JPH06172772A - 電気粘性流体 - Google Patents
電気粘性流体Info
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Abstract
経時安定性に優れ、分散安定性と再分散性に特に優れた
電気粘性流体を提供する。 【構成】 誘電体粒子からなる分散相と電気絶縁油から
なる分散媒から構成される電気粘性流体であり、25℃
における電場無印加時の粘度がせん断速度33/sのせ
ん断状態下で200cp以下であり且つ構造粘性を示す
ことを特徴とする電気粘性流体。
Description
のである。更に詳しくは、比較的弱い電場を印加するこ
とによっても大きなせん断応力が発生し、その際に流れ
る電流密度が小さいという電流特性に優れ、発生したせ
ん断応力および電流密度の経時安定性に優れ、かつ電場
を印加していない状態での分散安定性(分散相を沈降あ
るいは浮上させずに電気粘性流体を長時間均一に保持で
きる性能)、再分散性(分散相が沈降あるいは浮上して
不均一になった後簡単な外力でもとの均一状態を再現す
る性能)及び電場を印加していない状態での流動性に特
に優れた電気粘性流体に関するものである。
体として例えばイオン交換樹脂の粉状体を芳香族カルボ
ン酸の高級アルキルエステル中に懸濁したもの(特開昭
50−92278)や、3つの結晶軸の1つのみに沿っ
て電流を伝導する結晶性物質と誘電性液体及び立体安定
剤からなる組成物(特開平1−170693)等が提案
されている。しかしながら、これらの電気粘性流体は、
電場を印加していない状態での分散安定性や、一旦沈降
あるいは浮上した後の再分散性に劣っていたり、また分
散相濃度を高くした場合には流動性に乏しくなるという
問題点を有していた。
て微細粒子を用いた電気粘性流体(特開平3−1600
94、特開平3−166295)が提案されている。し
かしながら、これらの電気粘性流体は、電場を印加した
際に得られるせん断応力値が微細粒子を添加することで
低下したり、分散安定性に乏しいので電気粘性流体の使
用条件が限られたり、デバイスに再分散機構が必要であ
る等の問題点を有していた。
を低下させることなく電気粘性流体の分散安定性、再分
散性を改良するため各種添加剤を検討してきた。その結
果、添加剤として分散媒に可溶性の特定の高分子分散剤
を使用することにより、電気粘性流体の分散安定性が改
良されることが解った。しかしこの高分子分散剤を添加
剤とする電気粘性流体は、分散相が一旦沈降した後の再
分散性に問題があり、分散安定性と再分散性を両立する
ものではなかった。
粘性流体が有していた上記の問題点を解決するものであ
る。
を印加することによっても大きいせん断応力を発生し、
その際に流れる電流密度が小さいという電流特性に優
れ、発生したせん断応力及び電流密度の経時安定性に優
れ、かつ電場を印加していない状態での分散安定性(分
散相を沈降あるいは浮上させずに電気粘性流体を長時間
均一に保持できる性能)、再分散性(分散相が沈降ある
いは浮上して不均一になったあと簡単な外力でもとの均
一状態を再現する性能)及び電場を印加していない状態
での流動性に特に優れた電気粘性流体を提供することに
ある。
らなる分散相と電気絶縁油からなる分散媒から構成され
る電気粘性流体であり、25℃で電場を印加しない状態
で測定したせん断速度33/sのせん断状態での粘度が
200cp以下であり且つ構造粘性を示すことを特徴と
する電気粘性流体に関するものである。
の要求性能として分散安定性、再分散性及び流動性が挙
げられる。即ち電場を印加した際に発生するせん断応力
値が大きいという応力特性及びその際に流れる電流密度
が小さいという電流特性を維持しながら分散安定性、再
分散性及び流動性に優れた流体の開発が望まれていた。
本発明者らは、これらの要求性能が分散媒中における分
散相の存在状態に依存するものと考え、電気粘性流体の
電場を印加していない状態での粘度を低く保ちながら電
気粘性流体に構造粘性を付与することにより、電気粘性
流体の分散安定性、再分散性及び流動性が良好になるこ
とを見いだした。即ち本発明の電気粘性流体は前記した
特定の粘度と構造粘性を示すことが必要である。
とは、分散媒中で分散相同志が弱く凝集することにより
形成された分散相と分散媒からなる構造体による粘性の
発現をいう。この構造粘性は、分散相同志に働く相互作
用の大きさによって制御され、電気粘性流体に好適な分
散安定性及び再分散性を付与する。
イスに好適に用いるため、本発明の電気粘性流体は、2
5℃で電場を印加しないで測定したせん断速度33/s
のせん断状態での粘度が200cp以下であることが必
要となる。200cpを越える粘度の場合には、流動性
に乏しくなると共に電場を印加した際の電気粘性効果が
十分に得られないという問題点が生じたり、デバイスの
設計上問題となる。
ては、次の式(1)の条件を満たすものであることが好
ましい。
しないで測定したせん断速度3.3/sのせん断状態で
の粘度、η2は25℃で電場を印加しないで測定したせ
ん断速度33/sのせん断状態での粘度であり、Ti値
はη1とη2の差である。)即ち式(1)に示すように、
本発明の電気粘性流体としてはTi値が10cp以上5
00cp以下の範囲であることが好ましい。更に好まし
くはTi値が50cp以上100cp以下であり、この
範囲であると、電気粘性流体において分散安定性、再分
散性及び流動性をより高レベルで満足することができ
る。Ti値が10cp未満の場合には、構造粘性が不十
分であり分散安定性が不十分となることがある。また、
Ti値が500cpを越える場合には、電場を印加して
いない状態での流動性が不十分となることがある。
特定の粘度を保ちながら構造粘性を付与する方法として
は、特に制限はないが、添加剤を用いることや分散相粒
子表面を高分子化合物等で処理することが有効である。
例えば添加剤としては、微粒子の表面に分散相吸着成分
と分散媒に可溶の成分が存在するもの、膨潤性のゲルに
分散相吸着成分と分散媒に可溶の成分が共に導入された
もの等を好適に用いることができる。
体粒子としては、電場を印加した状態で分極する粒子で
あれば特に制限はなく、例えばデンプン、セルロース、
イオン交換樹脂、スルホン酸基含有ポリスチレン系重合
体粒子などの親水性基を有する有機物粒子;シリカ、ア
ルミナ等の親水性無機物粒子;有機固体粒子を中心とし
てその表面に導電性薄膜層を形成し、更に電気絶縁性薄
膜層の形成された3層構造からなる粒子、アルミニウム
などの導電体粒子の表面に薄膜絶縁層を形成した粒子、
樹脂中にカーボンブラック等の導電体粒子が分散されて
なる粒子などの複合体粒子;ポリ(アセン−キノン)等
の有機半導体粒子;チタン酸バリウム、酒石酸リチウム
等の強誘電体粒子等が挙げられる。上記した誘電体粒子
の中でも、電場を印加した際に得られるせん断応力値が
大きいこと、その際に流れる電流密度が小さい及びこれ
らの経時安定性に優れていることからスルホン酸基含有
ポリスチレン系重合体粒子の使用が好ましい。また、調
製された電気粘性流体の分散安定性や流動性を考える
と、誘電体粒子の平均粒子径は1〜50μmの範囲にあ
ることが好ましい。
電気絶縁性油であれば特に制限はなく、例えばポリジメ
チルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキ
サン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン等のシ
リコンオイル;流動パラフィン、デカン、メチルナフタ
レン、デカリン、ジフェニルメタン、部分水添されたト
リフェニル等の炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、クロロビフェニル、クロロジ
フェニルメタン等のハロゲン化炭化水素;ダイフロイル
(ダイキン工業(株)製)、デムナム(ダイキン工業(株)
製)などのフッ化物;フタル酸ジオクチル、トリメリッ
ト酸トリオクチル、セバシン酸ジブチルなどのエステル
化合物等を挙げることができ、これらの中から一種また
は二種以上用いることができる。調製された電気粘性流
体の電場を印加していない状態での粘度を考えると、分
散媒の粘度は50cp以下であることが好ましい。
散媒との比は前者100重量部に対して後者100〜4
00重量部の範囲であることが好ましい。分散媒の量が
400重量部を越える場合、調製された電気粘性流体に
電場を印加した際に得られるせん断応力が充分に大きく
ならないことがある。また、分散媒の量が100重量部
未満の場合、調製された電気粘性流体としての使用が難
しくなることがある。
あるいはせん断応力値向上のために、例えば公知の高分
子分散剤、界面活性剤、高分子増粘剤、その他の添加剤
等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。
発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではな
い。
入管を備えた500mlの4つ口フラスコにトルエン1
50g、アゾビスイソブチロニトリル1g、メタクリロ
イル基含有ポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製のサ
イラプレーンFM0721、平均分子量=約5000)
50gおよびメタクリル酸セチル500gを投入し、窒
素を吹き込みながら室温で30分間撹拌した。これを7
5℃で3時間加熱して重合反応を行った。反応終了後、
エバポレーターで減圧下加熱することにより溶媒を留去
し油状の高分子重合体(1)を得た。
入管を備えた500mlの4つ口フラスコにイソプロピ
ルアルコール350g、高分子重合体(1)2g、アゾ
ビスイソブチロニトリル2g、スチレン50gを加え
て、窒素を吹き込みながら室温で30分間撹拌した。こ
れを70℃で24時間加熱して重合反応を行った。この
反応液に20csのシリコンオイル(信越化学工業(株)
製のKF96−20cs)200gを滴下した後、エバ
ポレーターで減圧下乾燥することにより揮発分を留去
し、スチレン系グラフト重合体からなる添加剤(1)の
シリコンオイル分散液(添加剤(1)の含有率20重量
%、以下添加剤分散液(1)という)を得た。
mlおよびイオン交換水100mlを混合し、そこへシ
リカゲル微粒子((株)日本触媒製、真球状、平均粒子径
1.5μm)100gを分散した。そこへγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン7gを加えて、70
℃で1時間反応した後溶媒を加熱溜去し、得られた反応
物を減圧下60℃で乾燥した。
lを入れ、乾燥して得られた上記反応物100gを分散
した。そこへアゾビスイソブチロニトリル1g、メタク
リロイル基含有ポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製
のサイラプレーンFM0721、平均分子量=約500
0、ケイ素含有量=36%)5gおよびメタクリロイル
基含有メトキシポリエチレングリコール(新中村化学工
業(株)製のNKエスエルM−230G、ポリエチレング
リコールの重合度n=約23、平均分子量=約110
0)5gを溶解して70℃で5時間反応した。反応終了
後に減圧下加熱することにより溶媒を溜去して、表面処
理されたシリカゲル微粒子からなる添加剤(2)を得
た。
入管を備えた500mlの4つ口フラスコにイオン交換
水200g、反応性乳化剤アクアロンRN−20(第一
工業製薬(株)製、ポリオキシエチレンアルキルスチリル
エーテル)1g、メタクリル酸ドデシル1gおよび過硫
酸ナトリウム1gを投入し溶解した。ここにメタクリル
酸メチル50gおよび工業用ジビニルベンゼン(和光純
薬工業(株)製、ジビニルベンゼン55重量%、エチルス
チレン35重量%等の混合物)5gからなる単量体成分
を添加し、窒素を吹き込みながら分散機により2000
0回転で2分間撹拌した。これを70℃で3時間加熱し
さらに90℃で3時間加熱して重合反応を行った。重合
終了後、共沸により分散媒を水からイソプロピルアルコ
ールに変換した後、更に鉱物系電気絶縁油((株)コスモ
石油製、高圧絶縁油)を加えイソプロピルアルコールを
減圧下留去し、メタクリル酸メチル系架橋重合体ミクロ
ゲルからなる添加剤(3)の鉱物系電気絶縁油分散液
(添加剤(3)の含有率20重量%、以下添加剤分散液
(3)という)を得た。
入管を備えた500mlの4つ口フラスコにイソプロピ
ルアルコール150g、アゾビスイソブチロニトリル
2.5g、メタクリロイル基含有ポリジメチルシロキサ
ン(チッソ(株)製のサイラプレーンFM0721、平均
分子量=約5000)7g、メタクリロイル基含有ポリ
エチレングリコール(日本油脂(株)製のブレンマーPE
−350、ポリエチレングリコールの重合度=7〜9、
平均分子量=約450)5g、スチレン45.3gおよ
び工業用ジビニルベンゼン(和光純薬工業(株)製、ジビ
ニルベンゼン55重量%、エチルスチレン35重量%等
の混合物)4.7gを投入し窒素を吹き込みながら30
分撹拌した。これを70℃で20時間加熱し85℃で4
時間加熱撹拌して重合反応を行った。この反応液に20
csのシリコンオイル(信越化学工業(株)製のKF96
−20cs)400gを滴下した後、エバポレータで減
圧下留去することにより揮発分を留去し、スチレン系架
橋重合体ミクロゲルからなる添加剤(4)のシリコンオ
イル分散液(添加剤(4)の含有率20重量%、以下添
加剤分散液(4)という)を得た。
入管を備えた500mlの4つ口フラスコにトルエン1
50g、アゾビスイソブチロニトリル1.5g、スチレ
ン80g及びメタクリル酸ドデシル20gを投入し窒素
を吹き込みながら30分撹拌した。これを70℃で20
時間加熱し85℃で4時間加熱撹拌して重合反応を行っ
た。反応終了後、減圧下で揮発分を留去して、スチレン
−メタクリル酸ドデシル共重合体からなる比較添加剤
(1)を得た。
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)ク
ラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・溶
解させた後、更に、スチレン270g、工業用ジビニル
ベンゼン(和光純薬工業(株)製、ジビニルベンゼン5
5重量%、エチルスチレン35重量%等の混合物)30
gおよびアゾビスイソブチロニトリル8gからなる混合
物を加えた。その後、7000rpmの撹拌速度でフラ
スコ内の内容物を分散させ、80℃で8時間重合した。
得られた固形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風乾燥
器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合架橋体
{以下、これを重合架橋体(1)という。}289gを
得た。
備えた2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架
橋体(1)100gを仕込み、98重量%濃硫酸700
gを加え、均一な分散液とした。反応混合物の温度を8
0℃に上げた後、同温度で24時間加熱・撹拌し、スル
ホン化反応を行った。その後、反応混合物を0℃の水中
に注ぎ、濾別、水洗した。得られた固形物を10重量%
水酸化ナトリウム水溶液500mlで中和した後、十分
に水洗した。その後、真空乾燥器を用いて80℃で10
時間乾燥し、平均粒子径6μmのスルホン酸基含有ポリ
スチレン系重合体粒子{以下、これを分散相粒子(1)
という。}を298g得た。なお、分散相粒子(1)の
陰イオン解離基密度は4.2mg当量/gであった。
間乾燥し、次いで大気中の水分を吸湿させて含水率を
2.0重量%に調整したのち、参考例1で得られた添加
剤分散液(1)1gを20csのシリコンオイル(信越
化学工業(株)製のKF96−20cs)69gに添加し
て得た分散媒中に均一に分散し、本発明の電気粘性流体
(1)を得た。
わりに参考例2で得られた添加剤(2)0.5gを用
い、20csのシリコンオイルの代わりに10csの鉱
物系電気絶縁油((株)コスモ石油製、高圧絶縁油)6
9.5gを使用した以外は実施例1と同様の方法によ
り、本発明の電気粘性流体(2)を得た。
わりに参考例3で得られた添加剤分散液(3)0.5g
を用い、20csのシリコンオイルの代わりに10cs
の鉱物系電気絶縁油((株)コスモ石油製、高圧絶縁油)
69.5gを使用した以外は実施例1と同様の方法によ
り、本発明の電気粘性流体(3)を得た。
わりに参考例4で得られた添加剤分散液(4)2.0g
を用い、20csのシリコンオイル(信越化学工業(株)
製のKF96−20cs)の使用量を68gに変更した
以外は実施例1と同様の方法により、本発明の電気粘性
流体(4)を得た。
を150℃で3時間乾燥後に大気中の水分を吸湿させて
含水率を2.0重量%に調整したのち、20csのシリ
コンオイル(信越化学工業(株)製のKF96−20c
s)70g中に混合分散し、比較用の電気粘性流体{以
下、これを比較流体(1)という。}を得た。
を150℃で3時間乾燥後に大気中の水分を吸湿させて
含水率を2.0重量%に調整したのち、10csの鉱物
系電気絶縁油((株)コスモ石油製、高圧絶縁油)70g
中に混合分散し、比較用の電気粘性流体{以下、これを
比較流体(2)という。}を得た。
を150℃で3時間乾燥後に大気中の水分を吸湿させて
含水率を2.0重量%に調整したのち、平均粒子径0.
007μmの粉末状シリカ(日本アエロジル(株)製のA
EROSIL380)1.2gを20csのシリコンオ
イル(信越化学工業(株)製のKF96−20cs)6
8.8gに添加して得た分散媒中に均一に分散し、比較
用の電気粘性流体{以下、これを比較流体(3)とい
う。}を得た。
を150℃で3時間乾燥後に大気中の水分を吸湿させて
含水率を2.0重量%に調整したのち、参考例5で得ら
れた比較添加剤(1)2.0gを溶解させた鉱物系電気
絶縁油((株)コスモ石油製、高圧絶縁油)68g中に混
合分散し、比較用の電気粘性流体{以下、これを比較流
体(4)という。}を得た。
た本発明の電気粘性流体(1)〜(4)および比較流体
(1)〜(4)の各々について、25℃にて電場無印加
時の粘度をせん断速度3.3/sおよび33/sのせん
断状態下で測定し、前記の式(1)にしたがってTi値
を算出した。ついで各々の電気粘性流体を高さ150m
m、直径15mmの試験管の底から100mmのところ
まで充填して密閉し、その後室温で放置して分散相粒子
の沈降状況を追跡した。電気粘性流体中の分散相粒子が
沈降して生じた沈降層の試験管底からの高さを放置して
1日後および1週間後に測定し、電気粘性流体の分散安
定性を評価した。さらに各々の電気粘性流体50mlを
100mlの容器にいれて密栓し1ヶ月の静置後に容器
ごと毎分30回転の速度で回転し、元の均一状態に戻る
までに要した延べ回転数を測定し、再分散性を評価し
た。その結果を表1に示す。
転粘度計にいれ、内/外筒間隙1.0mm、せん断速度
33/s、25℃の条件で交流外部電場4000V/m
m(周波数:50Hz)を印加した時のせん断応力値
(初期値)およびその際に流れる電流密度(初期値)を
測定した。さらに、4000V/mmの外部電場を印加
した状態で粘度計を25℃にて3日間連続運転した後、
せん断応力値(3日後の値)および電流密度(3日後の
値)を測定し、電気粘性流体の経時安定性を調べた。そ
の結果を表2に示す。
性流体(1)〜(4)は、η2が200cp以下であり
且つ有意なTi値が認められることから構造粘性が付与
されているため、分散安定性および再分散性に優れてい
た。しかしながら比較流体(1)および(2)は、η2
が200cp以下であるが構造粘性が付与されておら
ず、分散安定性および再分散性に劣っていた。一方、比
較流体(3)および(4)は、η2が200cpを越え
且つTi値が500cpを越えるため再分散性に劣って
いた。また、表2から明らかなように、本発明の電気粘
性流体(1)〜(4)は、比較流体(1)〜(2)と同
様に良好なせん断応力特性および電流特性を維持してい
た。
場を印加することによっても大きいせん断応力を発生
し、その際に流れる電流密度が小さいという電流特性に
優れ、発生したせん断応力および電流密度の経時安定性
に優れ、かつ電場を印加していない状態での流動性、分
散安定性(分散相を沈降あるいは浮上させずに電気粘性
流体を長時間均一状態に保持できる性能)および再分散
性(分散相が沈降あるいは浮上して不均一になった後簡
単な外力で元の均一状態を再現する性能)に特に優れて
いるため、エンジンマウント、クラッチ、ダンパー、ブ
レーキ、ショックアブソーバー、アクチュエーター、バ
ルブ等へ有効に利用できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 誘電体粒子からなる分散相と電気絶縁油
からなる分散媒から構成される電気粘性流体であり、2
5℃で電場を印加しないで測定したせん断速度33/s
のせん断状態での粘度が200cp以下であり且つ構造
粘性を示すことを特徴とする電気粘性流体。 - 【請求項2】 構造粘性が式(1)の条件を満たすもの
である請求項1に記載の電気粘性流体。 【数1】 (ただし式中、η1は25℃で電場を印加しないで測定
したせん断速度3.3/sのせん断状態での粘度、η2
は25℃で電場を印加しないで測定したせん断速度33
/sのせん断状態での粘度であり、Ti値はη1とη2の
差である。)
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32911592A JP3710494B2 (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | 電気粘性流体 |
US08/627,025 USRE35773E (en) | 1991-08-29 | 1996-06-20 | Electrorhelogical fluid |
Applications Claiming Priority (1)
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JP32911592A JP3710494B2 (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | 電気粘性流体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06172772A true JPH06172772A (ja) | 1994-06-21 |
JP3710494B2 JP3710494B2 (ja) | 2005-10-26 |
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ID=18217782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32911592A Expired - Fee Related JP3710494B2 (ja) | 1991-08-29 | 1992-12-09 | 電気粘性流体 |
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JP (1) | JP3710494B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011184581A (ja) * | 2010-03-09 | 2011-09-22 | Sekisui Plastics Co Ltd | 負帯電性を示す架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子及びその分散体 |
-
1992
- 1992-12-09 JP JP32911592A patent/JP3710494B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011184581A (ja) * | 2010-03-09 | 2011-09-22 | Sekisui Plastics Co Ltd | 負帯電性を示す架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子及びその分散体 |
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---|---|
JP3710494B2 (ja) | 2005-10-26 |
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