JPH06172204A - アクレアシン類含有リポソーム製剤およびその製造法 - Google Patents

アクレアシン類含有リポソーム製剤およびその製造法

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JPH06172204A
JPH06172204A JP4329294A JP32929492A JPH06172204A JP H06172204 A JPH06172204 A JP H06172204A JP 4329294 A JP4329294 A JP 4329294A JP 32929492 A JP32929492 A JP 32929492A JP H06172204 A JPH06172204 A JP H06172204A
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JP
Japan
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liposome
group
liposome preparation
hydrogen atom
acid residue
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Withdrawn
Application number
JP4329294A
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English (en)
Inventor
Shigenori Morimoto
成紀 守本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ニューモシスチス・カリニ肺炎に対する予防
及び治療剤として、治療効果が高く且つ副作用が少な
く、しかも有効成分を高含有量に投与することができる
安全性の高い製剤を提供する。 【構成】 次式で表されるアクレアシン類からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種を有効成分、リポソーム基剤
および水性媒体からなる成分を必須とすることを特徴と
するアクレアシン類含有リポソーム製剤およびその製造
方法。 (式中、R1 −CO−は長鎖飽和または不飽和脂肪酸残
基またはベンゼン環、ピリジン環等を示し、R2 はH、
分鎖を有してもよい低級アルキル基、ベンジル基または
モノ(ジ)アルキルアミノ−低級アルキル基を示し、R
3 はH、−CONH2 基を示し、R4 はH、OHを示
す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式(1)
【0002】
【化3】
【0003】(式中、R1 −CO−は長鎖飽和または不
飽和脂肪酸残基またはベンゼン環、ピリジン環、酸素原
子、イオウ原子または窒素原子を分子中の含有してもよ
い有機酸残基を示し、R2 は水素原子、分鎖を有しても
よい低級アルキル基、ベンジル基またはアミノ基がモノ
低級アルキル基またはジ低級アルキル基で置換されても
よいアミノ−低級アルキル基を示し、R3 は水素原子ま
たは−CONH2 基を示し、R4 は水素原子または水酸
基を示す)で表されるアクレアシン類からなる群より選
ばれた少なくとも一種を有効成分、リポソーム基剤およ
び水性媒体からなる成分を必須とすることを特徴とする
アクレアシン類含有リポソーム製剤、および上記有効成
分、リポソーム基剤および水性媒体からなる成分を必須
として、高速攪拌した後、さらにリポソーム成形のため
に乳化することを特徴とするアクレアシン類含有リポソ
ーム製剤の製造法に関し、例えばニューモシスチス・カ
リニ肺炎に対する予防及び治療に有効なアクレアシン類
のリポソーム製剤およびその製造法を提供するものであ
る。
【0004】
【従来の技術】ニューモシスチス・カリニ(Pneumocyst
is carinii)は分類学上の位置に議論のあるものの、原
虫の一種であるとされており、現在までに1属1種が知
られている。このものが肺炎の病原体となり得ることが
知られており、先天性免疫不全または栄養不良による低
免疫力乳幼児,急性リンパ球性または骨髄性白血病等の
小児疾患,高年齢層の自己免疫疾患,肺癌を種とする悪
性腫瘍の場合、また特に抗腫瘍剤、ステロイド、免疫抑
制剤を多量に使用した場合、またはAIDS、トキソプ
ラズマ、サイトメガロウィルス、放線菌、真菌類等の感
染症と合併すると、ニューモシスチス・カリニ肺炎を発
生し、呼吸不全によって死亡することが多い。
【0005】現在、ニューモシスチス・カリニ肺炎に対
する有効性が報告されている薬剤としては、抗菌剤であ
るスルファメトキサゾールとトリメトプリムとの配合剤
(ST合剤)及び抗原虫薬であるペンタミジンが報告さ
れているが、サルファ剤はAIDS患者に対して毒性が
強く、またペンタミジンはそれ自体毒性が強いので、そ
れらの使用が制約され、それに伴い治療効果も制限され
ている。
【0006】このような状況の下で、副作用が少なく、
より有効な治療効果のある薬剤として、抗生物質アクレ
アシンAα,Aγ,Dα,Dγ等の下記一般式(1)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1 −CO−は長鎖飽和または不
飽和脂肪酸残基またはベンゼン環、ピリジン環、酸素原
子、イオウ原子または窒素原子を分子中の含有してもよ
い有機酸残基を示し、R2 は水素原子,分鎖を有しても
よい低級アルキル基、ベンジル基またはアミノ基がモノ
低級アルキル基またはジ低級アルキル基で置換されても
よいアミノ−低級アルキル基を示し、R3 は水素原子ま
たは−CONH2 基を示し、R4 は水素原子または水酸
基を示す)で表されるアクレアシン類を有効成分として
含有する薬剤が提案された。
【0009】しかしながら、上記アクレアシン類は水に
極めて難溶であり、またクロロホルムやエーテルにも溶
解しない。また親水性有機溶媒、例えばメタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアル
コール類には溶解するが、これらは注射用製剤とするに
は不適当な溶媒であり、可溶化剤として使用されるにす
ぎない。したがって、従来と同様な手段により上記物質
を製剤化しようとしても不可能であった。
【0010】一方、一般にリポソームの形成により医薬
を超マイクロカプセル化することが製剤化の手段として
行われているが、レシチン等のリン脂質のみからリポソ
ームを製造する場合にはリポソームを形成できないか、
または極めて形成し難く、通常は合成界面活性剤を使用
していた。しかしながら、合成界面活性剤を用いて形成
されたリポソームは安全性、皮膚刺激性、生分解性等の
問題が多く、生体に関わる用途の使用には問題があり、
また従前の一般的なリポソームの製造工程においては、
例えばクロロホルム、ジエチルエーテル、イソプロピル
エーテルやメタノールなどの有機溶媒を用いて行われて
いることから、これらの残留有機溶媒の問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
に対処してなされたもので、前記一般式(1)で表され
るアクレアシン類を有効成分として含有するニューモシ
スチス・カリニ肺炎に対する予防及び治療剤において、
安全性が高く且つ用法が簡便であり、しかも上記アクレ
アシン類を高含有量に投与することができるリポソーム
製剤および水性媒体を用いてなる製剤上において安全性
の良好なリポソーム製剤およびその製造法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】すなわち本発明
は、一般式(1)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R1 −CO−は長鎖飽和または不
飽和脂肪酸残基またはベンゼン環,ピリジン環,酸素原
子,イオウ原子または窒素原子を分子中の含有してもよ
い有機酸残基を示し、R2 は水素原子,分鎖を有しても
よい低級アルキル基,ベンジル基またはアミノ基がモノ
低級アルキル基またはジ低級アルキル基で置換されても
よいアミノ−低級アルキル基を示し、R3 は水素原子ま
たは−CONH2 基を示し、R4 は水素原子または水酸
基を示す)で表されるアクレアシン類からなる群より選
ばれた少なくとも一種を有効成分、リポソーム基剤およ
び水性媒体からなる成分を必須とすることを特徴とする
アクレアシン類含有リポソーム製剤、および上記有効成
分、リポソーム基剤および水性媒体からなる成分を必須
として、高速攪拌した後、さらにリポソーム成形のため
に乳化することを特徴とするアクレアシン類含有リポソ
ーム製剤の製造法である。
【0015】本発明において、水に極めて溶けにくい上
記有効成分を水性媒体を用いてリポソーム化することに
よって、リポソーム基剤として使用する精製レシチン、
例えば該レシチン1重量部に対して有効成分たるアクレ
アシン類を0.001〜3重量部を含有せしめ、特に水
性媒体を用いることから製剤上安全性の良好なリポソー
ム製剤であり、かつ高濃度に有効成分を含有せしめるこ
とを完成したもので、さらに上記有効成分を生体内に有
効に投与することが可能となる製剤およびその製造法を
提供し得るものである。
【0016】本発明において、リポソームとは、レシチ
ン等のリン脂質を主成分として水中で脂質二分子膜を形
成した微粒子であって、通常、直径10μm 以下の粒径
のものをいう。本発明におけるリポソーム基剤とは、リ
ポソームを形成する主成分であって、天然由来のリン脂
質及び合成リン脂質のいずれであってもよく、例えば、
精製卵黄レシチン、精製大豆レシチン及びそれらの水素
添加物が好適なものとして挙げられる。またその他のリ
ポソーム基剤としては、例えばジミリストイルフォスフ
ァチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルフォスフ
ァチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルフォスフ
ァチジルコリン(DSPC)、ジリノオレイルフォスフ
ァチジルコリン(DRPC)、ジオレイルフォスファチ
ジルコリン(DOPC)やこれらのリン脂質の混合物と
ともに適宜リポソーム安定化のためにリン脂質1重量部
に対して0.01〜1重量部のコレステロールやその他
のリン脂質、例えばスフィンゴミエリン、フォスファチ
ジルエタノールアミン、フォスファチジルグリセロー
ル、フォスファチジルセリン、フォスファチジン酸、フ
ォスファチジルイノシトール、カルジオリピン、その他
に各種脂肪酸、脂肪族アルコール等や、α−トコフェロ
ールやそのエステル等の酸化防止剤などを適宜添加して
もよい。
【0017】また、本発明の有効成分は上記一般式
(1)に示す物質であり、これらは抗生物質アクレアシ
ン類として公知の化合物である(特公昭59−2035
0〜3号公報、Tetrahedron Letters,4147〜4150(197
6)、Helv. Chim. Acta.,62(4)1252〜267(1979)、特
開平3−240727号公報、特開平4−99721号
公報)。
【0018】上記の有効成分を示す一般式において、基
R1 の例としては、例えば、
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】等が挙げられる。また、基R2 の例として
は、例えば水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−
ブチル、ペンチル、ヘキシル、3−メチルブチル、2−
エチルブチル、1−エチルブチル等の直鎖または分鎖状
の炭素数1〜6個の低級アルキル基、ベンジル基、2−
アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチ
ル、2−アミノプロピル、2−アミノブチル等のアミノ
−低級アルキル基、アミノ基がメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル等のモノ低級アルキルまたはジ低級アルキル基で置換
された2−アミノエチル、3−アミノプロピル等のアミ
ノ−低級アルキル基等が挙げられる。
【0027】基R3 としては、水素原子または−CON
H2 が挙げられ、基R4 としては水素原子または水酸基
が挙げられる。上記一般式(1)で表されるアクレアシ
ン類において、R1 −CO−が長鎖飽和または不飽和脂
肪酸残基、例えば炭素数14〜18(C14〜C18)が挙げら
れ、R2 が水素原子、R3 が水素原子、R4 が水素原子
または水酸基であるアクレアシン誘導体が好ましく、さ
らにアクレアシン誘導体において、R1 −CO−がミリ
スチン酸残基(C14)、R4 が水酸基で示されるアクレ
アシンAα、R1 −CO−がパルミチン酸残基(C1
6)、R4 が水酸基で示されるアクレアシンAγ、R1
−CO−がミリスチン酸残基、R4 が水素原子で示され
るアクレアシンDα、R1 −CO−がパルミチン酸残
基、R4 が水素原子で示されるアクレアシンDγが好例
として挙げられ、さらにR1 −CO−がステアリン酸残
基(C18)、R4が水素原子で示されるエキノキャンデ
ィンC、R1 −CO−がリノール酸残基(C18,2重結
合2個)、R4 が水酸基で示されるエキノキャンディン
B等が挙げられる。
【0028】また本発明のリポソーム製剤の組成として
は、リポソーム基剤の1重量部に対して、有効成分が
0.001〜3重量部、好ましくは0.005〜3重量
部である。また本発明のリポソーム製剤における水性媒
体は、リポソーム基剤の1重量部に対して10〜500
重量部である。本発明のリポソーム製剤を得るのは、こ
れらの組成に基づいて、以下の製造法に基づいてリポソ
ーム形成を行えばよい。
【0029】さらにリポソームの製造について以下に述
べるが、本発明では、水性媒体、例えば水、好適には注
射用蒸留水やグリセリン、グルコース、サッカロース、
マルトースなどの等張化剤としての多価アルコールを
0.2〜0.3M程度含有した水性媒体を用いてリポソ
ーム成形せしめるもので、リポソームの形成時にリポソ
ーム製造時の有機溶媒やグリチルリチン類やコール酸類
等のリポソームの形成助剤を用いることなく、簡便かつ
効率良くアクレアシン類を高含量にて含有せしめてなる
リポソームを形成し得る利点を有する。
【0030】リポソーム製剤の製造法としては、例え
ば、上記した一般式(1)で表されるアクレアシン類か
らなる群より選ばれた少なくとも一種を有効成分、リポ
ソーム基剤および水性媒体を高速攪拌した後、さらにリ
ポソーム成形のために乳化することによりアクレアシン
類含有リポソーム製剤を製造するものである。この製造
において、まず上記有効成分とリポソーム基剤とを充分
に練合するもので、簡便には乳鉢内にて充分に混合せし
めて練合すればよく、またリボン型ブレンダーの如き混
合機を用いて練合すればよい。ついで、水性媒体として
は、リポソーム基剤1重量部当たり10〜500重量部
を用い、この練合物と水性媒体と混合するもので、例え
ば小スケールの場合には乳鉢内にて充分に分散処理すれ
ばよく、また適宜なスケールにおいてはホモジナイザー
やニーダーなどを用いて分散せしめればよい。このよう
にして得られた分散混合液には一部沈渣が見られるが、
以後の操作に影響がなく、そのまま使用できる。次いで
この分散混合液は、さらに高速攪拌、例えば高速ホモジ
ナイザーにて15000〜30000rpmで4〜10
分間程度攪拌すればよい。その後、この攪拌混合液を乳
化せしめるもので、例えば10〜50KHzで60〜1
0秒間程度超音波ホモジナイザーにて乳化せしめる超音
波処理法またはマイクロフルイダイザーにて500〜1
600Kg/cm2 の圧力で15〜50回程度乳化せし
めてなる高圧乳化法による乳化を行えばよく、このよう
にして目的とするアクレアシン類含有リポソーム製剤を
大量に製造し得る。
【0031】得られたリポソーム製剤は、極めて均一な
リポソームの粒子を形成したものであって、例えば0.
22μmの除菌フィルターで処理することにより、簡便
に無菌化された注射用無菌製剤を得ることができ、また
これは適宜な製剤として使用できるものである。本発明
で得られるリポソームの平均粒径は、レーザー散乱光に
よる測定で、好ましくは20nm〜500nmであり、
かつアクレアシン類をリポソーム基剤1重量部に対して
3重量部程度までの高濃度に含有したリポソーム製剤を
得られ、有効な薬剤を提供し得たものである。
【0032】本発明のリポソーム製剤は静脈内、筋肉
内、皮下、皮内等への注射でもよく、経口投与でもよ
く、口腔、鼻、肺、直腸、膣等の粘膜に適用してもよ
く、経皮投与でもよい。また、本発明のリポソームの好
ましいpH範囲は3〜10であり、より好ましくは5〜8
であり、さらに製剤化に当り、適宜、グルコース、シュ
クロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、
ソルビトール、デキストリン(例えばT−40,T−70)
やサイクロデキストリン等の凍結乾燥添加剤、パラベン
類,フェノール,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼト
ニウム等の防腐剤、塩化ナトリウム,塩化カリウム等の
塩類、グルコース,シュクロース等の糖類、プロピレン
グリコール,グリセリン等の多価アルコール類等の等張
化剤を用いてもよい。
【0033】
【実施例】次いで、本発明の実施例を挙げて具体的に述
べるが、本発明は何らこれらによって限定されるもので
はない。
【0034】
【実施例1】精製卵黄レシチン(旭化成工業製:Lo
t.88100261)5gとアクレアシンAγ5gを
乳鉢内で3分間充分練合し、グリセリン2gを精製水1
00mlに溶解した水溶液を加えて分散せしめた。次い
で、この分散液を高速ホモジナイザ−(バイオミキサ−
BM−1、日本精機製作所製)にて約20000rpm
で約6分間高速攪拌した。その後、これを超高圧ホモジ
ナイザ−(マイクロフルイダイザ−M−110T、Mi
crofluidics Corporation社
製)にて圧力約840kg/cm2 で約20回乳化して
リポソ−ム懸濁液を得た。次いで0.22μmのメンブ
ランフィルタ−により無菌ろ過し、注射用製剤を得た。
【0035】調製後のリポソ−ム製剤中のアクレアシン
Aγ含量を高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)を
用いて測定した。また、リポソ−ム製剤の平均粒子径
は、レ−ザ−散乱光により測定した。調製したリポソ−
ム懸濁剤は、アクレアシンAγ含量44.6mg/m
l、平均粒子径202.4nmを有しており、アクレア
シンAγを均一に溶解した製剤を得た。
【0036】
【実施例2】 安定性試験 精製卵黄レシチン5gとアクレアシンAγ3gを用い
て、実施例1と同様に操作を行い、無菌ろ過したリポソ
−ム懸濁液を調製した。調製後、4℃と25℃にて4週
間保存し、経時的に2週間後及び4週間後のアクレアシ
ンAγの残存率(調製時のアクレアシンAγ含量を10
0.0%とした。)と平均粒子径を測定した。
【0037】その結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】この表1に示す通り、4週間後のアクレア
シンAγ残存率は、4℃において95%以上であり、2
5℃において90%以上であった。また、平均粒子径
は、4℃、25℃ともに4週間後まで145〜165n
mの平均粒子径を維持した安定なものであった。したが
って、4℃保存において、かなり長期安定なリポソ−ム
製剤を得た。
【0040】
【実施例3】精製卵黄レシチン5gとアクレアシンAγ
1gを用いて、実施例1と同様に操作を行い、無菌ろ過
したリポソ−ム懸濁液を調製した。調製後、5mlのバ
イアル瓶にリポソ−ム懸濁液1mlづつ分注し10%グ
ルコ−ス入り水溶液1mlを添加混和して、凍結乾燥を
行い、窒素置換、打栓、巻き締めし、安定なリポソ−ム
凍結乾燥製剤を得た。
【0041】
【実施例4】精製卵黄レシチン0.5gとアクレアシン
Aγ0.1gを乳鉢内で3分間充分練合し、グリセリン
0.2gを無菌蒸留水10mlに溶解した水溶液を加え
て分散した。次いで、この分散液を高速ホモジナイザ−
(バイオミキサ−BM−1、日本精機製作所製)にて約
20000rpmで約6分間高速撹拌し、その後、氷を
入れたステンレス製容器中で超音波ホモジナイザ−(日
本精機製作所製、モデルU−300)にて、約20kH
zで20秒入れ、10秒休みのサイクルで30回処理し
て乳化したリポソ−ム懸濁液を得、0.22μmのメン
ブランフィルタ−により無菌ろ過し、平均粒子径14
2.6nmのリポソ−ム製剤を得た。
【0042】
【実施例5】精製卵黄レシチン50mgとアクレアシン
Aγ150mgを乳鉢内で3分間十分練合し、グリセリ
ン0.1gを無菌蒸留水5mlに溶解した水溶液を加え
さらに練合し、実施例4と同様な操作を行い、平均粒子
径142.6nmのリポソ−ム製剤を得た。
【0043】
【実施例6】精製卵黄レシチン1gとアクレアシンAα
0.2gを用いて、実施例1と同様に操作を行い、無菌
ろ過したリポソ−ム製剤を調製した。
【0044】
【実施例7】精製卵黄レシチン1gとアクレアシンDα
0.2gを用いて、実施例1と同様に操作を行い、無菌
ろ過したリポソ−ム製剤を調製した。
【0045】
【実施例8】精製卵黄レシチン1gとアクレアシンDγ
0.2gを用いて、実施例1と同様に操作を行い、無菌
ろ過したリポソ−ム製剤を調製した。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により水に
難溶性のアクレアシン類を有効成分として、水性媒体を
用いて安定なリポソーム製剤化が可能となり、その結
果、ニューモシスチス・カリニ肺炎に対する予防及び治
療に有効な薬剤を提供することが可能となった。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 −CO−は長鎖飽和または不飽和脂肪酸残
    基またはベンゼン環、ピリジン環、酸素原子、イオウ原
    子または窒素原子を分子中の含有してもよい有機酸残基
    を示し、R2 は水素原子、分鎖を有してもよい低級アル
    キル基、ベンジル基またはアミノ基がモノ低級アルキル
    基またはジ低級アルキル基で置換されてもよいアミノ−
    低級アルキル基を示し、R3 は水素原子または−CON
    H2 基を示し、R4 は水素原子または水酸基を示す)で
    表されるアクレアシン類からなる群より選ばれた少なく
    とも一種を有効成分、リポソーム基剤および水性媒体か
    らなる成分を必須とすることを特徴とするアクレアシン
    類含有リポソーム製剤。
  2. 【請求項2】 リポソーム製剤において、リポソーム基
    剤の1重量部に対して有効成分が0.001〜3重量部
    である請求項1記載のリポソーム製剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1) で表されるアクレアシン類に
    おいて、R1 −CO−が長鎖飽和または不飽和脂肪酸残
    基、R2 が水素原子、R3 が水素原子、R4が水素原子
    または水酸基であるアクレアシン誘導体である請求項1
    記載のリポソーム製剤。
  4. 【請求項4】 請求項3において、R1 −CO−がミリ
    スチン酸残基(C14)、R4 が水酸基で示されるアクレ
    アシンAαである請求項1記載のリポソーム製剤。
  5. 【請求項5】 請求項3において、R1 −CO−がパル
    ミチン酸残基(C16)、R4 が水酸基で示されるアクレ
    アシンAγである請求項1記載のリポソーム製剤。
  6. 【請求項6】 請求項3において、R1 −CO−がミリ
    スチン酸残基(C14)、R4 が水素原子で示されるアク
    レアシンDαである請求項1記載のリポソーム製剤。
  7. 【請求項7】 請求項3において、R1 −CO−がパル
    ミチン酸残基(C16)、R4 が水素原子で示されるアク
    レアシンDγである請求項1記載のリポソーム製剤。
  8. 【請求項8】 リポソーム基剤が、精製レシチンである
    請求項1記載のリポソーム製剤。
  9. 【請求項9】 水性媒体が、水または多価アルコール含
    有水溶液である請求項1記載のリポソーム製剤。
  10. 【請求項10】 一般式(1) 【化2】 (式中、R1 −CO−は長鎖飽和または不飽和脂肪酸残
    基またはベンゼン環、ピリジン環、酸素原子、イオウ原
    子または窒素原子を分子中の含有してもよい有機酸残基
    を示し、R2 は水素原子、分鎖を有してもよい低級アル
    キル基、ベンジル基またはアミノ基がモノ低級アルキル
    基またはジ低級アルキル基で置換されてもよいアミノ−
    低級アルキル基を示し、R3 は水素原子または−CON
    H2 基を示し、R4 は水素原子または水酸基を示す)で
    表されるアクレアシン類からなる群より選ばれた少なく
    とも一種を有効成分、リポソーム基剤および水性媒体か
    らなる成分を必須として、高速攪拌した後、さらにリポ
    ソーム成形のために乳化することを特徴とするアクレア
    シン類含有リポソーム製剤の製造法。
  11. 【請求項11】 高速攪拌が、15000〜30000
    rpmである請求項10記載のアクレアシン類含有リポ
    ソーム製剤の製造法。
  12. 【請求項12】 乳化が、超音波処理法または高圧乳化
    法による乳化である請求項10記載のアクレアシン類含
    有リポソーム製剤の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002363097A (ja) * 1999-07-01 2002-12-18 Fujisawa Pharmaceut Co Ltd 安定化された凍結乾燥型医薬組成物

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