JPH06170175A - 半透膜モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

半透膜モジュールおよびその製造方法

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JPH06170175A
JPH06170175A JP35203292A JP35203292A JPH06170175A JP H06170175 A JPH06170175 A JP H06170175A JP 35203292 A JP35203292 A JP 35203292A JP 35203292 A JP35203292 A JP 35203292A JP H06170175 A JPH06170175 A JP H06170175A
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hollow fiber
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fluid
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Seiji Mizumoto
清治 水元
Yuka Satou
結花 佐藤
Nobuyuki Nakatsuka
修志 中塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半透膜モジュールにおいて、半透膜を固定す
る接着層から不純物が被処理流体に溶出するのを防止す
る。 【構成】 平膜モジュール1において、半透膜2を多孔
性支持体3に固定する接着剤層4のうち被処理流体が接
触する部位にバリア層7を形成する。前記バリア層7
は、接着剤に含まれる未反応モノマーなどの有機性不純
物、アルカリイオン、ハロゲンイオンなどの無機性不純
物が被処理流体中に溶出して汚染するのを防止する。バ
リア層は、溶剤可溶性フッ素樹脂などで形成できる。半
透膜モジュールには、スパイラル型モジュール、中空糸
膜モジュールなども含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚染を抑制しつつ、液
体などの被処理流体を効率よく膜分離する上で有用な半
透膜モジュールおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、逆浸透型、イオン交換型、浸透気
化型、限外瀘過型などの種々の分離特性を有する半透膜
が開発されている。これらの半透膜は、例えば、平膜
状、スパイラル状、中空糸状などの形態でモジュール化
されている。
【0003】半透膜モジュール、例えば、中空糸膜モジ
ュールは、通常、中空糸膜の集束体をケーシング内に収
容し、中空糸膜間および集束体とケーシングとの隙間
を、ケーシングの端部などにおいて、接着剤などで封止
固定している。
【0004】これら半透膜モジュールは、医療用途、精
密電子工業用途、食品工業用途、理化学用途などに幅広
く利用されている。特に、半導体の製造においては、シ
リコンなどのウエハー上に極めて微細なパターンを形成
するため、ウエハー上への微粒子および金属イオンなど
の不純物の付着を防止する必要がある。そのため、超純
水の製造用には、イオン交換膜、限外瀘過膜などが広く
利用されている。
【0005】モジュールを構成する各部材から有機物及
び/又は無機物などの不純物が被処理液に溶出するのを
防止するため、モジュールの各部材が厳選され、またモ
ジュールの製造技術も検討されている。
【0006】例えば、特開昭63−116707号公報
には、中空糸膜を予め80℃以上の水に1時間以上浸漬
又は通水して洗浄し、中空糸膜の集束体の端部を接着封
止することにより、中空糸膜からの不純物の溶出を抑制
する方法が開示されている。また、特開昭62−136
208号公報には、ヘキサメチレンジイソシアネートを
用いた特定のビュレットポリイソシアネートと多官能性
活性水素化合物からなるウレタン系接着剤を使用し、加
水分解により発癌性が強く懸念されている芳香族ジアミ
ンの生成を防止する方法が開示されている。さらに、特
開昭60−244307号公報には、ケーシングの原液
供給口と透過液流出口とを略同一線上に形成することに
より、ケーシング内での透過液の滞留を防止し、透過液
の汚染を抑制する方法が提案されている。
【0007】このような方法により、被処理液や透過液
への不純物の溶出を或る程度低減することはできる。し
かし、このような方法では、半透膜を固定する接着層か
らの不純物の溶出については何ら考慮されておらず、不
純物の溶出を完全に防止できない。しかも、不純物の含
有量を少なくするためには、特殊な部材や接着剤を用い
る必要があるため、モジュールがかなり高価なものとな
る。さらに、接着剤の硬化に際して、硬化反応が完全に
進行することは殆どなく、未反応モノマーが必然的に残
留する。そのため、膜分離操作において、未反応モノマ
ーが徐々に溶出し、被処理液や透過液を汚染する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、不純物の溶出を抑制し、被処理流体の汚染を防止で
きる半透膜モジュールを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、前記の如き優れた特
性を有する半透膜モジュールを簡便かつ安価に製造でき
る方法を提供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明者らは、鋭意検討の結果、半透膜
を固定する接着剤層に、有機物、無機物の透過を規制す
るバリア層を形成することにより、前記課題を解決でき
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の半透膜モジュールは、
接着剤により半透膜が固定されたモジュールであって、
被処理流体が接触する接着剤の部位にバリア層が形成さ
れている。このバリア層は、前記接着剤中の不純物の透
過を規制する。
【0012】また、本発明の方法では、接着剤により半
透膜を固定し、被処理流体が接触する接着剤の部位に、
前記接着剤中の不純物の透過を規制するポリマーにより
バリア層を形成し、半透膜モジュールを製造する。
【0013】以下、必要に応じて添付図面を参照しつつ
本発明を詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の半透膜モジュールの一例を
示す概略断面図であり、図2は図1に示すモジュールの
II−II線断面図である。この例では、平膜モジュー
ルが示されている。
【0015】この平膜モジュール1は、平膜2の周縁部
と平板状多孔性支持体3とを接合する接着剤層4とを備
えた複数のエレメントと、複数の前記多孔性支持体3間
に介在するスペーサ5とで構成されている。なお、前記
平膜モジュール1には、前記多孔性支持体3間の空間に
通じる吸引ノズル6が装着されている。
【0016】そして、平膜2の周囲の接着剤層4のうち
被処理液と接触する部位には、接着剤に含まれる不純物
の溶出を規制するバリア層7が形成されている。
【0017】図3は本発明の半透膜モジュールの他の例
を示す部分概略断面図であり、この例では、中空糸膜モ
ジュールが示されている。
【0018】この中空糸膜モジュール11は、ケーシン
グ13内に収納された複数の中空糸膜12からなる中空
糸束と、前記ケーシング13の両端部の蓋体14とを備
えている。
【0019】前記中空糸膜12の中空糸束の両端部は、
中空糸膜12の端面が開口した状態で、接着剤により形
成された封止固定部15で封止固定されている。
【0020】前記ケーシング13には、中空糸膜12の
透過側、すなわち二次側に選択的に透過した透過液や透
過気体を流出させるための流出口16が形成されてい
る。また、一方の蓋体14には、中空糸膜12の中空
部、すなわち一次側に被処理流体を供給するための供給
口17が形成され、他方の蓋体には、濃縮液が排出され
る排出口が形成されている。
【0021】そして、前記封止固定部15の端面には、
接着剤からの不純物の溶出を防止するため、バリア層1
8が形成されている。
【0022】また、ケーシング13と封止固定部15と
蓋体14の交点部などには、必要に応じて、O−リング
などの封止部材19が挾圧状態で配設されている。
【0023】このようなモジュールでは、接着剤中に、
未反応モノマーなどの有機性不純物、アルカリイオン、
ハロゲンイオンなどの無機性不純物が含まれている。そ
のため、被処理流体が接着剤層4や封止固定部18に接
触すると、前記不純物が被処理流体に溶出し、汚染され
る。
【0024】しかし、接着剤層4や封止固定部15のう
ち、被処理流体と接する部位を前記バリア層7,18で
被覆することにより、接着剤中に含まれる不純物が被処
理流体、特に液体に溶出するのを防止できる。そのた
め、被処理流体の汚染を防止でき、膜分離による精製効
率を高めることができる。
【0025】前記バリア層は、接着剤の種類、接着剤中
の不純物の種類に応じて、被処理流体により浸蝕されな
い種々のバリア性物質で形成できる。このようなバリア
性物質としては、例えば、ポリエチレンなどのオレフィ
ン系ポリマー;フッ素系ポリマー;エポキシ(メタ)ア
クリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエス
テル(メタ)アクリレートなどの紫外線硬化型樹脂など
の光硬化型樹脂;塩化ビニリデン系共重合体;シリコー
ン樹脂などのポリマーが例示できる。
【0026】これらのバリア性ポリマーのうち、バリア
性、作業性などの点で、オレフィン系ポリマー、フッ素
系ポリマー、紫外線硬化型樹脂が好ましく、特に溶剤可
溶性フッ素樹脂が好ましい。溶剤可溶性フッ素樹脂は、
耐熱性だけでなく耐溶剤性も高いという特色がある。
【0027】溶剤可溶性フッ素樹脂の種類は特に制限さ
れないが、例えば、旭硝子(株)製、商品名サイトップ
の各種グレードから適当に選択できる。好ましい溶剤可
溶性フッ素樹脂には、旭硝子(株)製、商品名サイトッ
プCTX−105Aなどが含まれる。
【0028】前記フッ素樹脂は通常アモルファス状であ
り、極性フッ素化有機溶媒に可溶である。有機溶媒とし
ては、例えば、パーフルオロ−2−ブチルハイドロフラ
ン、パーフルオロトリブチルアミン、ヘキサフルオロイ
ソプロパノール、ヘキサフルオロアセトンなどが例示さ
れる。
【0029】なお、前記バリア層は、被処理流体と接す
る面に限らず、透過成分と接する接着剤層や封止固定部
の部位に形成してもよい。この場合には、被処理流体だ
けでなく、分離した透過成分の汚染も防止できる。
【0030】バリア層の厚みは、適当な範囲で選択でき
るが、ピンホールなどの欠陥が生成するのを防止するた
め、10μm以上、通常、10〜100μm程度であ
る。なお、バリア層は、実用上支障のない範囲で厚い方
が好ましい。
【0031】前記半透膜を構成するポリマーとしては、
例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1な
どのオレフィン系ポリマー;ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデン
フルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体などのフッ素含有ポリマー;酢
酸セルロースなどのセルロース系ポリマー;ポリ塩化ビ
ニル;アクリロニトリル系ポリマー;ポリメチルメタク
リレート、アクリロニトリル−メタクリル酸メチル共重
合体などのアクリル系ポリマー;シリコーン樹脂;ポリ
アミド;ポリイミド;ポリエーテルスルホン;ポリスル
ホン;ポリフェニレンオキサイド;ポリフェニレンスル
フィド;ポリアリレート;ポリエーテルエーテルケト
ン;ポリエーテルイミド;ポリカーボネート;ポリビニ
ルアルコール系ポリマーなどが例示される。
【0032】半透膜の形態は、平膜状、スパイラル状、
チューブ状、中空糸状などのいずれであってもよい。な
お、中空糸膜を用いると、装置の単位体積当りの膜表面
積が大きく、小型のモジュールを得ることができるとい
う利点がある。
【0033】半透膜は、必要に応じて、有機溶剤による
処理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、オゾン処理
などの表面処理を施した後、接着剤により固定してもよ
い。
【0034】半透膜を固定する接着剤の種類は特に制限
されず、例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、
ウレタン樹脂、オレフィン系ポリマー、シリコーン樹脂
などが挙げられる。なお、接着剤はオレフィン系ポリマ
ーなどを含むホットメルト型接着剤であってもよい。
【0035】半透膜の種類やモジュールの形態に応じ
て、半透膜は適所で接着固定できるが、通常、接着剤に
より、半透膜は、スペーサ、支持体やケーシングなどに
接着固定される場合が多い。なお、カートリッジ式中空
糸膜モジュールなどの場合には、中空糸膜間を接着剤に
より接着封止し固定してもよい。
【0036】なお、中空糸膜モジュールにおいて、中空
糸膜は、両端面のうち少なくとも一方の端面が開口して
いればよい。例えば、複数の中空糸膜の一方の端部は、
端面が開口した状態で封止固定部で接着封止され、中空
糸膜の他方の端部の中空部は閉塞されていてもよい。ま
た、複数の中空糸膜の両端部を集束し、中空糸膜の端面
が開口した状態で、集束部を接着封止してもよい。
【0037】さらに、中空糸膜モジュールは、ケーシン
グを備えることなく、複数の中空糸膜の少なくとも一方
の端部が接着封止され、かつケースに装着可能であって
もよい。この場合、膜モジュールを、ケースにカートリ
ッジ式に装着できる。
【0038】ケーシングは必要に応じて、前記流出口を
通じて透過側が減圧可能であってもよく、減圧可能なチ
ャンバ内に配設されていてもよい。また、前記図3とは
逆に、必要に応じて、ケーシングの流出口から被処理流
体を供給し、中空糸膜の開口部から透過成分を流出させ
てもよい。
【0039】被処理流体は、半透膜の分離特性に応じて
選択でき、バリア層を浸蝕しない空気、酸素、窒素など
の気体や液体含む流体が使用できる。液体としては、
水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などのアルコール類;ジエチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、ブチルエーテルなどのエーテル類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなど
のエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類;酢酸、無水酢酸、プロピオン酸などの有機酸
類;ジエチルアミン、アニリンなどのアミン類;ヘキサ
ン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トル
エンなどの芳香族炭化水素類;シクロヘキサンなどの脂
環族炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素、トリクロ
ロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられ
る。
【0040】本発明の半透膜モジュールは、接着剤によ
り半透膜を固定し、被処理流体が接触する接着剤の部位
に、前記ポリマーによりバリア層を形成することにより
製造できる。
【0041】半透膜の接着剤による接着固定方法は、膜
モジュールの形態に応じて選択できる。例えば、平膜や
スパイラル型モジュールでは、接着剤の塗布により接着
固定でき、中空糸膜モジュールでは、遠心注入法などに
より接着固定できる。
【0042】前記バリア層は、接着剤の種類に応じて、
慣用の方法で形成できる。例えば、接着剤が液状の熱硬
化性接着剤である場合、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬
法などの方法で接着剤層に塗布した後、熱硬化させれば
よい。また、接着剤が熱可塑性接着剤である場合、前記
と同様にして塗布した後乾燥する方法の他に、加熱溶融
した接着剤を適用し、冷却固化させてもよい。また、ホ
ットメルト型接着剤では、接着剤層に溶融した接着剤を
流し込んでもよい。さらに、紫外線硬化型接着剤などの
光硬化型接着剤の場合には、接着剤層に適用した後、光
照射により硬化させることができる。
【0043】なお、中空糸膜の場合には、中空部の開口
度の低減や中空部の閉塞を防止するため、中空糸膜の一
方の端部の開口端から気体を供給しながら、他方の封止
固定部の端面に前記バリア層を形成してもよい。
【0044】本発明の膜分離モジュールは、例えば、液
体の膜分離、液体から気体成分の膜分離などに利用でき
る。
【0045】
【発明の効果】本発明の半透膜モジュールは、半透膜を
固定する接着剤層にバリア層が形成されているので、接
着剤に含まれる不純物が被処理流体に溶出するのを抑制
でき、被処理流体の汚染を防止できる。
【0046】本発明の方法によれば、接着剤層にバリア
層を形成するという簡単な操作で、前記の如き優れた特
性を有する半透膜モジュールを簡便かつ安価に製造でき
る。
【0047】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0048】実施例1 エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピコー
ト828)100重量部と、硬化剤(油化シェルエポキ
シ(株)製、エピキュアU)25重量部とを混合し、室
温で1日放置した後、60℃で5時間硬化し、試験片
(3cm×3cm×厚さ5mm)を作製した。
【0049】この試験片に、溶剤可溶型フッ素樹脂(旭
硝子(株)製、サイトップCTX−105A)を20μ
mの厚さに塗布し、80℃で1時間乾燥した。
【0050】そして、前記試験片を、第11改正日本薬
局方、輸液用プラスチック容器試験法の溶出試験法に準
じて溶出試験に供し、波長205nmでの試験液の吸光
度を測定すると共に、原子吸光分析法により試験液中の
ナトリウムイオンの含有量を測定した。結果を表1に示
す。
【0051】また、前記試験片を、イソプロピルアルコ
ール中、70℃で1日間浸漬し、前記と同様にして、波
長205nmでの吸光度と原子吸光分析法によるナトリ
ウムイオンの含有量を測定した。結果を表2に示す。
【0052】実施例2 実施例1と同じ試験片に、紫外線硬化型樹脂(大日本イ
ンキ(株)製、SD301)を30μmの厚さに塗布
し、1200mJ/cm2 の照射量で紫外線を照射して
硬化させる以外、実施例1と同様にして溶出性を調べ
た。結果を表1、表2に示す。
【0053】比較例1 溶剤可溶性フッ素樹脂を塗布することなく、実施例1の
試験片を、実施例1と同様に溶出試験に供し、実施例1
と同様にして溶出性を調べた。結果を表1、表2に示
す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】 表1及び表2から明らかなように、バリア層を形成する
と、ナトリウムイオンの溶出を著しく抑制できる。
【0056】実施例3 内径500μm、外径800μmのポリエーテルスルホ
ン中空糸膜を長さ50cmに切断し、3000本を束ね
て集束体とした。この集束体を90℃の加温純水に浸漬
し、0.5リットル/分の通水速度で90℃の純水を5
時間、集束体に通水し、洗浄中空糸膜とした。
【0057】洗浄した中空糸膜の集束体を室温で24時
間放置した後、内径89mm、長さ320mmの純水で
充分に洗浄したポリスルホン製ケーシングに適合させて
切断し、挿入した。
【0058】次いで、前記ケーシングを遠心シール機に
セットし、実施例1で用いたエポキシ樹脂接着剤を注入
し、遠心シールして硬化させ、集束体の端部を切断し
た。
【0059】そして、中空糸膜の一方の開口端から空気
を送りながら、中空糸膜の他方の端面に、実施例1で用
いた溶剤可溶性フッ素樹脂を塗布した。さらに反対側の
中空糸膜の端面にも、上記と同様にして溶剤可溶性フッ
素樹脂を塗布し、80℃で1時間乾燥した。
【0060】このようにして作製した中空糸膜モジュー
ルに、80℃の純水を1リットル/分の通水速度で6時
間通水した後、中空糸膜モジュールを通過した水中の有
機性炭素(TOC)を、TOC測定器(三菱化成工業
(株)製 Anatel A-100)を用いて測定した。その結果
を表3に示す。なお、原水中のTOC含有量は、92.
5ppbであった。
【0061】比較例2 中空糸膜の開口端面を処理することなく、実施例3と同
様にして作製した中空糸型膜モジュールを用い、実施例
3と同様にして水中のTOCを測定した。その結果を表
3に示す。
【0062】
【表3】 表3より明らかなように、バリア層を形成するという簡
単な操作で、TOCの溶出を著しく抑制できる。
【0063】実施例4 図1に示すように、10cm角のポリアクリロニトリル
系平膜2と繊維強化プラスチック(FRP)からなる多
孔性支持体3とを接着剤で接合し、平膜2の周囲の接着
剤層4に、実施例1で用いた溶剤可溶型フッ素樹脂を塗
布して乾燥しバリア層7を形成した。
【0064】このようなエレメント2個をスペーサー5
を介して貼り合わせ、吸引ノズル6を備えた平膜モジュ
ール1を作製した。
【0065】この平膜モジュールを用いて、フッ素樹脂
(テフロン)製容器中、70℃のイソプロピルアルコー
ル:水=98:2の混合液を浸透気化による分離操作に
8時間供した。容器内のイソプロピルアルコール水溶液
の波長205nmでの吸光度と原子吸光分析法によるナ
トリウムイオンの含有量を測定したところ、表4に示す
結果が得られた。
【0066】比較例3 平膜の周囲の接着剤層に溶剤可溶性フッ素樹脂を塗布す
ることなく、実施例4と同様にして、膜モジュールを作
製すると共に、浸透気化に供し、イソプロピルアルコー
ル水溶液の吸光度とナトリウムイオンの含有量を測定し
たところ、表4に示す結果が得られた。
【0067】
【表4】 表4から明らかなように、被処理液を高温で膜分離に供
しても、ナトリウムイオンの溶出を顕著に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の半透膜モジュールの一例を示す
平面図である。
【図2】図2は図1に示す半透膜モジュールのII−I
I線断面図である。
【図3】図3は本発明の半透膜モジュールの他の例を示
す部分概略断面図である。
【符号の説明】 1,11…モジュール 2…平膜 3…多孔性支持体 4…接着剤層 7,18…バリア層 12…中空糸膜 13…ケーシング 14…蓋体 15…封止固定部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤により半透膜が固定されたモジュ
    ールであって、被処理流体が接触する接着剤の部位に、
    前記接着剤中の不純物の透過を規制するバリア層が形成
    されている半透膜モジュール。
  2. 【請求項2】 バリア層が溶剤可溶性フッ素樹脂で形成
    されている請求項1記載の半透膜モジュール。
  3. 【請求項3】 接着剤により半透膜を固定し、被処理流
    体が接触する接着剤の部位に、前記接着剤中の不純物の
    透過を規制するポリマーによりバリア層を形成する半透
    膜モジュールの製造方法。
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