さ100 〜20
0 μmでかさ密度0.46〜0.59g/cm3 の炭素繊維粉
体」,「平均粒径0.1 〜0.25μmでかさ密度0.54〜0.67
g/cm3 の二酸化チタン粉体」,「平均粒径3 〜30μm
でかさ密度0.60〜1.04g/cm3 の炭酸カルシウム粉
体」,「平均粒径 130μmでかさ密度0.53g/cm3 の塩
化ビニル樹脂粉体」,「平均粒径 110〜140 μmでかさ
密度0.65g/cm3 のポリメタクリル酸メチル粉体」,
「平均粒径 1.8〜2.2 μmでかさ密度1.45g/cm 3 のバ
リウムフェライト磁粉」,「平均粒径 0.3〜0.7 μmで
かさ密度0.18〜0.28g/cm3 のシリコンパウダー」が挙
げられる。
【0016】この他、黄銅箔粉体、あるいは、ケイ酸マ
グネシウム粉体の構造体も挙げられる。黄銅箔粉体は一
般にフレーク状の形態をしているが、そのフレーク径は
1〜100μm程度、厚さは0.1〜2μm程度であ
る。また、ケイ酸マグネシウム粉体の構造体とは、ケイ
酸マグネシウム短繊維の凝集した粒子をいう。一般にケ
イ酸マグネシウム短繊維の平均繊維径は0.1〜0.5
μm程度、平均繊維長は5〜50μm程度であるが、通
常は短繊維が凝集して10〜100μm程度の凝集粒子
を形成している。
【0017】この発明の遮音パネルにおける粉体を利用
した吸音材4として、上記の粉体と緩衝材とが粉体振動
が可能な状態で混在してなる構成であってもよい。ここ
で用いられる緩衝材としては、例えば、不織布、繊維構
造体、人造パルプ、ろ紙等であって、厚み5〜40mm
程度の厚みのシート状多孔質材が適当なものとして挙げ
られる。具体的には、2×103 〜3×103 N/m程
度のヤング率のポリエステル系不織布、1.3×104
N/m前後のヤング率のレーヨン,ナイロン,ポリエス
テルの混合物よりなる不織布などが挙げられる。この
他、ポリプロピレン系不織布、ポリウレタン系不織布、
ナイロン系不織布なども利用可能である。厚みの薄いも
のの場合、複数を重ね合わせるようにしてもよい。シー
ト状多孔質材としては、上記不織布の他、例えば、グラ
スウールやロックウール等の繊維基材の他に、発泡ウレ
タン等の発泡樹脂材のものであってもよい。緩衝材がシ
ート状多孔質材の場合は、粉体が多孔質材中の空隙に導
入されていることにより粉体と緩衝材の混在状態が現出
していることになる。
【0018】緩衝材は、シート状の形態であれば形状保
持性に優れるため好ましいが、必ずしもシート状の形態
である必要はない。この発明の場合、例えば、非シート
状(バラバラ)の繊維体であって粉体と一緒に混ぜ合わ
せて粉体と緩衝材の混在状態を現出させることが出来、
単独のヤング率が105 N/m2 以下であるもの(例え
ば、非シート状炭化ケイ素ウィスカ)を緩衝材として用
いるようにしてもよいのである。
【0019】以下に、2、3の緩衝材についてのヤング
率を具体的に例示する。 「グラスウール36K」:ヤング率 7.8×10
4 (N/m2 ) :密度 3.6×10-2(g/cm3 ) 「合成パルプ」 :ヤング率 2.0×10
3 (N/m2 ) (繊維長100μm) :密度 8.9×10
-2(g/cm3 ) 「炭化ケイ素ウィスカ」:ヤング率 8.5×10
4 (N/m2 ) :密度 3.6×10-1(g/cm3 ) 「ポリプロピレン繊維多:ヤング率 1.4×10
2 (N/m2 ) 孔質材」 :密度 2.4×10-2(g
/cm3 ) この他、緩衝材として、芯糸に径の小さな細糸が(長手
方向に沿って)絡められてなる繊維体も用いることが出
来る。例えば、図5にみるように、芯糸122に多数の
細糸123が長手方向に沿って絡められた繊維体121
がある。細糸123は芯糸122よりも径(直径)が小
さい糸であるが、具体的には、細糸123の直径は、通
常、芯糸122の直径の1/3〜1/20程度である。
太い方の芯糸122はポリウレタン糸の如く弾性のある
ものが好ましい。具体的な繊維体121としては、例え
ば、直径100μmのポリウレタン糸(ポリウレタン繊
維)を芯糸122として、これに直径10μmのナイロ
ン糸(ナイロン繊維)を細糸123として絡ませたもの
(真密度1.19g/cm3 )が挙げられる。
【0020】また、粉体として、図6にみるように、粒
状体からなる粉体13と微小繊維体からなる粉体15と
の混合粉体を用い、これを、シート状多孔質材14中の
空隙12に導入したり、あるいは、先の図5の如き芯糸
に径の小さな細糸が絡められてなる繊維体で出来た空隙
に存在させるようにしてもよい。粒状体からなる粉体と
微小繊維体からなる粉体の混合粉体の構成例としては、
以下のようなものがある。粒状体からなる粉体としての
「平均粒径150μmのシリカ粉体」と、繊維体からな
る粉体としての「炭化ケイ素ウィスカ(微小繊維体)が
集合してなる粉体(集合体の平均粒径が50μm前
後)」を体積比率1:1で混合した混合粉体が1例とし
て挙げられる。なお、前記の粒状体としては、球状に限
らず、板(鱗片)状、角状、塊状など繊維状以外の様々
な形状のものが挙げられ、微小粒状体が凝集して大きな
粒状集合体を構成しているものも挙げられる。勿論、微
小繊維体が凝集性のない個々にバラバラのものであって
もよい。また、ウィスカー自体は、普通、平均長さ5〜
200μm、平均径0.05〜1.5μm程度のものが
用いられる。なお、微小繊維体自体の形状に関しても、
直線状に限らず、例えば、コイル状であってもよい。
【0021】粉体は振動可能な状態の範囲で多孔質材に
接着させられているようであってもよい。例えば、図7
にみるように、粉体43の表面に熱可塑性樹脂46を塗
布し粉体43に熱融着性の表面を予め形成しておき、多
孔質材41の空隙に導入しておいてから、熱処理を行い
熱可塑性樹脂46を融解させ、図7にみるように、多孔
質材41の繊維48と一部位置A,Bで接着させるよう
にする。これに限らず、熱可塑性樹脂46を繊維48の
方に塗布し熱融着性の表面を予め形成したり、あるい
は、繊維48として熱可塑性樹脂製の繊維を用いること
により熱融着性の表面を作るようにしてもよい。熱融着
性の表面は粉体と多孔質材の双方に形成されていてもよ
い。また、粉体43表面への熱可塑性樹脂46の塗布形
態は、図8のごとき鱗片状でなく、図9の如き線状、あ
るいは、図10の如き微粒状であってもよい。熱可塑性
樹脂としては、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられ
る。
【0022】この発明の遮音パネルにおける粉体を利用
した吸音材4として、上記の粉体と多孔質層が交互に積
層されてなる構成であってもよい。多孔質層としては繊
維シートなどが使える。多孔質層に用いられる繊維シー
トは、厚みが0.2〜2mm程度である。勿論、各繊維
シートは全て同じ厚みである必要はない。繊維シートの
種類としては、不織布、編み物、織物などであって、目
開きが粉体の粒子よりも小さいものが用いられる。つま
り、繊維シートは、平均開口径が粉体の平均粒径よりも
小さく、粉体が繊維シートの中に容易に入り込んだり、
粉体が繊維シートを簡単に通り抜けたりしないものが用
いられるのである。この繊維シートは、素材シート複数
枚を重ね合わせたものであってもよい。
【0023】また、繊維シートを用いるのは音が通り易
いということもある。例えば、樹脂シートの場合だと音
が通り難く吸音材に適さない。吸音は粉体層で行われる
から、シート自体は音を反射せずに粉体層に伝えるもの
である必要があるのである。この発明の吸音材では、繊
維シートと粉体層か交互に積まれているが、粉体層の層
数は、例えば、5〜25層、普通、10〜20層程度で
ある。余り層数が少ないと1層当たりの厚みが厚くなっ
て粉体の移動を止め難くなり、余り層数が多いと1層当
たりの厚みが薄く粉体層の吸音特性が十分でなくなる。
【0024】この発明の遮音パネル1の枠体5として
は、アルミニウム、ガラス、ゴム、木、または、アクリ
ル、塩化ビニル樹脂で出来たものが挙げられる。枠体5
の固定側の開口面を塞ぐ底板6も同じような材料のもの
であるが、底板6はと枠体5は同じ材料で形成されてい
る必要はない。図2では、便宜上、枠体5と底板6が一
体物として図示してあるが、異なる材料で別体ものの枠
体5と底板6を組み付けたものであってもよいのであ
る。
【0025】この発明の遮音パネル1の表面板2,3
は、アルミニウム板などの金属板、アクリル板などの樹
脂板、合板などの木質板、石膏ボードなどの無機質板な
どが挙げられる。両表面板2,3は同じ厚み同じ材料で
あってもよいが、同じ厚みである必要はないし、同じ材
料である必要もない。
【0026】
【作用】この発明の遮音パネルは、2枚の表面板の間の
空間に配設されている吸音材が、粉体を利用した吸音材
であるため、基本的に、薄型・軽量で低周波の音に対す
る十分な遮音性能を有する。粉体を利用した吸音材の場
合、粉体の優れた吸音作用により薄くて軽いものでも低
周波域の音に対する吸音作用が十分にあるからである。
音源側の表面板を透過してきた音が吸音材で殆ど吸収さ
れてしまい他方の表面板から出ていく音が非常に少なく
なり、十分な遮音性能が確保されるようになる。表面板
の重量を増したり、表面板の間の間隔を大きくすること
なく遮音性能が向上させられるのである。
【0027】しかも、この発明の遮音パネルでは吸音材
が吸音機能を十分に発揮することが遮音性能を顕著なも
のにしている。吸音材が複数に分かれており、2枚の表
面板の間の空間に到来した音が枠体同士間の隙間や表面
板と枠体の間の隙間より回りこみ吸音材に入り込み易
く、音が吸収されやすいのである。表面板に隙間をあけ
て臨む開口面は音響的に遮蔽されておらず、回り込んで
きた音が侵入し易い。
【0028】枠体は両方の表面板に渡されておらず、片
方の表面板の間に隙間が必ずあるため、枠体を伝うこと
による音の伝播や吸音材中の粉体振動が表面板に直に伝
わることによる音の伝播が阻止でき、このことも、遮音
性能の向上に寄与している。
【0029】
【実施例】以下、この発明の遮音パネルの実施例を説明
する。もちろん、この発明は、下記の実施例に限らな
い。実施例にかかる遮音パネルは、先に説明した図1お
よび図2に示すパネル構成である。
【0030】遮音パネル1では表面板2,3としてアル
ミニウム板が用いられており、音源側に位置する表面板
2は厚み0.6mmであり、表面板3は厚み1.2mm
である。両表面板2,3の間隔(空気層の幅)は50m
mである。枠体5は底板6のある箱状体であり、枠体自
体は厚み4mmのアクリル板であり、底板6は厚み2m
mのアルミニウム板であって、内寸法縦80mm、横8
0mm、深さ40mmの直方体である。
【0031】そして、枠体5に収められている吸音材4
は、ケイ酸マグネシウム粉体である。このケイ酸マグネ
シウム粉体は、平均凝集径50μm、かさ密度0.3g
/cm3 のものであって、その垂直入射吸音率は図3に
示す通りである。枠体5の非固定側の開口面と表面板3
の裏面との間の隙間G1は8mmであり、枠体5同士の
隙間G2も8mmである。
【0032】この遮音パネル1の遮音性能を知るため
に、図15にみるように、吸音材4の代わりに等重量の
重り9を収容したものを作製し、音源を表面板2側に配
置して両者の遮音性能を比較した。比較結果を図4に示
すが、実施例の遮音パネルの場合、約215Hzの低周波
数で約20dBという顕著な遮音性能の向上が認められ
た。また、枠体5を設けず、枠体の非固定側の開口面の
位置まで粉体を全面に充填したものとの遮音性能の比較
も行ったが、実施例の遮音パネルの方が優れた遮音性能
であることが確認された。
【0033】
【発明の効果】この発明の遮音パネルは、粉体を利用し
た吸音材用いているため、表面板の重量を増したり、表
面板の間の間隔を大きくせずに遮音性能の向上が図れ、
その上、吸音材が複数に分かれていて、枠体同士間の隙
間や表面板と枠体の間の隙間より音が回りこみ吸音材に
吸収されやすく、枠体を伝うことによる音の伝播や吸音
材中の粉体振動が表面板に直に伝わることによる音の伝
播も阻止されているため、軽量かつ薄型であって、しか
も、低周波域での遮音性能に優れるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の遮音パネルの構成例をあらわす斜視
図。
【図2】この発明の遮音パネルの構成例をあらわす断面
図。
【図3】実施例で用いた吸音材の粉体の吸音率の対周波
数特性を示すグラフ。
【図4】実施例の吸音材の比較例の吸音材に対する遮音
向上量の対周波数特性を示すグラフ。
【図5】芯糸に細糸が絡められた繊維体の構成例をあら
わす説明図。
【図6】粒状体と微小繊維体からなる混合粉体をあらわ
す説明図。
【図7】繊維に熱融着した粉体をあらわす説明図。
【図8】熱可塑性樹脂を表面に付着させた粉体例をあら
わす説明図。
【図9】熱可塑性樹脂を表面に付着させた粉体例をあら
わす説明図。
【図10】熱可塑性樹脂を表面に付着させた粉体例をあら
わす説明図。
【図11】従来の遮音パネルの構成をあらわす斜視図。
【図12】従来の中空遮音パネルの構成をあらわす断面
図。
【図13】従来のグラスウール配設の遮音パネルの構成を
あらわす断面図。
【図14】図12,13の遮音パネルの透過損失の対周波
数特性を示すグラフ。
【図15】比較例の遮音パネルの構成をあらわす断面図。
【符号の説明】
1 遮音パネル 2 表面板 3 表面板 4 吸音材 5 枠体 6 底板 G1 隙間 G2 隙間
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【手続補正書】
【提出日】平成5年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来の遮音パネルは、図11に示すよう
に、対向させた2枚の表面板71,71の間の空間にグ
ラスウール、ウレタンフォーなどの多孔質吸音材72
を配設した2重構造のパネル70が一般的であり、軽量
で遮音性能が比較的よく建築用パネルとして実用にも供
されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】枠体5は、図2にみるように、それぞれの
開口面を表面板に対向させるとともに、隣接する枠体5
同士の間に隙間G2をあけて表面板の面方向と平行な方
向に沿って並べられている。その上、各枠体5は、一方
の表面板3の裏面との間に隙間G1があけられており、
その反対側の面がもう一方の表面板2の裏面に固定され
ている。枠体5は、普通、図1および図2のように、音
源側に臨む表面板(図2では下側の表面板2)の方に全
て固定されるが、これに限らず、例えば、半分が片方の
表面板に後の半分が他方の表面板に固定されるような形
態もあり得る。また、図2に示す枠体5の場合は、固定
側の開口面が底板6で塞がれていて、枠体5への吸音材
4の収納作業やその後の表面板2,3の間への配設作業
を行う上で都合がよいのであるが、必ずしも、固定側の
面は底板6で塞がれた箱状体である必要はなく、底側も
開口面となっているものでもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、繊維シートを用いるのは音が通り易
いということもある。例えば、樹脂シートの場合だと音
が通り難く吸音材に適さない。吸音は粉体層で行われる
から、シート自体は音を反射せずに粉体層に伝えるもの
である必要があるのである。この発明の吸音材では、繊
維シートと粉体層交互に積まれているが、粉体層の層
数は、例えば、5〜25層、普通、10〜20層程度で
ある。余り層数が少ないと1層当たりの厚みが厚くなっ
て粉体の移動を止め難くなり、余り層数が多いと1層当
たりの厚みが薄く粉体層の吸音特性が十分でなくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【発明の効果】この発明の遮音パネルは、粉体を利用し
た吸音材用いているため、表面板の重量を増したり、
表面板の間の間隔を大きくせずに遮音性能の向上が図
れ、その上、吸音材が複数に分かれていて、枠体同士間
の隙間や表面板と枠体の間の隙間より音が回りこみ吸音
材に吸収されやすく、枠体を伝うことによる音の伝播や
吸音材中の粉体振動が表面板に直に伝わることによる音
の伝播も阻止されているため、軽量かつ薄型であって、
しかも、低周波域での遮音性能に優れるものとなってい
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】実施例の比例に対する遮音向上量の対周波数
特性を示すグラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向させた2枚の表面板の間の空間に吸
    音材が配設されてなる遮音パネルにおいて、前記吸音材
    として粉体を利用した吸音材が用いられていて、この吸
    音材が少なくとも一面が開口した複数の枠体のそれぞれ
    に収められ、これらの枠体が、それぞれの開口面を表面
    板に対向させるとともに隣り合う枠体同士の間に隙間を
    あけて表面板の面方向と平行な方向に沿って並べられ、
    かつ、開口面が前記2枚のうちの一方の表面板の裏面と
    の間に隙間をあけており、その反対側の面がもう一方の
    表面板の裏面に固定されていることを特徴とする遮音パ
    ネル。
JP32811592A 1992-12-08 1992-12-08 遮音パネル Pending JPH06173359A (ja)

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JP32811592A JPH06173359A (ja) 1992-12-08 1992-12-08 遮音パネル

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JP (1) JPH06173359A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014522932A (ja) * 2011-07-19 2014-09-08 ナムティーエム インコーポレイテッド 炭が内蔵された建築用吸音材及び吸音ドア

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014522932A (ja) * 2011-07-19 2014-09-08 ナムティーエム インコーポレイテッド 炭が内蔵された建築用吸音材及び吸音ドア

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