JPH0617165B2 - 野積石炭堆積物の雨水浸透防止方法 - Google Patents

野積石炭堆積物の雨水浸透防止方法

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JPH0617165B2
JPH0617165B2 JP25888886A JP25888886A JPH0617165B2 JP H0617165 B2 JPH0617165 B2 JP H0617165B2 JP 25888886 A JP25888886 A JP 25888886A JP 25888886 A JP25888886 A JP 25888886A JP H0617165 B2 JPH0617165 B2 JP H0617165B2
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、野積石炭堆積物の雨水浸透防止方法に関す
る。
一般に製鉄所、ガス製造所、製紙工場等においては、石
炭粉状物や塊状物は、野積堆積して貯留する場合が多
い。
かかる堆積物を長時間そのまま放置した場合には、雨水
が石炭堆積物中に浸透することにより、石炭堆積物中に
水分が蓄積し、次の燃焼等の用途に供する工程で熱エネ
ルギーをロスする不都合が生じる。
ちなみに、石炭1tにつき含水率が1%上昇することに
より損失する熱量は約5300kcalとなり、大きな経済的損
失となる。
(従来の方法) この点に関し、従来よりSBR(スチレン−ブタジエン
ゴム)、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸等のエマルジ
ョン・ラテックスを上記堆積物に散布して、表層に樹脂
膜を形成する方法が知られている。また最近において、
この発明の発明者らは、野積石炭堆積物上にSBR系エ
マルジョンを固形分として8〜500g/m2の散布量で散布
した後、乾燥後にアクリル系エマルジョンを固形分とし
て8〜 500/m2の散布量で散布して、堆積物の表層に樹
脂保護膜を形成する方法を特許出願した。
(特願昭60-287247号、出願日:昭和60年12月20日) (従来技術の問題点) 近年において石炭の輸入形態をより安定的なものとする
ため、供給先をさらに分散させ、さまざまな地域におこ
りうる事態に可能なかぎりそなえる対策がとられてい
る。このことより、様々な性質を持った石炭が供給され
ることとなり、高撥水性の石炭が供給されてきたのであ
る。この高撥水性の石炭を野積した場合、雨水が全く浸
透しないわけではなく、やはり石炭中に水分が蓄積する
ため、雨水浸透防止対策が必要となる。
しかし、従来技術である保護膜形成剤(エマルジョン・
ラテックス等)を前記高撥水性の石炭に散布しても、そ
の表面が傾斜しているため、保護膜形成剤の大部分が石
炭表面から流出してしまい、保護膜が薄くなり、その強
度も弱くなるため、長期間石炭を雨水から保護すること
が出来ないという問題点を有することを認識した。
この発明は、このような問題点に鑑みなされたものであ
る。この発明の発明者らは、この高撥水性の石炭につい
て鋭意研究の結果、本発明を完成させた。
(問題点を解決するための手段) かくしてこの発明によれば、 高撥水性の野積石炭堆積物上に、 分子内にポリオキシプロピレン基とポリオキシエチレン
基とを有し、ポリオキシプロピレン基/ポリオキシエチ
レン基の重量比が約1/2 〜6/1 であるブロック共重合
体型のノニオン系界面活性剤を 0.5〜15g/m2の散布量
で均一に散布した後、SBR系及び/またはアクリル系
エマルジョン・ラテックスを固形分として8〜500g/m
2の散布量で均一に散布して、堆積物表層に樹脂保護被
膜を形成することを特徴とする野積石炭堆積物の雨水浸
透防止方法が提案される。
この発明において高撥水性とは、水の浸透速度が 0.1ml
/sec.以下の性状をいう。
この発明において水の浸透速度とは、石炭粒子径を16〜
32メッシュとし、含水率を1%とし、かさ比重を0.73g
/mlとした石炭表面に 0.5mlの水を滴下した時、水滴が
完全に石炭内部に吸収されるまでの時間を測定し、測定
時間に対する水滴量の割合であると定義する。
即ち、石炭の水に対する濡れやすさを表示する値であ
り、浸透速度が小さい石炭は高撥水性であり、その逆の
場合は低撥水性である。
この発明者らの実験によると、その浸透速度が 0.1ml/
sec.以下である高撥水性の石炭について従来技術である
エマルジョン・ラテックス等を散布しても、その散布石
炭表面が約45゜に傾斜している場合には、散布量の約70
%以上が流出してしまい、膜厚が薄くなり、膜強度も弱
くなるため、長時間石炭を雨水から保護することが出来
ないことを確認した。
よって、この発明は水の浸透速度が0.1ml/sec.以下の
石炭を対象とする。
一般に水のぬれ性と石炭のコールバンド(石炭中の炭素
原子数 100に対する水素原子の数〔H〕と炭素原子数 1
00に対する酸素原子の数〔O〕の二元指数により表示さ
れる)とは、相関関係にあることが知られている。〔燃
料協会誌第65巻第6号408〜416頁(1986)〕この発明の
水の浸透速度もコールバンドと相関関係にあり、この発
明の使用にあたり目安となる(参考例1参照)。
この発明の水の浸透速度が 0.1ml/sec.以下の石炭と
は、通常石炭のコールバンドが〔H〕<70で〔O〕<8
のものが含まれる。
これらに該当するものとして、K−9(ソ連産)グニエ
ラ〔GOONYELLA〕(オーストラリア産)、Bクリーク
〔B.CREEK〕、(アメリカ合衆国産)、クインテット〔Q
UINTETTE〕(カナダ産)と呼ばれる石炭等が挙げられ
る。
この発明において、野積石炭堆積物上に散布される分子
内にポリオキシプロヒレン基とポリオキシシエチレン基
とを有するブロック共重合体型のノニオン系界面活性剤
は、石炭堆積物表面に湿潤(浸透)性を付与するために
用いられる。
この界面活性剤は、一般にプルロニック型ノニオン界面
活性剤と呼ばれ、次の一般式で表わされる。
HO-(C2H4O)n-(C3H6O)m-(C2H4O)n-H この発明においては、上記界面活性剤のうち、ポリオキ
シプロピレン基/ポリオキシエチレン基の重量比が約1/
2〜6/1のものが使用される。
特に低添加量で湿潤(浸透)性を付与できる点におい
て、ポリオキシプロピレン基/ポリオキシエチレン基の
重量比が約1/1〜4/1のものが好ましい。
上記ノニオン系界面活性剤において、ポリオキシプロピ
レン基/ポリオキシエチレン基の重量比が約1/2以下で
あったり、約6/1以上であった場合には、湿潤(浸透)
性を付与するためには、その添加量が多くなり、その副
作用として保護膜の雨水浸透防止効果を著しく損なうた
め、所期の目的を達成し得ない点で好ましくない。
この界面活性剤は、野積石炭堆積物上に 0.5〜15g/m2
の散布量で均一に散布される。散布量が0.5g/m2以下で
あれば堆積物表面に十分な湿潤(浸透)性を付与するこ
とができず、15g/m2以上であれば湿潤(浸透)性は付
与できるものの保護膜の雨水浸透防止効果及び/または
その強度を損なうため好ましくない。
野積石炭堆積物上にこの界面活性剤を均一に散布するた
めには通常1〜3/m2の散布量が適当であるため、0.
01〜1.5 %水溶液として使用することが好ましい。
石炭表面に湿潤(浸透)性を付与することを目的とし
て、この発明と界面活性剤以外の界面活性剤を使用した
場合、必要な添加量を散布すれば確かに湿潤(浸透)性
は得られるものの、その副作用として保護膜の雨水浸透
防止効果及び/またはその強度を著しく損なうため、所
期の目的を達し得ない(試験例2参照)。この意味にお
いて、この発明は特に選択されたものであると言える。
この発明において前記特定のノニオン系界面活性剤を均
一に散布した後、野積石炭堆積物の表層に樹脂保護膜を
形成するためにSBR系及び/またはアクリル系エマル
ジョン・ラテックスが固形分として8〜500g/m2の散布
量で均一に散布される。
それぞれのエマルジョンの散布量が固形分として8g/
m2未満であると、膜厚および被膜強度の大きい樹脂保護
膜を得るのが困難となり、良好な雨水浸透防止効果が発
揮されない。
各エマルジョンの散布量と上限は、経済面から固形分と
して 500g/m2とするが、通常は 250g/m2以下で十分
であり、特に好ましいエマルジョンを使用すれば固形分
で 150g/m2以下で所期の効果が十分に達成される。
この発明で用いるSBR系エマルジョン・ラテックスと
しては、スチレン量60重量%以下のスチレン−ブタジエ
ンゴムエマルジョン・ラテックスが雨水浸透防止効果の
点で特に好ましく、通常固形分含量が 0.5〜50重量%濃
度のものが適している。
この発明で用いるアクリル系エマルジョン・ラテックス
としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ルの単独重合エマルジョン及び共重合エマルジョン、並
びにこれらのモノマーと酢酸ビニル、スチレン、アクリ
ロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸などの1種以
上のモノマーとの共重合エマルジョンが挙げられるが、
アクリル酸エステルとスチレンとの共重合エマルジョン
が強固な樹脂保護膜が形成され、著しい雨水浸透防止効
果が発揮されるため、特に好ましい。
また、前記SBR系およびアクリル系エマルジョンのい
ずれについてもガラス転移点が0℃以下のものが上記効
果の点で特に好ましい。
また、各エマルジョン・ラテックスにワックスエマルジ
ョンを混合使用することも上記効果の点で好ましい。
この発明の方法にあっては、まず前記プルロニック型ノ
ニオン系界面活性剤を添加し、その後でSBR系及び/
またはアクリル系エマルジョン・ラテックスを散布す
る。この順序を逆にしたり、界面活性剤を各エマルジョ
ンを同時に又は混合して使用しても十分な雨水浸透防止
効果は発揮されず、好ましくない。
前記界面活性剤水溶液やエマルジョン・ラテッククスの
散布は、公知の散水機や散水車等を用いて行うのが実用
上便利である。又、表層部を形成する石炭に前もって界
面活性剤を散布しておくのも好ましい実施態様の一つで
ある。
この発明の効果を以下の試験例及び実施例により例示す
る。
(試験例1) 下記6種類の石炭を用い、水の浸透速度とSBR系また
はアクリル系エマルジョン・ラテックス散布時における
雨水浸透防止効果を試験した。
−石炭の種類− A K−9(ソ連産,粘結炭) B グニエラ(オーストラリア産,粘結炭) 〔GOONYELLA〕 C B.クリーク(アメリカ合衆国産,粘結炭) 〔B.OREEK〕 D クインテット(カナダ産,粘結炭) 〔QUINTETTE〕 E オプチマム(南アフリカ産,非粘結炭) 〔OPTIMUM〕 F ダイヨン(オーストラリア産,粘結炭) 〔DUIYON〕 −供試試料体の調製方法− 上記各種石炭を 100℃の恒温槽で16時間乾燥し、ふるい
を用いて粒子径を16〜32メッシュとする。その後、水を
添加して含水率1%に調製し供試石炭とする。次にシャ
ーレ(底面積63.6cm2,高さ1.5cm,円柱形)に供試石炭
をかさ比重0.73g/mlとなるように入れ、その表面を平
面として試料体を作成し、これを供試試料体とする。
i) 水の浸透速度の測定 <試験方法> ピペットを用い、 0.5mlの水滴を各供試試料体の石炭表
面に滴下し、水滴が完全に石炭内部に吸収されるまでの
時間を測定した。
浸透速度は下記式により算出した。
ii) 雨水浸透防止効果の測定 約45゜に傾斜させた各供試試料体の石炭表面に下記する
SBR 系またはアクリル系エマルジョン・ラテックス
を固形分が6W/W%となるように水で希釈し、噴霧器
を用いて固形分として 120g/m2散布した。その時、石
炭表面から流出した各エマルジョン量より流出率を下記
式により算出した。
その後、各エマルジョンが散布された供試試料体を48℃
で16時間乾燥し、得られた樹脂保護膜の膜厚、強度及び
撥水性を測定した。全ての性状につき良好なものを○印
で表わし、それ以外のものを×印とし、総合評価とす
る。
a 樹脂保護膜の膜厚の測定 シャーレより樹脂保護膜を取り出し、その膜厚を測定し
た。2.5mm以上の膜厚を良として○印で表わす。2.5mm未
満の膜厚を不良として×印で表わす。
b 樹脂保護膜の強度 シャーレより樹脂保護膜を取り出し、1ヶ月間屋外で放
置する。放置後の状態が原形をとどめているものを良と
して○印で表わす。原形をとどめず、くずれているもの
またはひび割れの生じているものを不良として×印で表
わす。
c 樹脂保護膜の撥水性 樹脂保護膜表面にピペットを用い 0.5mlの水滴を滴下
し、完全に石炭内部に吸収されるまでの時間を測定し
た。1時間経過後においても水滴が吸収されない状態を
良として○印で表わす。1時間以内に吸収されるものを
不良として×印で表わす。
供試エマルジョンは以下の通りである。
スチレン−ブタジエンゴムエマルジョン・ラテックス 重合スチレン量 ……………60重量%以下 固形分濃度………………40重量% pH 7.2 , 比重 1.027 , 粘度(20℃)……………25cp (b) アクリル系エマルジョンアクリル酸エステル−ス
チレン共重合 エマルジョン・ラテックス 固形分濃度 ……………45重量% pH 7.5 , 比重 1.022 , 粘度(20℃)……………90cp <試験結果> 試験結果をまとめて第1表に示す。
<考 察> 試験結果より、水の浸透速度が 0.1ml/sec.以下である
A,B,C,Dの石炭については、エマルジョン・ラテ
ックスを散布してもその散布量の約70%以上が流出して
しまい、膜厚が薄くなり、膜強度も弱くなるため、長時
間にわたり石炭を雨水から保護することが出来ないこと
がわかる。
又、水の浸透速度が 0.5ml/sec.以上であるE,Fの石
炭ついては従来技術であるエマルジョン・ラテックスの
散布により、良好な雨水浸透防止効果が得られることが
わかる。(因に水の浸透速度が 0.5ml/sec.以上の石炭
とは、試験方法に従い 0.5mlの水滴を石炭表面に滴下し
た場合、瞬時にして水滴が石炭表面に吸収される性状の
石炭である。) このように、水の浸透速度が 0.1ml/sec.以下の高撥水
性の石炭については、従来技術であるエマルジョン・ラ
テックスの散布のみでは良好な雨水浸透防止効果が得ら
れないことがわかる。
(試験例2) <試験方法> 含水率1%,粒度16〜32メッシュ,かさ比重0.73g/ml
の石炭(K−9)を用いて、各種界面活性剤の種々の添
加量散布時における水の浸透速度を測定し、浸透速度が
0.1ml/sec.以上にするために必要な該界面活性剤量
(固形分換算)を測定した。
次に、上記界面活性剤添加後にSBR系またはアクリル
系エマルジョン・ラテックスを固形分が6w/w%とな
るように水で希釈し、噴霧器を用いて固形分として 120
g/m2散布した場合における雨水浸透防止効果を試験し
た。
供試試料体の調製方法、水の浸透速度の測定方法、雨水
浸透防止効果の測定方法及び供試エマルジョンは試験例
1と同様である。
<試験結果> 試験結果を第2表に示す。
<考 察> 試験結果から明らかなように、この発明の実施例である
試験番号1〜4で表わされるポリオキシプロピレン基/
ポリオキシエチレン基の重量比が1/1〜4/1であるプルロ
ニック型ノニオン界面活性剤を固形分として 0.5〜15g
/m2添加することにより、石炭表面の水の浸透速度を
0.1ml/sec.以上にし〔石炭表面に湿潤(浸透)性を付
与し〕、SBR系、アクリル系エマルジョン・ラテック
ス保護膜の雨水浸透防止効果を損なうことなく高撥水性
の石炭について雨水浸透防止効果が得られることがわか
る。
また、比較例である試験番号5〜7で表されるポリオキ
シプロピレン基/ポリオキシエチレン基の重量比が9/1
及び1/4であるプルロニック型ノニオン界面活性剤や試
験番号8〜12で表されるノニオン系界面活性剤を使用し
た場合、石炭表面の水の浸透速度を 0.1ml/sec.以上に
するためには多量の添加が必要となり、その必要添加量
においてはSBR系、アクリル系エマルジョン・ラテッ
クス保護膜の雨水浸透防止性能を著しく阻害し、初期の
目的を達し得ないことがわかる。
(実施例1) 重量約20,000t、表面積約4000m2の石炭山(水の浸透速
度 0.008ml/sec.以下、石炭種K−9)を二つ造成し、
一方には、試験例1に記載したSBR系エマルジョン・
ラテックスを固形分が 3.2w/w%となるように水で希
釈し、公知の散布機を用いて固形分として96g/m2とな
るように均一に石炭山に散布した。他方には、あらかじ
めプルロニック型ノニオン界面活性剤(PO*1の平均分子
量2050,PO/EO*2=3/2)の水溶液を固形分として3
g/m2となるように均一に散布した後、上記SBR系エ
マルジョン・ラテックスを上記と同様に石炭山に散布し
た。梅雨期(7月3日〜7月31日降水量:約110mm )に
屋外に自然放置し、両石炭山の状態を観察した。前者
(SBR系エマルジョン単独散布)においては、散布中
に大部分のSBR系エマルジョン・ラテックス水溶液が
石炭表面より流出してしまい、試験開始後3日目の降雨
時に軽い山崩れが起こり、ところどころで雨水が浸透し
た。7日目においては、至るところで山崩れや陥没を生
じた。1ヵ月後の石炭山の含水率は11%にまで上昇して
いた。
後者(特定の界面活性剤溶液を添加後、SBR系エマル
ジョンを散布)においては、1ヶ月後においても山崩れ
や陥没は生じていなく、1ヶ月後の石炭山の含水率も8
%と試験前と変化なく、良好な雨水浸透防止効果を示し
た。
注)*1 POはオキシプロピレングリコールを意味する。
*2 PO/EOはポリオキシプロピレン基/ポリオキシエチ
レン基の重量比を表す。
水の浸透速度の測定は、供試試料体の調整方法も含めて
試験例1と同様である。
(参考例1) 〔水の浸透速度とコールバンドとの関係〕 下記する6種類の海外炭と組成分析を行い、石炭中の炭
素原子数 100に対する水素原子の数(〔H〕で示す)と
炭素原子数100 に対する酸素原子数(〔O〕で表わす)
を算出した。
又、上記石炭の水の浸透速度を試験例1と同様の方法で
試験した。
(供試試料体の調整方法も試験例1と同様である。) 両者の試験結果まとめて第3表に示す。
<考 察> 試験結果より、水の浸透速度のコールバンドとの間には
相関関係があり、コールバンド〔H〕〔O〕が小さい石
炭(例えば〔H〕<70、〔O〕<5)は、水の浸透速度
も 0.1ml/sec.以下と小さく高撥水性となることがわか
る。又、逆にコールバンド〔H〕〔O〕が大きい石炭
(例えば〔H〕>70、〔O〕>9)は、水と浸透速度は
0.1ml/sec.以上と高く、低撥水性であることがわか
る。
(発明の効果) このように、この発明により高撥水性の石炭においても
強固な樹脂保護膜が形成され、著しい雨水浸透防止効果
が発揮される。
フロントページの続き (72)発明者 梅川 治 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15 号 株式会社片山化学工業研究所内 (72)発明者 物部 勝 大阪府大阪市東淀川区東淡路2丁目10番15 号 株式会社片山化学工業研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−146804(JP,A) 特公 昭61−16681(JP,B2) 特公 昭58−53037(JP,B2) 特公 昭58−53679(JP,B2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高撥水性の野積石炭堆積物上に、 分子内にポリオキシプロピレン基とポリオキシエチレン
    基とを有しポリオキシプロピレン基/ポリオキシエチレ
    ン基の重量比が約1/2 〜6/1 であるブロック共重合体
    型のノニオン系界面活性剤を 0.5〜15g/m2の散布量で
    均一に散布した後、SBR系及び/またはアクリル系エ
    マルジョン・ラテックスを固形分として8〜500g/m2
    散布量で均一に散布して、堆積物の表層に樹脂保護膜を
    を形成することを特徴とする野積石炭堆積物の雨水浸透
    防止方法。
  2. 【請求項2】高撥水性の野積石炭堆積物が水と浸透速度
    として 0.1ml/sec.以下の野積石炭堆積物である特許請
    求の範囲第1項記載の雨水浸透防止方法。
  3. 【請求項3】ノニオン系界面活性剤のポリオキシプロピ
    レン基/ポリオキシエチレン基の重量比が約1/1〜4/1
    である特許請求の範囲第1項記載の雨水浸透防止方法。
  4. 【請求項4】SBR系エマルジョン・ラテックスがスチ
    レン量60重量%以下のスチレン・プタジエン共重合エマ
    ルジョン・ラテックスである特許請求の範囲第1項記載
    の雨水浸透防止方法。
  5. 【請求項5】アクリル系エマルジョン・ラテックスがア
    クリル酸エステルとスチレンとの共重合エマルジョン・
    ラテックスである特許請求の範囲第1項記載の雨水浸透
    防止方法。
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