JPH0617177B2 - カツトシ−ト供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はカットシート供給装置の構造に関し、特に当該
装置に開閉可能に軸支されるフロントカバーの機能およ
び構造に関する。

〔従来技術〕

カットシート供給装置は、所定寸法に裁断された用紙を
積層状態で装填しておき、これを１枚づつ記録部（印字
部）などへ自動給紙する装置であり、プリンタや複写機
など各種の記録装置で広く使用されている。

このカットシート供給装置として、カットシートが充填
されるペーパーホルダーに開閉可能なフロントカバーを
軸支するとともにその内部に給紙ローラを軸支し、さら
に、前記ペーパーホルダーと前記給紙ローラとの間に該
給紙ローラに向けてばね付勢されるカットシート保持用
の中板を設け、前記給紙ローラを駆動することによりカ
ットシートを１枚づつ分離しながら自動的に送給する形
式のものが使用されている。

この種のカットシート供給装置にカットシートを補充装
填（セット）する場合は、前記フロントカバーを開くと
ともに、前記中板を押し下げて給紙ローラから離反さ
せ、その間からカットシート（シート束）を挿入してそ
の先端を分離爪の下側に位置決めし、然る後前記中板お
よびフロントカバーを通常位置に戻してセットする操作
が行われる。

ところで、カットシートを使用する記録装置にあって
は、定寸外のカットシートに記録する場合や好みの位置
から記録したい場合など自動給紙に変えて手差しで用紙
を挿入するための挿入口を設けることが要請される。

一方、前述のカットシート供給装置にあっては、装填す
るカットシートが平らでなく反りなどの変形がある場
合、装填時にカットシートが前記給紙ローラなどに衝突
したりひっかかったりして所定位置に挿入することが困
難まはは不可能になるという問題がある。

これらの要請および問題に対処する構造は従来より提案
されているが、従来のものは、いずれも独立した別々の
構造であったので、構造が複雑で大きなスペースを必要
とし、コストが嵩むという問題があった。

〔目的〕

本発明は、このような従来技術の問題に鑑み完成された
ものであり、その目的は、開閉可能なフロントカバーを
利用して手差し挿入口の形成およびカットシートガイド
部の形成の両方の機能を実現させることができるカット
シート供給装置を提供することである。

〔概要〕

本発明は、記録装置に設けられ該記録装置にカットシー
トを供給するためのカットシート供給装置において、カ
ットシートを支持する支持手段と該支持手段に支持され
ているカットシートを送り出す給送手段とを備えたペー
パーホルダーに、カットシートを前記支持手段に充填す
るための開閉可能なフロントカバーを設け、前記フロン
トカバーが閉じたときには、該フロントカバーと前記記
録装置の本体側部材とにより塞がれ、前記フロントカバ
ーを開いたときには、該フロントカバーと前記本体側部
材との間が開いてカットシートを前記記録装置に手差し
挿入可能となる手差し挿入口が設けられる構成とするこ
とにより、上記目的を達成するものである。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明を具体的に説明する。第１図
は一実施例に係るカットシート供給装置の自動給紙状態
を示し、第２図は第１図の装置のフロントカバーを開き
手差し給紙状態にしたところを示す。

第１図および第２図において、カットシート供給装置は
プリンタなどの記録装置の本体１に着脱可能にセットさ
れる。

このカットシート供給装置は、ペーパーホルダー２に支
点３を介してフロントカバー４を開閉（揺動）可能に取
付け、これらの間の空間にはペーパーホルダー２に軸支
された給紙ローラ５が配置されている。この給紙ローラ
５は所定間隔の２箇所に配列され、自動給紙時にローラ
軸６を介して駆動される。

給紙ローラ５とペーパーホルダー２との間にはばね７で
該給紙ローラに向けて付勢されたカットシート８保持用
の中板９が設けられている。この中板９は後端の耳部１
０をペーパーホルダー２の溝孔１１に挿通され、該溝孔
を支点として揺動可能に取付けられている。

すなわち、中板９の耳部１０にはペーパーホルダー２に
軸支されたカム軸１２のカム１３が当接しており、レバ
ー（図示せず）等でカム１３を回転させることにより中
板９を押し下げかつカットシート８を給紙ローラ５から
離反させることができる。

ペーパーホルダー２の両側にはカットシート８の紙巾を
調整する巾規制板１４が設けられ、各巾規制板には支点
１５を介して分離爪支持部材１６が揺動自在に取付けら
れている。

各分離爪支持部材１６の先端には自動給紙時にカットシ
ート８を最上層から１枚づつ分離するための分離爪１７
が形成されている。また、各分離爪支持部材には内方へ
張出し中板９の側縁に係合しうる耳部１８が形成され、
中板９が押し下げられたときこれに連動して分離爪１７
を上方へ揺動させることができる。

前記給紙ローラ５はモータ１９によりワンウェイクラッ
チを介して給紙方向にのみ駆動される。

カットシート８の自動給紙に際しては、第１図の状態で
給紙ローラ５を矢印方向に駆動すると最上層のカットシ
ートに推進力が与えられ、その先端が分離爪１７に押し
つけられてループを形成しながらカットシート８は給紙
口２０を通して矢印Ａのように記録装置の紙送りローラ
２１とピンチローラ２２との間へ送り込まれる。

こうして紙送り機構へ送り込まれたカットシートは紙送
りローラ２１によりプラテン２３および記録ヘッド２４
間の印字部へ送り込まれる。

記録されたカットシート８は記録装置から排出され、カ
ットシート供給装置に併設された排紙ロール２５および
排紙トレイ２６を有する排紙装置へ送り込まれる。図示
の例では前記排紙トレイ２６は前記ペーパーホルダー２
と一体的に形成されており、前記排紙ロール２５は該排
紙トレイに軸支されている。

前記フロントカバー４はペーパーホルダー２に対し支点
３まわりに回動可能に取付けられており、第１図の自動
給紙状態ではその下部外面が前記排紙トレイ２６の背面
にほぼ当接する位置に保持されているが、第２図のよう
に支点３まわりに時計方向（矢印Ｂ方向）に回動させて
開いたときには、その下部外面が排紙トレイ２６の背面
から離れ、これらの間にカットシートの手差し挿入口２
７が形成される。

この手差し挿入口２７から挿入されるカットシートは矢
印Ｃで示すように紙送りローラ２１とピンローラ２２と
の間に向けて給紙され、前述の自動給紙の場合と同様に
記録（印字など）された後排紙ローラ２５により排紙ト
レイ２６上に排紙される。

前記ペーパーホルダー２の側部には、第３図に示すごと
く、フロントカバー４の開閉に連動して切換える手差し
モード切換えスイッチ２８が取付けられている。

この切換えスイッチ２８は、配線２９およびコネクタ
（図示せず）を介して記録装置の制御回路に接続されて
おり、フロントカバー４が開かれたとき、すなわち手差
し挿入口２７が形成されたとき、これを検出してその信
号を制御回路へ送るものである。制御回路は、前記信号
を取入れると、自動給紙モードから手差しモードに切換
えられ、前記給紙ローラ５を作動させないモードすなわ
ちキーの誤操作等があっても給紙ローラ５が作動しない
モードに切換えられる。

第１図において、前記給紙ローラ５はカットシート８の
巾方向に所定間隔をおいて例えば２箇所に配置されてお
り、フロントカバー４の内面でかつ各給紙ローラ５の後
方近傍位置にリブ状のガイド部材３０が突設されてい
る。このガイド部材３０は、フロントカバー４を開いて
カットシート８を装填するに際し、該カットシートの前
端部を給紙ローラ５の下側すなわち中板９側の装填位置
に案内する位置に設けられている。

さらに、フロントカバー４の内面両側でかつ分離爪１７
の後方近傍位置には第２のガイド部材３１が突設されて
いる。この第２のガイド部材３１は、フロントカバー４
を開いてカットシート８を装填するに際し、該カットシ
ートの前端部を分離爪１７の下側（中板９側）へ案内す
る位置に設けられている。

前記各ガイド部材３０、３１はプラスチック等の成形品
であるフロントカバー４と一体成形することができ、ま
た、プラスチックあるいは金属等の単独部品を固定して
設けることもできる。

以上の実施例によれば、フロントカバー４の内面を利用
してカットシート８装填時のガイド部材３０、３１を設
けるとともに、該フロントカバーの外面を利用して手差
し挿入口２７を形成するので、フロントカバー４に複数
の機能を持たせることができ、構造の簡単化、コンパク
ト化およびコスト低減を図ることができた。

さらにフロントカバー４の開きに連動して手差しモード
切換スイッチ２８を作動させ、自動的に給紙ローラが動
作しない手差しモードに切換えるので、手差し給紙中に
誤ってキー操作しても自動給紙が動作することがなく、
自動および手差し給紙の操作性を向上させることができ
る。

〔効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、記録
装置に設けられ該記録装置にカットシートを供給するた
めのカットシート供給装置において、カットシートを支
持する支持手段と該支持手段に支持されているカットシ
ートを送り出す給送手段とを備えたペーパーホルダー
に、カットシートを前記支持手段に充填するための開閉
可能なフロントカバーを設け、前記フロントカバーが閉
じたときには、該フロントカバーと前記記録装置の本体
側部材とにより塞がれ、前記フロントカバーを開いたと
きには、該フロントカバーと前記本体側部材との間が開
いてカットシートを前記記録装置に手差し挿入可能とな
る手差し挿入口が設けられる構成としたので、フロント
カバー自体により手差し挿入口の形成およびカットシー
ト装填時のガイド機能を達成することができ、構造の簡
単化、コンパクト化およびコスト節減を図り得るカット
シート供給装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るカットシート供給装置
の自動給紙状態の縦断面図、第２図は第１図の装置の手
差し給紙状態の縦断面図、第３図は手差しモード切換ス
イッチの作動を示す部分拡大縦断面図である。 ２……ペーパーホルダー、４……フロントカバー、５…
…給紙ローラ（給送手段）、８……カットシート、９…
…中板（支持手段）、２６……排紙トレイ（本体側部
材）、２７……手差し挿入口、２８……手差モード切換
えスイッチ、３０、３１……ガイド部材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録装置に設けられ該記録装置にカットシ
   ートを供給するためのカットシート供給装置において、 カットシートを支持する支持手段と該支持手段に支持さ
   れているカットシートを送り出す給送手段とを備えたペ
   ーパーホルダーに、カットシートを前記支持手段に充填
   するための開閉可能なフロントカバーを設け、 前記フロントカバーが閉じたときには、該フロントカバ
   ーと前記記録装置の本体側部材とにより塞がれ、前記フ
   ロントカバーを開いたときには、該フロントカバーと前
   記本体側部材との間が開いてカットシートを前記記録装
   置に手差し挿入可能となる手差し挿入口が設けられるこ
   とを特徴とするカットシート供給装置。
2. 【請求項２】前記フロントカバーが開いたことを検知す
   る検知手段を設け、該検知手段の検知に基づいて制御手
   段が自動給紙モードから手差しモードに切り換えること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のカットシー
   ト供給装置。