JPH0617292B2 - 微生物防除剤 - Google Patents

微生物防除剤

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JPH0617292B2
JPH0617292B2 JP62257271A JP25727187A JPH0617292B2 JP H0617292 B2 JPH0617292 B2 JP H0617292B2 JP 62257271 A JP62257271 A JP 62257271A JP 25727187 A JP25727187 A JP 25727187A JP H0617292 B2 JPH0617292 B2 JP H0617292B2
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義昌 高原
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微生物防除剤に関するものであり、更に詳細に
はトリコデルマ属菌、特にその分生子を利用する新規に
してしかも人畜に対して安全な微生物防除剤に関するも
のである。
(従来の技術) 建築物や日常備品などにかびやバクテリヤなどが繁殖し
て、多くの損害を与えていることは周知の通りである。
これを防ぐため、種々の殺菌剤が開発され、市販されて
いるが、これらは何れも人畜にも有害であり、保健上問
題となっている。
また一方、ペニシリウムやアクチノマイセスなどに属す
る微生物が各種の微生物の生育を阻止することから、い
わゆる抗生物質の生産が行われ、種々の製剤が市販され
ていることも周知であるが、これらの製剤も副作用は避
けられず、安全性の面で問題がある。
(発明が解決しようとする問題点) このように従来の防ばい防菌剤は、いずれも人畜に対し
て有害であり、保健上安全性の面で問題となっている。
特に近年は、公害防止上の観点から、工業用、農園芸
用、医療用、飲食品用を問わずすべての産業分野におい
て、防ばい防菌剤は、その殺菌面の効力のみならず、副
作用や毒性等安全面からの効力も非常に重要視されてき
ており、人畜に対して無害な薬剤の開発が強く望まれて
いる。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、このような産業界のニーズに応えてなされた
ものである。
そのために、化学、物理学、生物学、微生物学等各方面
から検討した結果、微生物に着目するに到った。そし
て、本発明者等は、かびの一種であるトリコデルマに属
する微生物がセルラーゼを強力に生産することから、そ
れに関連する研究を続けていたが、その過程において、
トリコデルマ・ビリディ(Trichoderma viride)と各種
微生物とをペトリ皿寒天培地上で対立培養したところ、
特に植物病原性カビと食用キノコの菌糸の生育が、著し
く阻止される現象が見られた。
更に各種の相手微生物を予め生育させた後、トリコデル
マ・ビリディを接種しても同じ現象が見られた。
これらの現象は、トリコデルマ・ビリディのみでなく、
トリコデルマに属する微生物であればすべての微生物に
認められた。例えば、表1に示すごとくシイタケに対し
てトリコデルマ ロンギブラキアツムと同様にビリディ
の分生子を添加したところ、強い生育阻害性を示した
が、他の種もかなりの阻害性を有するのである。
このすぐれた生育阻害性に着目して、本発明者等は、ト
リコデルマ属菌によるレンチナス以外の他の微生物の生
育阻止作用について検討を進めていく過程において、ト
リコデルマ属菌の菌糸に着生する分生子がこの作用に密
接に関連していることを発見した。
そして更に、全く予期せざることに、分生子を培地に添
加した後加熱滅菌して分生子を死滅させた後であって
も、これに添加接種せしめた他の微生物はその生育が大
巾に阻害されることも発見した。そして更に研究を進め
て、分生子を苛性ソーダ液で抽出して得た液を更に処理
してその結果生じた沈澱物を培地に加えておき、これに
各種微生物を接種してもほとんどの微生物は生育できな
いこと、つまり分生子の抽出物にも抗菌作用があること
も発見した。
本発明は、これらの新規にして有用な知見を基礎とし、
更に研究の結果遂に完成されたものである。
本発明に係る微生物防除剤の有効成分は、トリコデルマ
属菌の分生子のアルカリ抽出物である。
トリコデルマ属菌としては例えばTrichoderma Koningi
i、T.longibrachiatum、T.resei、T.polysporum、T.viride
のほか、トリコデルマ属に属する微生物であればすべて
の菌が使用できる。
トリコデルマ属菌の分生子は、自然に発生した該菌から
得ることもできるし、人工的に培養した該菌から得るこ
ともできる。人工培養する場合には、適宜な培地に該菌
を接種、培養する方法であればすべての方法が採用で
き、例えば製麹法が好適である。そのためには、蒸煮等
加熱処理した各種穀類、豆類、それらの加工品又は廃棄
物(ヌカ、フスマ、大豆粕等)又はこれらの混合物に必
要あれば水その他所要成分を添加し、これを培地とし、
必要あれば更に殺菌した後、トリコデルマ属菌を移植し
て20〜32℃程度で数日間培養して麹とする。なおこの場
合、製麹における常法が適宜各種使用できることは多言
を要しない。このようにして得た麹は、これを乾燥した
後よくもみほぐし、そして篩別することにより分生子を
得るのである。
本発明においては、分生子のアルカリ抽出物は次のよう
にして調製する。
分生子は、常温、加温、場合によっては低温で、抽出溶
媒としてアルカリを用い、振とう、攪拌又は静置条件下
において、所要時間抽出処理し、得られたもの(粗抽出
液)をそのまま抽出物として使用する。また、粗抽出液
を中和したものを抽出物として使用すると好適である。
粗抽出液は、そのまま本発明において使用できるほか、
これをそのまま又は適当な処理を行った後、遠沈、濾過
処理をしたり、希釈、濃縮、乾燥処理したりしてもよ
い。
抽出液を使用する場合には、これらを蒸留、加熱、減圧
処理等によって粗抽出液から除去した後、これを抽出物
として使用しても、その活性が低下することがないの
で、本発明において好適に使用することができる。
このようにして調製してなる分生子のアルカリ抽出物
は、後記するようにすぐれた微生物防除作用を有する
が、その中には、次のような物質も含有されている。
(i) 融点:173±2℃ (ii) 炭素:45±2.5%、水素:10±0.5%、酸素45±2.
5%の元素組成を有する。
(iii) 赤外線吸収スペクトラムにおいて3440、1640、157
0、1410cm-1付近に吸収を有する。(第1図) (iv) 1H-NMRスペクトラムにおいて4.9、4.0〜3.0(複
数)、1.9ppm付近にピークを有する。(第2図) (v) 13C-NMRスペクトラムにおいて170、167、72〜50(複
数)、23ppm付近にピークを有する。(第3図) (vi) 紫外線吸収スペクトルは図示するとおりである。
(第4図) 一方、トリコデルマ属菌が生産する抗菌性物質として
は、従来より次のようなものが知られている(表2)。
しかしながら、上記した既知の抗菌性物質の中には、ト
リコデルマ属菌の分生子をそのオリジンとしたものもな
ければ、ましてや分生子のアルカリ抽出物も含まれてい
ない。また、特開昭59-210883号公報に開示されている
有機溶媒抽出物であるトリコルジアニンはペプチドであ
るが、本発明に係る物質は、粗抽出液を蒸留、加熱、減
圧処理して得たものであっても所期の目的を達成するこ
とができる。換言すれば加熱処理しても効力に影響がな
いこと、また本抽出物には既述した物性を有する物質が
含まれることからも、ペプチドでないことは明らかであ
る。
これらの点を総合的に検討した結果、本アルカリ抽出物
は、起源、物性、抽出法等からみて、従来未知の物質と
同定し、これを微生物防除物質X100と命名した。
本微生物防除剤は、それ単独を有効成分とする微生物防
除剤として使用することができるほか、各種薬剤や各種
製品を腐敗せしめることなく長期間保存させるための防
腐剤、防ばい剤、保存剤としても自由に使用することが
できる。
したがって本発明は、農園芸用殺菌剤、飲食品用殺菌保
存剤、化粧品ないし医薬品用殺菌保存剤、殺菌用化粧品
ないし医薬品、外用ないし内服用殺菌剤、石けんないし
洗剤用殺菌剤、建築用ないし内外装用殺菌剤、ペンキな
いし塗料用殺菌剤、皮革製品用殺菌剤、衣料用殺菌剤、
その他各種の工業的ないし生活用品用の防ばい殺菌保存
用途に巾広く使用することができる。
以下、本発明を参考例及び実施例について更に説明す
る。
参考例1 麸500gと水道水500mlの混合物を殺菌した後、トリコデ
ルマ・ビリディ(Trichoderma viride)ATCC 7474を移植
し、25℃で5日間培養して製麹した。得られた麹を通風
乾燥機で乾燥させた(40℃、2日間)後、手でよくもみ
ほぐし、三段の自動篩振とう機(100、115及び150メッシ
ュ)を用いて10分間振とうして分生子を得た。
かび用としてポテトデキストロース寒天培地(市販のポ
テトデキストロース寒天培地用材39gを蒸留水1lに溶
解したもの)、及び、バクテリア用としてブイヨン寒天
培地(市販のブイヨン30gと寒天20gとを蒸留水1lに溶
解したもの)をそれぞれ予じめ用意した。
これらの培地に、上記によって得たトリコデルマ・ビリ
ディの分生子(風乾物)を1%ずつ加え、これらをそれ
ぞれ20mlずつ試験管にとりオートクレーブで120℃、20
分間殺菌した。これらの培地をペトリ皿に流し込み凝固
せしめた後、表2に示した各微生物を白金耳で接種し、
25℃の恒温器内で7日間インキュベートし、その生育状
況を観察して表3の結果を得た。
上記結果からも明らかなように、分生子を添加すると、
細菌、糸状菌、担子菌を問わずすべての微生物の生育を
完全に阻害することが判り、本発明の微生物防除効果が
卓越していることが立証された。
実施例1 参考例1と同様にして調製したトリコデルマ・ビリディ
TMI 60892の分生子10gに、1%苛性ソーダ液500mlを
加えて25℃で24時間抽出した後、酸により中和した。そ
してこれを遠心分離し、得られた上澄液100mlにn−ブ
チルエーテル20mlを加えて無色の凝固物を得、これを40
℃で通風乾燥して乾燥物を得た。
参考例1と同様にして調製したポテトデキストリン寒天
培地及びブイヨン寒天培地に、上記乾燥物をそれぞれ0.
1%濃度加え、殺菌した後、ペトリ皿に流し込み、参考
例1と同様にして、各種微生物を移植、培養後、生育
後、生育状況を観察し、表4の結果を得た。
上記結果からも明らかなように、分生子のアルカリ抽出
物を添加すると、各種の微生物の生育を効率よく阻害す
ることが判り、本発明の微生物防除効果が卓越している
ことが立証された。
(発明の効果) 本発明は、トリコデルマ属菌の分生子のアルカリ抽出物
を用いることによって、卓越した微生物防除効果を奏す
るのみでなく毒性が低く人畜に対して極めて安全である
ので、医療用、飲食用、化粧用のほか農園芸、工業用そ
の他の内用又は外用殺菌剤として、また、各種薬剤、工
業用品、飲食品、建築用品、塗料、皮革製品等各種の製
品の保存のための防腐防ばい剤としても極めて有効に使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の係るアルカリ抽出物に含まれる物質
の赤外線吸収スペクトルである。 第2図及び第3図は、同じく1H-NMR及び13C-NMRスペク
トルである。 第4図は、同じく紫外線吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−72104(JP,A) 特開 昭59−210883(JP,A) 特公 昭45−16794(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリコデルマ属菌の分生子のアルカリ抽出
    物を有効成分とする微生物防除剤。
JP62257271A 1987-10-14 1987-10-14 微生物防除剤 Expired - Fee Related JPH0617292B2 (ja)

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