JPH06172293A - α−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方法 - Google Patents

α−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方法

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JPH06172293A
JPH06172293A JP35298392A JP35298392A JPH06172293A JP H06172293 A JPH06172293 A JP H06172293A JP 35298392 A JP35298392 A JP 35298392A JP 35298392 A JP35298392 A JP 35298392A JP H06172293 A JPH06172293 A JP H06172293A
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polyhydric alcohol
sulfofatty acid
reaction
ester
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Masahito Ono
雅人 小野
Hisao Takahashi
久雄 高橋
Tomomichi Okano
知道 岡野
Takenobu Sakatani
武信 阪谷
Masahiro Fukuda
正博 福田
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色調にすぐれたα−スルホ脂肪酸多価アルコ
ールを収率よく製造する方法を提供する。 【構成】 下記一般式(1)で表わされるα−スルホ脂
肪酸アルキルエステルと多価アルコールの混合液を80
〜150℃でを反応させることを特徴とする色調にすぐ
れたα−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方
法。 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケ
ニル基であり、R2は炭素数1〜3の直鎖又は分枝鎖の
アルキル基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色調にすぐれたα−ス
ルホ脂肪酸多価アルコールエステルの効率の良い製造方
法に関する。本発明は、特には下記一般式(2)式及び
(3)式で表わされる色調にすぐれたα−スルホ脂肪酸
アルキレングリコール及び(又はポリアルキレングリコ
ール)エステル混合物の高収率製造方法に関する。
【化2】
【化3】 (前記式中、R3、R4、R5は炭素数6〜20のアルキ
ル基又はアルケニル基、AOはC24O及びC36Oの
中から選ばれる単独ないし混合オキシアルキレン基を各
示し、p及びmはAOの平均付加モル数で、1〜50の
数を示す)
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、α−スルホ脂肪酸多
価アルコールエステル及びその塩は有用な界面活性剤で
あることが知られており、例えば、繊維処理剤(特開平
4−153368号)や、石油樹脂エマルジョン用乳化
剤(特開平4−156934号)、石油回収用活性剤
(GB2143563)などに応用が試みられている。
しかし、この様にα−スルホ脂肪酸多価アルコールエス
テルが有用な界面活性剤であると考えられるにもかかわ
らず、その工業的製造法はいまだ確立されておらず、そ
の充分な工業的、産業的利用がなされていなかった。こ
の原因の1つに、実際にα−スルホ脂肪酸多価アルコー
ルエステル又はその塩を従来から知られた方法(エステ
ル化)により製造すると、製品に着色を生じ、実用性あ
る製品とするには再結晶化等の精製処理が必要であり、
製品コストが高くなることが挙げられる。
【0003】前記製品を得るための従来知られた方法と
しては下記の3つの方法(直接エステル化法、酸クロラ
イド法、アルコリシス)がある(J.Am.Oil Chem.Soc.vo
l,46,549-551(1969)。 (1)直接エステル化法 クロロホルム、ベンゼン又はトルエン中で、α−スルホ
脂肪酸とヘキシトールとを4時間程かけて脱水縮合させ
る方法である。この方法で得られる製品は着色が著しく
再結晶化工程が必要である。 (2)酸クロライド法 ジメチルホルムアミドとピリジンと四塩化炭素とを溶媒
として用いて、α−スルホ脂肪酸クロライドとサッカロ
ースを反応させる方法である。反応は約1時間程度であ
り、短時間であるが、脱溶媒が必要であり、また製品収
率も低い。 (3)アルコリシス法 ジメチルホルムアミドを溶媒とし、触媒としてナトリウ
ムメトキシドを用い、α−スルホ脂肪酸メチルエステル
のナトリウム塩とサッカロースとを減圧下で6時間反応
させる方法(収率75%)である。この方法では臭気の
ある溶媒を用いるため作業環境が悪いという問題があ
上、製品の着色も著しく、再結晶化を行う必要がある。
【0004】このように、酸クロライド法以外の方法
は、反応時間が長いという問題があり、一方、酸クロラ
イド法は反応時間は短いが反応が激しく、そのコントロ
ールがむつかしいという問題がある。また、これらの3
つの方法とも溶媒等を用いていることが製品の色調を充
分なものにすることができない原因になっているものと
考えられる。さらに、前記報告に限らず、エステル化反
応による製造法は、一般に反応溶媒が必要であると同時
に反応物の色調が悪い、反応率が低いなど問題点があ
る。一方、エステル化反応法以外では、多価アルコール
脂肪酸エステルを原料としスルホン化反応によりα−ス
ルホ脂肪酸多価アルコールエステルを製造する方法があ
る。しかし、この方法もまた反応溶媒が必要であり、反
応物の色調が悪い、反応率が低い、不純物の生成が多い
など問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題を
解決し、色調にすぐれたα−スルホ脂肪酸多価アルコー
ルを収率よく製造する方法を提供することをその課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、低級アルコール−
α−スルホ脂肪酸エステルと多価アルコールとの混合液
を、80〜150℃でエステル交換反応させることによ
り前記の課題を解決し得ることを見出し本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、下記一般式(1)
で表わされるα−スルホ脂肪酸アルキルエステルと多価
アルコールの混合液を80〜150℃でを反応させるこ
とを特徴とする色調にすぐれたα−スルホ脂肪酸多価ア
ルコールエステルの製造方法が提供される。
【化1】 (式中、R1は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケ
ニル基であり、R2は炭素数1〜3の直鎖又は分枝鎖の
アルキル基である)
【0007】低級アルコール−α−スルホ脂肪酸エステ
ルを表わす一般式(1)において、そのR1は、一般に
存在する脂肪酸の残基であればよく、直鎖・分枝・飽和
・不飽和によって特に限定されるものではないが、好ま
しくは炭素数6〜20の直鎖又は分枝のアルキル基もし
くはアルケニル基であり、例えばヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘキサデセニ
ル基、オクタデセニル基などが挙げられる。同様に低級
アルコール残基を示すR2についても一般に存在するも
のであればよく、直鎖・分枝・飽和・不飽和によって特
に限定されるものではないが、好ましくは炭素数1〜3
の直鎖又は分枝鎖ののアルキル基であり、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
【0008】上記低級アルコール−α−スルホ脂肪酸エ
ステルについては、従来公知の方法で合成されたもので
あれば特に制限はないが、好ましくは、合成後に過酸化
水素等の漂白剤により漂白されたものが望ましい。漂白
方法についても特に制限はなく、従来の方法で漂白され
たものであればよい。同じく他方の原料である多価アル
コールについても、一般に存在するものであれば特に限
定されるものではないが、次の一般式で表わされるポリ
オキシアルキレングルコールの使用が好ましい。 (1)HO(C24O)m H (4) 式中、mは1〜50の数を示す。 (2)HO(C36O)m H (5) 式中、mは1〜15の数を示す。 (3)HO(C24O)o・(C36O)p・(C24O)q H (6) 式中、o、p、qは0又は1以上の数であり、o+p+
qは2〜15の数を示す。
【0009】多価アルコールとしては、前記したポリオ
キシアルキレングリコールの他、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、グルコース、ショ糖、ポリグリセリン
(重合度2〜10)、ポリグルコース(重合度2〜3)
等も好ましく使用される。本発明で好ましく使用し得る
多価アルコールの具体例を示すと、例えば、ポリエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール#200、#30
0、#400、#1500、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ア
デカポリエーテルシリーズP−400、P−700(旭
電化工業株式会社製)、プルロニックL−31、L−6
1、L−62、L−84、L−86(旭電化工業株式会
社製)などが挙げられる。 上記の低級アルコール−α
−スルホ脂肪酸エステルと多価アルコールルを原料とし
て用いてエステル交換反応を行うことにより目的とする
多価アルコール−α−スルホ脂肪酸エステルを得ること
ができる。
【0010】本発明によりエステル交換方法を行うに
は、先ず、低級アルコール−α−スルホ脂肪酸エステル
と多価アルコールを、温度30〜80℃、好ましくは4
0〜60℃で混合溶解させる。この場合、必要に応じ、
沸点が200℃以下の有機溶媒、例えば、メタノール
や、エタノール、プロパノール等の低級アルコールを溶
解助剤として用いることができる。次に、この混合液
を、80℃〜150℃、好ましくは85℃〜115℃、
さらに好ましくは95℃〜110℃の範囲の温度に加熱
して、エステル交換反応を行わせる。この場合、反応温
度が80℃未満では反応液の粘度が高くなり、速やかに
反応が進行しない。また150℃を越える温度では反応
液の着色がひどくなる。反応中は生成する低級アルコー
ルを反応系外に速やかに留去させるために減圧下(好ま
しくは200torr以下)で行うことが望ましいが、
常圧でも差し支えない。反応仕込み時の低級アルコール
−α−スルホ脂肪酸エステルと多価アルコールのモル比
は、通常1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1の
範囲である。この範囲外では低級アルコール−α−スル
ホ脂肪酸エステル又はポリオールの未反応分が多く残
り、実用上問題がある。
【0011】前記エステル交換反応において、多価アル
コールとして、例えば、ポリアルキレングリコールを用
いる場合、ポリアルキレングリコール−α−スルホ脂肪
酸モノエステルとポリアルキレングリコール−α−スル
ホ脂肪酸ジエステルが生成するが、反応物中のモノエス
テルとジエステルの組成比は、反応仕込み時の低級アル
コール−α−スルホ脂肪酸エステルとポリアルキレング
リコールのモル比を調節することにより容易に調節する
ことができる。即ち、低級アルコール−α−スルホ脂肪
酸エステルの仕込みモル比を高めれば、ジエステルの含
有量が増加し、逆にポリアルキレングリコールの仕込み
モル比を高めれば、モノエステルの含有量が増加する。
また、他の多価アルコールを用いる場合にも、モノエス
テルの他、ポリエステルが生成するが、それらの組成比
も、同様に仕込み原料比により調節することができる。
【0012】本発明で用いる低級アルコール−α−スル
ホ脂肪酸エステルは、反応原料であると同時に自ら酸触
媒としても作用するため、反応系には特には触媒を加え
る必要はない。また、従来必要であった四塩化炭素やト
ルエンなどの反応溶媒についても不要あるいは極少量の
使用で反応が可能であり、経済的にも有利になり、作業
環境も著しく改善される。さらに、本発明によるエステ
ル交換反応は、反応が非常に速やかに進行するため反応
時間が短縮され、不純物の生成も無いため反応物の着色
も非常に少なく色調の良好な反応物を高収率で得ること
が可能である。特に、過酸化水素漂白された低級アルコ
ール−α−スルホ脂肪酸エステルを原料として使用した
場合には、反応物の着色がさらに少なく、色調の非常に
良好な反応物を得ることができる。
【0013】本発明のエステル交換反応で得られる多価
アルコール−α−スルホ脂肪酸エステルは、反応後、酸
の状態でそのまま用いることも可能であるし、必要に応
じて中和を行い、塩の状態で界面活性剤用途に使用する
ことが可能である。中和の方法については特に制限はな
く、従来公知の方法で行うことができる。塩としては、
アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩な
ど)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム塩、カル
シウム塩など)、置換もしくは無置換のアンモニウム塩
(例えばアンモニウム塩、低級アミン塩、低級アルカノ
ールアミン塩など)などが挙げられる。さらに用途に応
じた後処理(pH調整、漂白など)を行うことも可能で
ある。
【0014】
【発明の効果】本発明は、低級アルコール−α−スルホ
脂肪酸エステルと多価アルコールから、多価アルコール
−α−スルホ脂肪酸エステルを高収率で得ることが可能
である上に、反応物の色調も良で、かつ経済的にも有利
という特徴を有しており、工業的な多価アルコール−α
−スルホ脂肪酸エステルの製造法として好適である。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0016】実施例1〜8 低級アルコール−α−スルホ脂肪酸エステル:2.0モ
ルと多価アルコール:2.0モルを4つ口フラスコに仕
込み、溶解混合後、100℃、減圧下(100tor
r)で、1時間30分エステル交換反応を行った。その
反応結果を表1に示す。
【0017】比較例1 α−スルホラウリン酸:2.0モル、ポリエチレングリ
コール#400:2.0モル、そして反応溶媒としてト
ルエン1.5lを4つ口フラスコに仕込み、溶解混合
後、100℃、減圧下(100torr)で、1時間3
0分脱水縮合エステル化反応を行った。その反応結果を
表1に示す。
【0018】なお、反応物の色調及び反応率は以下のよ
うにして分析した。 (1)色調 反応液の10%水溶液を調製し、分光光度計を用いて4
20nmにおける試料溶液の吸光度を測定し、下式より
求め比較した。 色調 = 吸光度(−logT) × 1000 (2)反応率 高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。
【0019】実施例9 メチル−α−スルホラウリン酸エステル:1.5モル、
トリプロピレングリコール:1.5モルを4つ口フラス
コに仕込み、溶解混合後、90℃、常圧にて1時間エス
テル交換反応を行った。その反応結果を表2に示す。
【0020】比較例2、3 メチル−α−スルホラウリン酸エステル:1.5モル、
トリプロピレングリコール:1.5モルを4つ口フラス
コに仕込み、溶解混合後、70℃及び160℃、常圧に
て2時間エステル交換反応を行った。その反応結果を表
2に示す。
【0021】実施例10〜12 エチル−α−スルホパルミチン酸エステルとポリエチレ
ングリコール#300を1:2,1:1,2:1のモル
比で4つ口フラスコに仕込み、溶解混合後、120℃、
減圧下(150torr)で、2時間30分エステル交
換反応を行った。その反応結果を表3に示す。なお、こ
の場合、反応物中のポリエチレングリコール#300−
α−スルホパルミチン酸モノエステルとジエステルの組
成比については、高速液体クロマトグラフィーを用いて
測定した。
【0022】実施例13、14 反応原料にメチル−α−スルホミリスチン酸エステルと
ポリグリセリン(平均重合度5)及びペンタエリスリト
ールを用いたエステル交換反応を行った結果、反応率、
色調ともに良好なポリオール−α−スルホミリスチン酸
エステルを得ることが出来た。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪谷 武信 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 福田 正博 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされるα−スル
    ホ脂肪酸アルキルエステルと多価アルコールの混合液を
    80〜150℃でを反応させることを特徴とする色調に
    すぐれたα−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製
    造方法。 【化1】 (式中、R1は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケ
    ニル基であり、R2は炭素数1〜3の直鎖又は分枝鎖の
    アルキル基である)
  2. 【請求項2】 多価アルコールが、アルキレングリコー
    ル又はポリアルキレングリコールである請求項1のα−
    スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応を反応初期から反応終了時まで実質
    的に無溶媒下で行なうことを特徴とする請求項1又は2
    のα−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 混合液中に、沸点が200℃以下の有機
    溶媒を添加する請求項1又は2のα−スルホ脂肪酸多価
    アルコールエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】該有機溶媒が低級アルコールである請求項
    4のα−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】α−スルホ脂肪酸アルキルエステルが、あ
    らかじめ漂白剤により漂白したものである請求項1〜5
    のいずれかのα−スルホ酸肪酸多価アルコールエステル
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 α−スルホ脂肪酸アルキルエステルと多
    価アルコールとの反応モル比が、1:3〜3:1であ
    り、反応を減圧下で低級アルコールを留去しながら行う
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかのα−スルホ
    脂肪酸多価アルコールエステルの製造方法。
JP35298392A 1992-06-17 1992-12-10 α−スルホ脂肪酸多価アルコールエステルの製造方法 Pending JPH06172293A (ja)

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