JPH06171031A - フッ素樹脂積層体 - Google Patents

フッ素樹脂積層体

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JPH06171031A
JPH06171031A JP23311892A JP23311892A JPH06171031A JP H06171031 A JPH06171031 A JP H06171031A JP 23311892 A JP23311892 A JP 23311892A JP 23311892 A JP23311892 A JP 23311892A JP H06171031 A JPH06171031 A JP H06171031A
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JP
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fluororesin
paper
adhesive
sheet
resin
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JP23311892A
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Yoshiaki Sato
喜昭 佐藤
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Junkosha Co Ltd
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Junkosha Co Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
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    • HELECTRICITY
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    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/036Multilayers with layers of different types

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Abstract

(57)【要約】 【目的】接着剤による接着が可能で、且つ接着強度の高
いフッ素樹脂積層体を提供する。 【構成】四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂等の熱可
塑性フッ素樹脂からなる基材2の表面に、連続気孔性多
孔質フッ素樹脂層3を介してフッ素繊維紙4を融着す
る。フッ素繊維紙4の繊維間の隙間に基づく投錨効果に
より、強固に接着することができ、しかも圧縮等の外力
に対して接着性の低下が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、接着剤による接着が
可能で、且つ接着強度が極めて高いフッ素樹脂積層体に
関する。
【0002】
【従来の技術】四フッ化エチレン樹脂に代表されるフッ
素樹脂は、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐候性等に
優れ、例えばプリント基板、電線、ケーブル、絶縁チュ
ーブ、絶縁テープなどの電気絶縁材料を初めとして各種
産業分野に渡り広く使用されている。これらの用途で
は、鉄、銅箔などの金属材料、あるいは他の絶縁材料と
接合して用いられることが多いが、その優れた特性の半
面、フッ素樹脂は表面エネルギーが極めて小さく、濡れ
性に欠けることから、そのままでは接着することが困難
である。
【0003】したがって、このようなフッ素樹脂に接着
性を付与するため、接着の前処理として従来より種々の
表面処理が行われている。フッ素樹脂の表面を処理する
代表的な方法としては、フッ素樹脂成形品の表面を、例
えばナトリウム−ナフタレン錯体のテトラヒドロフラン
溶液により化学的に処理して表面に親水基を導入する方
法(特開昭63−120745号公報等参照)、コロナ
放電、プラズマ放電、スパッタエッチング等の放電処理
により表面に凹凸を形成させる方法(特開昭60−32
636号、特開昭59−217731号、特開昭59−
191736号公報等参照)などが知られている。そし
て、これらの表面処理が施されたフッ素樹脂は、例えば
処理面に粘着剤を塗布した電気絶縁用の粘着テープ(特
開平2−64186号公報)、ゴム層の間に表面処理を
施したフッ素樹脂層を挟着した三層構造の積層体で純水
タンク膜材や耐蝕ライニング材として使用されるもの
(特開平1−190452号公報)などに利用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナトリ
ウムを使用する前者の方法は、エッチング処理されたフ
ッ素樹脂の表面が褐色を呈するために所望の色に着色し
にくいばかりでなく、処理面に炭素質の薄層が形成され
ることから電気特性の低下が避けられない欠点があり、
しかも高温や紫外線に曝された場合には、付与された接
着活性が比較的短期間で失われてしまう、という大きな
欠点がある。さらに、処理液の取扱いが面倒で作業に危
険を伴い、使用済み処理液の廃棄などにも問題がある。
【0005】これに対して後者の方法は、処理面の着色
を招かない利点は有るものの、フッ素樹脂の表面に微細
な凹凸を生じさせてその投錨効果により接合するもので
あるから、化学的に処理する前記処理方法に比べると接
着強度が低くなり、また大がかりな処理設備が必要で簡
単に処理することができないばかりか、エッチング処理
されたフッ素樹脂の表面が擦られた場合に、表面の凹凸
が簡単に消失して処理効果がなくなるなどの欠点があ
る。
【0006】このように、従来の処理方法では、いずれ
もエッチング処理されたフッ素樹脂表面の接着活性の保
存安定性が必ずしも充分ではなく、また処理効果の点に
おいても、化学処理によるものも含めてそれほど高い接
着強度のものを得ることはできない、という共通した欠
点がある。
【0007】そこで、本発明者は、従来技術が有する上
記問題を解決すべく鋭意検討した結果、処理効果の保存
安定性に難がある従来の表面処理方法に代わる手段とし
て、基材となるフッ素樹脂の表面にある種の材料を積層
することにより、接着性が発現して他の材料と強固に接
着できることを見出し、本発明に想到したのである。す
なわち、本発明は、接着剤により高い接着強度をもって
接着することができ、且つ接着面の接着性が良好に保持
されるフッ素樹脂積層体の提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明によるフッ素樹脂積層体は、フッ素樹脂か
らなる基材の表面に、連続気孔性多孔質フッ素樹脂を介
してフッ素繊維紙を融着した構成とする。
【0009】本発明において、基材としてのフッ素樹脂
は、特に限定されることなく各種のフッ素樹脂を使用す
ることが可能であるが、具体的には四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレ
ン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、エチレン
−四フッ化エチレン共重合樹脂(ETFE)、三フッ化
塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−三フッ化
塩化エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリ
デン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)な
どが挙げられる。さらに、このフッ素樹脂基材は、例え
ば耐磨耗性向上等の目的で、カーボンブラック、シリカ
粉末、無機または有機の繊維などの充填材、顔料、安定
剤等の添加剤を混入したものであってもよい。また、そ
の形状はシート、フィルム、テープ、プレートは無論の
こと、パイプ等の中空物品、あるいは円柱、四角柱等ど
のような形状であってもよく、特に限定されるものでは
ない。
【0010】本発明で使用するフッ素繊維紙とは、上記
フッ素樹脂からなる繊維を湿式抄造法などの方法を用い
て紙状に成形したものであって、例えば特開昭63−1
65598号公報に記載の方法により製造されたもので
ある。その製造方法の概略は次の通りである。
【0011】まず、フッ素樹脂からなる短繊維と、自己
接着機能を有する天然パルプや熱可塑性樹脂からなる合
成パルプとを湿式抄造法により混抄し、これを乾燥して
取扱いが可能なフッ素繊維混抄紙を作製する。次に、こ
の混抄紙をホットプレスやヒートロールなどを用いてフ
ッ素繊維の軟化点以上の温度で挟圧し、混抄紙中のフッ
素繊維同志を固着して繊維間結合を形成する。そして、
湿式抄造する際に結着材として使用した天然パルプある
いは合成パルプを除去するため、熱圧着処理を施した混
抄紙を、前記結着材を溶解する溶媒に浸漬してそれを溶
解させ、さらに溶媒による洗浄で完全に除去し、しかる
後再乾燥することによりフッ素繊維紙が得られる。な
お、特開昭63−165599号公報に開示されるよう
に、上記製造方法において、結着材を含む混抄紙の状態
で、これにフッ素繊維に対して熱融着しやすいフッ素樹
脂のディスパージョン液を含浸または塗布し、フッ素樹
脂微粒子を介してフッ素繊維同志を結合させたものであ
ってもよい。また、これらフッ素繊維紙を、さらに縦方
向もしくは横方向、あるいは両方向に延伸した薄葉シー
ト(特開平3−130496号公報参照)も使用可能で
ある。
【0012】上記フッ素繊維は、熱可塑性のフッ素樹脂
から作られたもので、具体的な材質としては、PTF
E、FEP、PFA、EPE、ETFE、PCTFE、
ECTFE、PVdF、PVFなどが挙げられる。そし
て、これらのフッ素樹脂からなる繊維は、湿式抄造法に
より紙状物とする場合にはその繊維長が1〜20mm程度
の短繊維であることが望ましく、且つその繊維径が2〜
30μm程度に形成されたものが好適であり、繊維間の
隙間を平面的にみた場合の空隙の大きさは、数μm〜数
百μm程度のものである。なお、本発明において用いる
フッ素繊維紙は、必ずしも単一のフッ素繊維で形成され
ている必要はなく、二種以上のフッ素繊維を組み合わせ
たものでもよい。さらに、フッ素樹脂の種類、繊維径、
繊維長、抄造条件、熱圧着条件等を適宜選択することに
より、所望の機械特性、電気特性をもったフッ素繊維紙
を得ることができる。
【0013】このようなフッ素繊維紙は、実質的にフッ
素樹脂からなる短繊維のみの集合体構造をなし、短繊維
間に大きな空隙を有する網目状の多孔質構造に形成され
ている。そして、フッ素繊維同志がその交点において熱
融着により結合しているため繊維の脱落やほつれがな
く、それに加えて個々の繊維の径が、延伸法等によって
製造された連続気孔性の多孔質四フッ化エチレン樹脂を
構成している微細な繊維よりも大きいので、機械的特性
の点で優れ、特に圧縮等の外力に対する抵抗力が高ま
り、空隙の潰れが生じにくい構造になっている。したが
って、電気的には誘電率及び誘電正接が低く、且つそれ
らの特性は極めて安定している。
【0014】また、前記方法により得られるフッ素繊維
紙に比べると厚くなるが、例えば特公昭42−5244
号公報に記載されるように、四フッ化エチレン樹脂の繊
維状粉末を液体中に分散させ、この分散液を用いて抄造
し、得られた抄造物を乾燥後、300〜400℃で焼成
したものも使用可能であり、さらにフッ素樹脂の水性デ
ィスパージョンにビスコースやメチルセルロース等のマ
トリクス材料を加えて、酸もしくは塩凝固浴中に細孔を
有する口金より紡出し、これをフッ素樹脂の融点以上に
加熱して樹脂粒子を連続化したものをさらに延伸するエ
マルジョン紡糸法により得た繊維を抄造したものでもよ
い。
【0015】次に、これらフッ素繊維紙とフッ素樹脂基
材の間に介在する連続気孔性多孔質フッ素樹脂とは、前
記フッ素繊維紙と同様に多孔性の材料ではあるが、同じ
多孔質材料とはいっても両者の製造方法が異なるために
多孔質構造は全く異なり、特に同じ厚さのもので比較し
たときに柔軟性に大きな差があり、機能的にも幾つかの
相違点がある。この連続気孔性多孔質フッ素樹脂は、気
孔径が0.1μmから数μm程度と極めて微細で柔軟性
に富み、その空隙率は一般的に15〜95%の範囲内に
あり、その中でも50〜95%程度のものが好適に使用
される。このような連続気孔性多孔質フッ素樹脂材料
は、例えば前記フッ素繊維紙やフッ素樹脂基材として使
用可能なフッ素樹脂に、抽出や溶解によって除去される
物質を混和して成形した後、これらの物質を除去する方
法(特開昭62−192431号公報、特開昭61−1
52739号公報等)、あるいは成形した後で延伸する
ことにより孔をあける方法等により得ることができる。
この場合、フッ素樹脂材料の種類は特に限定されない
が、特公昭42−13560号に代表される延伸法によ
り製造される連続気孔性多孔質四フッ化エチレン樹脂
は、その内部構造として、繊維と繊維によって相互に連
結された結節とからなり、空隙率、孔径の調整が容易で
ある点で好ましい材料である。これら連続気孔性多孔質
フッ素樹脂は、前記フッ素樹脂基材と同様にシート、フ
ィルム、テープ、板、パイプ等の形状に成形されたもの
を用いることができる。
【0016】そして、本発明によるフッ素樹脂積層体の
接着は、上記フッ素繊維紙が融着した部分を接着面とし
てフッ素樹脂積層体を相互に接着することができる他、
ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビ
ニル、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂等の他の熱可塑性もしくは熱硬化性のプラスチック材
料、あるいはゴム、さらに紙、布、ガラス、各種の金属
箔または金属板、セラミックス材料などにも適用するこ
とができる。
【0017】また、フッ素樹脂積層体の接着剤として
は、エポキシ系、シアノアクリレート系、ウレタン系、
シリコーン系、クロロプレン系等のような市販のものを
使用することができ、常温で液体であれば反応型あるい
は溶剤揮発型のどちらでもよい。さらに、接着剤は必ず
しも液状のものに限らず、加熱により溶融するホットメ
ルト型の使用も可能であり、これら接着剤の種類は、フ
ッ素樹脂積層体に接着する素材の性質、使用条件などに
応じて適宜選択することができる。
【0018】本発明におけるフッ素樹脂積層体の製造方
法については、何ら限定されるものではないが、例えば
フッ素樹脂基材の表面に、連続気孔性多孔質フッ素樹脂
シートを間に挟んでフッ素繊維紙を重ね、この状態で加
熱しながら加圧することによりフッ素樹脂積層体が得ら
れる。この場合、積層体の機械的強度などの目的でフッ
素樹脂基材と連続気孔性多孔質フッ素樹脂シートとの間
に他の熱可塑性フッ素樹脂を介在させてもよい。なお、
接着層としてのフッ素繊維紙は必ずしもフッ素樹脂基材
の一箇所のみに融着する必要はなく、例えばフッ素樹脂
基材がシート状の場合には両面にフッ素繊維紙を融着す
ることによって両面接着が可能なフッ素樹脂積層体にす
るなど、フッ素樹脂基材の形状や使用条件等に合わせて
複数の場所に融着することはもちろん可能である。
【0019】
【作用】本発明のフッ素樹脂積層体は、フッ素樹脂基材
の表面に連続気孔性多孔質フッ素樹脂を間に介してフッ
素繊維紙が融着した構造である。そして、接着時には、
このフッ素繊維紙が融着した部分を接着面として使用す
るものである。フッ素繊維紙は、多数のフッ素繊維同志
がその交点において熱融着により強固に結合し、それら
繊維間に大きな空隙を有する網目状の多孔質構造に形成
されている。このようにフッ素繊維間の隙間が大きいこ
とから、液状の接着剤は、フッ素繊維紙を構成する個々
のフッ素繊維の表面エネルギーが小さくとも、容易に内
部に浸透する。このフッ素繊維紙が他の材料との接着に
際し、優れた投錨機能を発揮することにより、高い接着
強度が発現する。
【0020】本発明において、連続気孔性多孔質フッ素
樹脂は、フッ素樹脂基材とフッ素繊維紙との間にあって
緩衝層の役割を果たしている。すなわち、フッ素繊維紙
とフッ素樹脂基材とを熱融着させると、熱可塑性である
フッ素樹脂基材が溶融してフッ素繊維紙の繊維間の隙間
に入り込んでその隙間を埋めるばかりか、熱融着の際に
フッ素繊維紙が圧縮されて空隙が大幅に減少するため、
フッ素繊維紙の接着剤に対する投錨効果は低減し、高い
接着強度は得られない。本発明では、柔軟な連続気孔性
多孔質フッ素樹脂が両者の間に介在することにより、フ
ッ素繊維紙の潰れを防止すると同時にフッ素樹脂基材の
フッ素繊維紙への浸入を防いでいる。この場合、柔軟な
連続気孔性多孔質フッ素樹脂は、フッ素繊維紙のフッ素
繊維を抱き込んだ状態で融着しているから、両者の接合
強度が高く、しかも中間の連続気孔性多孔質フッ素樹脂
にも多数の連続気孔が残っているため、この気孔も接着
剤に対する投錨効果として寄与する。これにより、高い
接合強度をもって接着することができる。
【0021】
【実施例】図1は本発明によるフッ素樹脂積層体の一実
施例を模式的に表した断面図であって、図示のフッ素樹
脂積層体1は、フッ素樹脂シートからなる基材2の片面
に、連続気孔性多孔質四フッ化エチレン樹脂シート3と
フッ素繊維紙4が積層され、それらが熱融着により一体
化した構成となっている。以下、具体例をもって本発明
のフッ素樹脂積層体について詳細に説明するが、本発明
は何ら実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 厚さが25μmの未焼成PTFEシート(比重1.7)
の片面に、延伸法により得られた厚さが25μmの連続
気孔性多孔質四フッ化エチレン樹脂シート(空孔率85
%)を配置し、さらにその外側にPTFEの短繊維から
なる厚さが65μmのフッ素繊維紙(巴川製紙所社製
商品名:フッ素繊維シート 空孔率87%)を重ね、こ
の状態で熱プレスにより370℃、1.0kg/平方セ
ンチメートルの条件で3分間加熱圧着することにより、
本発明のフッ素樹脂積層体を得た。
【0023】このようにして得られるシート状フッ素樹
脂積層体は、図2ないし図4に示す積層体のシート表面
およびシート断面の電子顕微鏡写真から明らかなよう
に、フッ素繊維紙と連続気孔性多孔質四フッ化エチレン
樹脂シートの当初の内部構造がほぼそのまま保持された
状態で一体化している。なお、図2はシート状フッ素樹
脂積層体の断面であり、図3はシート状フッ素樹脂積層
体をフッ素繊維紙側から撮影した写真である。図4は、
図3をさらに拡大し、フッ素繊維紙の繊維間の隙間を通
してみることのできる連続気孔性多孔質四フッ化エチレ
ン樹脂シートの表面である。
【0024】実施例2 連続気孔性多孔質フッ素樹脂として、厚さが100μm
で空孔率65%の多孔質四フッ化エチレン樹脂シートを
用いた以外は実施例1と同様にしてフッ素樹脂積層体を
得た。
【0025】実施例3、4 実施例1、2において使用した厚さが25μmのPTF
Eシートの代わりに厚さが250μmのPTFEシート
を用いた以外は実施例1、2と同様にしてフッ素樹脂積
層体を得た。
【0026】実施例5〜7 実施例1において使用したPTFEシートの代わりに表
1に示すフッ素樹脂を使用した以外は実施例1と同様に
してフッ素樹脂積層体を得た。
【0027】実施例8 本発明によるフッ素樹脂積層体のさらに異なる実施例と
して、次のような方法により親水化処理を行った。ま
ず、酢酸ビニル100重量部と1H,1H,2H,2H
−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(大阪有機化
学工業社製 商品名:ビスコート17F)43重量部と
をメチルエチルケトンに溶解させ、さらにこの溶液に重
合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.7重量
部を加えた溶液を50℃に加熱しながら紫外線を30分
間照射することにより共重合を行ない、メチルエチルケ
トンを除去して含フッ素共重体を取り出した。次いで、
この含フッ素共重体の5%メチルエチルケトン溶液を調
製し、この溶液中に実施例2のシート状フッ素樹脂積層
体を浸漬した後、取り出して乾燥させた。得られたシー
ト状フッ素樹脂積層体をナトリウムメトキシドの10%
メタノール溶液中に浸漬して加熱処理し、ケン化を行っ
た。そして、このシート状フッ素樹脂積層体を水洗する
ことにより、親水性の含フッ素共重体が連続気孔性多孔
質四フッ化エチレン樹脂シートの微細孔とフッ素繊維紙
の繊維に付着した構造の親水性フッ素樹脂積層体を得
た。
【0028】このような親水化処理を行った場合には、
フッ素樹脂積層体の接着面の濡れ性が大幅に高まるた
め、接着剤として水性エマルジョン型のものを使用する
ことが可能になる。なお、親水化処理の方法としては、
上記実施例で採用した含フッ素アリル酸エステルと酢酸
ビニルとを共重合させた後、共重合体中に含まれるアセ
テート基をヒドロキシル基に変換することにより、空孔
内に含フッ素モノマーと親水基含有モノマーからなる共
重合体薄膜を形成する方法の他に、酢酸ビニルのような
疎水性モノマーに代えて、ビニルアルコール、アクリル
酸等の親水性モノマーとを共重合させてもよい。これら
の処理については、特開平4−139237号公報に詳
細に記載されている。さらに、フッ素樹脂積層体の接着
面側に親水基含有モノマーを含浸した後にこれを重合さ
せて親水性の重合体を付着させる方法、親水基含有モノ
マーをグラフト重合させる方法、ポリビニルアルコール
等の水溶性樹脂の溶液を含浸した後にこの水溶性樹脂を
架橋などの手段により不溶化する方法など、従来から行
われている親水化処理方法も適用することができる。
【0029】比較例1 実施例1のシート状フッ素樹脂積層体からフッ素繊維紙
を除いた二層構造であって、厚さが25μmのPTFE
シートと厚さが25μmの連続気孔性多孔質四フッ化エ
チレン樹脂シートとを実施例1と同様な条件で加熱圧着
することにより、フッ素樹脂積層体を得た。
【0030】比較例2 実施例6のシート状フッ素樹脂積層体からフッ素繊維紙
を除いた二層構造であって、厚さが12μmのPFAシ
ートと厚さが25μmの連続気孔性多孔質四フッ化エチ
レン樹脂シートとを実施例1と同様な条件で加熱圧着す
ることにより、フッ素樹脂積層体を得た。
【0031】比較例3 実施例1のシート状フッ素樹脂積層体から連続気孔性多
孔質四フッ化エチレン樹脂シートを除いた二層構造であ
って、厚さが250μmのPTFEシートと厚さが65
μmのフッ素繊維紙とを実施例1と同様な条件で加熱圧
着することにより、フッ素樹脂積層体を得た。
【0032】比較例4 厚さが250μmの焼成したPTFEシートを、ナトリ
ウム−ナフタレン錯体を含むポリエーテル溶液中に10
秒間浸漬し、次いでメタノールおよび水で洗浄後、風乾
して接着性のPTFEシートを得た。
【0033】以上の実施例1〜8および比較例1〜4の
シート状フッ素樹脂積層体について、表面の接着性を評
価するために180°での剥離強度と剪断強度を測定し
たところ、表1に示す結果を得た。なお、測定方法の詳
細は次の通りである。
【0034】〔剥離強度測定方法〕上記各シートから幅
10mmの試料片を切り取り、この試料片と厚さ0.5
mmのアルミ板のそれぞれに、先端から10mmの長さ
にわたり接着剤を塗布する。この場合、実施例8を除く
ものについてはクロロプレンゴム系接着剤(コニシ社製
商品名:速乾ボンドG17)を用いて50℃で60分
間加圧することにより、試料片とアルミ板の片側に非接
着部が残るように接着した。また、実施例8について
は、アルミ板の表面を予めサンドブラスト処理により粗
面化し、こ酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤(コニ
シ社製 商品名:ボンドCH18)により接着した。そ
して、これらのシートとアルミ板との接合体について、
インストロン型引張試験機を用い、アルミ板の一端側を
固定した状態で試料片の非接着部を折り返して200m
m/分の引張速度で反対方向に引っ張り、剥離時の単位
幅当たりの最大応力を剥離強度とした。
【0035】〔剪断強度測定方法〕上記各シートから幅
10mmの試料片を切り取り、この試料片と厚さ0.5
mmのアルミ板のそれぞれに、先端から10mmの長さ
にわたりそれぞれ接着剤を塗布する。そして、接着剤非
塗布部が重ならず、互いに他端に位置する状態に接着剤
塗布部を重ね合わせて接着した。次に、これら接合体に
ついて、互いに他端に位置する接着剤非塗布部のそれぞ
れを引張試験機の二つのチャックで掴み、200mm/
分の引張速度で反対方向に引っ張り、接合部が破壊した
ときの単位面積当たりの応力を剪断強度とした。
【0036】表1から明らかなように、本発明によるフ
ッ素樹脂積層体を接着した場合、フッ素樹脂基材として
PFA、FEP、ETFEを使用した実施例では、接着
面での剥離が全く起こらず、いずれも接着部と非接着部
の境界部分でシートが破断することから、充分な接着強
度を有し、接着性が顕著に改善されていることがわか
る。また、フッ素樹脂基材としてPTFEを使用した場
合、剥離強度と剪断強度のいずれも実施例のもののほう
が高く、測定中の状態でみると、比較例3、4がほとん
ど伸びずに剥離しているのに対して、実施例3、4では
いずれもシートが伸びながら剥離し、とくに実施例1〜
4では剥離した後のアルミ板にフッ素樹脂基材の一部が
残ることから、充分な接着強度を有していることがわか
る。さらに、実施例1と比較例1、あるいは実施例6と
比較例2について、その剥離強度と剪断強度を比較すれ
ば、フッ素繊維紙の存在により接着性が大幅に向上して
いることが明らかである。
【0037】また、上記実施例1〜8および比較例1〜
4のシートについて、加熱しながら5kg/平方センチ
メートルの荷重を3分間かけた後、剥離強度と剪断強度
を測定したところその低下はわずかであり、外力を受け
た場合でも良好な接着性を有するものであった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によるフ
ッ素樹脂積層体では、フッ素繊維紙が融着した部分を接
着面として使用するため、その特異な多孔質構造に由来
する大きな投錨効果により、ゴム、プラスチック、木
材、金属、セラミックスなど各種材料に対して、通常の
接着剤を用いて容易に且つ高い接合強度をもって接着す
ることが可能である。しかも、圧縮等の外力に対して接
着性の低下が少なく、極めて使いやすいもになってい
る。
【0039】本発明のフッ素樹脂積層体はこのような優
れた特性を有することから、例えばプリント基板や電線
の電気絶縁材料、耐蝕性のライニング材としてそのまま
使用することはもちろんのこと、さらに用途に応じて上
記のごとき異種材料と複合化することにより、寸法安定
性、耐クリープ性、機械的強度、クッション性などを付
与することも可能である。その用途の一例を挙げれば、
接着テープや接着シート、その他の接着性成形体、ある
いはパイプ、タンク、軸受け、ガイドなど、化学、機
械、電気、建築、食品等のフッ素樹脂の優れた特性を必
要とするあらゆる分野での利用が可能であり、その実用
上の効果は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフッ素樹脂積層体の断面を示す模
式図である。
【図2】本発明によるフッ素樹脂積層体の断面の繊維の
形状を示す顕微鏡写真である。
【図3】本発明によるフッ素樹脂積層体をフッ素繊維紙
側から撮影した顕微鏡写真である。
【図4】図3をさらに拡大し、フッ素繊維紙の繊維間の
隙間を通してみることのできる連続気孔性多孔質四フッ
化エチレン樹脂シートの表面を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 フッ素樹脂積層体 2 フッ素樹脂基材 3 連続気孔性多孔質フッ素樹脂 4 フッ素繊維紙
【表1】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素樹脂からなる基材の表面に、連続気
    孔性多孔質フッ素樹脂を介してフッ素繊維紙を融着して
    なるフッ素樹脂積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012117054A (ja) * 2010-11-08 2012-06-21 Nitto Denko Corp 耐油耐熱性粘着シート、貼着方法および耐油耐熱性貼着構造体
JP2014017164A (ja) * 2012-07-10 2014-01-30 Dainippon Printing Co Ltd フレキシブルフラットケーブル用被覆材

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