JPH06170131A - フィルタ材及びその製造方法 - Google Patents
フィルタ材及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06170131A JPH06170131A JP34971492A JP34971492A JPH06170131A JP H06170131 A JPH06170131 A JP H06170131A JP 34971492 A JP34971492 A JP 34971492A JP 34971492 A JP34971492 A JP 34971492A JP H06170131 A JPH06170131 A JP H06170131A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- treatment liquid
- material sheet
- calcium phosphate
- weight percent
- glucan
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Filtering Materials (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ウィルスやバクテリア等の病原性及び抗原性
微粒子も吸着できる新規なフィルタ材及びその性能を均
一に保つことができる製造方法を提供する。 【構成】 0.5〜30重量パーセントの燐酸カルシウ
ムの粉末と、0.5〜10重量パーセントのβ−1,3
−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボキ
シルメチルセルロースとを温水中で高速攪拌して処理液
を調製し、この処理液を素材シートに付着させた後乾燥
する。
微粒子も吸着できる新規なフィルタ材及びその性能を均
一に保つことができる製造方法を提供する。 【構成】 0.5〜30重量パーセントの燐酸カルシウ
ムの粉末と、0.5〜10重量パーセントのβ−1,3
−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボキ
シルメチルセルロースとを温水中で高速攪拌して処理液
を調製し、この処理液を素材シートに付着させた後乾燥
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばマスク用フィル
タ材、各種脱臭装置に装着される脱臭フィルタ、或いは
殺菌及び脱臭機能を有する食品包装材等種々の用途に用
いることができ、特にウィルスやバクテリア等の病原性
或いは抗原性微粒子を吸着する機能を有する新規なフィ
ルタ材及びその製造方法に関する。
タ材、各種脱臭装置に装着される脱臭フィルタ、或いは
殺菌及び脱臭機能を有する食品包装材等種々の用途に用
いることができ、特にウィルスやバクテリア等の病原性
或いは抗原性微粒子を吸着する機能を有する新規なフィ
ルタ材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人等は先に、特願平3−3174
78号を以て、ウィルスも捕捉できる新規なフィルタ材
の製造方法を提案した。
78号を以て、ウィルスも捕捉できる新規なフィルタ材
の製造方法を提案した。
【0003】上記本出願人の先の提案に係るフィルタ材
の製造方法は、先ず燐酸カルシウムの粉末とβ−1,3
−グルカンとを温水中で高速攪拌して処理液を調整し、
この処理液に素材シートを浸漬し、或いは処理液を素材
シートに噴霧し、又は処理液に濡れたローラを素材シー
トに接触させて、素材シートに処理液を付着させた後に
乾燥するものである。
の製造方法は、先ず燐酸カルシウムの粉末とβ−1,3
−グルカンとを温水中で高速攪拌して処理液を調整し、
この処理液に素材シートを浸漬し、或いは処理液を素材
シートに噴霧し、又は処理液に濡れたローラを素材シー
トに接触させて、素材シートに処理液を付着させた後に
乾燥するものである。
【0004】又、本出願人が提案した他のフィルタ材の
製造方法は、β−1,3−グルカンを押温水で速攪拌し
た後、燐酸カルシウムの粉末を投入して低速攪拌して得
られた処理液を、浸漬或いは噴霧、又はローラを介して
素材シートに付着させ、後に乾燥するものである。
製造方法は、β−1,3−グルカンを押温水で速攪拌し
た後、燐酸カルシウムの粉末を投入して低速攪拌して得
られた処理液を、浸漬或いは噴霧、又はローラを介して
素材シートに付着させ、後に乾燥するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の様にして得られ
た本出願人の提案に係わるフィルタ材は、燐酸カルシウ
ムの粉末とβ−1,3−グルカンとを用いることによ
り、水に対する不溶性を得、湿気の多い環境中に於ては
勿論、水中での使用にも耐えられ一段と利用範囲が広が
った。
た本出願人の提案に係わるフィルタ材は、燐酸カルシウ
ムの粉末とβ−1,3−グルカンとを用いることによ
り、水に対する不溶性を得、湿気の多い環境中に於ては
勿論、水中での使用にも耐えられ一段と利用範囲が広が
った。
【0006】しかしながら、本出願人等のその後の実施
の為の試験、研究により、第1工程によって得られた処
理液の粘度が若干小さく、時間の経過と共に燐酸カルシ
ウムの粉末が沈殿することを完全に防止することができ
ない。
の為の試験、研究により、第1工程によって得られた処
理液の粘度が若干小さく、時間の経過と共に燐酸カルシ
ウムの粉末が沈殿することを完全に防止することができ
ない。
【0007】その結果、処理液の表面と底部とでは燐酸
カルシウムの濃度が異なることになり、特に素材シート
を処理液中に浸漬させて引き上げることにより素材シー
トに処理液を付着させる場合、時間と共に素材シートに
付着する燐酸カルシウムの量が変化し、得られたフィル
タ材の性能にばらつきが生じる、という不都合がある。
カルシウムの濃度が異なることになり、特に素材シート
を処理液中に浸漬させて引き上げることにより素材シー
トに処理液を付着させる場合、時間と共に素材シートに
付着する燐酸カルシウムの量が変化し、得られたフィル
タ材の性能にばらつきが生じる、という不都合がある。
【0008】本発明は、上記した不都合を解消するため
に、0.1〜10重量パーセントのカルボキシルメチル
セルロースを加えることにより処理液の粘度を高め、燐
酸カルシウムの粉末の沈降速度を著しく低減させ、均一
な性能のフィルタ材を製造する方法を提供することを目
的としている。
に、0.1〜10重量パーセントのカルボキシルメチル
セルロースを加えることにより処理液の粘度を高め、燐
酸カルシウムの粉末の沈降速度を著しく低減させ、均一
な性能のフィルタ材を製造する方法を提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、燐酸カルシウムの粉末を
β−1,3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロー
スを介して素材シートに付着させたことを特徴とする。
め、請求項1に記載の発明は、燐酸カルシウムの粉末を
β−1,3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロー
スを介して素材シートに付着させたことを特徴とする。
【0010】又、請求項2に記載の発明は、0.5〜3
0重量パーセントの燐酸カルシウムの粉末、0.5〜1
0重量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜
10重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを
温水中で高速攪拌して処理液を調製する第1工程と、こ
の処理液中に素材シートを浸漬させて引き上げる第2工
程と、引き上げた素材シートを乾燥する第3工程とを有
することを特徴とする。
0重量パーセントの燐酸カルシウムの粉末、0.5〜1
0重量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜
10重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを
温水中で高速攪拌して処理液を調製する第1工程と、こ
の処理液中に素材シートを浸漬させて引き上げる第2工
程と、引き上げた素材シートを乾燥する第3工程とを有
することを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌した後0.5〜30重量パーセントの燐酸
カルシウム粉末を投入して低速攪拌することにより処理
液を調製する第1工程と、この処理液中に素材シートを
浸漬させて引き上げる第2工程と、引き上げた素材シー
トを乾燥する第3工程とを有することを特徴とする。
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌した後0.5〜30重量パーセントの燐酸
カルシウム粉末を投入して低速攪拌することにより処理
液を調製する第1工程と、この処理液中に素材シートを
浸漬させて引き上げる第2工程と、引き上げた素材シー
トを乾燥する第3工程とを有することを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、0.5〜30重
量パーセントの燐酸カルシウムの粉末、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌して処理液を調製する第1工程と、この処
理液を素材シートに噴霧する第2工程と、処理液を噴霧
された素材シートを乾燥する第3工程とを有することを
特徴とする。
量パーセントの燐酸カルシウムの粉末、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌して処理液を調製する第1工程と、この処
理液を素材シートに噴霧する第2工程と、処理液を噴霧
された素材シートを乾燥する第3工程とを有することを
特徴とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌した後0.5〜30重量パーセントの燐酸
カルシウム粉末を投入して低速攪拌することにより処理
液を調製する第1工程と、この処理液を素材シートに噴
霧する第2工程と、処理液を噴霧された素材シートを乾
燥する第3工程とを有することを特徴とする。
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌した後0.5〜30重量パーセントの燐酸
カルシウム粉末を投入して低速攪拌することにより処理
液を調製する第1工程と、この処理液を素材シートに噴
霧する第2工程と、処理液を噴霧された素材シートを乾
燥する第3工程とを有することを特徴とする。
【0014】請求項6に記載の発明は、0.5〜30重
量パーセントの燐酸カルシウムの粉末、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量のカルボキシルメチルセルロースを温水中で高速攪
拌して処理液を調製する第1工程と、この処理液を回転
するローラを介して素材シートに付着させる第2工程
と、処理液を付着させた素材シートを乾燥させる第3工
程とを有することを特徴とする。
量パーセントの燐酸カルシウムの粉末、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量のカルボキシルメチルセルロースを温水中で高速攪
拌して処理液を調製する第1工程と、この処理液を回転
するローラを介して素材シートに付着させる第2工程
と、処理液を付着させた素材シートを乾燥させる第3工
程とを有することを特徴とする。
【0015】請求項7に記載の発明は、0.5〜10重
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌した後0.5〜30重量パーセントの燐酸
カルシウム粉末を投入して低速攪拌することにより処理
液を調製する第1工程と、この処理液を回転するローラ
を介して素材シートに付着させる第2工程と、処理液を
付着させた素材シートを乾燥させる第3工程とを有する
ことを特徴とする。
量パーセントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10
重量パーセントのカルボキシルメチルセルロースを温水
中で高速攪拌した後0.5〜30重量パーセントの燐酸
カルシウム粉末を投入して低速攪拌することにより処理
液を調製する第1工程と、この処理液を回転するローラ
を介して素材シートに付着させる第2工程と、処理液を
付着させた素材シートを乾燥させる第3工程とを有する
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】上記の様に構成された請求項1に記載の発明に
よるフィルタ材に於いて、分子的に見れば細い紐の様な
形態のβ−1,3−グルカン及びカルボキシルメチルセ
ルロースが、燐酸カルシウムの粉末を抱持すると共に素
材シートの繊維に絡み付くような態様で燐酸カルシウム
の粉末を素材シートに結合している。
よるフィルタ材に於いて、分子的に見れば細い紐の様な
形態のβ−1,3−グルカン及びカルボキシルメチルセ
ルロースが、燐酸カルシウムの粉末を抱持すると共に素
材シートの繊維に絡み付くような態様で燐酸カルシウム
の粉末を素材シートに結合している。
【0017】そして、上記燐酸カルシウムの粉末は、イ
オン結合、水素結合、ファンデルワールス力による、或
いは双極子モーメント間の相互作用による多様な結合様
式とコンフォメーションにより、原核細胞、真菌、花粉
等を吸着する。
オン結合、水素結合、ファンデルワールス力による、或
いは双極子モーメント間の相互作用による多様な結合様
式とコンフォメーションにより、原核細胞、真菌、花粉
等を吸着する。
【0018】また、β−1,3−グルカンやカルボキシ
ルメチルセルロースも分子中の豊富な水酸基(−OH)
と、真菌や花粉等の表面糖鎖やムコ多糖体との水素結合
により真菌、花粉等を吸着する。
ルメチルセルロースも分子中の豊富な水酸基(−OH)
と、真菌や花粉等の表面糖鎖やムコ多糖体との水素結合
により真菌、花粉等を吸着する。
【0019】更に、本発明方法によるフィルタ材は、β
−1,3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロース
が水に不溶の多糖類であるから、水中で使用しても燐酸
カルシウム粉末が脱落することはない。また、湿気の多
い雰囲気中で使用したり保存したりしても、性能が低下
したり黴が生えたりすることが少ない。
−1,3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロース
が水に不溶の多糖類であるから、水中で使用しても燐酸
カルシウム粉末が脱落することはない。また、湿気の多
い雰囲気中で使用したり保存したりしても、性能が低下
したり黴が生えたりすることが少ない。
【0020】請求項2に記載の発明によるフィルタ材の
製造方法の第1工程に於いて、請求項2に規定する割合
で燐酸カルシウムの粉末とβ−1,3−グルカン及びカ
ルボキシルメチルセルロースとを温水中に投入して高速
で攪拌すると、β−1,3−グルカン及びカルボキシル
メチルセルロースと燐酸カルシウムの粉末とが温水中に
均一に分散し、粘調な処理液を得ることができる。この
処理液中では燐酸カルシウムの粉末も均一に分散してお
り、又、カルボキシルメチルセルロースの存在により処
理液の粘度が増大しているので、燐酸カルシウムの粉末
が沈殿することはない。
製造方法の第1工程に於いて、請求項2に規定する割合
で燐酸カルシウムの粉末とβ−1,3−グルカン及びカ
ルボキシルメチルセルロースとを温水中に投入して高速
で攪拌すると、β−1,3−グルカン及びカルボキシル
メチルセルロースと燐酸カルシウムの粉末とが温水中に
均一に分散し、粘調な処理液を得ることができる。この
処理液中では燐酸カルシウムの粉末も均一に分散してお
り、又、カルボキシルメチルセルロースの存在により処
理液の粘度が増大しているので、燐酸カルシウムの粉末
が沈殿することはない。
【0021】第2工程に於いて、素材シートを処理液中
に浸漬してこれを引き上げると、素材シートにβ−1,
3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロースと燐酸
カルシウムの粉末とが付着する。
に浸漬してこれを引き上げると、素材シートにβ−1,
3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロースと燐酸
カルシウムの粉末とが付着する。
【0022】このとき、カルボキシルメチルセルロース
の存在により処理液の粘度が増大しており、その結果処
理液中に燐酸カルシウムの粉末が均一に分散しているの
で、処理液調製後長時間が経過していても、又、素材シ
ートを処理液のどの部分に浸漬させても、素材シートに
付着する処理液の組成は同じである。
の存在により処理液の粘度が増大しており、その結果処
理液中に燐酸カルシウムの粉末が均一に分散しているの
で、処理液調製後長時間が経過していても、又、素材シ
ートを処理液のどの部分に浸漬させても、素材シートに
付着する処理液の組成は同じである。
【0023】第3工程に於いて、β−1,3−グルカン
及びカルボキシルメチルセルロースと燐酸カルシウムの
粉末とを付着させた素材シートを乾燥させると、燐酸カ
ルシウムの粉末がβ−1,3−グルカン及びカルボキシ
ルメチルセルロースを介して素材シートに結合され、請
求項1に記載のフィルタ材が完成する。
及びカルボキシルメチルセルロースと燐酸カルシウムの
粉末とを付着させた素材シートを乾燥させると、燐酸カ
ルシウムの粉末がβ−1,3−グルカン及びカルボキシ
ルメチルセルロースを介して素材シートに結合され、請
求項1に記載のフィルタ材が完成する。
【0024】上記各工程におけるβ−1,3−グルカン
及び燐酸カルシウムの粉末の形態を微視的にイメージす
ると次の様になる。先ず、β−1,3−グルカンは多数
の細い紐がからまって毛玉になったようなものである。
ゆえに、これを単に水中に投入しただけでは毛玉は解れ
ず、従って水に溶けない。
及び燐酸カルシウムの粉末の形態を微視的にイメージす
ると次の様になる。先ず、β−1,3−グルカンは多数
の細い紐がからまって毛玉になったようなものである。
ゆえに、これを単に水中に投入しただけでは毛玉は解れ
ず、従って水に溶けない。
【0025】ところが、これを温水中で高速でプロペラ
攪拌すると、上記毛玉の表面の紐が毛羽立ち、或いは毛
玉から剥がれる。
攪拌すると、上記毛玉の表面の紐が毛羽立ち、或いは毛
玉から剥がれる。
【0026】上記第1工程に於いて調製された処理液中
では、温水中に毛羽立った毛玉、燐酸カルシウムの粉末
及び毛玉から剥がれた細い紐の多数が均一に分散し、一
部の毛玉は隣接する毛玉と毛羽の先端を絡ませるという
形態で相互に網状に結合されている。燐酸カルシウムの
粉末はこの網に引っ掛かっている訳である。
では、温水中に毛羽立った毛玉、燐酸カルシウムの粉末
及び毛玉から剥がれた細い紐の多数が均一に分散し、一
部の毛玉は隣接する毛玉と毛羽の先端を絡ませるという
形態で相互に網状に結合されている。燐酸カルシウムの
粉末はこの網に引っ掛かっている訳である。
【0027】加えて、カルボキシルメチルセルロースの
存在により処理液の粘度が増大し、上記毛玉や燐酸カル
シウムの粉末は処理液中で安定に浮遊している。
存在により処理液の粘度が増大し、上記毛玉や燐酸カル
シウムの粉末は処理液中で安定に浮遊している。
【0028】第2工程に於いて、処理液中に素材シート
を浸漬し、引き上げると、素材シートの表面に上記毛玉
や燐酸カルシウムの粉末が付着し、或いは素材シートの
繊維中に入り込む。
を浸漬し、引き上げると、素材シートの表面に上記毛玉
や燐酸カルシウムの粉末が付着し、或いは素材シートの
繊維中に入り込む。
【0029】そして、第3工程に於いて処理液に濡れた
素材シートを乾燥させると、毛羽同士を絡ませた毛玉群
が間に燐酸カルシウムの粉末を抱持した状態で他の毛羽
を素材シートの繊維に絡ませ、或いは素材シートの繊維
中に入り込む。又は、毛玉から離れた紐状の分子が一端
を素材シートの繊維に、他端を燐酸カルシウムの粉末を
抱持した状態で燐酸カルシウムの粉末を素材シートに結
合する。更に又は、毛玉から離れた紐状の分子が相互に
網状に絡み合った状態で燐酸カルシウムの粉末を抱持
し、これを素材シートに結合する。この様にして燐酸カ
ルシウムの粉末が素材シートに結合されるわけである。
素材シートを乾燥させると、毛羽同士を絡ませた毛玉群
が間に燐酸カルシウムの粉末を抱持した状態で他の毛羽
を素材シートの繊維に絡ませ、或いは素材シートの繊維
中に入り込む。又は、毛玉から離れた紐状の分子が一端
を素材シートの繊維に、他端を燐酸カルシウムの粉末を
抱持した状態で燐酸カルシウムの粉末を素材シートに結
合する。更に又は、毛玉から離れた紐状の分子が相互に
網状に絡み合った状態で燐酸カルシウムの粉末を抱持
し、これを素材シートに結合する。この様にして燐酸カ
ルシウムの粉末が素材シートに結合されるわけである。
【0030】又、カルボキシルメチルセルロースの水溶
液はそれ自体接着剤として用いられることからも明らか
なように、カルボキシルメチルセルロースも燐酸カルシ
ウムの粉末の素材シートへの結合に寄与する。
液はそれ自体接着剤として用いられることからも明らか
なように、カルボキシルメチルセルロースも燐酸カルシ
ウムの粉末の素材シートへの結合に寄与する。
【0031】請求項3に記載の発明に於いては、処理液
を調製する第1工程に於いて、予め温水中でβ−1,3
−グルカン及びカルボキシルメチルセルロースを高速攪
拌し、その後燐酸カルシウムの粉末を混入する点が請求
項2に記載の発明と異なる。
を調製する第1工程に於いて、予め温水中でβ−1,3
−グルカン及びカルボキシルメチルセルロースを高速攪
拌し、その後燐酸カルシウムの粉末を混入する点が請求
項2に記載の発明と異なる。
【0032】請求項3に記載の発明の意義は、後述する
ように燐酸カルシウムの粉末の一つ一つが更に小さな燐
酸カルシウムの粉末を結合したものなので、特に大径の
燐酸カルシウムの粉末の場合、温水中で高速攪拌すると
粉末が更に細かく砕ける恐れがあるからこれを防止する
ことにある。
ように燐酸カルシウムの粉末の一つ一つが更に小さな燐
酸カルシウムの粉末を結合したものなので、特に大径の
燐酸カルシウムの粉末の場合、温水中で高速攪拌すると
粉末が更に細かく砕ける恐れがあるからこれを防止する
ことにある。
【0033】請求項3に記載の発明の第2及び第3工程
は請求項2に記載のそれ等と同じであるから、更に詳細
な説明は省略する。
は請求項2に記載のそれ等と同じであるから、更に詳細
な説明は省略する。
【0034】請求項4及び請求項5に記載の発明に於い
ては、処理液を素材シートに付着させる第2工程が請求
項2及び請求項3に記載の発明と異なり、処理液を素材
シートに噴霧するようになっている。
ては、処理液を素材シートに付着させる第2工程が請求
項2及び請求項3に記載の発明と異なり、処理液を素材
シートに噴霧するようになっている。
【0035】この処理液を素材シートに噴霧することの
意義は、素材シートが例えば紙等の様に表面が比較的平
滑でかつ繊維が密に絡まっている場合には、素材シート
を処理液中に単に浸漬しただけでは紙の繊維中に燐酸カ
ルシウムの粉末が入り込めず、又、表面にβ−1,3−
グルカンを介して付着したとしても剥離し易いので、噴
霧することにより燐酸カルシウムの粉末に運動エネルギ
ーを与え、勢いを利用して燐酸カルシウムの粉末を紙の
繊維中に食い込ませることにより、燐酸カルシウムの粉
末と素材シートとの結合をより一層強固にすることにあ
る。
意義は、素材シートが例えば紙等の様に表面が比較的平
滑でかつ繊維が密に絡まっている場合には、素材シート
を処理液中に単に浸漬しただけでは紙の繊維中に燐酸カ
ルシウムの粉末が入り込めず、又、表面にβ−1,3−
グルカンを介して付着したとしても剥離し易いので、噴
霧することにより燐酸カルシウムの粉末に運動エネルギ
ーを与え、勢いを利用して燐酸カルシウムの粉末を紙の
繊維中に食い込ませることにより、燐酸カルシウムの粉
末と素材シートとの結合をより一層強固にすることにあ
る。
【0036】又、素材シートとしての紙は水に濡れると
弱くなるので、紙を処理液中に浸漬して引き上げる時に
紙が破れてしまうことを防止する、という点で意義があ
る。
弱くなるので、紙を処理液中に浸漬して引き上げる時に
紙が破れてしまうことを防止する、という点で意義があ
る。
【0037】更に又、素材シートが紙ではない不織布や
布等の他の素材である場合にも、運動エネルギーを得た
処理液が勢いよく素材シートに衝突することにより、燐
酸カルシウムの粉末等が繊維中に入り込み易くなる、と
いう他の利点がある。
布等の他の素材である場合にも、運動エネルギーを得た
処理液が勢いよく素材シートに衝突することにより、燐
酸カルシウムの粉末等が繊維中に入り込み易くなる、と
いう他の利点がある。
【0038】請求項4及び請求項5における第1工程及
び第3工程は請求項2及び請求項3に於いて説明したも
のと同じであるから、更に詳細な説明は省略する。
び第3工程は請求項2及び請求項3に於いて説明したも
のと同じであるから、更に詳細な説明は省略する。
【0039】請求項6及び請求項7に記載の発明に於い
ては、処理液を素材シートに付着させるため、一部を処
理液槽中に浸漬させた回転ローラに素材シートを接触さ
せる。このとき、ベルト状の素材シートをロール状に巻
いておき、連続的にローラに接触させるようにすると、
処理液の素材シートへの付着が効率良く行われる。
ては、処理液を素材シートに付着させるため、一部を処
理液槽中に浸漬させた回転ローラに素材シートを接触さ
せる。このとき、ベルト状の素材シートをロール状に巻
いておき、連続的にローラに接触させるようにすると、
処理液の素材シートへの付着が効率良く行われる。
【0040】なお、請求項6及び請求項7に於ける第1
工程及び第3工程は請求項2乃至請求項5に記載の発明
のそれらと同じであるから、更に詳細な説明は省略す
る。
工程及び第3工程は請求項2乃至請求項5に記載の発明
のそれらと同じであるから、更に詳細な説明は省略す
る。
【0041】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。なお、請求項1に記載の発明によるフィルタ材は、
請求項2乃至請求項8に記載のフィルタ材の製造方法を
説明すれば自明であるから、その説明を省略する。
る。なお、請求項1に記載の発明によるフィルタ材は、
請求項2乃至請求項8に記載のフィルタ材の製造方法を
説明すれば自明であるから、その説明を省略する。
【0042】請求項2に記載の発明方法は、0.5〜3
0重量の燐酸カルシウムの粉末と0.5〜10重量パー
セントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10重量パ
ーセントのカルボキシルメチルセルロースとを温水中で
高速攪拌して処理液を調製し、これを第1工程とする。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
0重量の燐酸カルシウムの粉末と0.5〜10重量パー
セントのβ−1,3−グルカン及び0.1〜10重量パ
ーセントのカルボキシルメチルセルロースとを温水中で
高速攪拌して処理液を調製し、これを第1工程とする。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
【0043】燐酸カルシウムは、カルシウムと燐のモル
比(Ca/P比)1.0〜2.0、望ましくは1.3〜
1.8、より望ましくは1.5〜1.67のものを用い
る。ちなみに、Ca/P比1.5のものは燐酸3カルシ
ウムといい、1.67のものはアパタイトと称する。前
記本出願人等の先の提案によるフィルタ材の製造方法に
於いては、多孔性アパタイトを用いるものとしたが、そ
の後の研究により、アパタイトに限らず燐酸カルシウム
ならば同じ吸着性能を有することを発見した。
比(Ca/P比)1.0〜2.0、望ましくは1.3〜
1.8、より望ましくは1.5〜1.67のものを用い
る。ちなみに、Ca/P比1.5のものは燐酸3カルシ
ウムといい、1.67のものはアパタイトと称する。前
記本出願人等の先の提案によるフィルタ材の製造方法に
於いては、多孔性アパタイトを用いるものとしたが、そ
の後の研究により、アパタイトに限らず燐酸カルシウム
ならば同じ吸着性能を有することを発見した。
【0044】燐酸カルシウムの粒径は0.1〜50ミク
ロン(μm)のものを用いる。なお、大粒径のものは多
孔質2次粒子とするのがよい。多孔質2次粒子とは、例
えば炊いた米粒を固めて握り飯にするように、微細な燐
酸カルシウムの結晶粒子(1次粒子)を固めて大粒径に
したものを言う。多孔質2次粒子を造るには、例えば微
粒の燐酸カルシウムの粉末の懸濁液を高温雰囲気中で噴
霧する。又は、バインダと共に攪拌造粒する、など種々
の方法を用いることができる。このようにして得られた
粒子を焼成することにより、より強固な2次粒子とする
ことができる。
ロン(μm)のものを用いる。なお、大粒径のものは多
孔質2次粒子とするのがよい。多孔質2次粒子とは、例
えば炊いた米粒を固めて握り飯にするように、微細な燐
酸カルシウムの結晶粒子(1次粒子)を固めて大粒径に
したものを言う。多孔質2次粒子を造るには、例えば微
粒の燐酸カルシウムの粉末の懸濁液を高温雰囲気中で噴
霧する。又は、バインダと共に攪拌造粒する、など種々
の方法を用いることができる。このようにして得られた
粒子を焼成することにより、より強固な2次粒子とする
ことができる。
【0045】一方、β−1,3−グルカンは下記の化学
式1のような構造の、水に不溶の多糖類であり、麺や水
産練り製品等の添加材として市販されている。なお、β
−1,3−グルカンは微生物が生産する発酵多糖類であ
る。
式1のような構造の、水に不溶の多糖類であり、麺や水
産練り製品等の添加材として市販されている。なお、β
−1,3−グルカンは微生物が生産する発酵多糖類であ
る。
【0046】
【化1】
【0047】上記β−1,3−グルカンの市販品は通常
数十から数百ミクロンの凝集粒子となっている。その
為、30℃〜60℃の温水中で3,000rpm以上の
高速攪拌をしないと水に分散しない。
数十から数百ミクロンの凝集粒子となっている。その
為、30℃〜60℃の温水中で3,000rpm以上の
高速攪拌をしないと水に分散しない。
【0048】一方、カルボキシルメチルセルロースは、
良く知られているように、セルロースをアルカリ処理し
てセルロースナトリウムとし、これにモノクロル酢酸を
反応させて得られるセルロースの多価カルボキシメチル
エーテルのナトリウム塩であって、白色の吸湿性の粉末
又は粒体である。
良く知られているように、セルロースをアルカリ処理し
てセルロースナトリウムとし、これにモノクロル酢酸を
反応させて得られるセルロースの多価カルボキシメチル
エーテルのナトリウム塩であって、白色の吸湿性の粉末
又は粒体である。
【0049】そして、例えば重合度250〜500の場
合は置換度0.4以上で水溶性となり、その水溶液は、
前記したように粘度が高くなるばかりでなく、それ自体
接着性を有し、繊維糊等種々の工業目的に用いられる。
合は置換度0.4以上で水溶性となり、その水溶液は、
前記したように粘度が高くなるばかりでなく、それ自体
接着性を有し、繊維糊等種々の工業目的に用いられる。
【0050】本発明者等は、請求項2に記載の発明の第
一の実施例として、公知の方法で合成した燐酸カルシウ
ムの粉末10重量パーセントとβ−1,3−グルカン4
重量パーセント及びカルボキシルメチルセルロース5重
量パーセントとを30℃〜60℃の蒸留水に混合し、
5,000rpmで5分間攪拌して処理液を調製した。
なお、上記燐酸カルシウムの粉末は平均粒径1ミクロ
ン、カルシウムと燐のモル比は1.67、比表面積は約
50平方メートル/グラムであった。
一の実施例として、公知の方法で合成した燐酸カルシウ
ムの粉末10重量パーセントとβ−1,3−グルカン4
重量パーセント及びカルボキシルメチルセルロース5重
量パーセントとを30℃〜60℃の蒸留水に混合し、
5,000rpmで5分間攪拌して処理液を調製した。
なお、上記燐酸カルシウムの粉末は平均粒径1ミクロ
ン、カルシウムと燐のモル比は1.67、比表面積は約
50平方メートル/グラムであった。
【0051】又、第二の実施例として、燐酸カルシウム
の粉末10重量パーセントとβ−1,3−グルカン4重
量パーセント及びカルボキシルメチルセルロース5重量
パーセントとを30℃〜60℃の蒸留水に混合し、3,
000rpmで10分間攪拌して処理液を調製した。な
お、上記燐酸カルシウムの粉末は平均粒径0,5ミクロ
ン、カルシウムと燐のモル比は1.5、比表面積は約6
0平方メートル/グラムであった。
の粉末10重量パーセントとβ−1,3−グルカン4重
量パーセント及びカルボキシルメチルセルロース5重量
パーセントとを30℃〜60℃の蒸留水に混合し、3,
000rpmで10分間攪拌して処理液を調製した。な
お、上記燐酸カルシウムの粉末は平均粒径0,5ミクロ
ン、カルシウムと燐のモル比は1.5、比表面積は約6
0平方メートル/グラムであった。
【0052】請求項2に記載の発明の第2工程に於い
て、上記の様にして調製した処理液中に素材シートを浸
漬して引き上げると、素材シートが処理液に濡れる、と
いう形態で処理液が素材シートに付着する。素材シート
を処理液中に浸漬するには、例えば素材シートを手で保
持して処理液中に出し入れしてもよいし、或いは又、素
材シートを長いベルト状に成形してロール状に巻いてお
き、一端から連続的に処理液槽中に供給すれば、処理液
を効率良く素材シートに付着させることができる。
て、上記の様にして調製した処理液中に素材シートを浸
漬して引き上げると、素材シートが処理液に濡れる、と
いう形態で処理液が素材シートに付着する。素材シート
を処理液中に浸漬するには、例えば素材シートを手で保
持して処理液中に出し入れしてもよいし、或いは又、素
材シートを長いベルト状に成形してロール状に巻いてお
き、一端から連続的に処理液槽中に供給すれば、処理液
を効率良く素材シートに付着させることができる。
【0053】上記素材シートとしては、天然繊維や合成
繊維、或いはこれらの混紡糸又は混合体よりなる織布、
不織布或いは綿状の繊維体、又はポリウレタンフォーム
などを用いることができる。
繊維、或いはこれらの混紡糸又は混合体よりなる織布、
不織布或いは綿状の繊維体、又はポリウレタンフォーム
などを用いることができる。
【0054】素材シートに処理液を付着させたら、第3
工程に於いてこれを乾燥すればフィルタ材が完成する。
乾燥は常温で行ってもよいが、例えば100〜150℃
程度の温度雰囲気中を素材シートが連続的に通過するよ
うにすれば、効率良く乾燥することができる。
工程に於いてこれを乾燥すればフィルタ材が完成する。
乾燥は常温で行ってもよいが、例えば100〜150℃
程度の温度雰囲気中を素材シートが連続的に通過するよ
うにすれば、効率良く乾燥することができる。
【0055】請求項3に記載の発明に於いては、処理液
を調製する第1工程が請求項2に記載のそれと異なる。
即ち、0.5〜10重量パーセントのβ−1,3−グル
カンの粉末及び0.1〜10重量パーセントのカルボキ
シルメチルセルロースを30℃〜60℃の温水中に混合
し、3,000rpm以上で高速攪拌して先ずβ−1,
3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロースのみを
温水中に均一に分散して前処理液を調製した後、所定量
の燐酸カルシウムの粉末をこの前処理液に混合し、10
0rpm以上で中低速攪拌をして前処理液中に燐酸カル
シウムの粉末を均一に分散して処理液を調製する。
を調製する第1工程が請求項2に記載のそれと異なる。
即ち、0.5〜10重量パーセントのβ−1,3−グル
カンの粉末及び0.1〜10重量パーセントのカルボキ
シルメチルセルロースを30℃〜60℃の温水中に混合
し、3,000rpm以上で高速攪拌して先ずβ−1,
3−グルカン及びカルボキシルメチルセルロースのみを
温水中に均一に分散して前処理液を調製した後、所定量
の燐酸カルシウムの粉末をこの前処理液に混合し、10
0rpm以上で中低速攪拌をして前処理液中に燐酸カル
シウムの粉末を均一に分散して処理液を調製する。
【0056】上記の様に処理液の調製工程を2段階に分
ける理由は、高速攪拌によって燐酸カルシウムの多孔質
2次粒子を破壊しないためである。
ける理由は、高速攪拌によって燐酸カルシウムの多孔質
2次粒子を破壊しないためである。
【0057】本発明者等は、請求項3に記載の発明の実
施例として、β−1,3−グルカン5重量パーセント及
びカルボキシルメチルセルロース4重量パーセントを3
0℃〜60℃の蒸留水に混合し、10,000rpmで
3分間攪拌して前処理液を調製した後、β−1,3−グ
ルカン及びカルボキシルメチルセルロースと同重量の燐
酸カルシウムの粉末をこの前処理液に投入して1,00
0rpmで3分間攪拌し処理液を調製した。なお、上記
燐酸カルシウムの粉末の平均粒径は10ミクロン、カル
シウムと燐のモル比は1.67、比表面積は約20平方
メートル/グラムであった。
施例として、β−1,3−グルカン5重量パーセント及
びカルボキシルメチルセルロース4重量パーセントを3
0℃〜60℃の蒸留水に混合し、10,000rpmで
3分間攪拌して前処理液を調製した後、β−1,3−グ
ルカン及びカルボキシルメチルセルロースと同重量の燐
酸カルシウムの粉末をこの前処理液に投入して1,00
0rpmで3分間攪拌し処理液を調製した。なお、上記
燐酸カルシウムの粉末の平均粒径は10ミクロン、カル
シウムと燐のモル比は1.67、比表面積は約20平方
メートル/グラムであった。
【0058】請求項3に記載の発明の第2及び第3工程
は、前記請求項2に記載の発明のそれらと同じであるか
ら、更に詳細な説明は省略する。
は、前記請求項2に記載の発明のそれらと同じであるか
ら、更に詳細な説明は省略する。
【0059】請求項4及び請求項5に記載の発明は、処
理液を素材シートに付着させる第2工程が請求項2及び
3に記載の発明と異なるだけで、他の第1及び第3工程
はそれぞれ請求項2及び請求項3のそれらとおなじであ
る。
理液を素材シートに付着させる第2工程が請求項2及び
3に記載の発明と異なるだけで、他の第1及び第3工程
はそれぞれ請求項2及び請求項3のそれらとおなじであ
る。
【0060】即ち、請求項4及び5に記載の発明に於い
ては、処理液を素材シートに噴霧することによって処理
液を素材シートに付着させる。
ては、処理液を素材シートに噴霧することによって処理
液を素材シートに付着させる。
【0061】この場合、素材シートを処理液中に浸漬さ
せてから引き上げることにより処理液を素材シートに付
着させる前記請求項2及び3に記載の発明と異なり、素
材シートとして水に濡れると所謂腰が弱くなり破れ易く
なる紙を採用することができる。即ち、素材シートとし
て前記した繊維体、ウレタンフォームの他、通気性のあ
る薄いパルプ紙或いは和紙を採用することができる。
せてから引き上げることにより処理液を素材シートに付
着させる前記請求項2及び3に記載の発明と異なり、素
材シートとして水に濡れると所謂腰が弱くなり破れ易く
なる紙を採用することができる。即ち、素材シートとし
て前記した繊維体、ウレタンフォームの他、通気性のあ
る薄いパルプ紙或いは和紙を採用することができる。
【0062】素材シートに処理液を噴霧するには、実験
的には口で吹く所謂霧吹きを用いることができる。霧吹
きを用いるときには、燐酸カルシウムの粉末に充分な飛
翔速度を与えることができないので、素材シートと霧吹
きとの間隔は約30cm程度が好適である。
的には口で吹く所謂霧吹きを用いることができる。霧吹
きを用いるときには、燐酸カルシウムの粉末に充分な飛
翔速度を与えることができないので、素材シートと霧吹
きとの間隔は約30cm程度が好適である。
【0063】フィルタ材を工業的に製造するには、例え
ば数kg/cm2の空気圧で作動するスプレーガンを用
いるのがよい。このときの素材シートとスプレーガンと
の距離は約1m程度が好適である。長い素材シートをロ
ール状に巻いておき、固定されたスプレーガンの前方を
素材シートが連続的に移動するようにすれば大量生産に
向く。
ば数kg/cm2の空気圧で作動するスプレーガンを用
いるのがよい。このときの素材シートとスプレーガンと
の距離は約1m程度が好適である。長い素材シートをロ
ール状に巻いておき、固定されたスプレーガンの前方を
素材シートが連続的に移動するようにすれば大量生産に
向く。
【0064】素材シートへの処理液の噴霧量は、素材シ
ートが全面にわたって充分に濡れるように設定する。素
材シートに濡れない部分があれば、フィルタ材として完
成したときそこに孔が開いたのと同様であり、又、過度
に噴霧すれば、処理液が素材シートから滴下して無駄に
なるからである。
ートが全面にわたって充分に濡れるように設定する。素
材シートに濡れない部分があれば、フィルタ材として完
成したときそこに孔が開いたのと同様であり、又、過度
に噴霧すれば、処理液が素材シートから滴下して無駄に
なるからである。
【0065】素材シートが厚いときには、要すれば両面
から処理液を噴霧する。また、素材シートが所謂腰の弱
い紙シートである場合には、裏面にバックアップ板をあ
てて表面から噴霧する。すると、紙シートが処理液によ
りバックアップ板に貼り付き、後の取扱が容易になる。
から処理液を噴霧する。また、素材シートが所謂腰の弱
い紙シートである場合には、裏面にバックアップ板をあ
てて表面から噴霧する。すると、紙シートが処理液によ
りバックアップ板に貼り付き、後の取扱が容易になる。
【0066】請求項6及び請求項7に記載の発明は、処
理液を素材シートに付着させる第2工程が請求項2乃至
請求項5に記載の発明と異なり、調製された処理液を回
転するローラを介して素材シートに付着させる。
理液を素材シートに付着させる第2工程が請求項2乃至
請求項5に記載の発明と異なり、調製された処理液を回
転するローラを介して素材シートに付着させる。
【0067】上記素材シートとしては、天然繊維や合成
繊維或いはこれらの混紡糸或いは混合体よりなる織布、
不織布又は綿状の繊維体、ウレタンフォームの他、通気
性のある薄いパルプ紙或いは和紙を採用することができ
る。
繊維或いはこれらの混紡糸或いは混合体よりなる織布、
不織布又は綿状の繊維体、ウレタンフォームの他、通気
性のある薄いパルプ紙或いは和紙を採用することができ
る。
【0068】処理液を素材シートに付着させるには、図
1に示すように、処理液槽1の処理液2中に一部を浸漬
させ、水平な回転軸3を有するドラム4を連続的に回転
させ、このドラム4の表面を濡らす、という態様で処理
液槽1から処理液2を連続的に汲み出す。
1に示すように、処理液槽1の処理液2中に一部を浸漬
させ、水平な回転軸3を有するドラム4を連続的に回転
させ、このドラム4の表面を濡らす、という態様で処理
液槽1から処理液2を連続的に汲み出す。
【0069】一方、ベルト状の長い素材シート5をロー
ル状に巻いておき、この素材シートをアイドルローラ
6,6間に掛け渡す間に素材シート5をドラム4に接触
させる。図1に示す実施例に於いては素材シートは左か
ら右に巻き取られていくものとし、途中ヒータ7を通し
て乾燥させる。このとき、素材シートの送り速度はドラ
ム4の周速度を越えないように設定するものとする。そ
れは、素材シートの送り速度がドラム4の表面の周速度
を越えると、処理液の素材シートへの供給が間に合わな
くなり、素材シートに処理液が付着しない部分が生じる
からである。
ル状に巻いておき、この素材シートをアイドルローラ
6,6間に掛け渡す間に素材シート5をドラム4に接触
させる。図1に示す実施例に於いては素材シートは左か
ら右に巻き取られていくものとし、途中ヒータ7を通し
て乾燥させる。このとき、素材シートの送り速度はドラ
ム4の周速度を越えないように設定するものとする。そ
れは、素材シートの送り速度がドラム4の表面の周速度
を越えると、処理液の素材シートへの供給が間に合わな
くなり、素材シートに処理液が付着しない部分が生じる
からである。
【0070】上記したことから明らかなように、ドラム
4の周速度と素材シート5の速度との差により素材シー
ト5への処理液の付着量が変化する。そこで、処理液の
付着量は素材シートが充分に濡れるように設定するもの
とする。それは、処理液によって濡れない部分が在れ
ば、乾燥後その部分はフィルタ材として機能しないわけ
だし、又、濡れ過ぎても処理液が素材シートから滴下し
て無駄になるからである。場合によっては、図1に示す
ドラム4の回転方向を時計方向にしたままで、素材シー
トを右から左に送るようにしてもよい。
4の周速度と素材シート5の速度との差により素材シー
ト5への処理液の付着量が変化する。そこで、処理液の
付着量は素材シートが充分に濡れるように設定するもの
とする。それは、処理液によって濡れない部分が在れ
ば、乾燥後その部分はフィルタ材として機能しないわけ
だし、又、濡れ過ぎても処理液が素材シートから滴下し
て無駄になるからである。場合によっては、図1に示す
ドラム4の回転方向を時計方向にしたままで、素材シー
トを右から左に送るようにしてもよい。
【0071】請求項6及び請求項7に記載の発明に於け
る他の工程は、前記請求項2乃至請求項5に記載の発明
と同じであるからその説明を省略する。
る他の工程は、前記請求項2乃至請求項5に記載の発明
と同じであるからその説明を省略する。
【0072】なお、これは本発明の必須の構成ではない
が、請求項2乃至請求項8に記載の何れの発明方法に於
いても、完成したフィルタ材を例えば熱ロール間を通す
等して、約150℃程度で加熱プレスし、ヒートセット
するのが望ましい。それは、素材シートの繊維に食い込
んでいる燐酸カルシウムの粉末は別として、弱い水素結
合や静電結合等による繊維と燐酸カルシウムの粉末の結
合は、折り曲げを繰り返すうちに切れ易くなるからであ
る。ヒートセットは、繊維のネットワーク構造を加熱プ
レスして構造を密にし、この切れ易い結合を物理的に補
強するものである。ヒートセットにより結合水は抜け出
さず、自由水のみ追い出されるので、フィルタとしての
吸着性能が向上するという効果もある。
が、請求項2乃至請求項8に記載の何れの発明方法に於
いても、完成したフィルタ材を例えば熱ロール間を通す
等して、約150℃程度で加熱プレスし、ヒートセット
するのが望ましい。それは、素材シートの繊維に食い込
んでいる燐酸カルシウムの粉末は別として、弱い水素結
合や静電結合等による繊維と燐酸カルシウムの粉末の結
合は、折り曲げを繰り返すうちに切れ易くなるからであ
る。ヒートセットは、繊維のネットワーク構造を加熱プ
レスして構造を密にし、この切れ易い結合を物理的に補
強するものである。ヒートセットにより結合水は抜け出
さず、自由水のみ追い出されるので、フィルタとしての
吸着性能が向上するという効果もある。
【0073】上記のようにして製造されたフィルタ材の
ウィルス吸着能の一例を下記の表1に示す。なお、本発
明方法によって製造されたフィルタ材は、何れの製造方
法によってもほぼ同じ性能を示す。
ウィルス吸着能の一例を下記の表1に示す。なお、本発
明方法によって製造されたフィルタ材は、何れの製造方
法によってもほぼ同じ性能を示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1は、サンプルにインフルエンザウィル
ス(A/PR/8)浮遊液を通過させ、通過液のウィル
ス力価をニワトリ赤血球凝集反応及び中和反応より求め
た。サンプルの欄のブランクはインフルエンザ浮遊液を
全然濾さなかった場合を示す。 また、赤血球凝集反応
とは、ニワトリの赤血球がインフルエンザウィルスを介
して相互に凝集する反応をいい、これを利用して、凝集
の有無によりインフルエンザウィルスの有無を検定する
ことができる。力価256は、通過液を1/256に希
釈しても凝集が生じたことを示す。さらにまた、中和反
応とは、インフルエンザウィルスがヒトの退治の肺細胞
に付着するとこれを破壊する反応をいい、力価の104
は破壊された細胞の数を示す。
ス(A/PR/8)浮遊液を通過させ、通過液のウィル
ス力価をニワトリ赤血球凝集反応及び中和反応より求め
た。サンプルの欄のブランクはインフルエンザ浮遊液を
全然濾さなかった場合を示す。 また、赤血球凝集反応
とは、ニワトリの赤血球がインフルエンザウィルスを介
して相互に凝集する反応をいい、これを利用して、凝集
の有無によりインフルエンザウィルスの有無を検定する
ことができる。力価256は、通過液を1/256に希
釈しても凝集が生じたことを示す。さらにまた、中和反
応とは、インフルエンザウィルスがヒトの退治の肺細胞
に付着するとこれを破壊する反応をいい、力価の104
は破壊された細胞の数を示す。
【0076】又、本発明方法によって製造されたフィル
タ材の細菌吸着能力の一例を表2に示す。
タ材の細菌吸着能力の一例を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】表2は、サンプルに、それぞれ大腸菌、黄
色ブドウ球菌及び緑膿菌を浮遊させた原液を通過させ、
通過液に於ける細菌数により各サンプルの細菌吸着能力
を示す。なお、各原液に於ける細菌数は106であっ
た。表2から明らかなように、本発明によるフィルタ材
は細菌をほとんど通過させない。
色ブドウ球菌及び緑膿菌を浮遊させた原液を通過させ、
通過液に於ける細菌数により各サンプルの細菌吸着能力
を示す。なお、各原液に於ける細菌数は106であっ
た。表2から明らかなように、本発明によるフィルタ材
は細菌をほとんど通過させない。
【0079】次に、本発明によるフィルタ材の脱臭能力
の一例を下記表3に示す。
の一例を下記表3に示す。
【0080】
【表3】
【0081】表3は、脱臭能力を静置脱臭性能評価によ
り示す。静置脱臭性能評価とは、3リットルテトラバッ
クに、初期濃度(100ppm又は50ppm)の臭気
物質と一辺が10cmの正方形のフィルタ材とを入れ、
各サンプリング時間に於ける測定濃度(検知管による測
定)を例えばppmを単位とする数値で示す。
り示す。静置脱臭性能評価とは、3リットルテトラバッ
クに、初期濃度(100ppm又は50ppm)の臭気
物質と一辺が10cmの正方形のフィルタ材とを入れ、
各サンプリング時間に於ける測定濃度(検知管による測
定)を例えばppmを単位とする数値で示す。
【0082】また、本発明によるフィルタ材の脱臭能力
の他の例を下記表4に示す。
の他の例を下記表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】表4は脱臭能力を通気脱臭性能評価により
示す。通気脱臭性能評価とは、初期濃度(100ppm
又は50ppm)の臭気物質を含む空気流にフィルタ材
を通過させ、フィルタ材通過後の臭気物質を例えばpp
mを単位とする数値で表わしてフィルタ材の脱臭能力と
する。
示す。通気脱臭性能評価とは、初期濃度(100ppm
又は50ppm)の臭気物質を含む空気流にフィルタ材
を通過させ、フィルタ材通過後の臭気物質を例えばpp
mを単位とする数値で表わしてフィルタ材の脱臭能力と
する。
【0085】具体的には、通気供給用の3リットルテト
ラバックと、通気回収用の3リットルテトラバックとを
通気管で相互に接続し、この通気管に、供給側から順
に、ポンプ、流量計及びフィルタ材ホルダを挿設し、ポ
ンプにより供給側テトラバックの有臭空気にフィルタ材
を強制的に通過させ、回収側テトラバックに送給された
空気の残存有臭物質を検知管を使用して濃度測定する。
なお、表4のデータに於ける空気流量は1リットル/
分、フィルタ材ホルダに於けるフィルタ材の通気面積は
15cm2であった。又、表4に於ける差圧は、フィル
タ材の前後に於ける気圧差を示す。
ラバックと、通気回収用の3リットルテトラバックとを
通気管で相互に接続し、この通気管に、供給側から順
に、ポンプ、流量計及びフィルタ材ホルダを挿設し、ポ
ンプにより供給側テトラバックの有臭空気にフィルタ材
を強制的に通過させ、回収側テトラバックに送給された
空気の残存有臭物質を検知管を使用して濃度測定する。
なお、表4のデータに於ける空気流量は1リットル/
分、フィルタ材ホルダに於けるフィルタ材の通気面積は
15cm2であった。又、表4に於ける差圧は、フィル
タ材の前後に於ける気圧差を示す。
【0086】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、燐酸カルシウムの粉末をβ−1,3−グルカンを介
して素材シートに結合するようにしたので、安価な原材
料を簡単な工程で加工することにより、従来存在しなか
った驚異的な病原性及び抗原性微粒子吸着性能を有する
フィルタ材を得ることができる、という優れた効果を奏
する。
は、燐酸カルシウムの粉末をβ−1,3−グルカンを介
して素材シートに結合するようにしたので、安価な原材
料を簡単な工程で加工することにより、従来存在しなか
った驚異的な病原性及び抗原性微粒子吸着性能を有する
フィルタ材を得ることができる、という優れた効果を奏
する。
【0087】又、燐酸カルシウムの粉末を素材シートに
結合するβ−1,3−グルカンは水に不溶なので、この
発明によるフィルタ材は吸湿による変質や性能の劣化が
なく、長期間の保存に対して安定であるばかりか、例え
ばマスク等多湿の呼吸気を通過させる使用に対して特に
有効である。
結合するβ−1,3−グルカンは水に不溶なので、この
発明によるフィルタ材は吸湿による変質や性能の劣化が
なく、長期間の保存に対して安定であるばかりか、例え
ばマスク等多湿の呼吸気を通過させる使用に対して特に
有効である。
【0088】更に又、処理液にカルボキシルメチルセル
ロースを添加したので、調製された処理液の粘度が増大
し、処理液中に分散した燐酸カルシウムの粉末がほとん
ど沈殿しなくなるので、素材シート付着された処理液の
組成を常時一定に保つことができ、したがって得られた
フィルタ材の性能を均一に保つことができる、等種々の
効果を奏する。
ロースを添加したので、調製された処理液の粘度が増大
し、処理液中に分散した燐酸カルシウムの粉末がほとん
ど沈殿しなくなるので、素材シート付着された処理液の
組成を常時一定に保つことができ、したがって得られた
フィルタ材の性能を均一に保つことができる、等種々の
効果を奏する。
【図1】請求項6及び請求項7に記載の発明を説明する
ための線図。
ための線図。
1 処理液槽 2 処理液 3 回転軸 4 ドラム 5 素材シート 6 アイドルローラ 7 ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 1/28 8720−4D
Claims (7)
- 【請求項1】 燐酸カルシウムの粉末をβ−1,3−グ
ルカン及びカルボキシルメチルセルロースを介して素材
シートに付着させたことを特徴とするフィルタ材。 - 【請求項2】 0.5〜30重量パーセントの燐酸カル
シウムの粉末、0.5〜10重量パーセントのβ−1,
3−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボ
キシルメチルセルロースを温水中で高速攪拌して処理液
を調製する第1工程と、この処理液中に素材シートを浸
漬させて引き上げる第2工程と、引き上げた素材シート
を乾燥する第3工程とを有することを特徴とするフィル
タ材の製造方法。 - 【請求項3】 0.5〜10重量パーセントのβ−1,
3−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボ
キシルメチルセルロースを温水中で高速攪拌した後0.
5〜30重量パーセントの燐酸カルシウム粉末を投入し
て低速攪拌することにより処理液を調製する第1工程
と、この処理液中に素材シートを浸漬させて引き上げる
第2工程と、引き上げた素材シートを乾燥する第3工程
とを有することを特徴とするフィルタ材の製造方法。 - 【請求項4】 0.5〜30重量パーセントの燐酸カル
シウムの粉末、0.5〜10重量パーセントのβ−1,
3−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボ
キシルメチルセルロースを温水中で高速攪拌して処理液
を調製する第1工程と、この処理液を素材シートに噴霧
する第2工程と、処理液を噴霧された素材シートを乾燥
する第3工程とを有することを特徴とするフィルタ材の
製造方法。 - 【請求項5】 0.5〜10重量パーセントのβ−1,
3−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボ
キシルメチルセルロースを温水中で高速攪拌した後0.
5〜30重量パーセントの燐酸カルシウム粉末を投入し
て低速攪拌することにより処理液を調製する第1工程
と、この処理液を素材シートに噴霧する第2工程と、処
理液を噴霧された素材シートを乾燥する第3工程とを有
することを特徴とするフィルタ材の製造方法。 - 【請求項6】 0.5〜30重量パーセントの燐酸カル
シウムの粉末、0.5〜10重量パーセントのβ−1,
3−グルカン及び0.1〜10重量のカルボキシルメチ
ルセルロースを温水中で高速攪拌して処理液を調製する
第1工程と、この処理液を回転するローラを介して素材
シートに付着させる第2工程と、処理液を付着させた素
材シートを乾燥させる第3工程とを有することを特徴と
するフィルタ材の製造方法。 - 【請求項7】 0.5〜10重量パーセントのβ−1,
3−グルカン及び0.1〜10重量パーセントのカルボ
キシルメチルセルロースを温水中で高速攪拌した後0.
5〜30重量パーセントの燐酸カルシウム粉末を投入し
て低速攪拌することにより処理液を調製する第1工程
と、この処理液を回転するローラを介して素材シートに
付着させる第2工程と、処理液を付着させた素材シート
を乾燥させる第3工程とを有することを特徴とするフィ
ルタ材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34971492A JPH06170131A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | フィルタ材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34971492A JPH06170131A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | フィルタ材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06170131A true JPH06170131A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18405604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34971492A Pending JPH06170131A (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | フィルタ材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06170131A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021246373A1 (ja) * | 2020-06-01 | 2021-12-09 | 株式会社トレスバイオ研究所 | 分散液 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP34971492A patent/JPH06170131A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021246373A1 (ja) * | 2020-06-01 | 2021-12-09 | 株式会社トレスバイオ研究所 | 分散液 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Li et al. | Role of alginate in antibacterial finishing of textiles | |
CN103170004B (zh) | 一种制备含银纤维伤口敷料的方法 | |
JP7290341B2 (ja) | 分子篩/繊維複合材料及びその製造方法 | |
US5143752A (en) | Filtering material of apatite and glucan used for surgical masks and method of making it | |
EP3632477B1 (en) | Antibacterial wound dressing and preparation method and application thereof | |
CN102453968A (zh) | 含纳米金属的抗菌性纤维、织物和伤口敷料及其制备方法 | |
JP6933411B2 (ja) | 止血複合体及びその製造方法 | |
JPS58131133A (ja) | 吸収材料の製造方法 | |
CN102743785A (zh) | 含银创伤护理装置、其组合物及制造方法 | |
JPH11505468A (ja) | シート状超吸収性構造物 | |
CN101716362B (zh) | 一种含二氧化氯的杀菌消毒材料及其应用 | |
JPH0568820A (ja) | フイルタ材の製造方法 | |
CN1702219A (zh) | 活性炭无纺布及其制造工艺 | |
JPH054007A (ja) | フイルタ材の製造方法 | |
RU2716449C1 (ru) | Влагопрочная волокнистая основа с регулируемой влагопрочностью и стойкостью к увлажнению и способ ее изготовления | |
Plohl et al. | Screen-printing of chitosan and cationised cellulose nanofibril coatings for integration into functional face masks with potential antiviral activity | |
JPH06170131A (ja) | フィルタ材及びその製造方法 | |
JP2000135277A (ja) | 抗菌消臭剤とそれを用いたフィルタ | |
JPH06106012A (ja) | フィルタ材及びその製造方法 | |
KR970002182B1 (ko) | 필터재 및 그의 제조방법 | |
CN201888952U (zh) | 抗菌性纤维类自粘贴伤口敷料 | |
JP3053727B2 (ja) | 繊維集合体及びその製造方法 | |
JPH05106199A (ja) | 抗菌性繊維 | |
JP3106251B2 (ja) | 植物繊維とキトサンの複合多孔質体の調製方法 | |
JPS6216962B2 (ja) |