JPH0617204Y2 - Ｆｄｄのカートリッジ着脱機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フロッピィディスクドライブ（以下ＦＤＤと
略す）のカートリッジ着脱機構に関する、特には１イン
チ未満の薄形のＦＤＤのカートリッジ着脱機構に関する
ものである。

〔従来の技術〕

昨今のハイテク技術の開発速度は目まぐるしい程で日進
月歩の言葉をはるかに越えるものである。

特にコンピュータの新製品開発競争は小型汎用機で熾烈
を極め、今日の新型はすでに明日の旧型に化す時代とな
った。コンピュータをはじめとして種々な情報機器の情
報を授受するＦＤＤの改良も、並行して進行して新製品
開発競争の一翼を担うものであった。本考案もＦＤＤの
小型、薄型化の改良のために考案されたもので、以下従
来の技術を説明して、改良技術との比較の資とする。

ＦＤＤは良く知られている様に、ホスト側のコンピュー
タ、ＯＡ機器の情報授受装置として、必須のものとな
り、特にワープロ、ラップトップ型コンピュータに使わ
れるカートリッジに保護されたフロッピィディスクを媒
体とするＦＤＤはマイクロＦＤＤと呼ばれ、広い範囲の
用途をもっている。

周知のごとく、外径3.5インチのフロッピィディスクを
ＦＤＤのフロント挿入口より、カートリッジを挿入し、
課題とする着脱機構とカートリッジのシャッター開閉を
行うシャッター開閉装置とによってフロッピィディスク
がスピンドルモータ等の軸に同心にセツトされ、キャリ
ッジに担持された上下磁気ヘッドがフロッピィディスク
を挾んでリード／ライト可能になる。

以下図面に従って従来例のカートリッジ着脱機構を説明
する。

第４図は第１の従来例を示すＦＤＤの要部側面図であ
り、ＦＤＤのフレーム（図示しない）に対して左右方向
に摺動可能に配備されたスライド板１とその内部でスラ
イド板１に支持されたキャリア５０が示されている。

カートリッジを内挿するキャリア５０はその４箇所にコ
ロ５２を固定し、凹形状のスライド板１の中に配備され
ている。スライド板１のカム部２の水平部に回動自在の
コロ５２が接触してキャリア５０が上下動可能に支持さ
れている。図示されていないがコロ５２は挿入口側のフ
レームに形成された上下の溝に案内されて左右に移動し
ない。図のキャリア５０の位置はカートリッジ挿入可能
状態であり、カム部２の斜面にかかる寸前の僅少な水平
位置にコロ５２がある。この状態でカートリッジは図の
矢印方向でキャリア５０に挿入される。

カートリッジの挿入先端がキャリア５０の終端に当接す
ると図示しない着脱操作部がスライド板１にスプリング
による付勢を与えて反矢印方向に移動させキャリア５０
を下降させ二点鎖線のローディング位置に移動させる。
カートリッジに内挿されているフロッピィディスクを磁
気ヘッドが挾持してリード／ライト可能な状態となる。

また、カートリッジを抜き取る場合には、前記スライド
板１と接触している外部の押釦（図示せず）を矢印方向
に押すとキャリア５０はカム部２の斜面に案内されるコ
ロ５２によって水平の状態で上昇してフレームの挿入口
に戻り、キャリア５０からカートリッジを排出すること
が可能となる。

第５図及び第６図は第２の従来例を示すカートリッジの
着脱機構の要部平面図と側面図である。

ＦＤＤのフレーム７０（二点鎖線で図示される）の４箇
所に固定されるリンク軸１１、２１、３１、４１に回動
可能にリンク１０、２０、３０、４０が支持されてい
る。各リンクはキャリア軸と連結軸を固定しており、リ
ンク軸とキャリア軸、リンク軸と連結軸の心間距離は各
リンクで等しくとられている。

カートリッジが図の右より挿入されるキャリア５０がキ
ャリア軸１３、２３、３３、４３に、連結板６０が連結
軸１２、２２、３２、４２に回動自在に取付けられてい
る。連結板６０を左方へ押せば、各リンクはリンク軸を
中心に時計方向に回転してキャリア５０を上方へ移動す
るリンク機構を形成している。

カートリッジの挿入時にキャリア５０は図示しない着脱
操作部によって上下方向に規制され図の右側の図示され
ないフレーム７０の挿入口に近接している。カートリッ
ジを挿入し、その先端が図示されないカートリッジのシ
ャッター開閉機構による付勢に抗して進み、キャリア５
０の端部５１に当接すると、着脱操作部はキャリア５０
の上下方向の規制を外す。キャリア５０はその上部に配
備したスプリングによって下方のローディング位置に移
る。

連結板６０はリンク機構によって右に振られ、釦当接部
６１に接する図示されない押釦を右側に押し出す。

カートリッジを取出すには前記押釦を左方へ押すとリン
ク機構が時計方向に回転してキャリア５０が持上がり着
脱操作部がキャリア５０の上下位置を規制して、キャリ
ア５０をフレーム７０の挿入口近傍に移す。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、ワープロ、ラップトップ型コンピュータ
等、ＯＡ機器はその様々な商品に見られる様に、ポータ
ブルで小型薄型化、豊富なデザインが特徴的である。

これらＯＡ機器の付属記憶装置としてのＦＤＤにも、上
記の小型薄型化、デザインの多様性等が設計的に要求さ
れる様になって来た。使用部品の小型化をはじめとし
て、ＦＤＤの主要部分を十分に小型薄型に設計する努力
が払われて来た。しかし外観デザイン上あるいは小型化
不能の部品によって挿入口を任意の位置に設計しなけれ
ばならない問題があり、従来技術のキャリアが水平な状
態で上下する機構ではスペーサ等の積重ねで挿入口の位
置を合わせて来たが、ＦＤＤの多用性のために種々なス
ペーサを用意しなければならない問題があった。

本考案は上記問題を解消させ、多用性の高いカートリッ
ジの着脱機構を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案におけるカートリッ
ジ着脱機構は、フレームに対し摺動可能に支持され、キ
ャリアのコロを案内するカム部を形成するスライド板
と、フレームに形成された上下方向の溝に案内され、か
つ前記スライド板のカム部に案内される４個のコロを固
持するキャリアと、排出方向にカートリッジを付勢する
シャッター開閉装置と、前記スライド板に付勢を与え着
脱各位置に摺動させる操作部よりなるカートリッジ着脱
機構において、挿入側カム部の水平部高さを反挿入側カ
ム部の水平部高さより高く形成することを特徴とし、 またリンク軸、連結軸、キャリア軸を固持し、フレーム
の４箇所に回動自在に前記リンク軸を介して軸支される
リンクと、前記リンク軸と心間距離を同じくして、前
記、連結軸に回動自在に支持され、水平を保持して上下
動可能な凹状の連結板と前記キャリア軸に回動自在に支
持されるキャリアと、カートリッジの排出方向に付勢を
与えるシャッター開閉装置と、前記キャリアの下方へ付
勢を与えかつその上下着脱位置を規制する操作部とより
なるカートリッジ着脱機構において、挿入側のリンク軸
とキャリア軸の心間距離を反挿入側の心間距離より大き
くとりキャリア軸をリンクに固定し、キャリアの挿入側
に前記キャリア軸を受ける摺動可能な長孔を形成するこ
とを特徴とする。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は本考案の第１実施例を示すＦＤＤのカートリッ
ジの着脱機構の要部側面図である。

本実施例は前述した第１従来例の機構の一部を改良する
ものであり、第１従来例と同一番号の構成要素には同一
名称を付し説明を省略する。

又同一構成要素から生じる同一作用も第１従来例で詳述
されているので説明を省略する。

第１図において、左側カム部２は薄型化のために水平部
の高さＨ_２を可及的に小さく設計され、挿入口側のカム
部２の水平部の高さＨ_３は、フレームの外観デザインの
所定の高さに適合させて設定し、Ｈ_２よりＨ_３を高く設
計する。

図示される傾斜するキャリア５０の中にカートリッジを
挿入し、キャリア５０の最奥部に達すると、第１従来例
の説明と同様に、スライド板１が反矢印方向に移動し、
キャリア５０に固定されたコロ５２がカム部２の斜面を
回動して、キャリア５０は二点鎖線に示される水平なロ
ーディング位置に下降する。カートリッジの排出は第１
従来例と同一の操作によってコロ５２がカムによって案
内され傾斜する図の挿入位置に戻る。

第２図及び第３図は第２従来例を示すＦＤＤのカートリ
ッジ着脱機構の要部平面図及び側面図である。

本実施例は前述した第２従来例の機構の一部を改良する
ものであり、第２従来例と同一番号の構成要素には同一
名称を付し説明を省略する。

また、同一構成要素から生じる同一作用も第２従来例で
詳述されているので説明を省略する。

また、同一構成要素から生じる同一作用も第２従来例で
詳述されているので説明を省略する。

両図において、右の挿入口側のリンク１０、２０のリン
ク軸とキャリア軸との心間距離Ｌ_２を長くとってＬ_１＜
Ｌ_２としキャリア５０に長孔５４を形成してキャリア軸
１３、２３を摺接させている。

図のキャリア５０は右を上方にして傾斜しカートリッジ
の挿入可能な位置にあるカートリッジをキャリア５０に
挿入し、その先端がキャリア５０の端部５１に当接する
と、前記第２従来例と同じ着脱操作部がキャリア５０の
位置規制を外し、図示しないキャリア５０の上部にある
バネの付勢によってキャリア５０は下方へリンク機構に
よって移動する。キャリア５０成形した長孔５４にキャ
リア軸１３、２３が摺接していることによりキャリア５
０は次第に水平な状態になり、ローディング位置に達す
る。

連結板６０は右に振られ、釦当接部６１に接触する押釦
を右に押出す。

カートリッジの排出は第２従来例と同じように押釦を左
方へ押し、リンク機構を時計方向に振ってキャリア５０
を傾斜する挿入可能な位置に戻して行われる。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本考案によればカートリ
ッジの挿入時には傾斜した位置にキャリアを移し、ロー
ディング時には水平な位置にする機構を、採用したこと
により、ＦＤＤの反挿入口側は十分に薄型にすることが
可能となった。

また、外観デザインの必要とする様々な挿入口位置に適
合させたり、大型部品の使用が避けられない場合に用意
しなければならなかった別部品のスペーサあるいは取付
具が不要となり節約が可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示すＦＤＤのカートリッ
ジ着脱機構の要部側面図、第２図及び第３図は第２実施
例を示すＦＤＤのカートリッジ着脱機構の要部平面図と
側面図であり、第４図は第１従来例を示すＦＤＤのカー
トリッジ着脱機構の要部側面図、第５図及び第６図は第
２従来例を示すＦＤＤのカートリッジ着脱機構の要部平
面図と側面図である。 １……スライド板、２……カム部、 １０、２０、３０、４０……リンク、 １１、２１、３１、４１……リンク軸、 １２、２２、３２、４２……連結軸、 １３、２３、３３、４３……キャリア軸、 ５０……キャリア、５１……端部、 ５２……コロ、５４……長孔、 ６０……連結板、６１……釦当接部、 ７０……フレーム。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームに対し摺動可能に支持され、キャ
   リアのコロを案内するカム部を形成するスライド板と、
   フレームに形成された上下方向の溝に案内され、かつ前
   記スライド板のカム部に案内される４個のコロを固持す
   るキャリアと、排出方向にカートリッジを付勢するシャ
   ッター開閉装置と、前記スライド板に付勢を与え着脱各
   位置に摺動させる操作部よりなるカートリッジ着脱機構
   において、挿入側カム部の水平部高さを反挿入側カム部
   の水平部高さより高く形成することを特徴とするＦＤＤ
   のカートリッジ着脱機構。
2. 【請求項２】リンク軸、連結軸、キャリア軸と固持し、
   フレームの４箇所に回動自在に前記リンク軸を介して軸
   支されるリンクと、前記リンク軸と心間距離を同じくし
   て、前記、連結軸に回動自在に支持され、水平を保持し
   て上下動可能な凹状の連結板と前記キャリア軸に回動自
   在に支持されるキャリアと、カートリッジの排出方向に
   付勢を与えるシャッター開閉装置と、前記キャリアの下
   方へ付勢を与えかつその上下着脱位置を規制する操作部
   とよりなるカートリッジ着脱機構において、挿入側のリ
   ンク軸とキャリア軸の心間距離を反挿入側の心間距離よ
   り大きくとりキャリア軸をリンクに固定し、キャリアの
   挿入側に前記キャリア軸を受ける摺動可能な長孔を形成
   することを特徴とするＦＤＤのカートリッジ着脱機構。