JPH06172584A - ポリビニルアルコール系樹脂組成物 - Google Patents
ポリビニルアルコール系樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH06172584A JPH06172584A JP4352562A JP35256292A JPH06172584A JP H06172584 A JPH06172584 A JP H06172584A JP 4352562 A JP4352562 A JP 4352562A JP 35256292 A JP35256292 A JP 35256292A JP H06172584 A JPH06172584 A JP H06172584A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyvinyl alcohol
- polysaccharide
- resin composition
- glucan
- main chain
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、高湿雰囲気下においても物性が良好
であるポリビニルアルコール系樹脂組成物からなる成形
物を提供する。 【構成】ポリビニルアルコールにオーレオバシディウム
属に属する微生物により生産されるβ−1,3−グルカ
ンを主鎖とする多糖を好ましくはポリビニルアルコール
に対して5重量%以上添加したポリビニルアルコール系
樹脂組成物からなる。
であるポリビニルアルコール系樹脂組成物からなる成形
物を提供する。 【構成】ポリビニルアルコールにオーレオバシディウム
属に属する微生物により生産されるβ−1,3−グルカ
ンを主鎖とする多糖を好ましくはポリビニルアルコール
に対して5重量%以上添加したポリビニルアルコール系
樹脂組成物からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
及びオーレオバシディウム属に属する微生物により生産
されるβ−1.3−グルカンを主鎖とする多糖からなる
ポリビニルアルコール系樹脂組成物に関する。
及びオーレオバシディウム属に属する微生物により生産
されるβ−1.3−グルカンを主鎖とする多糖からなる
ポリビニルアルコール系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコールの成形物、例えば
フィルムは、保香性、透明性、耐油性、耐電防止性、酸
素遮断性、保温性などの性質が優れており、例えば、主
として繊維製品包装用に使用される軟質の一般包装用フ
ィルム、ポリエステル成形物などの離型用フィルム、水
溶性フィルム、食品包装用フィルム、偏光用フィルムな
ど種々の用途に用いられている。
フィルムは、保香性、透明性、耐油性、耐電防止性、酸
素遮断性、保温性などの性質が優れており、例えば、主
として繊維製品包装用に使用される軟質の一般包装用フ
ィルム、ポリエステル成形物などの離型用フィルム、水
溶性フィルム、食品包装用フィルム、偏光用フィルムな
ど種々の用途に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ポリビニルアルコールは湿度に弱く、たとえばフィルム
を高湿雰囲気下に放置しておくと、酸素遮断性や強度が
低下したり、また膨潤するなどの欠点を有する。
ポリビニルアルコールは湿度に弱く、たとえばフィルム
を高湿雰囲気下に放置しておくと、酸素遮断性や強度が
低下したり、また膨潤するなどの欠点を有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニ
ルアルコールにオーレオバシディウム(Aureobasidiu
m)属に属する微生物により生産されるβ−1,3−グ
ルカンを主鎖とする多糖(以下、β−1.3−グルカン
を主鎖とする多糖と略記する)を添加したポリビニルア
ルコール系樹脂組成物がかかる目的に合致することを見
出し本発明を完成するに至った。以下、本発明について
詳述する。
かる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニ
ルアルコールにオーレオバシディウム(Aureobasidiu
m)属に属する微生物により生産されるβ−1,3−グ
ルカンを主鎖とする多糖(以下、β−1.3−グルカン
を主鎖とする多糖と略記する)を添加したポリビニルア
ルコール系樹脂組成物がかかる目的に合致することを見
出し本発明を完成するに至った。以下、本発明について
詳述する。
【0005】本発明の樹脂組成物は、ポリビニルアルコ
ール及びβ−1,3−グルカンを主鎖とする多糖からな
るものである。本発明のポリビニルアルコール(以下、
PVAと略記する)とは、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化
物あるいは、完全ケン化物のみならず、ビニルエステル
及びそれと共重合しうる単量体、たとえばエチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセ
ン、α−オクタドデセン等のオレフィン類、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩ある
いはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレ
フィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエー
テル類、N−アクリルアミドメチルアンモニウムクロラ
イド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基を
有する化合物、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等との共重合体ケン化物が
挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではな
い。PVAのケン化度は70〜99モル%、好ましくは
80〜99モル%、また重合度は600〜2000、好
ましくは1000〜1800の範囲から選ぶことが必要
である。本発明で用いられる多糖を生産するオーレオバ
シディウム属に属する微生物とは工業技術院微生物工業
技術研究所に微工研菌寄第12989号(FERM P
−12989)で寄託されているオーレオバシディウム
sp.K−1が挙げられる。
ール及びβ−1,3−グルカンを主鎖とする多糖からな
るものである。本発明のポリビニルアルコール(以下、
PVAと略記する)とは、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化
物あるいは、完全ケン化物のみならず、ビニルエステル
及びそれと共重合しうる単量体、たとえばエチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセ
ン、α−オクタドデセン等のオレフィン類、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩ある
いはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレ
フィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエー
テル類、N−アクリルアミドメチルアンモニウムクロラ
イド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基を
有する化合物、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等との共重合体ケン化物が
挙げられるが、必ずしもこれに限定されるものではな
い。PVAのケン化度は70〜99モル%、好ましくは
80〜99モル%、また重合度は600〜2000、好
ましくは1000〜1800の範囲から選ぶことが必要
である。本発明で用いられる多糖を生産するオーレオバ
シディウム属に属する微生物とは工業技術院微生物工業
技術研究所に微工研菌寄第12989号(FERM P
−12989)で寄託されているオーレオバシディウム
sp.K−1が挙げられる。
【0006】β−1,3−グルカンを主鎖とする多糖は
上記の如きオーレオバシディウム属に属する微生物によ
り生産されるものであればとくに限定されないが、主に
化1で示される構造単位と化2で示される構造単位とか
らなるものであり(1分子中の双方の合計は1000〜
2000である)主鎖のグルコースにβ−1,6結合し
たグルコースの分岐をもち、かつイオウ含有基を有する
分岐β−1,3−グルカンである。更に詳しくは主鎖の
グルコース4個あたり3個がβ−1,6結合したグルコ
ースの分岐をもち多糖重量当たりイオウを0.01〜
1.0重量%結合したβ−1,3グルカンが主である。
本発明におけるイオウ含有基とはスルホ酢酸基、スルホ
ン酸基、ポリスルホン酸基、システイン、シスチン、メ
チオニン等を示す。かかる多糖の化学的、物理的性質及
び構造の解析法においては科学と工業64(3),13
1〜135(1990)及びAgric.Biol.C
hem.,47(6)1167〜1172(1983)
に詳細しているとおりである。
上記の如きオーレオバシディウム属に属する微生物によ
り生産されるものであればとくに限定されないが、主に
化1で示される構造単位と化2で示される構造単位とか
らなるものであり(1分子中の双方の合計は1000〜
2000である)主鎖のグルコースにβ−1,6結合し
たグルコースの分岐をもち、かつイオウ含有基を有する
分岐β−1,3−グルカンである。更に詳しくは主鎖の
グルコース4個あたり3個がβ−1,6結合したグルコ
ースの分岐をもち多糖重量当たりイオウを0.01〜
1.0重量%結合したβ−1,3グルカンが主である。
本発明におけるイオウ含有基とはスルホ酢酸基、スルホ
ン酸基、ポリスルホン酸基、システイン、シスチン、メ
チオニン等を示す。かかる多糖の化学的、物理的性質及
び構造の解析法においては科学と工業64(3),13
1〜135(1990)及びAgric.Biol.C
hem.,47(6)1167〜1172(1983)
に詳細しているとおりである。
【0007】
【化1】 [但し、Glcはグルコース、Aはスルホ酢酸基、スル
ホン酸基、ポリスルホン酸基、システイン又はメチオニ
ンなどのイオウ含有基を表す。]
ホン酸基、ポリスルホン酸基、システイン又はメチオニ
ンなどのイオウ含有基を表す。]
【0008】
【化2】 [但し、Glcはグルコースを表す。]
【0009】β−1,3−グルカンを主鎖とする多糖
は、つぎのようにして得ることができる。即ち、オーレ
オバシディウム属に属する微生物を、炭素源としてシュ
クロース、グルコースまたはフラクトース、窒素源とし
て硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム等の無機化合物、あるいは酵母エキス、ペプトン等の
有機天然窒素源、その他生育に必要な微量因子として硫
酸マグネシウム、硫酸鉄等の無機イオウ源、更に必要に
応じてマグネシウム、鉄等の金属イオンやアスコルビン
酸、パントテン酸等のビタミン類を添加し、10℃〜6
0℃、好ましくは25℃〜35℃にて1日〜10日間、
好ましくは2日〜6日間通気培養することによりβ−
1,3グルカンを主鎖とする多糖を含有する培養液を得
る。又上記方法で得られた菌体を集菌した後洗浄して調
製した洗浄菌体を用い、これを炭素源と接触させること
によっても当該多糖を得ることができる。
は、つぎのようにして得ることができる。即ち、オーレ
オバシディウム属に属する微生物を、炭素源としてシュ
クロース、グルコースまたはフラクトース、窒素源とし
て硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム等の無機化合物、あるいは酵母エキス、ペプトン等の
有機天然窒素源、その他生育に必要な微量因子として硫
酸マグネシウム、硫酸鉄等の無機イオウ源、更に必要に
応じてマグネシウム、鉄等の金属イオンやアスコルビン
酸、パントテン酸等のビタミン類を添加し、10℃〜6
0℃、好ましくは25℃〜35℃にて1日〜10日間、
好ましくは2日〜6日間通気培養することによりβ−
1,3グルカンを主鎖とする多糖を含有する培養液を得
る。又上記方法で得られた菌体を集菌した後洗浄して調
製した洗浄菌体を用い、これを炭素源と接触させること
によっても当該多糖を得ることができる。
【0010】本発明のPVA系樹脂組成物として、培養
液のままβ−1,3−グルカンを主鎖とする多糖を用い
ることも可能であるが、分離して用いてもよい。培養液
からの当該多糖の分離は、遠心分離沈降法あるいはセラ
イト等の担体を用いた濾過法によって菌体を除去し、得
られた清澄液にメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等の溶媒、あるいは銅、アルミニウム等の金
属イオンを適量添加して沈殿せしめドラムドライヤー等
乾燥装置を用いて乾燥し、ハンマーミル、ボールミル等
で粉砕し、粉末体を得ることにより行うことができる。
かかるβ−1,3−グルカンを主鎖とする多糖の配合量
はPVAに対して5重量%以上、好ましくは6〜15重
量%である。配合量が5重量%未満では本発明のごとき
効果を発揮しない。
液のままβ−1,3−グルカンを主鎖とする多糖を用い
ることも可能であるが、分離して用いてもよい。培養液
からの当該多糖の分離は、遠心分離沈降法あるいはセラ
イト等の担体を用いた濾過法によって菌体を除去し、得
られた清澄液にメタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等の溶媒、あるいは銅、アルミニウム等の金
属イオンを適量添加して沈殿せしめドラムドライヤー等
乾燥装置を用いて乾燥し、ハンマーミル、ボールミル等
で粉砕し、粉末体を得ることにより行うことができる。
かかるβ−1,3−グルカンを主鎖とする多糖の配合量
はPVAに対して5重量%以上、好ましくは6〜15重
量%である。配合量が5重量%未満では本発明のごとき
効果を発揮しない。
【0011】かかる組成物には必要に応じてグリセリ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリエチ
レングリコール等の可塑剤、シリカ、炭酸カルシウム、
クレー等の無機粉末あるいは着色剤、界面活性剤、酸化
防止剤、耐水化剤、酸素、肥料、農薬、殺菌剤等の通常
成型品に添加される助剤を添加しても差し支えない。か
くして得られる樹脂組成物は、フィルムをはじめとし
て、ボトル、シート、ホース、チューブ、容器、袋、繊
維、発泡体などとして使用することができる。フィルム
を調整するにあたっては、押出法、インフレーション法
等の溶融成形法、流延法、キャスティング法等いずれも
実施可能である。
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリエチ
レングリコール等の可塑剤、シリカ、炭酸カルシウム、
クレー等の無機粉末あるいは着色剤、界面活性剤、酸化
防止剤、耐水化剤、酸素、肥料、農薬、殺菌剤等の通常
成型品に添加される助剤を添加しても差し支えない。か
くして得られる樹脂組成物は、フィルムをはじめとし
て、ボトル、シート、ホース、チューブ、容器、袋、繊
維、発泡体などとして使用することができる。フィルム
を調整するにあたっては、押出法、インフレーション法
等の溶融成形法、流延法、キャスティング法等いずれも
実施可能である。
【0012】
【作用】PVAにβ−1.3−グルカンを主鎖とする多
糖を添加することにより、かかる樹脂組成物からなる成
形物は高湿雰囲気下においても良好な物性を示す。
糖を添加することにより、かかる樹脂組成物からなる成
形物は高湿雰囲気下においても良好な物性を示す。
【0013】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げ更に詳述
する。 (多糖の製造)オーレオバシディウム属に属する微生物
(FERM P−12989)をツァペック培地(シュ
クロース3%、硝酸ナトリウム0.2%、リン酸カリウ
ム0.1%、塩化カリウム0.05%、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.05%、硫酸鉄・7水和物0.001
%)で27℃、48時間振盪培養したものを種菌とし7
0lジャーファーメンターにより27℃、撹拌数300
rpm、通気量50l/minで96時間培養した。培
養終了後、濾過により菌体を除去して得られた濾液に
1.2倍体積量のイソプロピルアルコールを激しく撹拌
しながら徐々に添加した。析出してきた多糖繊維を回収
後、かかる多糖繊維をアセトン槽において浸漬、洗浄、
脱水して回収した。ついで該繊維を70℃で乾燥し、フ
ェザーミルで粉砕した。
する。 (多糖の製造)オーレオバシディウム属に属する微生物
(FERM P−12989)をツァペック培地(シュ
クロース3%、硝酸ナトリウム0.2%、リン酸カリウ
ム0.1%、塩化カリウム0.05%、硫酸マグネシウ
ム・7水和物0.05%、硫酸鉄・7水和物0.001
%)で27℃、48時間振盪培養したものを種菌とし7
0lジャーファーメンターにより27℃、撹拌数300
rpm、通気量50l/minで96時間培養した。培
養終了後、濾過により菌体を除去して得られた濾液に
1.2倍体積量のイソプロピルアルコールを激しく撹拌
しながら徐々に添加した。析出してきた多糖繊維を回収
後、かかる多糖繊維をアセトン槽において浸漬、洗浄、
脱水して回収した。ついで該繊維を70℃で乾燥し、フ
ェザーミルで粉砕した。
【0014】この多糖を常法により(科学と工業、64
(3)、131〜135(1990)及びAglic,Bio
l.Chem.,47(6)1167〜1172(198
3)参照)分析したところ、その構造は化3で表される
構造単位及び化4で表される構造単位からなることがわ
かった。イオウ含有量は多糖全体に対して0.05重量
%であり、1分子中の双方の構造単位数の合計は約15
00であった。
(3)、131〜135(1990)及びAglic,Bio
l.Chem.,47(6)1167〜1172(198
3)参照)分析したところ、その構造は化3で表される
構造単位及び化4で表される構造単位からなることがわ
かった。イオウ含有量は多糖全体に対して0.05重量
%であり、1分子中の双方の構造単位数の合計は約15
00であった。
【0015】
【化3】 [但し、Glcはグルコースを表す。]
【0016】
【化4】 [但し、Glcはグルコースを表す。]
【0017】実施例1 ケン化度98モル%、重合度1600のPVAの5.7
重量%水溶液に上記で得られた多糖を9重量%(PVA
に対して)添加して均一に混合した。かかる水溶液の粘
度は980cpsであった。次に、かかる溶液を遠心に
て脱気し、ガラス板上にキャスティングして2日間室温
で放置後、120℃で3分間乾燥させた。フィルムを剥
離した後、更に40℃で3日間乾燥させた。かかるフィ
ルムについての耐湿テストを行った。結果はまとめて表
1に示す。
重量%水溶液に上記で得られた多糖を9重量%(PVA
に対して)添加して均一に混合した。かかる水溶液の粘
度は980cpsであった。次に、かかる溶液を遠心に
て脱気し、ガラス板上にキャスティングして2日間室温
で放置後、120℃で3分間乾燥させた。フィルムを剥
離した後、更に40℃で3日間乾燥させた。かかるフィ
ルムについての耐湿テストを行った。結果はまとめて表
1に示す。
【0018】《耐湿テスト》寸法安定性 縦100mm、横10mm、厚み176μのフィルムを
5℃、80RH%の雰囲気下に170時間放置して、縦
方向の寸法安定性を求めた。 寸法安定性(%)=(放置前の寸法ー放置後の寸法)/
放置前の寸法×100引張り強度 縦100mm、横10mm、厚み176μのフィルムを
20℃、60RH%の雰囲気下に170時間放置後、オ
ートグラフにて引張り強度を測定した。 分析機器:オートグラフAG−100(島津製作所
(株)社製) 標線間距離 25mm テストスピード 500MM/min
5℃、80RH%の雰囲気下に170時間放置して、縦
方向の寸法安定性を求めた。 寸法安定性(%)=(放置前の寸法ー放置後の寸法)/
放置前の寸法×100引張り強度 縦100mm、横10mm、厚み176μのフィルムを
20℃、60RH%の雰囲気下に170時間放置後、オ
ートグラフにて引張り強度を測定した。 分析機器:オートグラフAG−100(島津製作所
(株)社製) 標線間距離 25mm テストスピード 500MM/min
【0019】実施例2 ケン化度98モル%、重合度1600のPVAの5.7
重量%水溶液に上記で得られた多糖を6重量%(PVA
に対して)添加して均一に混合した。かかる水溶液の粘
度は600cpsであった。以下、実施例1に準じて実
験をおこなった。結果はまとめて表1に示す。 実施例3 ケン化度98モル%、重合度1600のPVAの5.7
重量%水溶液に上記で得られた多糖を8重量%(PVA
に対して)添加して均一に混合した。かかる水溶液の粘
度は870cpsであった。以下、実施例1に準じて実
験をおこなった。結果はまとめて表1に示す。 実施例4 β−1,3−グルカンを主鎖とする多糖を3重量%(P
VAに対して)とした以外は実施例1に準じて実験を行
った。結果はまとめて表1に示す。 比較例1 実施例1においてβ−1,3−グルカンを主鎖とする多
糖を添加しないで実験を行った。結果はまとめて表1に
示す。
重量%水溶液に上記で得られた多糖を6重量%(PVA
に対して)添加して均一に混合した。かかる水溶液の粘
度は600cpsであった。以下、実施例1に準じて実
験をおこなった。結果はまとめて表1に示す。 実施例3 ケン化度98モル%、重合度1600のPVAの5.7
重量%水溶液に上記で得られた多糖を8重量%(PVA
に対して)添加して均一に混合した。かかる水溶液の粘
度は870cpsであった。以下、実施例1に準じて実
験をおこなった。結果はまとめて表1に示す。 実施例4 β−1,3−グルカンを主鎖とする多糖を3重量%(P
VAに対して)とした以外は実施例1に準じて実験を行
った。結果はまとめて表1に示す。 比較例1 実施例1においてβ−1,3−グルカンを主鎖とする多
糖を添加しないで実験を行った。結果はまとめて表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明は、PVAにβ−1.3−グルカ
ンを主鎖とする多糖を添加することにより、かかる樹脂
組成物からなる成形物の高湿時での物性を向上させる。
ンを主鎖とする多糖を添加することにより、かかる樹脂
組成物からなる成形物の高湿時での物性を向上させる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコール及びオーレオバシ
ディウム属に属する微生物により生産されるβ−1,3
−グルカンを主鎖とする多糖からなるポリビニルアルコ
ール系樹脂組成物 - 【請求項2】 前記多糖をポリビニルアルコールに対し
て5重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載
のポリビニルアルコール系樹脂組成物 - 【請求項3】 前記多糖を主鎖のグルコースにβ−1,
6結合したグルコースの分岐をもつβ−1,3−グルカ
ンからなる請求項1記載のポリビニルアルコール系樹脂
組成物 - 【請求項4】 前記多糖が主鎖のグルコース4個あたり
3個のβ−1,6結合したグルコースの分岐をもつβ−
1,3−グルカンからなる請求項1記載のポリビニルア
ルコール系樹脂組成物 - 【請求項5】 前記多糖が主鎖のグルコース4個あたり
3個のβ−1,6結合したグルコースの分岐をもち、か
つイオウ含有基を有するβ−1,3−グルカンからなる
請求項1記載のポリビニルアルコール系樹脂組成物
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4352562A JPH06172584A (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4352562A JPH06172584A (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172584A true JPH06172584A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18424914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4352562A Pending JPH06172584A (ja) | 1992-12-09 | 1992-12-09 | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172584A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046732A1 (ja) * | 2010-10-04 | 2012-04-12 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 還元性を有する樹脂組成物及びその成形物 |
JP2013091716A (ja) * | 2011-10-26 | 2013-05-16 | Kri Inc | パラミロン粒子を含有する複合体 |
JP2018501396A (ja) * | 2014-12-22 | 2018-01-18 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company | ポリアルファ−1,3−グルカンを含有するポリマーブレンド |
-
1992
- 1992-12-09 JP JP4352562A patent/JPH06172584A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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